ダ・ヴィンチ恐山の三冊目
「うわあ」
「やっぱり多い」
「どうしたらいいんだこれ」
3つのワードを恐山が無理矢理新書のタイトルに押し込めた作品がこれ!
「ジョブスとゲイツのスタートラインを下に置きすぎ」
「でも3つ入れられたのはすごい」
「内容は頭に入ってこないけど、ワードをちゃんと使いきってることに感動!」
「趣旨が変わっていませんか?」
エラーくんの三冊目
「今の時点でもういい本ができそうだね」
「早いだろ」
「黒ギャルが好きなので買います」
「やった」
「新書っぽくはないですけど、セクシーじゃなくてセクハラなのがちょっと興味は引きますね」
「男目線のセクハラならバナナとかを使うんでしょうけど、女目線だとどうなるのかはちょっと興味があります」
「みんなで買おう!」
原宿の三冊目
「お、これは……」
「もしや………」
「出た~~~!!!ストレートだ~~~!!!何も足さなくても一冊できちゃったよ。何翻?何翻つく?」
「そういう手役を作るゲームじゃないから。まぁでもこれは確かに全然あってもおかしくない。もしかしたらもう出てるかも」
「宮台真司さんとかが著者なら普通に売れそう」
「ベストセラーおめでとうございます」
「はい。じゃあみんな1000円ずつね」
「金賭けてやってた覚えはない」
永田の三冊目
「え~」
「すごいニューロンのつなげ方しないとできなそうですね」
「ガンバ!」
「これはひどい」
「ほんの少しだけ『インターステラー』感がある」
「このシリーズは必ず泣き虫神父が五次元に行くの?」
「行くよ。行かなきゃ何も始まらないし」
「シリーズのしばりキツいなー」
「あとこんなのも引けたのでもう一冊作りました」
「いいですね、哀愁があって」
「よし、これまでにできた新書を持って、プロの編集の人に大賞を決めてもらおう!」
新書のプロに会いに行こう
これまでに「夢、死ね!(著者:中川淳一郎) 」や、「サマる技術(著者:船登 惟希)」「あなたのプレゼンに「まくら」はあるか?(著者:立川志の春)」などの新書を手がけてきた本当に新書を作ってる編集者の今井雄紀さんに、「売れる新書のタイトル」のポイントについてお聞きしました。
―今井さん、売れる新書のタイトルとは一体どのようなものなんでしょう?
「そうですね。濁音、特にガギグゲゴが入ってると印象に残りやすいという話もありますが……。タイトルをつける時に一番意識しているのは、それを見た瞬間に読者の方の頭の中に『!(ビックリマーク)』、あるいは『?(ハテナマーク)』を作るということですね。そういった意味ですと今回作られた新書では……」
「これが一番売れるかと思います」
―ええっ!? 『病気汁』ですか? 一体なぜなんでしょう?
「『あなた、知らない間に損してるかもよ!』的なタイトルって、みんな結構手にとるんですよね。例えばですけど、『知らないと恥をかく◯◯』みたいな。あと、新書って50代~60代の方がよく読まれるので、その世代の方が関心を寄せるであろう『健康』をテーマにしているのも強味ですね」
―なるほど、確かに言われてみれば……
「ただまあ『病気汁』っていうのが何かよくわかりませんし、多分そんなものはないので、あまり根拠のないことを煽り立てる健康本は、炎上する危険もありますね。ていうか、出版すべきではありません。あと全然売れないもので言うと…」
「これは売れません」
―やっぱりカナブンはダメですか……
「いえ、カナブンはワードとして強くていいと思うんですが、『そんなのわかりきってるだろ』ってなるタイトルはあんまりよくないんですよね。新書を読む人の動機って、『成長したい』とか、『得したい』という部分が一番大きいと思うので、『カナブンがキモい』という事実を単純に言うだけではダメなんです。カナブンを使うなら、そうですね、例えば『営業はカナブン式で行け』とかなら少しは手にとる人がいるかもしれません」
―おお!同じカナブンの本でも、一気に役に立ちそうな本になりました。
「あと、これなんかは割りと惜しいですね。主題に関連する特定の事象を取り上げてタイトルにするというパターンはアリで、例えば『さおだけ屋はなぜつぶれないのか?』なんかがその代表作です。だからこれは、仕込み刀の部分さえ変えれば結構よくなると思います。例えば『灘校生はなぜコーラを飲まないのか?』とか」
―うわー!何か飲まない理由あるんですか!? 今すぐ教えてくださいよ!
「ほんとに灘高生がコーラ飲まないかどうかは調べてみないとわかりませんけどね」
―なるほどー、さすがプロの編集者が言うことは説得力がありますね。
「まぁでも、タイトルを見て単純に僕が一番読みたかったのはこれでした」
新書のプロに太鼓判をいただいたこちらのタイトル、出版をお考えの出版社の方はオモコロまでご連絡ください(内容はすべてねつ造となりますがあしからず)。さて、新書が読みたくなった方はこちらをのぞいてみてはいかがでしょうか。
新書って、もっと面白い。
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