前回はこちら!! あとで読んでもいいぞ!!

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 アチャー、学園アイドルマスターばかり遊んでいたせいでAIに熊本貢献度0とみなされて俺だけジャングルに取り残されてしまった。

 強引に入ろうとした他の奴らの血飛沫が居住区の空を覆っている。ああはなりたくない。かといってここにいても殺人たぬきの餌になるのを待つばかりだろう。

 ゴポゴポ

 トポポポ

 人間こうなるとお湯を沸騰させることしか娯楽がなくなる。せめてこの熱湯を振る舞う相手でもいればまだ気もまぎれただろうに。熊本貢献度も上がったかもしれない。

 貢献、貢献といえば思い出すな。

 輪ゴムを持ってきたことを誇らしく思って全然知らんロン毛の人に話す。なんというか、純度の高い会話だ。こういう完全に他人同士だから生まれる会話って内容の純度が高くてなんとなくいいよな。何言ってるかわかりますか。

 聞きたいな〜。

 という予言をしたスパムDMがきた。多分事実に違いない。SNSのDMで送られてくることは全部事実だから。

 じゃあまた集めるか。他人同士の会話を。五たび俺はGoogleフォームで「全然知らない人とその場の流れでなんか会話した思い出募集」を開始した。その後とくに仲よくなったりしていないような、本当にその場限りの会話を並べる記事。5回目をやるぞ〜。

 送ってくれた皆様ありがとうございました。全部は紹介できないのをご了承くださいね。

 

 これが大人同士だったら絶対会話発生してなかったな〜ということがいっぱいある。

エロサイト

 中学の頃、父親のパソコンでこっそりエロサイトを見ていたらバナーが無限に出続けるトラップに引っかかった事がある。
 親にバレるのが怖かったので、バナーの隅に書いてある電話番号に恐る恐る電話をして「あの、なんかバナーが消えないんですけど」と尋ねたら、若い男の声で「あ〜…はい」とだけ返事をされて電話を切られた。あの人は何だったんだろう。優しかったのかな。

出汁

 消し方教えてくれるわけでもないし、善人か悪人かでいえば悪人だけど悪人なりの優しさってあるしな……。

 

鬼灯

 小学生のとき、学校帰りに近所のなんかやたら鉢植えがいっぱい置いてあって植物が大量にある家の花を見るのが日課でした。
 その日は雨が降っていて花に水滴がついていてきれいだなーと眺めていたらその中のホオズキが大量の水をあの内部の空間にため込んでいるのを見つけて、 花や動物と会話できるプリンセスにあこがれていた子供だったので「大丈夫?重くない?」と下からそっと支えるように手を添えた瞬間、いつから見ていたのか分かりませんが近所の人が「とらないでね」と話しかけてきました。

 全然取るつもりなんてなかったし見られていたことに全力で恥ずかしくなってしまってダッシュで逃げました。

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 ウワーーー、可愛いわもどかしいわでめちゃめちゃ良いエピソードだ。「そんなつもりじゃなかったのに」みたいな悔しさじゃなくて恥ずかしさで逃げたのが良い。

 

デリバリー

 某ハンバーガーショップのデリバリーバイトをしていた頃の話です。
 最初の頃で道を覚えられていないこともあり、配達先で迷ってしまうことがしばしばありました。
 ある日配達に行くと案の定迷ってしまい半泣きでどうしようかと悩んでいると、小学生高学年くらいの男の子が「どうしたの?迷子?」と声を掛けてきました。
 若干パニクっていた私は「ここに行きたいんだけどわかる?」と配達先の家を伝えると、男の子は変な顔をしながら目の前の家を指さしてここじゃない?と言いました。
 私がよく見ていなかっただけで、配達先に着いていたらしく凄く恥ずかしかったです。

当時大学生

 ずっと年上の人が半泣きでオロオロしてるところに声かけられる子供、かっこよすぎる。なんていいやつなんだ。

 

太鼓の達人

 愛知県の某ゲーセン
 小学生の頃にゲーセンで太鼓の達人してて、100円入れたのに反応しないから仕方なく別の台に行ったのに、他の台にお金入れた瞬間に反応しやがったから仕方なく近くにいた多分これから太鼓の達人する女子高生2人組に話しかけて

