前回はこちら!! べつに順番に読む必要はないぞ!!

あなた「あ、一際輝く天体だ! なんだろう!」

 俺だよ。

 ナ月だよ。

 熊本県が宇宙から福岡県をスパイするための人工衛星の職を募集していたから、ライトスタッフもゼロ・グラビティもオデッセイも見た俺ならなんとかなるだろと思って応募したら採用されたってワケだぜ。

 これで一生食いっぱぐれないし煩わしい人付き合いもないし人工衛星サイコー!

 

 まあただ、思った以上に孤独だ。

 なにこれ? 人工衛星孤独すぎる。人付き合いがいくら苦手とは言っても人間は社会的動物、完全に孤独になると狂ってしまうんだな。

 まあ人工衛星になったものは仕方がない。贅沢は言わない。「知らん人同士が偶然ちょっと喋った」みたいなエピソードを摂取することで孤独を紛らわしたい。どうですか、なんとかなりませんか。
 いつもの記事でここあたりに書いてた自分のエピソードはネタ切れしました。人と喋らなさすぎて。思い出したら何かあるかもしれないけど。助けてください。

 ……という電波が宇宙から送られてきた。救いたい。哀れな人工衛星を救いたいよ。

 また集めよう、他人同士の会話を。六たび俺はGoogleフォームで「全然知らない人とその場の流れでなんか会話した思い出募集」を開始した。その後とくに仲よくなったりしていないような、本当にその場限りの会話を並べる記事。またやるぞ〜!

 送ってくれた皆様ありがとうございました。全部は紹介できないのをご了承くださいね。

 子供の頃話した、子供に話しかけられた、子供に話しかけた、など。

少年

高校生の頃の話です。

もうすぐ夏休みという時期、自転車を押しながら帰っていたところ、男子小学生が私を追い抜いていき、その際彼がランドセルの横に提げていた袋(たぶん給食のテーブルクロスが入ってるやつ)が落ちました。
小学生はかなりのスピードでダッシュしていたので、足の遅い私は袋を拾った後自転車に乗って彼を追いかけ、どう呼びかけたら良いか迷って「そこの元気の良い少年! 落とし物だよ!」と声をかけました。

ちょっと変な声かけだったと思うのですが少年は普通にお礼を言って受け取ってくれたので良かったです。

 めっちゃいいなー。お兄さんだかお姉さんだかわからないけど、少年って呼ばれた少年が羨ましい。少年って呼んだり呼ばれたりするのにかなり憧れがある。呼ばれるのはもう無理だけど。

 

モナー

小学生の時、友人と一緒にボーイスカウトの様なものに所属していました。

ある時1泊2日程の行事があり宿泊先に荷物などを置いてミーティングを終え、次のレクリエーションまでの自由時間が発生したので友人と施設内をふらついていました。
そこで交流ノートを発見し、当時ちょうどおもしろフラッシュにハマっていた我々がモナー等を描いて盛り上がっていたところ、横から来た知らない中学生くらいのお姉さんが「モナーだ!知ってるの?」と声を掛けてきました。

それをきっかけに好きなフラッシュやキャラについて話をして>>1さんと八頭身ごっこで遊び、時間になったのでお礼を言い合ってまたね〜と別れました。

その後施設内で会う事は無かったのでお姉さんはその日帰宅だったのでしょう。とっくに成人した今でも友人とたまーにあの時さ〜と盛り上がるいい思い出です。

 野目

 全部の単語が懐かしい。なんて良い思い出なんだろう。知らない年上のお姉さんと>>1さんと八頭身ごっこをするってなんだよ……。現実でネットの話題出してこんな良い思い出になることあるんだ。

 

水履

母から聞いた話です。

私が小さかった頃に家族で潮干狩りに行ったのですが、履いていた水靴が海に流れされていってしまい、側にいた知らないおばさまに「みじゅぐちゅ ながれた」と報告したそうです。おばさまは「え!?どこ!?」と慌てて気の毒だったそう。

