こんにちは、ライターの店長です。
突然ですが、こちらのツイートをご覧ください。
おやつ代わりに実家に伝わる「とろろ昆布に醤油をかけて、お湯を注いだ汁」を飲んでたら妻にかなり怪訝な顔をされた pic.twitter.com/fmreoYbpb8
— 店長(川下 俊幸)@イチコマ (@ten_cho_u) May 25, 2021
僕の実家では、この「とろろ昆布に醤油をかけたものにお湯を注いだ汁」(以下、「とろろ昆布汁」)が当たり前のように振る舞われていました。
それに対して妻は「なんだこの物体は」と疑いMAXの表情でした。美味いのになぁ。
こういう汁ってご実家でありましたか?
— 店長(川下 俊幸)@イチコマ (@ten_cho_u) May 26, 2021
Twitterでの投票でも「実家で似たようなものが出ていた」と「全く知らない」が、ほぼ二分される結果となりました。
投票数の多さからも「とろろ昆布汁」への関心の高さが伺えます。ちなみに10万8千という数字は、埼玉県富士見市の人口とだいたい同じらしいです。
そして本題はここから。このツイートがきっかけとなって、
なんとなんと、ツイートがきっかけでフジッコ株式会社(@fujicco_jp)から商品の詰め合わせをいただきました!!純とろに至っては3パックも……なんて粋な会社なんだ……
例の汁もフジッコ商品も食べまくるぞ〜〜!!! pic.twitter.com/31zuqYiSX1
— 店長(川下 俊幸)@イチコマ (@ten_cho_u) June 2, 2021
フジッコ株式会社から商品の詰め合わせが送られてきたんです!!! すごくない!!?
フジッコといえば「おまめさん」を筆頭にさまざまなヒット商品を世に送る、日本を代表する食品メーカー。そんな会社が、僕のツイートを見つけてくれるなんて……フジッコさん、なんて良い会社なんだ……。
これはもう、アレしかないですわな。
※本記事はPR記事ではありません。筆者がマジで勝手に思い立ったものです。
※本記事は新型コロナウイルス対策を徹底して取材しています。
というわけで
フジッコさんの新オフィス「東京FFセンター」にやってきました!
こちらは営業やマーケティングを目的として、今年4月に開設したばかり。FFとは「Foods & Foods Future」の略で「食と食品の未来をつくる」という、フジッコさんの創業当時からの思いが込められているそうです。ステキ。
エントランスにはめっっっっちゃ長い昆布も飾られていました。長すぎない?
SASUKEのファイナルステージと見間違わんばかりですが、これで一本の昆布らしいです。
そしてこちらが、今回担当いただくフジッコの瀬戸さんと江崎さんです。
「僕が作った汁を飲んでほしいのですが……」という迷惑メールになりかねない連絡にも、快く応じてくださりました。
瀬戸さん:昆布・豆事業部リーダー。惣菜管理士1級の資格を持たれている。
江崎さん:広告宣伝グループ所属。おばあちゃんの黒豆が好きだったのがきっかけで、フジッコに入社した。
店長:ライター。幼少期からとろろ昆布汁で育ってきた。
原宿:カメラマン。
※仕事内容は取材当時のものです。
まずはお話を聞いてみた
本日はよろしくお願いします! 反応いただいた「とろろ昆布汁」について、Twitterでも知名度が真っ二つに分かれていましたが、お2人はそもそもご存知でしたか?
私は関西出身だからか、食卓でも普通に出てましたね。うどんに入ってたり、休日の昼食ではお馴染みの存在でした。
私は……実は、フジッコに入社するまで「とろろ昆布」の存在自体知らなかったです。
え! 汁どころか、とろろ昆布自体を……!?
今はもちろん大好きですけどね!フジッコに入社しなければ、とろろ昆布と出会わない人生だったかもしれないです。
全員知ってるわけじゃないんだなあ。フジッコといえば「おまめさん」が真っ先に思い浮かぶのですが、昆布も主力製品なんですか?
実はあまり知られていないですが、とろろ昆布は当社の創業製品でもあるんです。
えーーーーー!! 全然知らなかったです!
1960年に創業してから今でこそヨーグルトやお惣菜、「フルーツセラピー」というゼリーなどを製造販売していますが、最初は「磯の雪」というとろろ昆布から始まったんですよ。
「フルーツセラピー」、めちゃくちゃ美味いですよね。何個食べたか分からないぐらい食ったなあ……。
そういえばフジッコさんって、たしか兵庫県に本社がありますよね。関西って昆布がよく流通してたんでしたっけ?
