こんにちは。フリーランスのWebライター・たかやです。

僕は今年で31歳なんですが…。

 

これまで一度も会社員の経験がありません。

 

え~っと、アレですよね。

 

日報とか書くんですよね? 会社員って。

あ~、あと、お茶汲みとか?

…あっ、社内不倫! 社内不倫は知ってる!

 

と、このように、この歳で一般的な「会社」というものへの認識が漠然としています。不安。

 

このオモコロには、僕と同じく一度も会社員になったことのないライターも存在します。

 

そこで、今回はそんな履歴書の職歴欄が真っ白な人間が集まり、

・どうして僕たちは「会社員」にならなかったのか

・「会社」を知らないからこその“あるある”

・会社員未経験だからこそ生まれる素朴な疑問

などを語り合ってみました!

 

 

▼座談会メンバー▼

【会社を知らない人たち】            

たかや(31歳):フリーランスのWebライター。

シュゴウ(30歳):フリーランスのWebライター。現在、就職活動中。

野田せいぞ(30歳):フリーランスの漫画家 兼 Webライター。

また、会社を知らない人間だけで話し合っても会社を知らないままで終わってしまう為、現役の会社員にも参加してもらいます。

 

【会社を知ってる人たち】

山口むつお(41歳):株式会社バーグハンバーグバーグ所属。執行役員。

みくのしん(34歳):株式会社バーグハンバーグバーグ所属。※この記事ではカメラマンを兼任

 

 

 

こうして僕たちは会社員にならなかった

まずは、この3人が「どうして会社員という道を選ばなかったのか」を紹介させてください。

 

たかやの場合

僕、大学生の時にコンビニでアルバイトをしていたんですよ。

うんうん。

でも、オーナーがブラック企業体質の人で…。

あらら…。

30分前に出勤しないとグチグチ言われるし…。勝手にシフトを変更されるし…。朝から夜まで一人でレジを任される…なんてこともザラにあって。

うわ~…。

それに、やたらとファミリー感を出して来るんですよ。コンビニで、ですよ!? そういうのって居酒屋しか許されなくない!?

そうとも限らんだろ。

そんな経験が積み重なって、思ったんです。

 

「バイトでこんだけキツイなら、会社員はもっと大変じゃん」って。

それで、「じゃあ俺は会社員いいや。フリーランスになろう」って。

う~ん…?

だいぶ飛躍しましたね…。

バイトがどうよりも、単にそのオーナーがヤバい奴だっただけじゃない?

もちろんそれは理解してます。でも、あのときのコンビニバイトに「会社に入ることの嫌さ」がすべて詰まっていた気がした。それなら、もう、自宅で一人で働いた方がマシかな~って。

なんか…思ったよりもしょうもない理由だった。

あと、コンビニだから監視カメラあるじゃないですか。誰かに監視されながら働くのも苦痛だったので、一人で働けるフリーのWebライターが魅力的でしたね。

窃盗犯以外で監視カメラを嫌がる人いたんだ。

 

野田せいぞの場合

自分は芸大に通ってました。

野田さん、芸大生だったの!?

それもあって「芸大生ってみんな就活しない」と思ってたんですよね。

たしかに芸大はそんなイメージある。

アーテイスト路線に進む人が多そうだもんね。

そんなマインドで4年間過ごしてたら、いつの間にかみんな就職先が決まってて…。

就活あるあるだなぁ~。

さすがに焦りましたね。親からも「就活してほしい」と懇願されたんですけど……

 

「いや、自分はマンガでいくから」って。

かっけ~。

いきなり漫画家の道を志したの?