俺「太鼓の達人やってくれませんか?間違えてお金入れちゃって」
JK「いいの〜?ありがと〜!!」

 みたいな会話した その後一緒に写真撮ったし、凄い「可愛い〜」って言ってくれて嬉しかった
 今何歳ぐらい何だろうか

椎名

 コミュニケーション能力があると知らん女子高生に可愛がられるなんてイベントが起こるんだな……

 

かわいいわね〜

 欧州で1歳の子を育てているのですが、こちらの人の子ども好きは尋常ではなく、ちょっと外出するだけで「あら〜!」「かわいいわね〜!」と必ず声をかけられます。
 よぼよぼのおばあちゃんに結構強い力で腕を掴まれて「あなたとこの子の人生が素敵でありますように」とか、ホームレスの人に「素晴らしい子ども!どの神様を信じてるか知らないけどあんたの神様に感謝した方がいい!」とかちょいちょいインパクトのある人もいます。 ホームレスからも「神」という言葉が出てくるところに土地柄を感じます。

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 よぼよぼのおばあちゃんからフルパワーを引き出す何かがあるよね、子供。

 

 パーフェクトコミュニケーション

 中学生の頃の話。放課後、誰もいない階段の踊り場でチルノのパーフェクトさんすう教室を歌っていると、下からやまびこのように「1,2,9~~!!!」という誰かの声が聞こえた。当時も友達が居なかったので、知らない誰かに聞かれたことが死ぬほど恥ずかしくて歌うのを辞めてしまったが、あのまま歌い続けていたら友達ができていたかもしれない。

ばーかばーか

 良いエピソードすぎてちょっと涙ぐんだ。

 

すげぇ…

 ある有名アーティストのライブに行った時の話です。 そのライブは高一で高校生活が苦しすぎた私の唯一の光でした。

 田舎住みでCDを全ては持っていなかった私は、どうせなら県外でライブのあるこの日に全て買おう、と思い物販に並びました。
 10枚注文したCDが積み上げられていく中、隣から 「すげぇ…」と声がしました。知らんお兄さんが私を見ていました。
「この際持ってないもの全部買おうと思って!」と(この場所にはとある一人の人間のことが大好きな人間しかいないんだ…凄…)とテンションの上がっていた私が答えると、お兄さんは 「いいっすねー、僕はガチャコンプしたいんでセーブですわー」(グッズに全8種のガチャガチャがあった)と笑って言いました。
「使い所大事ですよねー」と私が言い、会話は続くことなく終わりました。

 何気ない会話だったけど、高校が苦しかった私がそれにどれだけ救われたことか、多分お兄さんは知らないだろうな、と時々メモを読み返してます。
 あのお兄さんがガチャガチャコンプリートできてますように!!!

hijiki

 わかる。田舎からイベント参加するとこの場にいる全員これが好きなのかよって異常事態に興奮するし、何気ない会話でも同好の者との会話自体貴重だからめちゃめちゃ良い思い出になる。

 

 良いおじさんやよくないおじさん。お爺さんもいる。

 昔、家の近所で犬の散歩をしていた時、後ろから歩いてきた営業マン風のスーツ姿の男性に「いい犬ですねえ!」と声をかけられました
 うちの犬は見た目もごく普通の雑種なので、エッなに怖〜と思っていると
「犬種は何ですか?」と続けて聞かれ、雑種だと答えたら「オバマと一緒ですね!」と言って笑顔で去っていきました
 犬が吠えなかったのでおそらく悪い人ではなかったんだと思います

はたらくはんぺん

 本当にただ犬が大好きなおじさんだったっぽいのが良いな……。

 