それ以来家族の中で「みじゅぐちゅ ながれた」が流行語になりました。

無記名

 これだけでおばさまがめっちゃ良い人だというのが伝わってくる。

 

出るよ

小学生くらいの頃まで、祖父母が旅館を経営していました。

毎年近くの大きな運動公園でなにかの大会が開かれて、9月頃は大会に出場する団体客で賑わっていて、とにかくお客さんが多いのでわたしもお手伝いをしていました。

旅館自体は汚くはないんですが年季の入った「The 旅館」という感じで、土壁だったり照明がほぼなくくらい廊下があったりと、子どもからしたら少し怖い雰囲気だったと思います。(わたしは慣れていましたが)

団体客のうち同い年くらいの男の子が両親と一緒に受付に来て、男の子が「何か出そう……」と呟いたので、わたしは精一杯の悪そうな声で「ああ、分かる?この旅館、出るよ……」と返事をしたところ、男の子は「やっぱりー!」と怖がる素振りを見せたので、それがおもしろくて楽しかったことを覚えています。

ちなみに旅館でおばけみたいなものを見たこともなければ、そんな話は一度も出たことがないので、めっちゃ嘘です。

大会は平日だったのでわたしは学校に行っており、知らないうちに男の子たちもチェックアウトして帰っていたので初日以降会わなかったし、翌年以降も来ていたかは分かりません。

わたしが時々こうして思い出すように、男の子も子どものころ、なんか怖い旅館に泊まったんだよなって記憶がうっすらあったら嬉しいなと思ってます。

せろり

 その時の男の子が「なんか怖い旅館泊まったな」と思って調べたらもう何も出てこないのかなり怖いだろうな。

 

カゴ

小学生の頃、他県の祖母の家に帰省したその帰り道に家族全員でスーパーに行った。

夜遅くに出かける機会など滅多にないため、興奮して勝手に歩き回っていた。
加工品の陳列棚を見ていたとき、何を思ったかおもむろに床に置いてあった他人の買い物カゴを待ち「あ、ちょっと!」と持ち主のおじさんに引き止められた。

我に帰った私は聞こえたかもわからない謝罪とともにカゴを返した。
恥ずかしさと声をかけられた(当たり前)驚きとでしばらくドキドキした。

怖かったので親には言わなかった。

 戒め

 子供の頃テンションが上がりすぎてなんでそんなことしたんだかわからない行動しちゃうことってあったな。

 

出勤中に知らん小学生から「このへん猿がいます。気を付けてください」と声を掛けられた。

知らん人とタメ口で話すのが苦手なため、小学生相手につい敬語で「教えてくれてありがとうございます」と返してしまった。

そしたら「あと虹が出てます」と言われて、空を見たら本当に虹が出ていた。

教えてもらえて嬉しかったので、今度は勇気を出してタメ口で「ありがとう」と返した。

蟻吉

 最高すぎる。

 

 勢いで一回きりならなんとかなる。

same

友人たちとシンガポールの動物園(有名観光地)に行った時、自分と同じZARAの馬柄のシャツを着ているお兄さんがいた。
旅の興奮でsame shirts!とだけ言って話しかけて写真を一緒に撮った。
日本でも同じシャツを着ている人を見たことがないのに、世界的なメーカーはすごい。

ワクワクかもしか会

 旅先のコミュニケーションなんてこんな感じでいいんだよというかなりいい例。向こうも面白かっただろうなこれ。

 

Exam

高校生のとき帰りの話です。

その時はテスト前だったので、駅で電車を待ちながら英語のプリントを見ていたら、後ろに並んでいる外国人の方に「Exam?」と声をかけられました。
スピーキングもリスニングも壊滅的だったので、いきなり英語で声をかけられだいぶ焦りました。

その後電車が来て、同じ方面に乗るようだったので、そのままその方と英語で話しました。
リュックでかくない?部活何やってるの?(私のリュックは友達に「登山でも行くのかよw」と言われるレベルに大きい)」と聞かれました。
リュックは運動部並みに大きかったですが、競技かるた部だったので 「かるたって知ってますか?ちはやふるの」 と聞いたら、 「知ってる!めっちゃ速いやつだよね(腕をシュッってやるジェスチャー付き)」と返され、かるたが知られていることと、英語が苦手だったけれど英語で話せたことに嬉しさを感じました。