歴史的には、鎌倉時代に北海道で採れた昆布が北前船(きたまえぶね)という船で福井県の敦賀(つるが)や小浜(おばま)に入り、その後関西に運ばれています。実は昆布って、関東よりも関西の方が先に集まってたんです。
ちゃんとした背景があったんですね……! モノの流れが「とろろ昆布汁」の知名度にも関係してるかもしれませんね。
昆布の歴史だけで記事が1本作れそう。入り口の長〜い昆布も、すごいインパクトでしたね。
そうなんですよ! このFFセンターは今年4月に開設したのですが、新型コロナウイルスの影響でまだ来訪者が少なくて。いろんな人に知られて、日の目を見てほしいです。
店長、昆布ライターになって昆布のPRしまくってよ。
なるか……昆布専門ライター……。
「純とろ」の他にはない特徴
とろろ昆布はさまざまな会社が発売してますが、御社ならではの特徴ってありますか?
そうですね、店長さんはとろろ昆布の製法はご存知ですか?
いえ、恥ずかしながらまったく……。
とろろ昆布の製造工程
一般的には、このような流れで作られています。
ほ〜〜、かつお節みたいなイメージなんですね。削って薄くしてるんだ。
そして削ったものを袋に充填して、完成となります。弊社のとろろ昆布「純とろ」は化学調味料は不使用で安全安心、というのもありますが、一番のポイントは削る薄さですね。
どれぐらいだろう、1mmとか?
0.02mmです。
薄っっっっっっっっっす
これだけ薄いので口どけも良いですし、健康にもメリットがあるんです。0.02mmって細胞の大きさより薄いので、水溶性の食物繊維がより溶け出しやすくなります。それが中性脂肪の上昇を抑えることが、研究からも明らかになっています。ご家庭にはまだまだ知られていない効果なので、これからどんどんアピールしたいですね。
美味しいし身体にも嬉しいなんて、良いことづくめですね! 昆布にも色々な食べ方がありますが、薄いとろろ昆布を摂取することでパワーも得られそうですね。
ここまで薄く削るのはご家庭では難しいので、ぜひ「純とろ」を召し上がってほしいですね! 特にお味噌汁やスープに入れていただくのが、気軽に食べられてオススメです。
そんな「とろろ昆布汁」をこれから作りますので、ご賞味ください!
というわけで、いよいよ「とろろ昆布汁」を作っていきます。今回は合わせて3パターンのレシピを準備してきました。
その1
まずは、一番シンプルなレシピから。「純とろ」を2g取って、お椀に入れます。
次に、醤油を小さじ1ほど加えます。
あとは適当にお湯を注げば……
はい、あっという間に「スタンダードとろろ昆布汁」の完成です! めちゃくちゃ簡単ですね。
では早速、お2人に召し上がっていただきましょう。
ズズ……
モグ……
うん、シンプルな味わいで美味しいですね。
これぞ「純とろ」って感じの味ですね! あっさりしてます。
よかった……!
昔営業をしてたんですけど、ご年配の方ほどこういう召し上がり方をされてましたね。ツイートの反応を見て「若い方でも召し上がってるんだ!」というのが新鮮でした。
せっかくなので、カメラマンとして来てくださった原宿さんにも振る舞ってみました。
ズズズ……
めっちゃあっさりしてるな〜〜〜〜ちょっと薄いかも。
正直すぎません?
いや、でも美味いよ。昆布の旨味がまっすぐ入ってくる。上品な精進料理をいただいてる気分になれるね。
ここからアレンジしていくので、楽しみにしておいてください!
その2
次は、先ほどより手をかけていきます。まずお椀に、食塩1gと「純とろ」3gを入れます。
揚げ玉も適量加えておきます。
続いて、計量カップでお湯を150cc測り、少しだけ冷ましてからお椀に注ぎます。
そして醤油を小さじ2分の1ほど加えて、
最後に刻みネギを添えれば……
「ネギと揚げ玉のとろろ昆布汁」の完成です! 1つ目より「料理」っぽさが格段に上がった気がします。
それでは召し上がっていただきましょう。先ほどよりテンションが高いように見えますが、はたして……?
パクッ……
ほっ……
美味っしい!