僕、マンガ学部みたいなところに通ってたんですよ。

もともと漫画家も視野にあったのね。

ならまぁ、親御さんも納得するか。

それで実際、いまは漫画家として仕事できてるわけだし、すごいですよ。

ある意味、就活成功ってことか。

 

でも、そんな野田せいぞのデビュー作品って「乳首のマンガ」だけどね。

乳首で就活成功しました。

そんな奴いてたまるか。

親、やっぱりまだ不安かもしれない。

 

シュゴウの場合

自分はもともと、教職の希望でした。

先生になろうとしてたんだ。

それで大学では頑張って「情報」と「商業」、二科目の教員免許を取ったんですけど……

順調に先生ルートを進んでますね。

学4年のときに行った教育実習で、あまりにも板書が下手くそすぎて諦めました。

?????

板書の方が資格取るより簡単そうって思っちゃうけど……

いや! 簿記の板書って、めちゃくちゃ難しいんですよ!

ちょっとホワイトボードで説明してほしい。

 

たとえば…

 

「10,000」。

この「10,000」を書いたら、教科担当の先生に3箇所も訂正されました。

え!?

ちゃんとコンマも打ててるし…。どこに間違いが?

 

その先生が言うにはこうしろと…

<NG解説>

①ゼロの書き方が違った 

②コンマを「10000」を書き終えたあとに書いちゃってた 

③1の先が曲がってなかった(逆に曲げるな派もいる)

は~~~~~???

「は~?」ですよね。ゼロの書き順とか普通に知らんし……

クッソクッソどうでもい。

授業の実習が終わった後に担当の先生から「まずゼロの書き方が違う」「コンマを書くタイミングも違う」「文字汚すぎ」「声ちっちゃすぎ」と矢継ぎ早に言われて、自分に先生は無理だなと心が折れました。

なるほど…。

 

もちろん、そのあと一般企業への就職も考えましたよ? でも、その時には、すでに、ほとんどの企業の募集が終わってるんです。

あ~、そっか~…。

、就活もほとんどできずに卒業することになり、現在に至ります。

たしかに、教職希望にすると他での就活が難しくなるって聞いたことあるわ。

なので、これから教職課程を取ろうと考えてる学生さんに言いたい。

4年生のタイミングで教育実習いって、その後、一般就職に切り替えようとしても、もう手遅れなんです。

何もかも手遅れになっちゃうんです!!!

これが本当の反面教師。

 

 

会社を知らない奴ら“あるある”

続いて、「会社に一度も入ったことないからこその“あるある”」を発表していきます。

 

シュゴウのあるある

自分も立場上、いろんな会社と名刺交換する機会があります。

うんうん。

 

イメージ

そういうとき、会社員の名刺は「○○会社 ○○事業部 広報課 課長補佐 田中太郎」みたいに肩書が連なっていることが多い。

まぁ大体の会社員はそうね。

 

イメージ

でも、会社に所属してない自分は「Webライター シュゴウ」の名前……あとは電話番号とメールアドレスぐらいしか書くことがなくて…。

わかる。肩書きの行数で負けてると「あっ、自分って社会じゃ底辺なのかも」って落ち込んじゃうこと、ある。

肩書きバトルですね。

どこで競ってんだよ。

必要以上に自分のSNSのURLを書いて、“肩書きのマシマシ”をしちゃいます。

せせこましい。

 

あと、約1年前にイーロンがTwitterをXに変更したじゃないですか。

もう一年前か。

あのときは名刺を刷り直す必要が出てきたから困りました。ほとんどの会社員って、名刺代は会社側が負担してくれるじゃないですか。自分たちは名刺代も自己負担だから…。

たしかにそれは嫌。

あのときほどイーロンにムカついたことはない。

 

もう一ついいですか。

 

あ、会社員への憧れはあるんだ。

シュゴウさん、いま就職活動中ですもんね。

自分を叱ってくれる上司がいたり…。自分を頼ってくれる部下がいたり、同期で遊んだり……。そういうのへの憧れはずっとあります。

個人事業主は孤独との闘いですからね。

あと、「仕事で頑張った後輩にオフィスグリコを奢ってあげる」みたいなやつ、やりたいしやられたい。

あ~、わかるな~。

だから求人票の福利厚生欄に「オフィスグリコ導入」って書かれてると惹かれちゃうんですよね。

 

オフィス……グリコ……?

