前回の記事はこれだぜ! あとで読んでもいいぜ! 

「もうちょっとでしそうだったが、間一髪でしなかったぜ!」みたいな話。

 

 仮に、恋のキューピッドみたいなのが実際にいるとする。(神話ではキューピッドは全裸の子供の姿とされているが、実際はこのように光る象に乗ったナ月の姿をしている)

 

 そして人間を恋に落とすために、矢を構えているとする。

 

 LOVE OR DIE!! (恋するか、さもなくば死ね!)

 

 

 しかし、あれだけでかい矢を放っても急所を外してしまうことがある。仕損じた。

 

 こんな感じで、弓の名手キューピッドとて、人間を仕留め損なうケースもある。こんな時、狙われていた人間はこう感じている。

 

「あっぶねえ〜! もうちょっとでするところだったぜ!」

 

 あるよな。俺も、合宿免許初日に知らんギャルから「イケボのお兄さん」って呼ばれてちょっとドキドキした上で、最終日に「おいイケボ」ってぞんざいに呼ばれた時は危うく恋するかと思った。

 そんな恋愛ヒヤリハット事案の報告会。恋するところだったけどギリ踏みとどまった、恋バナ未満の話をする記事だ。大好評ありがとう。

 過去にやった2回で皆様がかなり「なるほどこういう記事ね」というのを掴んだらしく、めちゃめちゃ良質なエピソードがドサドサきた。本当に良いのばかりきた。全部は紹介できないぜごめんね。

 

 さて読む前に約束してほしいことが2つあるのでそれだけ守ってほしい。

・「ただし顔が良いやつに限る」等それに類することを思ったとしても言ってはいけない。そういう話はしてないし、身も蓋もないので。
・「これはキモいだろ」と思っても言ってはいけない。自分が恋しかけた話をネットの知らんやつにキモいと言われたら悲しいので。

 どうしても言いたくなったら舌を噛んで我慢してくれ。

 でははじめます。

 

 言動などがなんかブッ刺さりかけた話。

 

授業中に隣の女子とノートの端を使って五目並べをしていて、負けた僕の手の甲にその子がペンで「×」と書いて得意げに笑ってたのがヤバかった。
高校3年間ずっとクラス同じだったのに結局何もなかった。

モグラ

 読んでて恋しそうになってきた。でもこれはもう恋とは別の、何か極まった関係の一つかもしれないな。

 

高校生の時。
ながれは覚えてないけど、私の方が〇〇のこと好きだよみたいな小競り合いを、本人を前にして、別の友人と繰り広げていました(全員同性)。
その時に取り合いっこされてた友人が放った『争え、勝った者だけ愛してやる』という言葉が刺さって抜けません。
言われた瞬間に私の顔は紅潮し、動悸が止まらなくて、今まで落ちたどんな恋よりも恋らしいものでした。
でも何故か覚めるのもすごく早かったです。
一緒に取り合いっこしていた友人には『人が恋に落ちる瞬間をこんなに分かりやすく初めて見た、でもこのセリフではみたくなかった』と冷めた目で言われました。

☆ゆっこ☆

 何が刺さるかって言われるまでわからないよな。元々偉そうなキャラが好きだったとか、兆候があったのか気になる。

 

友人(男)がペンタブを使って絵を描いており、当時の私(男)はペンタブを初めて見たので、物珍しさでじっと友人の様子を眺めていました。
すると急に友人が私の手を掴み、ペンタブのタッチペンで私の手をなぞってきました。
私の手の甲やひらに何か文字を描いているような感じでしたがよく分からず、くすぐったくて変な声が出てしまいました。
そんな私に対し、友人が「手、弱いんだね」と言ってきてかなりドキドキしましたし、興奮もしていました。
自分が女性だったら確実に恋していたと思います。
あれ以来手が性感帯です。

にみりん

 本人のジェンダーがブレーキになってギリ恋しなかったタイプのエピソードは、感情の強さだけで言えば恋と同等くらいのなんかはあるよな。

 

小学生の頃、新しいスカートを履いて学校に行ったら、隣の席のお調子者の男子に「お姫様みたいだね」と言われた。
スカートのデザインのことだと思うけど面と向かってお姫様と言われてキュンとした。

ちゃま

 女子の容姿への感想で「お姫様」ってワードがサッと出てくること自体に結構キュンとするかもしれん。

 

中二の夏。暇でほぼ毎日ブックオフへ立ち読みしに行っていたら、高頻度でひとつ年上の幼なじみも居ることに気づいていたけれど話しかけはしなかった。
ある時お店を出る時のタイミングが重なって「ほぼ毎日来てましたよね?受験生なのに〜!」と声掛けたら「私もお前が居ること、気づいてたからね?」と笑われた時、胸がギュウンとなりました。

マーメイド親方

 ア〜〜話しかけるでもないけど「あいつ今日もいるな」ってお互いに意識している程度の関係〜〜。そこから一歩だけ進んだ時の、あの、キャ〜〜

 

深夜3時頃のLINEの会話中、マジレスされたのでオードリーのノリで「本当のことを言うなよ」と送ったら
「本当のことを言う時間でしょ」と即返されたとき 深夜3時の捉え方がいい女すぎて惚れかけた

洗顔

 これはちょっと素敵すぎるな。詩だ。

 

今まで話したこと無かった会社の後輩女子が、突然僕の食べていたバームクーヘンを食べてきた。
なんでそんなことするのか聞いたら「友達になろうと思ったからお菓子を奪いました」と言われた時不思議とちょっとキュンとしちゃった。

