ドオォン!
ズゴン……ズゴン……
「わああああ!!!」
「兄ちゃん!兄ちゃん!!」
「ここにいては危険です!早くビルの外へ!!」
ドゴォン・・・
ドゴォン・・・
「江ノ島さん、どうして……」
「きっと感情のコントロールが効かなくなってしまったんだ!」
「あ!!」
ズシン・・・ズシン・・・
「まさか! ビルを壊すつもりじゃ…!!」
「そ、そんなっ」
「どうすることもできないっていうのか……」
「……。」
「あーっ!もうダメだぁ!」
「クッ……!」
タッタッタッ
スッ……
ギュピーーーン!
グン
グン
グン
「あの光は!!」
ジュアッ!!
「やった!助かった!」
「いいぞ!がんばれー!」
ヘアッ……チャッ!
ティアッ……
「ああっ……押されてるっ」
ピコンピコンピコンピコンピコンピコン
「なんだ?胸のタイマーが赤く点滅し始めたぞ」
「えっ……もしかして、もうエネルギーが残り少ないってこと!?」
ピコンピコンピコンピコンピコンピ
ドシン・・・
ドシン・・・
「マズい!江ノ島さんがまたビルに向かったぞ」
ズン
ズン
ズン
ズン
グワァッ!!
「江ノ島さんっ……!!ビルを壊してもダメなんだぞ……、もうアイデアは、もう戻ってこないんだぞーーーー!!!!」
ジュアァ・・・・
ピキィィィィィィィィィン………………
「あれは……まさか!江ノ島さんにとどめを刺すつもりなのか!?」
「そ、そんな……。江ノ島兄ちゃん……」
「殺さないで!!」
チャッ!?
「やめてウルトラマン!!」
「やめて江ノ島兄ちゃん!」
・・・
「見てよ兄ちゃん。これ江ノ島兄ちゃんのアイデアだよ」
「僕、兄ちゃんからホワイトボードで空を飛ぶって聞いたとき、本当にすごいと思った!!」
「本当におもしろいと思った!!」
「本当に記事にしてほしいと思ったんだ!!!!!」
・・・
「だから見せてよ!」
「僕に…」
「ホワイトボードで空を飛ぶところ!!」
ズッ・・・
「江ノ島兄ちゃーーーーん!!」
コクッ……
パタパタ……パタパタ……
ズドンッ・・・!!
ズドンッ!!
「頑張れっ!飛べる!!飛べぇ!!!!」
「がんばれ……!江ノ島兄ちゃん!!!」
「ガンバレーーーーーッ!!!!!!江ノ島ぁぁぁぁぁ!!!!!!」
フワッ…………
「飛んだ!!やったやったやったぁーーーー!!!!!飛べたんだぁ!!!!!!!!」
パタパタパタパタ……
パタパタパタパタ……
パタパタパタパタ……
シャッ!
キ
ィ
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ン
「どこに行くんだい?」
「わからないけど、もうあそこには居られないから」
「……」
「ねぇ、ウルトラマン、ぼくはこれからなにをしたらいいのかな」
「……君はなにをしたい?」
「ぼくは……、記事を書きたい。皆が読んでくれるか、笑ってくれるかわからないけど、とにかく形にしたいんだ。自分の中のアイデアを」
「できるよ、君なら」
「だから探すよ。ぼくのアイデアを記事に出来る場所を」
「きっとあるさ。この広い宇宙には、そんな星がきっとある」
「遥かなる惑星・Zが」
「ありがとう、ウルトラマン」
「行っちゃったね……。兄ちゃん、新しい自分の居場所を見つけられたかな」
「わからない。けど見つけられてるといいな」
「あのね、決めたよ。将来の夢」
「僕、WEBライターになる。そしていつかすっごくウケる記事を書く」
「遠い遠い宇宙のどこかの江ノ島兄ちゃんにまで届くくらい、ウケる記事を。きっと……」