自販機で手軽に買える素晴らしいアイス、セブンティーンアイス。

みなさんは、セブンティーンアイスの包装紙についている顔マークをご存知だろうか。

 

ある日、包装紙をはがそうとあけくちをつまんだ時に、の存在に気がついた。

こちらに向かってにっこり微笑む彼を見て、私は首をひねった。

こんなのついてたっけ?

セブンティーンアイスは子供のころから大好物だ。ボウリング場で親にねだってよく買ってもらったのを今でも鮮明に覚えている。

でもこの顔マークのことは全く記憶にない。なんだこれは。

 

 

 

なんとなく切り取ってみたりするが、小さいのですぐに失くしてしまう。

どうしたものかと思っていた時に、立ち寄った100円ショップで小さなジップロックを見つけた。これだ。

 

 

そんな感じで、なんとなく思いつきで顔マークを集めだした。

 

 

 

大人になった今でもセブンティーンアイスが好きだ。最近は駅で簡単に手に入るのでとてもありがたい。

私は気に入った味の数種類しか食べないのだが、ある時はっと気がついた。

こんなに種類が豊富なのに、なんで全部の味を試していないのか。

 

 

 

毎日、いろいろな味を食べてみた。

すぐに私は後悔した。どれもすごくおいしいじゃないか。今までこんなおいしいもの達を見過ごしていたなんて悔しい。

 

 

 

そうしているうちに、小さなジップロックのなかも賑やかになってきた。

ついでに集めてきたとはいえ、溜まっていくカラフルな顔マークがちょっとだけ嬉しかった。

 

 

 

 

顔マークの使い道

 

いつものようにセブンティーンアイス活動に励んでいると、ひとつの疑問が湧いてきた。

この顔マーク、なにかに使えるのでは?

なぜ今まで思いつかなかったのか。ベルマーク的な感じで景品と交換してもらえるのかもしれない。もしくは、チョコボールのエンゼルマークみたいに当たりがあるとか。

こんな意味ありげに包装紙についてるのだから、きっと何か意味があるに違いない。

 

 

販売会社のグリコにメールで問い合わせをしてみた。

 

--セブンティーンアイスの包装紙についている顔のマークですが、どのような使い道があるのでしょうか。なにか景品交換などに使えますか?

 

「お問い合わせありがとうございます。現在、こちらのマークを利用して景品交換や懸賞応募などは行っておりませんが、お客様に親しみを持っていただいているマークです。」

 

親しみのマーク!

親しみはすでに持っている。が、ストレートにそう言われるとショックだった。

それって結局、なんの使い道もないってことか。見返りを期待した浅はかな自分が恥ずかしかった。

 

 

それでも顔マークは変わらずに微笑みかけてくれた。

その意味ありげな無意味なスマイルに、私の欲深い心が溶かされていくような気がした。

使い道なんてどうにでもなる。これまで集めたたくさんの顔マークは私がセブンティーンアイスを食べてきた証。それだけで十分じゃないか。

 

 

 

 

私なりの顔マークの使い道

 

顔マークをひと目見た時から密かに思っていた。

このかわいらしい顔に体を付け足してあげたい。

 

 

ストロベリーサンデーは、バニラ色のスカーフをなびかせる正義の味方。

 

 

 

 

 

ソーダフロートは、ソーダ色のキャップをかぶった水泳選手。

 

 

 

 

 

顔に大きな傷があるガトーショコラは、腕のたつ剣豪。

 

 

 

 

 

チョコミントはベレー帽がよく似合う画家。

 

顔は同じでも体をつけると表情が違って見えるのがおもしろい。

 

 

 

 

そうしていつの間にかたくさんの顔マークたちは私の宝物になっていた。 

 

 

 

宝物は200枚ほどになった。

無意味なものもたくさん集まれば意味を持つ。彼ら自身もそう言っているに違いない。

 

 

 

たまに思い出して広げて眺めたり、キング顔マークをつくった。意外にかわいくならない。

私自身もこんな感じでムフっと笑いながら鑑賞にふけった。

 

 

 

 

 

突然の知らせ

 

2018年11月14日、予期せぬ出来事が起こった。

セブンティーンアイスのキャンペーン情報を偶然ツイッターで見かけたのだ。

 

 

セブンティーンアイス型のモバイルバッテリーが当たるキャンペーン!

あまりのかわいさに身もだえる。これは絶対手に入れたい。

欲しくて欲しくて、もうたまらなくて、全身を熱くしながら応募の詳細のページへ。

 

 

「対象マーク7枚集めて応募しよう」……?

 

 

 

 

あの顔マークで応募を?!
 

全身の熱はあっという間に引いていき、今度は押し寄せる寒気に震え上がった。

激かわのモバイルバッテリーを手に入れるには、200枚もの宝物を手放さないといけない。

何百枚集めたところで、顔マークに意味などない。そこが魅力だった。気持ちが安らいだ。

それなのに、あんなに無意味だったものが、今さら意味を持ってしまった。

 

かなり迷った。いっそキャンペーンなど見なかったことにしようか。

いや、集めた責任は果たすべきだ。応募しよう。もはや顔マークは意味のあるもの。このまま手元に置いておいたところで、日の目をみないまま死んでいくだけだ。

今こそ私の手から離れる時がきたのだ。覚悟が決まったのは、応募締切日の前夜だった。

 

 

縁起をかついでお年玉つき年賀状で応募したいと思う。

 

 

 

ハガキ1枚につき7枚の顔マークを丁寧に貼る。これで1口。

 

 

 

色とりどりの彼らとも今日でお別れだと思うと寂しい。

 

 

 

はじめは憂うつだったが、1枚仕上げるごとに不思議と気持ちが軽くなっていく。

 

 

 

チョコミントは本当によく食べた。ありがとう、ありがとう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

24枚の年賀ハガキをつなぎ合わせて大きな大きなイノシシにした。

これは私のセブンティーンアイス活動における集大成。私はハガキを書きながら、全身全霊をかけて祈った。そして、グリコさんに媚びた。どうかモバイルバッテリーをください。本当にほしい。

5時間後、すべてのハガキを書き終え、力尽きた。酷使した手が鉛のように重かったが、心は雲のように軽かった。

今までありがとう、顔マーク。無意味の意味を教えてくれた君たちのことは、ずっと忘れない。

私はとても晴れやかな気持ちで顔マークたちを見送った。

 

 

 

 

 

1週間後……

 

 

 

 

そして、また新たな物語が始まろうとしている。

 

 

 

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