経験がないからこその素朴な疑問
続いて、会社員の経験が無いからこそ出てくる疑問を、現役の会社員に聞いてみます。
野田せいぞの疑問
なるほどなるほど。
ドラマの世界だと「責任をどう取るんだ!」みたいな、上司から詰められるシーンがあるじゃないですか。でも、その責任ってなに?
パッと思いつくのはクビとか?
減給もありそう。
自分の机が窓際に移動させられるもありそうですよね。就業時間までなにも置かれてないテーブルの上で、ただ座ってるだけ。
「闇金ウシジマくん」で見たことある。
でも、そっちのほうが良くない?
たしかに。座ってるだけでお金貰えるんでしょ? ご褒美じゃん。
そっちのが辛いよ。絶対。
その会社の規模だったり状況だったりで違ってくるけど…。大きい企業だったら「降格」とか「左遷」はあると思う。
そういうのって本当にあるんだ。
いまの時代はそこまでだと思うけどね。あまりにも不当な理由で「降格」や「左遷」になるのは違法になるから。
「明日から来なくていい!」って言われたら、本当に会社に来ちゃダメなんですか?
それも時と場合によるんじゃないかな……? 基本的に、会社が従業員を即日解雇って簡単にしちゃいけないんじゃない?
だから、最近の風潮は「次、頑張れ~!」だと思う。
世の中が寛容的な雰囲気になってるのか。
あっ、責任の話だと……。
オモコロライターの皆さんなら気づいてると思いますけど…。
いまってオモコロ特集のスケジュール管理は僕がやってるじゃないですか。
はい。
何十人もいるオモコロライター一人一人に連絡を取ってるんですよね?
いつもありがとうございます。
週に一度、編集部の会議があるんですけど、そこで「来週に公開される特集」について話してて「来週の特集は揃ってます」とか、逆に「来週、ちょっとヤバいです」とかを僕が共有してるんですよね! すごくない!?
えぇ!?
そんなことやってたんですか!?
マジマジ。みくのしんが、原宿さんや永田君、恐山やマンスーンの前で、「来週の特集はこんな感じになります」の報告を毎週してる。
そうだったんだ……。
こんな感じの会議が週一で行われてるらしい
でも、そこで来週分の記事が揃ってないと、それはスケジュールを管理してる僕の責任になる……って思ってます。
みくのしんから「記事、足りないです…」って報告が来たら、編集部の誰かが記事を書くことにはなるよね。
「ナガタのマスク」とか。
そう。
あぁ…。
もちろん「みくのしん、大地獄。 喝!」みたいな事はないけど、やっぱり僕自身は責任を感じちゃうのはあるかなー!
気が引き締まる話ですね…。
改めて…いつも本当にありがとうございます…。
肝に銘じておきます。…オモコロライターのみんなも覚えておこう。
でも! みんなのおかげで更新出来てるのは本当に100%の言葉の意味で感謝してます!
シュゴウの疑問
ここら辺の知識、ずっとフワフワしてる。
学生時代の友達から「オレ、課長になったんだ」って言われても「へ、へ~…?」としか返せなくて哀しい。
会社員の僕もちょっと怪しいかも…。
一回、みんなで順番見てみない?
ほへ~~~~~~~~~~~~~~~。
これに関しては全員イミフだった。
「部長」と「課長」だと部長が上なんだ。
「専務」と「常務」が高い位置にあるのも意外ですね。
わかる。専務って下から2番目のイメージある。
「専務」って語感だけなら「主任」ですよね。
「せんむ」←弱そ(笑)
失礼なこと言うな。
皆さん落ち着きましょう。ちなみにこの表だと、山口さんはどのポジションなんですか?
僕は『執行役員』です。
執行役員! これも聞きたかったんですけど……
執行役員ってなにを執行するの?
たしかに。死刑?
名前に「役員」が入ってるから、すごいのは分かりますが…。
あ~、それはちょっと違いますね。実際は平社員と同じです。
そうなんですか?