あっ。

やべっ。

マジで初めて聞いた。ガッシュベルの呪文?

そういうサービスがあるんですよ。

 

オフィスグリコ……

江崎グリコが提供する、オフィスや工場、病院などさまざまな場所で利用できるサービス。お菓子の無人販売みたいな感じ。

ふ~~ん…??? コンビニ行けばよくない?

身も蓋もないこと言うな。

オフィスから出なくてもお菓子が買えるし、社員同士の話の種にもなるし、素敵なサービスなんよ。

 

たかやのあるある

これです。

????

どゆこと?

すみません、これは僕たちもよく分からないかも。

あるある、かなぁ…?

四面楚歌かい。

 

「初任給で親にプレゼント」って、とどのつまり親を安心させるためのイベントじゃないですか。

「一人前に育ったよ」ってね。

そこには「会社に所属している我が子から」って付加価値も多分に含まれてるハズ。

そんなことないと思うけど…。

つまり「初任給のプレゼント」は 、「会社所属」っていうでっけー包装紙に包まれて、はじめて「初任給のプレゼント」になるの。

包装紙?

 

じゃあ、たかや君は初めて書いた記事の原稿料で、親にプレゼントをあげてないの?

はい。「あげてない」ではなく「あげられない」が正しいです。

……。

たかやさんが「就職してないこと」に対して後ろめたい気持ちがあるだけなんじゃ……?

 

初任給とは違いますけど…。自分は、オモコロ杯の賞金すべて親にあげましたよ。

それはマジで偉すぎる…。

 

シュゴウがオモコロ杯で優秀賞をとった記事

まぁ、エロ本修復して得た金を親に渡されても…とは思うけど。

今からでも遅くないから、たかやさんもなにかあげませんか?

あげんが?

なんか…。親にプレゼントをあげたくない気持ちを、「会社員じゃないから」を理由に逃げてるだけな気がするわ。

あげな~?

あげんが?

 

野田せいぞのあるある

自分、ゼルダの『ブレスオブ ザ ワイルド』が大好きなんですよね。3~4時間平気でやっちゃうぐらいに。

うんうん。

でも、ゲームのプレイ中、もう一人の自分が囁いてくるんですよ。

「こんなことしてる場合か?」って。

 

会社員だと、会社側が定めた「休日」がしっかりあるじゃないですか。その間は、強制的に会社に出社できないから、遊びにも集中しやすいハズなんです。

うんうん。

フリーランスって、休日は自分で作るものなんですよね~。

でも、「この休日は本当に“休日”してていいのか?」「 もっと稼ぐために何かした方がいいんじゃないか?」って不安になって…。結果、ゲームも途中で辞めちゃう。

わかるなぁ。自分もアニメの一気見ができなくなった…。

僕もブックオフに前より行けなくなった…。

なんていうか、「心の休日」がずっと無い感覚なんですよ。

会社員は「会社」という場所があるからこそ、オンオフの切り替えができやすいと思う。

わかるわかる。

 

………………。

この流れでもう一つ

 

会社からもらってる仕事って、会社のスケジュールで動くんで、けっこう月曜日の締め切りが多い。

「月曜の朝10時にください」って言われること、多々ある。

たぶん、会社側も週明けにチェックできたほうが色々と楽なんでしょうね。

 

M-1グランプリとか日曜日にありますけど、月曜日に提出だと、泣く泣くM-1は録画で見るしかない。

そう。だから僕たちとしては、記事の締め切りは金曜日がありがたい

そうしたら自分たちも気持ちよく土日を迎えられるし。

わかる~。

ちょっと待った!

あの! これに関しては言わせてほしい!

