ギャップが刺さった話。

 

 私が高校生のときの話です。

 教室でたまたま私の前に座った男子が、ちょっと髪が長く結んだりしていて服装も相まってバンドマンみたいな、個人的に私の好きなタイプだったのですが、体育の授業でポートボールをしたときに、その男子がめちゃくちゃ全力で、勢い余って転けて先生が試合中断させたにも関わらず、中断させた理由が自分だということに気づかないくらい全力で、恋するところでした。

 見た目から、体育なんてやりたくないタイプだと私が勝手に思っていたこともあって、かなり萌えました。

 ですが、これが通信制高校のスクーリングだったために会う機会がもう無く、この直前まで付き合っていた彼氏のせいで私には彼氏という関係の人間はいらないと思っていたのでこれ以上は進展しませんでした。

あかりんご

 ギャップ系の王道。競技がサッカーとかバスケとかの王道のやつじゃなくてポートボールなのがまた良いな。全力ポートボールって見たことないもん。

 

 歯医者さんで親知らずを抜くことになった時の出来事です。

 私の担当になった先生は喋り方が超テキトーな先生で、大変失礼なのですが、この先生で大丈夫なのかな、、?と思ってしまうほどでした。

 ですがいざオペが始まるとすごく丁寧な手つきで、痛みを一切感じさせることなく私の親知らずを一瞬で抜いてくれました。しかも抜く時には、「痛いよね、ごめんね。我慢してえらいね。もうちょっとだよ。」と普段の口調とは打って変わって超絶優しい口調で声をかけてくれました。

 オペが終わると「おっけー!おわったよー!」と普段のテキトー口調に戻っていたのですが、帰り際に、「今はまだダメだけど、傷が塞がったら〇〇さんの大好きな食べ物たくさん食べてね。」とまた優しい口調で言ってくれました。

 かかりつけの歯医者さんではなかった関係でその先生とはそれ以降会うことがなく、完全に恋に落ちることはありませんでしたが、思い出すたびに心が暖かくなります。

れい

 歯医者で言われたい言葉全部言ってくれるじゃん。

 

 ど下ネタを最初から放り込んできたからうっすら嫌いだったバーコードハゲ上司。

 その上司が頼み込まれて知り合いの息子の見合い相手を探して私に声をかけて来たんですが、なんか話しかけたそうだったけど人が来たからやめるを繰り返してようやく見合い話だと分かった時、危なかったです。

 えげつないど下ネタを初対面でほりこんで来るくせに、まず私に彼氏がいるかいないかとか見合いを受ける意思があるかどうかを私の意思とメンツ等気遣って人に聞かれないように徹底してるのにグラグラきました。

 地域ですごい結果を出していた武道の指導者だったというのもその時わかり危うかったんですが「バーコードハゲやぞ!しっかりしろ!」と自分に喝を入れてなんとか正気を保ちました。

うっかりんご

 バーコードハゲじゃなかったら落ちてたのか考えてみてほしいぜ!

 

 大学4年の冬、国家試験勉強のために登校してた私に絡んでくるようになった2学年下の後輩がいました。
 お互い恋人いるのに会うたびに口説いてくるので、なんだこいつ最悪〜と思いながらも褒められるのは嬉しいし気も合うのでそこそこ連絡を取っていました。

 ある日、急に「おれの秘密教えてあげる」って言われてそいつの実年齢が私より2個年上だったことを暴露されました。
 自分が年下の生意気なガキをあしらってると思っていたのが年上の兄ちゃんに遊ばれてたんだ…!って事実に気づいた瞬間、危なかったです。
 ルッキズムの権化みたいな人間だったので恋には落ちませんでした。

まんまるみかん

 秘密をこっそり教えてくれるのも良いしその内容も程よくドキドキするやつで良い。恋しなかった理由も良い。やめておこう!

 

 高校入学してすぐの頃の話です。

 今もそうなのですが、当時から根暗なヲタクだった私は気の合う友達など皆無で、新しい環境に適応できるのだろうかと一抹の不安を胸に初日を迎えました。

 午前中にある程度の自己紹介を終え、放課後にクラスの女子に絡まれ世間話をしていたとき、おとなしめの印象を持っている女子のひとりが「わたし実はアニメとか漫画とかのヲタクでして……」と告白しました。

 社交的ではないタイプの私は、何故かそれに食いついてめちゃくちゃ話が盛り上がりました。そのときは、まだ恋に落ちそうな予感はありませんでした。それは、唐突にスポーツ漫画の話にシフトチェンジしたときのことです。