一般社員なのに役員ってついてるからややこしいんだけど、ようするに「経営方針に沿って業務の『執行』を決定できるポジション」だと思ってほしい。
たとえば、バーグ社員の誰かが新しい事業を立ち上げたい…って提案してきたとします。色々な話し合いを経て、経営サイドで「やろう」という決定がされて、具体的な現場での判断を執行役員が決定していく、みたいな。
ふんふん。
平たく言うとバイトリーダーって感じですか?
それは…違うんじゃない…?
頑張って執行役員まで登り詰めたのにバイトリーダーと同じにされるの可哀想。
ただ、執行役員の役割って会社によって全然違うので「これをやる!」ていう業務内容は決まってないのよね。なんなら会社によってはなかったりするし。
あっ、じゃあこれも聞きたいんですが
たかやの疑問
なげ~。
こういうシチュ、本当にあるんですか?
そりゃ、どこかの会社ではあるんだろうけど…。僕は遭遇したこと無いですね。
そこまでコテコテのは無いけど、ウチだったら『コロモー』がそうかな。
コロモーはダ・ヴィンチ・恐山からやってみたいと提案を受けたのが始まりで、内部のディレクターやデザイナーを中心に彼らが作り上げていきました。
そうだったんだ。
そういうエピソードはワクワクしますね。
「会社」って感じがする。
そういう話だと『ジモコロ』と『ヌートン※』との立ち上げは僕ですね。
※ヌートン……『オモコロブロス』の旧メデイア名
えっ…!
それは知らなかった…。
https://www.e-aidem.com/ch/jimocoro/
ジモコロはクライアントであるアイデムさんに、プロモーションの依頼をされたのがきっかけで、じゃあ地元をテーマにしたメディアをやりましょうってところからスタートしてる。
へ~。
色々企画していく中で、当時ローカルネタで良い記事を編集していた柿次郎※に編集長として入ってもらって、今でも続くメディアになっていったんよね。
※徳谷 柿次郎……元バーグハンバーグバーグ社員。初代ジモコロ編集長。
社員の僕も初耳でした…。じゃあ、ジモコロでアルバイト体験を書いてる僕は、間接的に山口さんのお世話になってるのか。
ヌートンができたきっかけなんだけど、オモコロってけっこう悩んで企画しないといけないし、長文にもなりがちだからエネルギーを使うじゃない?
めちゃくちゃ分かります。
だから「オモコロほど労力を使わず、ジモコロほど真面目じゃない、いい塩梅で書けるところがほしいな」って常日頃思っていて。
たしかに、当時はちょうど中間の温度で書けるメデイアって無かったですもんね。
「じゃあオモコロの兄弟メディアみたいなのを作って、そこで書けるようにしよう」ってことで、これも当時ジモコロを回していた柿次郎と初代編集長を務めた加藤くんに手伝ってもらって内容を詰めていきました。
事業にするからには収益化しないといけないから、「おもしろいだけじゃなくて商品紹介もOKにしたらアフィリエイト収入が見込めそうだな」とか「オモコロよりライトな記事広告をメニューにしたら需要あるんじゃないか」とか、そのへんも考えて、当時の社長にプレゼンしたんですよね。たしか。
うおお…。かっこいい……。
これこそ、僕たちがイメージする“会社員”ですね…。
改めて、山口さんってめちゃくちゃスゴい人ですよね。
今回のメンバーの中で、誰よりも会社員っぽくない風貌なのに…。
会社員になったことない奴らからのメッセージ
では最後に、「会社を知らない僕たち」から、これから就職活動をする学生さんへのメッセージを送らせてください。
呪い?
自分たちも大学を卒業してそこそこ長い期間、「会社に入らず」で生活してきました。
そんなボクたちだからこそ伝えられるエールって、あると思うんですよ。
野田せいぞからのメッセージ
僕からはこれですね。
一発目から聞きたくないって!
一応聞いてください。
この画像だけ、5ちゃんのまとめスレで出回りそう。
自分はこの生き様を選んだおかげで、毎日がヒリついて楽しいです。「来月の支払いどうしよう」みたいなドキドキが日々のスパイスになってます。
うんうん。
うんうんか?
