こんにちわ、オモコロライターの原宿です。今、僕は「大ヒットする新書のタイトル」を考えています。
「新書のタイトルを考えているのに、なぜハコフグのような顔で意味の分からない箱に手を入れているのか?」についてはこれからご説明します。
まずはこちらのランキングを御覧ください。
こちらは、電子書籍事業を取り扱う「ブックリスタ」さんが2014年に集計した電子書籍の売上ランキングです。
1位 進撃の巨人 12巻
2位 進撃の巨人 13巻
3位 進撃の巨人 14巻
4位 進撃の巨人 1巻
5位 機動戦士ガンダム THE ORIGIN 1巻
6位 進撃の巨人 2巻………
って「進撃の巨人」ばっかりじゃねーか!
まぁ大変なヒット作ですし、売れてるのはわかるんですけど、あまりにも偏りすぎていませんか? ランキングの16位まで活字の本が一冊もないし。新書も全然入ってきてない。
業界の底の底ながら、一応活字を書いて糊口を凌いでいる人間としては、これは見逃せません。もっと活字の本を応援しなければという気持ちに自然となりました。
というわけで今回は「進撃の巨人」に負けないインパクトを残せるような、書店で見かけたら思わず手にとってしまうような、「今まで聞いたこともないような引きのあるタイトル」の新書を作るべく頑張っていきたいと思います。頑張るしかありません。その手段として使うのが……
冒頭に出てきた箱です。中には300枚ほどランダムに書かれたワードが入ってます。
これをやっていきます。
挑戦するのはこちらの4人。新書を出したことのある人間は誰もいませんが、この日、特に何もすることがなかったため呼ばれました。
大ヒットしそうな新書のタイトルを見つけ出し、印税で人生の一発逆転も狙いたいと思います!!
原宿の新書一冊目
引いたカードはこの二枚でした。このワードから一体どんな新書を作るか?
「全然関係ないなこの2つ。まぁ最初なのでシンプルにいきます!」
「え? 仕込み刀の人ってコーラ飲んじゃいけないの?」
「いや知らないけど。でも何となく飲まない方がいいんじゃない? 素早さとか大事だし」
「確かに人より節制しないといけなそうですよね。仕込み刀の人は」
「読んでみたいけど、仕込み刀の人から学べることが本一冊分もあるのか不安だね」
ダ・ヴィンチ恐山の一冊目
このように2つの言葉からどんどん新書のタイトルを作っていきます。続いてはダ・ヴィンチ恐山。
「カナブンへのヘイトが凄い」
「カナブンに生まれたらもう巻き返しは無理ってことが書かれてるの?」
「逆に残り1割に何が残ってるのか気になる」
「希望」
エラーくんの一冊目
続いてはエラーくんが挑戦。
「自己啓発的なやつなんでしょうね。メンターである成功者の老人みたいのが出てきてね」
「『君はもうかわい~い子リスは捕まえたかね?』って。『え!? どういうことですか!?』みたいな」
「『かわい~い』の『~』の部分が、いろんなものを下に見てる感じがして好きです」
「せっかくなので、子リスも書き加えました」
可愛いですね。
永田の一冊目
「いや、2枚なのに要素が多すぎない? 闇キリンてそもそも何なんですか。誰だこんなカード入れたの!」
「『これで一冊本を書け』って言われたら、すごく困りますね」
そんな永田が無理矢理作ったタイトルはこちら。
「一個もどういうことかわからない」
「たとえが特殊すぎるよこの作者。闇キリンを入れたのは俺だけど」
「お前か!」
「『闇キリン化する若者』というのは、多分自意識が肥大化して人を見下すようになった若者という意味ではないですか?」
「なるほど。パラパラチャーハン社会っていうのは、地域や他人とのつながりを失って個人が孤立化していくっていう意味かも」
「意外と現代社会の問題点をえぐっていそう」
「全部あとづけだけどね」
原宿の二冊目
二周目です。大体勝手が分かってきました。
「漫画でわざわざ説明するようなこと?」
「文章だけだとどうにもわかりにくいからね、マヨラーの寝顔は」
「アドバイスした人がいたのかもね。『文章だとわかりにくいから、漫画にした方がいいよ』って」
「漫画家に誰を起用したのかが気になります」
「弘兼憲史先生」
「絶対描かない」
ダ・ヴィンチ恐山の二冊目
「お、なんか重たそうなテーマが」
「これは普通にいい本になりそうですね」
「『答』の部分、もう全部出てる」
「これは新しいなあ。答えに『死ね』って書いてあるのは最初から出してるし、もう分かりきってるのに、一応確認のために読んじゃうみたいな」
「相談さえ集めればすぐに一冊書き上げられそうですね」
「ほんとに何となくのイメージでしかないんで怒らないで欲しいですけど、『ヴィレッジヴァンガードに置いてそう』」
エラーくんの二冊目
どんどん行きます。エラーくんの二冊目の上梓。
「『海賊と呼ばれた男』的にね」
「マザコンと野良犬ってだいぶ真逆の言葉ですけどね」
「大いなる矛盾をはらんだ存在で気になります」
「これも絵を描こうと思ったんだけど、ぜんぜん浮かばない…」
「この絵は可愛くなさそうだからつけなくていいよ」
永田の二冊目
「体から病気汁が出たら、やっぱりそれって病気のサインだと思うんですよね」
「確かに」
「『病気汁が出たので、私は病気だと思ったのである』」
「医学の最初の方の感じがすごい」
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「思ったけど、これ選ぶカードを三枚にしても成立しそうだね」
「えー、めちゃくちゃ難しくなりそうですけど」
「とりあえず一回! 一回試しでやってみよ! ね! 三枚!」
>> 次ページではランダムな言葉を三枚引いて新書にしてみました!
新書って、もっと面白い。