困ったな〜

 超能力者になりたくてアイソレーションタンクに入ったらそのまま出られなくなってしまった。入ってそろそろ半年が経つ。多分。
 居心地は悪くないのだけど、ここはとにかく孤独で狂いそうになってしまう。

 もう外に出るのは諦めたので、みんなから集めた「全然知らない人とその場の流れでなんか会話した思い出」を読んで孤独を紛らわせようかな〜。入る前に集めておいてよかったな〜。

 送ってくれた皆様ありがとうございました。全部は紹介できないのをご了承くださいね。ありがたく全部読んでるよ!

 子供特有のめちゃめちゃなコミュ力が関わるエピソード。

 

オーズ

小学生の頃にキッザニアで遊んだ際の思い出です。

電車の車掌体験ブースの待合中に、私の隣に座っていた同年代(小学二年生)くらいの男の子のTシャツが目に留まったのですが、それが当時放送中だった仮面ライダーオーズの絵柄がプリントされているものでした。大ハマりしていた私は興奮気味に

「えそれオーズ!!?オーズじゃろ!?ぶちかっけぇやん!!」

とお国の言葉全開で話しかけるとすっかり意気投合。互いがどこから来たか、遊んできた体験はどこか、DSで好きなゲーム、と待機時間が終わるまでノンストップで会話しているとスタッフの方が近寄ってきました。

車掌体験は車掌と運転士の二人一組で行うものなので、「お二人はお友達同士ですか?」と尋ねられました。初対面なのにそう感じさせない和気藹々具合なのを二人共認識していたので

「「友達です!!」」

と二人揃って絶叫し、そのまま二人で電車を動かしました。
もう再開することは無いのですが、私は今でもあの子のことを親友だと思っています。

ぶぶぶ

 一発目から良すぎるな。一回しか会ったことなくても、何ならその後二度と再会しなくても「こいつは友達」って言える出会いめちゃめちゃ良い。

 

オープンカー

愛車(ロードスターというオープンカー)に乗ってドライブに行き、道中でコンビニに寄りました。
そこでアイスを買って屋根を開けたまま車の中で食べていると、地元の小学生達が自転車でやってきました。

小学生達は僕の車を見ると「すげー!!オープンカーだ!!」と叫びかっこいいと褒めてくれました。
僕も嬉しくてありがとう!と大きな声で言いました。

小さい頃、かっこいい車を見て運転手さんに手を振っていた僕が、遂に手を振られる側になったと実感して、素敵な気持ちになりました。

オープンカーに乗ってると将来禿げるらしい

 これ同じような話がもう一つきていてなんか良かった。車が褒められると嬉しい。禿げる人はオープンカーに乗ってなくても禿げるからオープンカー乗りたいなら乗ったほうが得。

 

お姉さん、かっこいいですね

ある日、バイクに乗って移動していたのですが、ものすごい渋滞で全く動かなくなってしまいました。

仕方ないのでバイクに股がったままじっと待っていると、歩道から小学校低学年ぐらいの少年がわたしに向かってなにやら話しかけてきました。

もしかして何か困ってたりするのかな…と思い、メットのシールドを上げて「どうしたの?」と話を聞くと「お姉さん、かっこいいですね」「これからどこ行くんですか?」などと色々言ってきました。
そのうち歩道から車道に出ようとして来たので「ダメだよ!危ないよ!」と制して、でもこちらも動けないのでとりあえず適当に話をしました。

少年は「あの…ぼくって…可愛いですか?」と言い始め、「うん、かわいいよ…」と困りながら返したりしました。

そうしてるうちに車が動いたので、「危ないから車道に出たらダメだよー!」と言い残してわたしは走り去ったのですが、彼が何をしたかったのか未だに思い出して気になっています。

なる子

 ほのぼのしているようでなんか変なコミュニケーションで大変良い。「あの…ぼくって…可愛いですか?」の口裂け女レベル1みたいな質問がまたいいな。普段から可愛い可愛い言われてるんだろうな……。

 

ストーン

小学生の頃、友達と遊んでいた時、遊ぶところが無さすぎて二人でお菓子持って神社に行った。

お菓子を喰らいながら友達の愚痴で盛り上がっていたら、一人の男の子(4歳くらい)が近づいてきた。友達がコミュ強だったこともあり、私たちはその子と他愛もない話をし始めた。

色々話したが覚えてるのは、男の子が小石を持っていたので「それは英語でストーンって言うんだよ」と教えてあげたことだけ。

あれからその子とは会っていない。というか顔も覚えてない。
あいつは今どうしているのか…。

無記名

 これくらいの大した中身がないエピソード大好き。今後「stone」って単語を聞くたびに「あの神社にいた知らん人……」と思い出されるんだろう。

 