 彼女は主に球技系の漫画が好きだったのですが、スポーツとかに興味がない私はその良さにいまいちピンと来ていませんでした。そこで、自然に「どんなところが好きなんですか?」と聞いてみたところ、とろけるような眩しい笑顔で「なんか、キンタマ叩き合っているように見えません?」と囁かれ、潜在的なるあらたな性癖が覚醒しました。

 その後は同担拒否とか解釈不一致とかが発動して、恋愛とかのムーヴメントには発展しませんでしたが、野球の試合とか見ているとすごく興奮するようになりました、色んな意味で。

なるほど、野球って棒とタマだよね

 エピソードの選定をしながら「これだけは何がなんでも掲載しよう」と思ったくらい良い。最高。全然意味はわからないし共感もできないけど。

 

 中学生のときの話です。

 自分の一つ前の席に座っていたバンギャ系の女子が授業中に突然席を立ち、窓の方へ歩いて行きました。何事かと思いよくよく見てみると、どうも蜘蛛か何かの虫を窓から外へ逃がしてあげていたようです。終始無言で、逃がした後は何事もなかったかのようにすぐに席に戻っていました。

 それだけなのですが、授業中に勝手に席を立つ無法さと、虫を逃がしてあげる優しさのギャップにときめきました。異性だったら完全に恋に落ちていたと思います。

先生はスルーしてました

 程よい〜。「お、なんかいきなり立ちやがったぞ」というのをほっとける周りの空気もまた良いな。

 

 中学の頃、クラスで初恋の話題になり、委員長のガリ勉くんが彼と同じ小学校の子に「お前の初恋3組の○○さんでしょ?」とバラされていた。

 いかにも恋愛なんて興味ありませんみたいなタイプの子だと思っていたので、私が「ガリ勉くんも好きな子とかできるんだ」と言うと、真面目な彼がムッとした顔で「僕だって男ですよ」と呟いた。

 好きになることはなかったが、今まで男らしさを全く感じていなかった真面目な彼がその瞬間から「異性」になった。

ひつじのショーン

 ここでこの返しができるガリ勉くんマジでかっこいい。

 

 中学2年生の時の話です。

 プールの授業の後、教室で濡れた髪の毛(いつも一つに結んでいる)をほどき、タオルで拭いていました。

 そのとき、横を通りかかった、同じクラスで個人的に苦手意識を持っていた問題児系男子(背が低い)がひょいっと顔を覗き込んで「妖精みたいだね」って言ってきたのが衝撃的でした。あれはときめきだったのか、その人からそんな語彙が出てきた驚きだったのか、今となっては判断が付きません。

 ただ、普通に素行が悪すぎたので好きにはならなかったです。

無記名

 意外な人から意外な言葉で褒められるの本当に危ないのはなんかわかる。「妖精みたい」って語彙良すぎる。

 

 小学生の頃、社会の授業でヒマラヤ山脈を習うことがあって、そこから名前が似てるってことで同じクラスの平山くんがいじられる流れになりました。

 それを普段ガヤガヤやってるタイプの平山くんが茶化すわけでも「やめろよ〜」とか言うわけでもなく、ただ照れくさそうにニコニコしてたのがなんかもう訳わかんなすぎてちょっとだけ刺さりました。

 なんで刺さったのかも訳わかんないですけど、ああいううるさいタイプの男子が苦手だったので恋とかではなかったような気もします。

地理は得意

 自分で自分がわけわからなくなってるのが伝わってきて良いエピソード。ヒマラヤ山脈の時にいじられる平山くん、全国にいるんだろうな。

 

 高校生の頃、おとなしめでThe女の子みたいな可愛い子と席替えで前後になったことがありました。
 授業中、ふと顔を上げるとその子がiPadでYouTubeを見ているのが目に入りました。でっかいカマキリとハチを戦わせている?動画でした。

 あまりのギャップに驚いて授業後に話しかけると、昔から虫が好きでつい動画を開いてしまうのだと恥ずかしそうに教えてくれました。

 それを皮切りによく話すようになり、授業の合間におすすめしてくれたマイナーな芸人のよくわからないコントを一緒に見たりしました。
 次の席替えで離れてからは話す機会が減ってしまったことや、同性同士なこともあり恋に落ちることはなかったけど、「こんな可愛い子の変わった趣味を私だけが知っている」という状況には今でもグッときます。

もつ鍋

 おとなしめな女の子が虫殺し合い動画見てる時点でその光景を切り取って額縁に入れて飾っておきたい良さがあるな。

 

 一旦落ち着いたら冷めた話など。

 

 知り合いの男性に「君の性格的には、俺よりも僕って一人称の方がしっくりくるよ。」と伝えた数日後、彼のインスタにあった自撮りのハイライトのタイトルが、カメラの絵文字から「僕」に変わっていました。それを見た瞬間はグッときましたが、「僕」というタイトルの自撮りハイライトってなんかしゃらくせえな、と思って恋には落ちませんでした。