もちろん、会社に入れば様々な面で安定は得られます。でも、もし会社に入ったとしたら、そのハングリー精神が消えちゃう気がするんですよね。
ちょっとわかるかも。
最初にも話した通り、僕は芸大に通ってたんで、自分よりも才能がある人はたくさん見てきました。でも、そういう人たちって、やっぱり軒並み就職しちゃうんです。絵が上手い人だったらデザイン会社に入ったり……。そういう進路もアリだけど自分はやっぱり「自分の信じた道」を歩いていきたいんです。
なるほど……。
自分は真逆かも…。
シュゴウからのメッセージ
「新卒カードはとりあえず使っておいたほうが良い!」
「新卒カード」はポケカと違って、あとから欲しくなっても二度と手に入らないから、とりあえず使っておいたほうがいい。
やっぱり「最初のレールを外れると難しい問題」はありますよね。
そして、自分たちと同じようにフリーランスで生活したいと考えてる人ほど、サラリーマンを経由しておくべきなんです。
なぜなら、サラリーマンからフリーランスになった人は「独立した」って前向きに捉えられることが多い。
あ~、たしかに。
片や、自分みたいに就職せずに最初から個人事業主になった人は、「社会人経験無し」の評価になってしまいがちなんです。大学卒業後にちゃんと開業届を出して、それ以来ず〜っと社会で個人事業主として働いてきたのに……。
同じフリーランスなのに、就職の有無で社会的な評価が変わっちゃうのか…。
就職歴なしだと就活とかで「こいつ大丈夫か?」みたいな印象になっちゃうみたいで。今まで会社に頼らず自分の力だけで仕事獲得してきたのに…。だからとりあえず一回は就職したほうがいい…!
最後は僕ですね…
たかやからのメッセージ
「Webライターになりたいなら就職せい!」
「でも、オモコロライターになりたいなら無職が来い‼‼‼」
またWebライターの話ですみません。でも、僕はWebライターのことしか知らないのですみません!
僕もフリーランスのWebライターとして約8年続けて来ましたが、「やっぱり、一度は就職しておくべきだったな~」とめちゃくちゃ後悔してます。
後悔してるんだ。
Webライティング業界とは別の職種を経験しておくべきでした。例えば、JUNERAYさんみたいに前職が花屋さんだったら、その分野に特化した記事も書けるし…。
あと、これは自分の体感ですけども。数年前と比べると、オモコロのような面白系の記事を書けるメディアが減ってきてる。
数年前に仕事してたメディア、どんどん消えてますもんね。
オモコロほどネタに振り切った記事を書かせてくれるメディアってなかなか無いですよ。
だからこそ、専門的な記事がロクに書けない自分は、数年後どうなるんだろうと不安で不安で…。
なるほど…。
いまのWeb記事メディアには元気がない…とは思います。
そもそも今後「Webライター」って職種自体がどうなるかわからない。だからこそ、ライターになりたい人ほど就職しておくべきかも。
でも同時に、無職ほど「オモコロに来い!」とも思ってます。
どっちなの?
オモコロって、昔はもっと無職やフリーランスの比率が多めだったじゃないですか。この座談会だって、数年前だったらこっち側の人間がもっといた。
それなのに、みんな、どんどん就職しやがって…。
たかやさんの逆恨み。
あの頃のオモコロを取り戻そう。無職ライター、もっともっと来い。
最後に……
以上となります
長尺に亘ってお送りした、この座談会。
いかがだったでしょうか?
なんか…僕たち側の好感度がグッと目減りした。そんな気がする。気のせい?
しかし、多種多様な働き方が許される現代。
みなさんの今後の将来のビジョンのお役に立てたら幸いです。
あっ…!最後にもう一枚フリップいいですか?
?
僕たちの願望
「入社報告」ってやつをしてみたいんです。
嘘でもいいから。
???
急になに?
ですね。人生、一度ぐらいは「入社報告」で周りからお祝いされたい気持ちはあります。嘘でも。
自分も就活全滅する可能性もあるから、いま、やっときたいかも……。
どうした?
というわけで僕たち、この度……
やった~~~~~~~~~~~!!!