僕たち編集部が「月曜の朝 締め切り」を設定してるのは…!

 

「金曜日にお願いします!」って伝えると、月曜日に提出してくる人がいるからなんです!

 

………。

 

………。

……ハハハ。

ハッハッハ。

アーハッハッハ。

笑い出しちゃった。

腹いてぇ~。

笑かしてるつもり無いけど

 

そりゃ僕たちだってね、意地悪で「月曜の朝 締め切り」にしてないです。

仮に編集部側が「金曜日」に欲しい記事があったら、ちゃんと金曜日に欲しいんです!

そりゃそう。

でも、ライターさんが一本の記事を書き上げる苦労も分かってます。だから、本当は金曜日に欲しいけど、プラス1~2日の猶予を与えて、「月曜の朝 締め切り」を設定することは多い

 

月曜日締め切りは、編集部の恩情だったってこと?

涙が出そう。

もちろんすべてがそうではないけどね!

 

だからさっき「心の休日がずっと無い」って言ってたけど、それは会社員だって同じだからね?

うんうん。「あのライターさんの進捗どうかな」「月曜までに上がって来なかったらどうしよう…」て考えてて、頭の片隅では常に出勤してる状態。

耳が痛い…。

せいぞさん…! どうしてあんなフリップ出したんですか…!

1分前の自分をグーパンしたいです。

……あの、締め切りの話題になったんで、ついでにこれもいいですか?

 

たかやのあるある

編集部からよく言われる言葉で「記事、今日中にお願いします」があるんです。

はいはいはいはい。

もう言わんとすること分かるわ。

 

で、僕たちライターにとって、「今日中」って2種類あるんですよね。

一つは「その会社の就業時間まで」。もう一つが、「23時59分まで」

めちゃくちゃわかります。

編集部から「今日中」って言われたとき、「えっ、『今日中』ってどっちの!?」ってなること、ライターなら誰しも一度は経験あると思う。

 

でも、これって正解は「就業時間まで」ですよね?

23時59分に提出の連絡が届いても相手は迷惑でしかないし。

会社員の経験が無い自分たちも、そこは理解してます。

 

ただ、僕はそれを理解した上で、23時59分に提出してしまうこと、あります。

すいませんした!!!

口あんま開いてないけど出力でかっ

おそらくこの謝罪は、オモコロ編集部だけじゃなく、たかやさんがこれまで関わってきたすべての編集部に向けてなんでしょうね。

 

正直、そこは僕たちも気づいてますよ。

「23時59分」に記事があがってくると、「この人『今日中』を『就業時間まで』って気づいてるけど、間に合わなくて23時59分に出したんだろうな~」って!

すべてお見通しだったとは…。

恥ずかしい。

 

ほならね! 言ってほしい! 改めて、お二人の口から「『今日中』は就業時間までだぞ」と!

ですね。今日、白黒ハッキリさせておきたい。

この記事を読んでるオモコロライターにも刺さると思います。

……。

う~ん………。

 

別に! いつでもいいよ!

はァ~~~~!?怒

これからも哀しい駆け引きは続きますよ?

実際、就業時間ギリギリに提出されても、チェックするのは翌日になるからそこまで変わらないし。

………。

 

正直、「金曜日」が「月曜日」になろうと、「今日中」が「23時59分」だろうと、僕たちは怒らないです。

そう! 本当にそもそも記事を提出してくれているという事にすごく感謝しているので!

なんと……。

 

でも! 「今日中」って伝えて、ちゃんと「就業時間まで」に提出してくれた人のことは、めっっっっっっっっっちゃ好きになる。

それはあります! だって人間同士のやり取りだから!

ふひィ……泣

はわゎ…泣

ふぐぅ…泣

壊れちゃった。

ちょっとWebライター業界の話に脱線してるので、次のテーマ行こ!

はい。でも今日、これを聞けてよかったです。

 

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まだまだ続く! 会社ってなぁに?