おお、さっきと反応が全然違いますね!
お塩が効いてますし、揚げ玉で食べ応えや旨味がプラスされてるのも嬉しいですね! しかも「純とろ」の風味はしっかり残っていて、すごく美味しいです。難しいレシピじゃないのにこんなに美味しくなるんですね。
ネギのシャキシャキした食感と、柔らかい「純とろ」の食感、そして揚げ玉の食感。3つの異なる食感が楽しめますね。1つ目は根っからのとろろ昆布好き向けで、こちらは万人向けというイメージです。家にありそうな食材だけで作れますし、誰が食べても美味しいと感じると思います。
お2人とも食リポの技術が上がってる……! 喜んでくださってよかったです!
こちらもせっかくなので、原宿さんにも召し上がってもらいました。
ズズ……
ぁ、美味(うま)……っ!
さっきより格段に美味くなってる! 個人的には、もうちょい塩が少なくても全然いけると思う。これは、次も期待ですねぇ……。
3つ目
最後は、食材をさらに使用した豪華版を作ります。
まずは、オクラに塩をまぶして板ずりし、表面のうぶ毛を落とします。
お湯で茹でたあと、食べやすいサイズにカットします。
同時並行で、油揚げをトースターに入れて焼き目を付けていきます。
良い色合いになったら取り出し、ひと口サイズにします。
続いて、2つ目と同じ順序で塩→「純とろ」→お湯→醤油をお椀に加えます。塩は先ほどより少なめで大丈夫です。
最後に刻んだオクラと油揚げ、そしてほぐした梅干しを添えれば……
「梅オクラと油揚げのとろろ昆布汁」の出来上がりです!
さて、気になるのはそのお味。反応やいかに……?
モグ……
美ん味〜い!
スープとしての完成度が抜群ですね! 料亭で出てきそうなぐらい綺麗ですし、目で見ても楽しいです。梅の風味も全体に広がってて良いですね。あと、油揚げがチャーシューみたいで素敵です。大事に食べたくなっちゃいます。
ホント、梅の酸味がすごく合いますね。さっきより塩気は控えめな分、梅の爽やかな風味がスープ全体で感じられます。色合いも赤・緑・黄とバランスが取れていると思います。熱が出ていたり、体調が悪いときにも食べやすそうですね。
あと、ご飯にかけてお茶漬けにしても合いそうです! これだけ具材が入っていても、「純とろ」の旨味もちゃんと調和が取れてるのが凄いです。
う、嬉し〜〜!! 薄いから旨味が出やすいし、口どけが良いのもポイントかもしれませんね!
原宿さんにも召し上がってもらったところ、
ズズ……
1位です。
1位でした。
これ、めっちゃ美味いな〜! 最高にちょうど良いわ、梅が良い仕事してるね。とろろ昆布の独特の風味が苦手な人でも、梅を入れたらいけると思う。梅と「純とろ」を買って、みなさん絶対にやってみてください。
本日はどうもありがとうございました!
こちらこそ、楽しかったです!
記事が出来上がるのも、楽しみにしてますね!
はい、それでは失礼いたします!
……
いやぁ、喜んでくださってたね。
食品メーカーの方々に料理を振る舞うなんて、はじめての経験で緊張しました……。色んなお話も聞けて良かったです!
しかし、店長がアレンジレシピを作れるなんて知らなかったな。料理、得意なんだっけ?
え? いやぁ、ははは……。
……
…
…
ごめんなさい、めちゃくちゃプロの力をお借りしてました。
実は今回、料理素人の僕でも美味しい「とろろ昆布汁」を作るため、人気スープ作家の有賀薫さんにインタビューさせていただきました。
有賀薫
スープ作家。東京都出身。365日毎日スープを作り、その数は2020年2月時点で2900以上。著書に『スープ・レッスン』『有賀薫の豚汁レボリューション』など。
こんなよく分からない企画なのに、ありがとうございます。
いえいえ、面白そうな話だったのでついお受けしちゃいました! 私の方で、簡単に検証も行ってみました〜。
け、検証!? ちなみに、どんなことを?
まず代表的なレシピを1つ作って、そこから①温度(60〜90℃)②とろろ昆布と塩分の量③アレンジレシピを試してみました!
想像してた10000倍すごい……!
次ページでは有賀さんの検証結果、そして「とろろ昆布汁」のアレンジレシピをご紹介します!