その後は乗り換え先の駅で別れて、それから会っていません。 ちなみにそのテストは英語で過去最低点を取りました。

登山リュック

 ここまで交流できてるのに英語ボロボロなのか……逆に英語ボロボロでも勢いさえあればこんなに交流できるということかもしれない。

 

ウンコ

ウンコエピソード注意

祖母と2人でイギリス旅行をしていた時、駅で急にお腹が痛くなったのでトイレに寄った。
駅のトイレには個室が4つあり、個室の上には千円カットみたいな感じで空いてるか空いてないかランプで分かるようになっていた。

化粧室に入った時4人くらいが順番待ちをしていたが、一番端のトイレだけ空いていたので、空いてんじゃん!とか思いながらカタコトの英語でその個室に入っていいか聞いて、個室に入ったらなるほど納得。おぞましい物体が浮いていたのですぐさまその個室を出て順番待ち列に並んだ。

その後、20代くらいのイケメンの兄ちゃんが入ってきて、「ここの個室入っていい?オーケイ?」って聞いてきたから「別にいいけどやめといた方がいい」って返したら、その兄ちゃんは「?」って顔してその個室に入って行った。

5秒くらいして個室から出てきて、目を合わせてアイコンタクトで「アレはヤバかったね」みたいな感じになった。

新ラマイティー

 あの感じってイギリスでもあるんだ。

 

ナイスフォト

学校の写真の授業で提出する写真を渋谷に撮りに行った時の話です。

渋谷のスタバからスクランブル交差点を撮りたくて、入店し良いスポットを探していたのですが、休日ということもあり眺めがいい場所には既に多くの人がいて後ろでおろおろしていました。

そんな自分に気付いた外国人の方が、スマートに場所を開けて手でどうぞとジェスチャーしてくださり、「セ、センキュー」と拙い英語でお礼を言った後写真を撮りました。

その後フラペチーノを嗜みながら写真の確認をしていたのですが、譲ってくれた方と目が合いニコっとされたので、存外良い写真が撮れたこともあり、嬉しくなっていきなり一眼を目の前にズイと突き出し「ナイスフォト センキュー」と言ってしまいました。
ただその方も優しかったので、わざわざ5人くらいいたお連れの方も呼んでみんなで覗いて「beautiful」と言ってくれました。

今思えば、場所を譲ってくれた瞬間に変な姿勢(もすかうのラーララララララのとこみたいな)で写真を撮っていましたし、「ナイスフォト センキュー」と”ナイスフォトと言え”みたいなことを言ってしまいかなり変な人だったと思いますが、聞き取りきれなかったもののみんなで褒めてくれていたっぽいことを思い出してたまに嬉しくなります。

UMA

 なんか観光地になってるらしいですね、渋谷のスタバ。日本人がめちゃめちゃ歩いてるのを見てたら日本人が来て変な姿勢でその写真撮り始めたんだからかなり楽しかっただろうな。

 

あっあっ

コロナ前、旅館に泊まると海外からの団体さんも一緒でした。
一部の方とお風呂場で一緒になり、私は海外からの方の隣で服を脱ぎ始めました。

服を着るお隣さんは知り合いだと勘違いして私に話しかけます。
日本語でも英語でもないのでさっぱりわからない私。

「あっあっ」

すぐさま気付いて申し訳なさそうにするお相手。

「あっあっ」

大丈夫ですと伝えたい私。 その後お隣さんは脱衣所を出、私はお風呂に入ってそれきりですが、確かに私たちは通じ合っていました。

間違えた、ごめんなさい。いいですよ、気にしてないです。学校でやった英会話よりはるかに分かり合えていました。 “a”だけで会話できるんだなと、しばらく感動していました。向こうもそうだといいな。

たかの

 日本語以外にも焦りまくった時にとりあえず出るのが「あっあっ」な言語あるんだ〜というのがなんか嬉しい。

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