その後ずっとお菓子は食べられ続けたし、なんならご飯も食べられていったので正気に戻った。
なんやかんや友達にはなった。

無記名

 あつかましいのに敬語なのがなんか良い。その人はずっとそうやって友達を作ってきたんだろうか。まあ、実際友達にはなれてるしな。

 

 私は高校時代、授業を集中して聞きたいがために教卓前の席を選んでいました。
その席にいると集中できるのですが、先生が話しかけてくるのヤだな~とは思っていました。
ある日、古文の授業を受けていると、先生が熱心に「この部分はギャグのようになっていて~」などと説明していて、日本語ってその頃からギャグあんだ!スゲー!とウキウキしている私が視界に入ったのか、にこやかに「な、面白いだろ?」と言われ、もしかして教室には私たちだけなのかも…と一瞬錯覚しました。
その先生は普通にめっちゃ年上だし生徒を「尻の青いガキ」というような人だったので恋には至りませんでした。危ない。

トマトマトマト

 先生側から見れば、普段から尻の青いガキ呼ばわりしていたことで生徒から恋されるのを防げたので、正しい立ち回りだったのかもしれない。

 

色々あって三年ぶりに会った塾の先生(男)に「変わったね〜、一瞬誰だかわかんなかったわ」と言われ、(まあ髪も染めたしメイクも覚えたしな…)と思いながら他愛もない話をしていたら、登っていた階段の踊り場で突然くるっと振り向かれ、「いや、でも笑い方は変わんないな」と言われた時。
ゴリッゴリの既婚者だったので耐えた。

ド・モルガン

 たしかに笑い方ってめちゃめちゃ個性出るところだけど普段意識しないしな。死角から殴られたようなエピソードだ。

 

高校に入学して2、3日後に席の近い子たちと話していると、一人の子が私の顔を見て、 「〇〇(私の下の名前)ちゃんやろ!覚えたで!」 とニコッとして言ってくれました。
え、そんなことができる人がいるんだ、、ととても驚いて落ちかけましたが、女子校だったのでなんとか耐えました。

惑星

 そんなことできる人がいるんだ……

 

中学の給食の時間、トンカツには下味があるから何もかけない派の男子が他の男子に「ありえないだろ!?」と言われて少数派になっていたのだが、私自身も下味だけで食べる派だったので加勢した。
その後、オムライスも中身にケチャップ入ってるなら上にかけなくていいよな!という意見まで一致して感動した。
あまり接点のない人とめちゃめちゃどうでもいいこだわりが一致すると好きになりかけて危ない。

もやし麺

 しょうもないこだわりが重なりまくると運命を感じてしまいそうだけど、しょうもなさすぎて恋までいかない感じが良い。

 

高校生の頃に班で放課後に残って課題発表の準備をしていたとき、夜に同じ班の女子がカロリーメイトを食べだしたので『カロリーメイトって小さいけど結構カロリーあるよね(凄い商品だよね、という意味)』と言ったところ、凄く嫌そうな顔で『うっさいなぁー』って言われてときめきました。
女性に強い口調で怒られる経験がそれ以来一切ないです。

しやみ

 めっちゃめちゃ悪印象与えながらもこっちは恋しかけている非対称さが歪で美しいな。

 

大学時代、居酒屋でバイトしていた頃。
一緒に働いていた女性が店長の理不尽なキレを食らって泣いていたので、涙を拭けるものを渡してバックルームで休んでから仕事を再開してもらいました。

帰り際「今度パーッと遊びに行きましょう。嫌なことは忘れるのが1番です。」的な励ましを言ったところ「……ね、後ろ向いて」と言われ、強くて長めのバックハグをされました。
思春期を男子校で過ごしたチェリーボーイがよくあれで恋に落ちなかったなと今でも思います。

テルミット参鶏湯

 これは逆で、チェリーボーイだったからこそ脳に処理落ちが発生したのではないかと思う。

 

大学の第二外国語の授業で同じクラスだった(おそらく良い家の)女の子と、大学から駅までの夜道を歩いていたら、アスファルトの上で干からびそうになっているミミズがいた。
私は気持ち悪いなと思って通り過ぎようとしていたが、彼女はブランド物の鞄からすかさずevianのペットボトルを取り出してミミズにかけながら、「生き延びろよー」と声をかけていた。
彼女はオレンジのワンピースを着ていた。

意味の論理学

 最高。エピソードのディテールが大変細かいのも良い。

 

中学の頃、大雨洪水警報が出て早めの下校を促された時、バスもなかったので雨の中歩いて帰りました。
下校中増水した川を見て女友達が「あの川を触りに行きたい」と言ったとき、心の中で何かが動きました。
10分くらい押し問答をした結果、何とか制止できたので良かったです。

わんこそば

「絶対に止めなきゃ」という使命感は、相手を強く思うという点では恋に近いかもしれない。しかしそいつもよく10分も粘ったな。

 

学校の休み時間に名探偵コ●ンのOP曲を鼻歌していたら急に隣から「俺は高校生探偵工藤新一・・・」とボソッと言ってくれた子にキュンとしました。

あじたま

 まず嫌いな相手には絶対しない行為だもんな。鼻歌にナレーション入れる行為。

 

時々話すくらいのバイト先の後輩が突然近寄ってきて、「先輩これあげますね」って言ってポケットにものを突っ込んできました。
確認したらコンビニでウインナー買った時とかに貰えるマスタードとケチャップを2つ折りにするやつだった時、ちょっとぐらっときました。
それが要らないものすぎて冷静になれましたが、チョコとかだったら恋してたかも。

さぼてん

 すごい、完璧な温度感。たしかにチョコとかだったら恋だし、噛んだガムとかなら殴ってるし。ギリ有用なものなのが良いよな。

 

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