Tバック

 男子大学生です。以前、帰省したときに、父と2人で飲んだあとにそのままオカマバーに連れていかれました。
 父は常連さんと話していてたのですが、私は無言で、つがれるがままに酒を飲んでいました。
 すると、ONEPIECEの黄猿によく似た70歳くらいのバーのママが、とつぜん「わたしTバック穿いてるのよ」と言い、振り返ってミニスカートをたくしあげました。確かにTバックでした。
 とつぜん眼前に現れた黄猿の生ケツに、アルコールが入っていた私は高笑いしてしまいました。その後は設置されてるカラオケでなんか歌ったりして帰りましたが、次に帰省したときにはまた行ってお話してみたいと思っています。

親世代を狙った曲を歌ったら大いにウケました

 親子でオカマバーに行くのもすごいし無言の客に尻を見せるママもすごいな……。いきなりTバック履いた尻を見せるコミュニケーションに入れるのはもう、経験の賜物だろうな。
 Tバック履いたことないけど、いざ履いたら「実は俺今Tバック履いてるんだ」って誰かに言いたくなるかもしれない。

 

ハンドボール

 中学生の頃、ハンドボール部に入っていたんですけど、友達数人と自主練習をしていた時にいきなり川沿いを走ってたおじさんに
「ハンドボールやってるの?一緒にやってもいい?」って言われてそのまま1時間くらい一緒にやりました。

 最後に写真を撮ることになったんですけど「この写真Twitterにあげていい?」って言われて、少し怖かったのでそれは辞めてもらったんですけど、その時アカウント名を聞いたら「〇〇外交官」ってアカウントでした。本当に海外のお偉い方でした。

鮨好き

 おじさんも良いけど、知らんおじさんを混ぜてあげられる中学生のおおらかさが良いな。

 

ネズミ

 早朝出勤のために歩いていたら、飲み屋が密集した細い路地からハトくらいの大きさのネズミが飛び出してきた
 反対側から歩いてきた50代くらいのいかつい男性もそれを見て「ヒャア」とちょっと可愛い悲鳴をあげていた。
 私と男性の間でネズミは二周ほど円を描くように走り、出てきた路地に戻って行った。
 男性が「びっくりしちゃったよー。なんだろうねアレ?」と照れ笑いしながら話しかけてきたので「ネズミですかね?でもわりと大きかったですね」などと話してしばらくネズミが走って行った方向を2人で見て「じゃあ、お疲れさん」「お疲れ様です」みたいに言ってそれぞれ反対方向に歩き出しました。

不機嫌なネコ

 アーーーーちょうどいい! これくらいの何も起こってない会話めちゃめちゃちょうどいい!! ハトくらいのネズミは怖い。

 

寄席

 平日の昼間から浅草の寄席に行った時のことです。
 仲入り(休憩)に入ったすぐ後に一人のおじさんが私の横に座ってきました。
 おじさんは入口で配られた今日の演者の一覧を見ていたのですがふいに 「⚪︎⚪︎師匠はもう出ちゃったんですか?」と聞いてきました。
 その落語家さんは順番が変更になっていて、本来なら仲入り後の出番だったのですがその日は既に出番が終わってしまっていました。
 私は昼の部が始まった時から座っていたのでその落語家さんの出番を見ていたので 「今日は出番が早まったみたいですね」と返事をしました。
 おじさんはものすごく悲しそうな顔をしながら 「聞いた?」と私に問いかけました。
 その表情と声色があまりにも悲しそうで悲しそうで、私は言葉を失ってしまい 「ええ、聞きました……」 とだけしか返事できませんでした。
 おじさんも「そう……」言った切りなにも言ってくることはありませんでした。
 もう少し「よかったですよ」とか、なんかそんな言葉を返してあげられたらよかったのにと、浅草に行くたびに思い出します。

ろくしゃく

 最高。きっとおじさんは良かったことなんかわかりきってるから「聞きました」だけ言えばわかってくれたと思う。あーでも確かに推しを知らん人が褒めてると嬉しいから「よかったですよ」でも嬉しかっただろうな。

 