小学生の頃、近所のスーパー銭湯で知らない同い年の子どもと話したことがありました。
向こうから話しかけられて、三十分くらいいっしょに遊んでいたと思います。

別れ際、その子から石をもらったのですが、さすがに持って帰ることはできなかったので露天風呂の草むらにひっそり置いておきました。
もちろんそこから会うことも二度とありませんでしたし、顔も名前も会話内容もすでに忘れ去っているのですが今でも石を置いた場所は覚えています。

そうやって全く知らない人と仲良く話すこと自体、もう大きくなってしまった今では人見知りの私には難しいです。
そのスーパー銭湯に行く機会自体も少なくなってしまったのですがとてもいい思い出です。

 無記名

 最高。石を置いた場所まで覚えてるのがめちゃめちゃ良い。その子も露天風呂のどこかで適当に拾ったんだろうな。

 

お盆。地元に帰省した時の話。

何かの用事で車を出したけど時間ができたから、近所のコンビニで煙草吸いながらぼんやりしていたら、軽が停まってギャルっぽいお母さんだけ店に入ってった。後部座席の窓が全開で男の子いるのが見えて、煙草吸ってちゃ悪いかな…と思ったけど、加熱式だからいいか!(よくない)と思ってそのままぼんやりしてた。

急にピーーッ!て鳴って、何事!?と思ったらその男の子が笛を鳴らしてて(お祭りの期間だったし彼はハッピを着ていた)、目がバチッと合ったけどお互い何も言わなかった。

びっくりした〜と思ってまたぼんやりしようとしたら、またその子が「虹!!」とデカい声を出したもんだから、思わず男の子の方を見て、それから男の子の視線の先を見たらアーチ型の綺麗なデッケー虹が出てて、わたしも「虹デッカ!」てデカい声が出た。その後男の子と目が合ってお互いニヤッて笑った。いい夏だった。

虹ってハッピーだ

 最高。デカすぎる虹って誰でもいいからその場でデカさを共有したくなる。

 

うんこ

当時小学校五年生。家族でファミレスに行き、妹(小2)と一緒のタイミングでトイレに行った。

トイレが一個しかなく、先に入った妹に「はやく〜」とふざけてじゃれていると、一人後ろに並んでいたお姉さんが「うんこですか?」とデカめの声で聞いた。

妹が「あ…う…うんこじゃないです…」とか細い声で答えると、お姉さんは私に「うんこじゃないって!」と言ってニコッ!と笑った。すごい美人だった。

焼きそば屋

「早く済ませてね」みたいな牽制だったのかもしれないし本当に親切心だったのかもしれない。どちらにしてもここで「うんこですか?」って聞けるのはスマートだ。

 

一回やってみたくて

小学校低学年くらいの時の話です。

友達と下校していたところ道端に体育着入れ(ナップサック)が落ちているのを拾ったので持ち主を探していたのですが、前を歩いている人の中にはおらず、友達と2人それを手に困っていました。そんなときふと反対側の歩道を歩いている2人組の女子が目に留まりました。

あれじゃない?どうする?とひとしきり言い合い、私はあろうことか車道越しに「これ落としてませんかーー!!」と叫んでしまいました。言った後で羞恥心が湧いてきましたが、向こう岸から「私のでーす!!」と返ってきたので、なんだか嬉しくなって次の信号まで全力ダッシュを決めました。

無事落とし物を届け、持ち主と「大声出してまで知らせてくれてありがとう」「いやいや一回やってみたくて」と話し、なぜかお互いに健闘を称え合ってそれぞれの帰路に着きました。

もしかしたらまた会っていたのかもしれませんが、違う学年の人だったので名前と顔を完全に忘れてしまい、彼女は思い出にだけ残る人となりました。
今はそんなことをする勇気もないですが、学年が違う人に大声で呼びかけたり、小学生の頃は色々と怖いもの知らずだったんだなと思います。
あと普通に近所迷惑でしたね。

はっさく

 健闘を称え合うって運動会の応援合戦以外で使ってるの初めてみた。健闘を称え合ってる部分の会話が気になる。

 

小3の頃、旅行先の海で同い年くらいの男の子と知り合いました。確か自分から話しかけに行った気がします。

そっから2、3時間くらいしこたま遊び、最終的には住所まで紙に書いてもらい、その海水浴場で別れました。絶対遊びに行くよ!と言って。

それから数年が経ち、高校生となった今でもその住所はとっておいてます。いつか、遊びに行ける日が来るのを信じて。

ちなみにその子の家は母の実家の近所でした

 ちょっとハガキとか出してみてほしい。

 

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