”ディズニーランドのモデル” ノイシュバンシュタイン城

 

世界的に有名な名城、ということで、まずはノイシュバンシュタイン城を取り上げてみたい。

ドイツ、バイエルン州にあるこの城は、ロマンチック街道の終点に位置し、世界で最も美しい城の一つと言われている。

観光地として日本でもメジャーなため、名前を聞いたことがある方も多いのではないだろうか?

 

名前を聞いたことのない方でも、この城が「ディズニーランドの城」のモデルになっていると言えば、いかに有名な城かわかってもらえるかと思う。

カリフォルニアにあるオリジナルのディズニーランドや、香港ディズニーランドにそびえる「眠れる森の美女」の城は、このノイシュバンシュタイン城をモデルに作られたとされている。

 

さて、そんなノイシュバンシュタイン城の間取り・住み心地はどうなっているのだろうか…?

 

さっそく、物件広告を作ってみた。

 

 

詳しく見ていこう。

 

 

A. 概要

まず、立地である。

ノイシュバンシュタイン城は、ドイツの南端、バイエルンミュンヘンで有名なバイエルン州にある。

最寄り駅はフュッセン駅。首都ベルリンから650km、電車とバスで8時間もかかる場所だ。(東京から広島くらいの距離感)
さらに駅から城のふもとまで公共バスで30分、ふもとから城までシャトルバスで10分。アクセスは最悪である。

 

間取りは、来ました90LDK。ひっろ。

浴室など諸々を含めれば優に100部屋を超える。1部屋1時間で掃除したとすると、丸4日以上かかる想定だ。

ちなみに、今回間取りを調べるにあたり参照した複数の資料で、間取りや部屋数に差異があった。そのため、多少なりとも想像で補った部分があることは申し添えておく。

 

 

築年は1880年。築140年だ。意外と新しい。

ノイシュバンシュタイン城を建てたのは、”狂王”の異名をとるバイエルン王・ルートヴィヒ2世。かなりの浪費家だったらしく、この城も戦争に負けた王が、現実逃避のために建てた城だと言われている。例えば我々が何かの拍子に現実逃避をしたくなったとしてもせいぜいお菓子をドカ食いするぐらいで済むが、バイエルン王クラスになると城を建ててしまうのだ。

 

床面積は地上6階すべて足して驚異の6000㎡。東京ドーム0.12個分である。もう少しわかりやすく言えば、サッカーコート(7140㎡)より少し小さいくらいだろうか。

僕の住む1LDKと比べると…

こうなる。

ディヴァイザズ城とも段違いの広さだ。

 

塔の最も高い部分は、65メートル。もしノイシュバンシュタイン城が日本にあったら、航空法第51条にもとづき航空障害灯(タワマンとかについてる赤いチカチカ)を付けなくてはならなくなる。

 

B. 間取り

続いて、詳しい間取りを見ていこう。

まずは、1階と2階である。

画像中の「B」はベッドルーム、「D」はダイニングルーム、「K」はキッチンを指している。

 

1階は門と門番小屋があるのみで、居住スペースになるのは2階からである。

2階は騎士や婦人たちの住居となっており、大きなキッチンがしつらえられている。ここで作られた料理は、5階にある王の食卓まで料理用の小型エレベーターで運搬されていたらしい。二階建ての吉野家とかでよく見るやつである。

もし現代人がここで暮らしたとしたら、料理を5階まで持ち上げるのが面倒でほぼ確実にキッチンでご飯を食べることになるだろう。

 

3階は使用人たちの住居、4階はゲストが来た時の宿泊スペースとして用意された場所だ。

3階のベッドルームの数を見ると、いかに多くの使用人たちがこの城で働いていたのかがわかる。城の「住みやすさ」はあくまでも大勢の使用人たちに支えられているのだ。

 

5階は、王の居住スペースだ。

王の執務室である書斎、王のダイニングルーム、王の寝室、王のリビングルーム、王の着替え部屋、王のトイレ…と王の生活に必要な部屋があらかた揃っている。

そんななか、ひと際目を引くのが「洞窟」である。公務や公的行事の場となる「玉座の間」や6階の大広間よりも、ルートヴィヒ2世はこの洞窟を優先して作らせたという。ロマンチストだった王の、ファンタジーな世界観を象徴する空間になっている。90LDKの「D」はダイニングではなく洞窟のDなのだ。

ちなみに洞窟の内部は、こんな感じだ。

ルートヴィヒ2世、監獄居酒屋ロックアップとか好きそう。

 

C. ポイント

 

そんなルートヴィヒ2世のメルヘン趣味全開なノイシュバンシュタイン城だが、実は当時の最先端技術が詰め込まれた城でもある。

厨房には温水と冷水が引かれており、その温水を利用したセントラルヒーティングシステムまで完備されている。先述の通り、厨房には小型のエレベーターもあるし、高層階には電話線の差し込み口もあるらしい。さらに、王が従者たちをいつでも呼びつけられるように、電動の呼び出しベルのシステムも搭載されていたという。

 

ちなみに”狂王”ことルートヴィヒ2世だが、この城に住み始めてすぐに「極度の浪費癖」を理由にベルク城という別の城に軟禁され、その直後に謎の死を遂げている。

王が亡くなったのはノイシュバンシュタイン城内ではないが、王が強い執着を持っていたノイシュバンシュタイン城内にルートヴィヒ2世の幽霊が出るという噂がまことしやかにささやかれている。

誰もいないはずの王の居室から電動ベルの呼び出し音が鳴る……。そんなこともあるかもしれない……ので、「心理的瑕疵あり」、つまり、事故物件である。

 

 

 

 

さてここまで2つの城を見てきたが、最後は城という枠を飛び出してみよう。

 

「世界最高にきらびやか」

「世界一華麗」

「世界で最も豪華絢爛」

 

そう形容される建物が、フランスに存在する。

 

皆さんご存知、ヴェルサイユ宮殿だ。

 

最後に、ヴェルサイユ宮殿の物件広告を作ってみよう。

 

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