ただ、顔はたしかに良い。

 あんまりだ。でもまあ言わんとすることはわかる。

 

 小学6年生の時です。卒業式の前日に学年全員が体育館に集められ、卒業アルバムの寄せ書きのページに友達と書き合うという時間が設けられました。

 友達の少ない私は時間が余ってしまい、一人で暇していたところに、違うクラスの男の子が
「〇〇に書いてほしい!〇〇のも貸して!」
と言われた瞬間は嬉しくて凄くドキドキしました。

 ページを開くとその子は同学年全員から書いて欲しかっただけと気づき、恋には落ちませんでした。

無記名

 全国にこういう話が無限にあるんだろうな。みんなで「あったな」と思って慰め合おう。

 

 期待に胸を膨らませて小学校一年生の最初の日、名前の順で机が並べられていて、たまたま同じ苗字の男子と隣同士でした。そのせいでクラスメイトから「お前ら夫婦かよ〜」みたいなイジリを受け続けて小学生ながらに辟易していましたが、ある日その子から家に遊びにこないかと誘われました。

 彼はゲームやおもちゃを惜しみなく遊ばせてくれて楽しい時間を過ごし、「なんだ、良いやつじゃん」と少し彼をかっこよく思えてきました。ちょっと外遊びもするかということになり庭に出ると、彼の弟が突然プラスチックのバットで思いっきり私の頭を殴りました。剣道だったら一本とられるレベルで。

 もしかしたら兄との遊び時間を盗られた腹いせだったのかもしれませんが、こんな凶暴な一家とは付き合ってられん!と思い、ほんのり沸き始めた恋心は消え失せました。

ぬめりちゃん

 本人のせいではないけど冷めるには十分な理由。

 

 私は高校生時代、吹奏楽部でした。

 ある日の合奏終わりのこと、部長が「十五分後までに片付けてください」と言いました。それを聞いたバリトンサックス(片付けに時間がかかる楽器)の先輩が「そんなんじゃ間に合わへん」と言って、そうしたらその先輩の友達が「でもお前少しでも時間あったら楽器吹いて時間遅れるやん」と先輩に返しました。

 それを聞いた先輩は、「なんでそんな意地悪言うん」って情けなさそうな声で言ってて、それを聞いた瞬間私は胸ぐらを掴まれるような、頭を揺さぶられるようなそんな感情に襲われました。

 先輩は強面で身長が高く、怖そうな印象を持っていたからこそ、その弱そうな姿になおさらキュンとしたのです。

 そのあと部長が「じゃあ二十分後までにします」と言ったらそれに小声で「ありがとうございます…!」と言っててそれも可愛くてキュンときたのですが、普通にそのあと楽器吹いてて時間に間に合ってなかったので引きました。

好きな人はからかいたいタイプ

 しっかりダメなやつで笑ってしまった。

 

 中学生の頃、私のことをよく揶揄ってくる小動物っぽい女の子がいたのですが、ある日の朝礼前、その子に「今日、お前にカンチョーをする」と宣言されました。
 その後、その子に背後を取られるたびに、必死に自分のお尻を守っていたのですが、そんな私の反応を見て、悪戯っぽく笑っている姿がとてもかわいらしく、思わずどきどきしてしまいました。
 結局、放課後にされたカンチョーが本気で痛かったので、恋には落ちませんでした。

数年後に痔になりました

 目的はともかく自分を狙ってる女の子がいるって状況で結構キュンキュンくる。オチを見るに本当に本当にただ本気でカンチョーしたかっただけなんだろうけど。

 

 中学校に入学したての頃、同級生の男の子に「〇〇ちゃん可愛いもんね」と会話の流れでサラッと言われて恋に落ちかけました。

 私が通っていた小学校の男子は女子に「ゴリラ」とか「ブス」とか言うアホしか居なかったので、男の子に可愛いと言われた経験が全く無く、なんの耐性もついていなかったからです。しかもその子は中一にしては背が高かったので更にかっこよく見えました。

 しかし、その同級生と同じ小学校に通っていた女子が「あいつは誰にでも可愛いって言うから騙されるな」と言っていたので、普通に冷めました。
 ちなみに私と同じ小学校に通っていた女友達も何人か同じような被害にあっていて、私と全く同じ理由で冷めていました。

無記名

 でも「ゴリラ」とか「ブス」とか言ってるやつよりずっと良いやつではあるし、こちらを可愛いと思っていることは間違いないんじゃないか。いや、自分だけに言ってればな……というのはあるか。

 

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