立ちション

 ちょっとお下品かもしれない話。

 弟とスーパーに買い物に行った帰り、道で立ちションしているおじさんに遭遇した。五月にもなると夜七時でもそこそこ明るくて、それはもう思いっきり見えてしまった。
 家に帰るにはどうしてもその道を通るしかなく、弟と目で合図を送りあって走って通り抜けようとしたらおじさんから「おい!今見ただろ!見てんじゃねぇよ!」と怒鳴られた。
 こちとら連勤明けで疲れ切ってて早く帰りたいのに見たくもないおじさんの立ちションを見せられるわ怒鳴られるわで半泣きで「すみません!」としか言えなかったけど、弟が「見たくて見てんじゃねぇんだよ!家でやれや!」と怒鳴り返してマジかこいつ…と思っていたらおじさんは「わりぃな!のっぴきならなくてよ!」と返してきた。

 のっぴきならない立ちションの理由って何だったんだろう。
 結局しっかり立ち止まっちゃったしおじさんはいそいそと立ちションを終えてどこかへと歩き去っていったし、後には虚無だけが残った。

タンポポの綿毛になりたい

 弟が素晴らしいな。こういうときちゃんと怒れるのがすごい。理不尽な目に遭った時はちゃんと怒っていいんだ。

 

お化け屋敷

 昔友達とお化け屋敷に行ったときの話です。
 一緒に入る!と直前までノリノリだった友達でしたが、待機列の雰囲気にビビって離脱してしまいました。
 1人で入るのもなんだし自分も入るのやめておこうかなーと思っていたら、目の前に並んでいた中国人観光客のファミリーも自分たちと同様に、雰囲気にビビった妻と子ども2人が離脱していき、中年のおっさんが1人取り残されていました。
 なんとなく他人事だとは思えず、カタコトの英語で「一緒に入りませんか?」と話しかけてしまいました。
 するとおっさんもカタコトの英語で「ぜひ行きましょう」と。
 そういうわけで、知らない中国人のおっさんと2人きり、不自由な英語で国際交流しながらお化け屋敷を踏破しました。
 英会話に一生懸命になりすぎてどんなお化けが出てきたかは全く覚えていません。おっさんとは出口で笑顔で手を振り合いながら別れました。

足湯

 めちゃめちゃ良い。カタコトの英語同士というのが一歩ずつ歩み寄っている感じでいいな〜。おじさんの方にとってもめちゃめちゃ良い思い出になっただろうな。

 

頑張れ

 高校生で自転車通学をしていた時、帰り道に登るのが大変なくらいの坂がありいつもは自転車を押して徒歩て登っていました。
 その日は前に歩いているおじいさんがいたので追い抜かしてから降りようと思いながら、声をかけ横を通りすぎましたがその際に「自転車で登るの?頑張れ~」と声をかけられ、降りるに降りれなくなりそのまま自転車で登りきりました。
 初夏の雰囲気もあって、疲れたけどなんか良いな~という思いでです。

無記名

 本当になんか良い〜って温度感のエピソード。高校の思い出としては地味な部類かもしれないけど、「知らん爺さんの応援でやり遂げた思い出」として人生で何度も思い出しそうな良さ。

 

 自宅が住宅街にあって、近所の家はだいたい庭に綺麗な花が咲いています。
 特に好きなおうちに通りがかったとき、たまたまそこの住人のおじいさんが家から出てきました。
 綺麗だと伝えようと、勇気を出して、「あの」と言うと、おじいさんは明らかに警戒したような顔をしました。知らない二十代女が話しかけてきたらたいてい警戒しますでしょうけど。
 それで、「お花が綺麗ですね」とお伝えすると、とてもお顔がほころんでいたのですが、私は恥ずかしくなり少し逃げるように歩き去ってしまいました。
 ただ、伝えてよかったと今でも思います。

ドリアン

 読んでるだけで嬉しくなってくるな。通り魔みたいな褒め、かなり憧れがある。知らん人を急に褒める勇気が欲しい。

 

セックス

 大学生の頃、大きな公園のベンチで友達と男二人でお弁当を食べていました。通りがかった知らないおっさんに突然「この間そのベンチでカップルがセッ◯スしてたぞ」と言われました。「はぁ……そうなんですか……」と返すと、おっさんは黙って去っていきました。今思い出しても世界一要らない情報ですし、おじさんがどうしてそれを僕たちに伝えたかったのか全くわかりません。

たでゑの水

 最高。

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