プロジェクトクロスゾーン
配線の荒れ狂う海
はい、繋がりました。
設計としてはこうです。
ファミコンに繋げるのに、途中でスーパーファミコンのコントローラが出てきてちょっとややこしいですね。
説明に二手三手必要で、ターン制RPGならロマン技もいいとこなんですが、それでも説明を聞きますか?
rァ はい いいえ
まず、こちらがファミコン周辺機器接続用の外部拡張端子です。
パッと見は汎用のD-sub15ピンですが、困ったことにファミコン用にちょっと深めの設計となっています。
なので、ここに挿すための専用コネクタと、MSX用ジョイスティックの信号を処理する基板が欲しかったワケですね。
当初の予定では、ジャンク品として手に入れたこちらのファミコン用周辺機器を分解し、コネクタの確保と基板の乗っ取りを行うつもりでした。
SFCコントローラを乗っ取った状態
基板の乗っ取りとは、基板に直接配線して電気信号を流し込むことで、動作を乗っ取ることです。すごい絵面だけどマジでこれで動く。
家庭用ゲーム機のコントローラ(アケコンとか)を自作したい時、プログラムやコネクタを用意するのは難しいのでよく用いられていた手法です。
『能力者のチカラが欲しければ、努力したり人造(つく)ったりするより能力者自体を操った方がコスパが良い!』って感じですね。
こっちがファミコン周辺機器の中の基板なんですが、なんか……美しいじゃないですか。ここに直接、拙い技術ではんだゴテをジュージューするのはなんだか憚られてしまいまして。
なのでケーブルをぶった切り、コネクタだけ頂戴することにしました。ケーブルならいつでもまた繋ぎ直せますからね。
そして乗っ取り用の基板は、過去の記事でスーパーファミコンのコントローラをバラした時の中身を再利用することにしました。
ファミコン周辺機器を探すのは大変だけど、スーファミのコントローラは割合お手軽に入手できるので工作向き、という側面もあります。
★ ポイント ★
実はファミコンとスーファミのコントローラは互換性があるので、同色を繋ぐだけで動かせます。ボタン数とか色々違うのにね。
こういうのを見ると「やっぱ後継機なんだな~!」って嬉しくなりますよね!
……なりますよね? そう信じてやっていますよ? 僕が悲しきモンスターになるか否か、読者の皆様にかかっていますからね?
Hell-O!!!
藪から棒でLet’s play STAGE 5! 魂斗弄羅のエミ・ワイアードだ!
またもや読み飛ばしても良い専門的な話をしに来たからな!
MSXのジョイスティックは6つのスイッチがあって、入力の数だけ電気信号が通る所がある9ピンが使われてるって話をしたよな?
じゃあ、スーファミのコントローラは12個のボタンがあるから、それ以上の数のピンがあるのが道理よな!?
ところがぎっちょん! スーファミのコネクタは7ピンしかないぜ!!
しかもコントローラから伸びてるケーブルは5本だけ! つまり、実際に使われているのは7ピン中5ピンだけってコトだ!!!
謎だろ!? 不思議だろ!? この疑問の答えがIC(集積回路)の存在なんだな~!
スーファミのコントローラは、ボタンを押したらその信号が全てICを通る!
ICは電気信号を処理するなんかちいさくてかしこいやつだから、12個のボタン入力をたった5つのケーブルで扱えるようにしてくれるんだ!
ケーブルを減らせる=コストが減らせる! 小さなことだが大量生産品にゃ重要なことだぜ!
こうしてICが発達した今! ゲームするなら映像はHDMI、コントローラはUSBかBluetoothで万事OKだ! 何かと専用ケーブルを用意してた時代がウソみたいだな!
テクノロジーの進化に敬意を込めて! せーのっ……かがくのちからって すげー!
ふぁみこんむかし話
無改造のファミコンは地上アナログ放送対応のテレビにしか画面を映せないので、2008年製の液晶テレビを引っ張り出してきました。
「散々レトロゲームを扱いながら、ブラウン管の一つも保管してねーのかよ」という声が聞こえた気がします。
「互換機やら最新ハードでの移植があるからブラウン管なんていらねーだろ」と思っていたんです。当時は。
ちなみに、ファミコンとテレビを接続するには本来RFスイッチと呼ばれる周辺機器が必要なのですが、生前の祖父が自作したアンテナコンセントを代替品として使用しています。
今ならわかる。これ壁付け用のやつじゃん。
久々に見たら、心線が断線している……
正直、今回これを繋ぎ直しているときがなんか一番グッと来ました。
これ本当に断線しやすくて、当時もよく爺ちゃんが直してくれたんスよ……
爺ちゃん、時代的に右利きに矯正されたけど、俺と同じ左利きだったんだよな……
当時は何も思わなかったけど、右手用の工具で苦労したんだろうな……
すみません。一回閃乱カグラを挟んでバランスを取ります。なんかセンチメントに傾き過ぎたから。
スペランカー
セッティング完了。はてさて、動くか……?
D2~D3D3♪ D2~D3D3 ♪(オープニングテーマ)
動きました。
何かと残機を失いやすいスーパーセンシティブを誇るスペランカーも難なく操作できています。
スタートボタンとセレクトボタンだけは本体備え付けのコントローラで押す必要がありますが、スペランカーではゲーム中ほとんど使いません。
これが……MSX用ジョイスティックで遊ぶファミコンか……ここに至るまでに色々なゲームを遊び……あとスペランカーは普通にやり込んでいるせいか……
普通にクリアまで行きました。
色々な意味でジョイスティックをモノにしたなあ、と心の底から思えた瞬間でした。
ときめきメモリアル
祖父、MSX、ジョイスティック、そして僕。世代もハードも何もかもバラバラな存在が一つの接点を持ちました。
祖父がどんな思いでMSXのジョイスティックを保管していたのかわかりませんが、少なくとも僕にとってはもう大切な思い出の品です。
今年のお盆はこれを持って祖父の墓参りに行こうと思います。
爺ちゃん、繋がったよ。何もかも。
ンー……コレ系の記事は一応こういうのも必要なんじゃないか?
やりたけりゃ詳しい人と一緒にやるんだぞ! あ~しとの約束だぜ! 嘘ついたら歯に1000ボルトな~がす! ユービキッタス!