セブンティーンアイスが好きでよく食べている。
今から約1年前、セブンティーンアイスの包装紙についている「顔マーク」についてオモコロで記事を書いた。
「セブンティーンアイスの『顔マーク』を集めだしたら物語がはじまった」
https://omocoro.jp/kiji/163492/
※先に上記の記事を読んでもらえると、このあとの話が分かりやすいと思います。
モバイルバッテリーの懸賞に応募したその後
200枚の顔マークは懸賞に応募するために手放した。
17アイスそっくりのモバイルバッテリー、そんなかわいいもの欲しいに決まってる。なにがなんでも手に入れたい。
顔マークは私が17アイスを200回愛した(食べた)証だった。
それが消えてしまうのは心底つらいけど、無意味だと思っていた顔マークに意味が生まれたのは喜ばしかった。それにあれだけの枚数があれば当たるかもしれない。
清々しい気持ちと前向きな希望を持って応募を決意できた。
オモコロの記事では懸賞に応募するところで終わっていて、当選の可否について何も書いていなかった。
その後のことをこちらに書き記しておきたい。
私は応募する際に大きなミスを犯していた。
「なんとなく縁起が良さそうだし、ようし奮発してお年玉つきのハガキで応募しちゃお!」みたいなノリで年賀ハガキを使っていたのだ。
12月31日消印有効の懸賞に年賀ハガキで送る。これが何を意味するのかお分かりだろうか。私には想像もつかなかった。
お年賀ということで郵便屋さんが1月1日以降にお届けしてしまうのだ。
記事公開後、読者のかたにそれを指摘されて腰が抜けそうになった。
200枚の顔マークは無効に終わった。
前から意味を持たない顔マークが愛おしいと思っていた、でも懸賞に参加できるという意味が生まれた、という物語だったはずだ。
私は無意味に無意味を重ねただけだったのだ。ああ、びっくりした。思わず絶望しちゃった。
セブンティーンアイスの新たな懸賞が始まった
懸賞の結果は絶望に終わってしまったが、実はその後も17アイスをせっせと食べ続けていた。17アイスは通勤時のおやつに欠かせない存在だ。
そして数か月後、17アイスの新たな懸賞が始まったのを知った。
※懸賞は終了しています
顔マークを送れば極上の宿に泊まれるかも?!
ときめいた。17アイス型モバイルバッテリーの時とは違う種類の胸の高鳴り。
レオパレスが大変なことになっていた時期だったからだろう。私はレオパレスに住みながら退去願いが来るかもしれない日々に震えていた。極上の宿で寝泊まりしたらこのストレスも癒されるに違いない。
また貯まり始めていた顔マークを極上の宿の懸賞に賭けることにした。
完全にのぼせきってる人が3人います pic.twitter.com/AHMaeMiCOe
— かとみ (@kato_mi) May 21, 2019
温泉宿への想いが爆発して、顔マークの人々が温泉につかるイラストを描いた。ファンアートだ。
これをハガキに印刷して、ひと口13枚の顔マークを貼り付けた。13人もいるので休日のスーパー銭湯みたいな混雑具合だが、優雅な温泉を表現している。
これでどうか! わたくしめに極上の宿に泊まる権利を!
……ふつうに外れた。
あとレオパレスから退去願いは来なかった。よかった。極上の宿に逃げこむ理由もなくなったし、私はここで慎ましく暮らしていこう。
チャンスの再来
17アイスを食べる日々は続く。
自販機に新しく入った苺チョコのミルフィーユにハマって、隙あらば舌鼓を打ちまくった。(今は見かけなくなってしまった)
ある日、いつものように苺チョコのミルフィーユをせっせとかじっていると、衝撃のお知らせが目に飛びこんできた。
大好評につき第2弾!
モバイルバッテリー プレゼント!
※懸賞は終了しています
ありがとうございます!! その場で叫びそうになった。
諦めていた、あの激かわモバイルバッテリーを手に入れるチャンスが再び巡ってきたのだ。
興奮で手に持っていた苺チョコのミルフィーユを猛スピードでたいらげた。景気づけだ! もう一本おかわり!
激かわ17アイスモバイルバッテリー
今度こそ当てたい pic.twitter.com/NoAfUJtkg3— かとみ (@kato_mi) November 29, 2019
絶対にほしい想いをまたファンアートにした。17アイスをめぐる人々、最後の晩餐風。
私もこうして翻弄されながら17アイスを食べている、そんな想いと愛を込めて描いた。
11月30日に応募は締め切られ、1月上旬に(景品の発送をもって)当選発表とのことだった。
私は1月1日から毎日ツイッターで検索をかけた。
「セブンティーンアイス 当たった」
「17アイス モバイルバッテリー」
「セブンティーンアイス 当選」
「17アイス 懸賞 届いた」
検索履歴が当選者のストーカーみたいになったが気にしない。
お正月三が日が過ぎ、1月10日を迎えると、頭がおかしくなりそうになった。当選発表の1月上旬と呼べる時期が終わってしまう。
日課のツイッター検索のあとに、グーグルに尋ねた。「上旬とは いつまで」
1月15日になり、いよいよ本格的な中旬に突入。
私はまたしても抽選に外れてしまったのだろうか。いや、希望を捨てるにはまだ早い。ツイッターにはまだ当選報告がひとつも上がっていない。まだだ。
1月21日、立派な下旬である。
もう17アイスモバイルバッテリーは手に入らないんだな。また外れてしまった……。
仕事を終え、重い足どりで家の玄関を開ける。
1枚の紙きれがひらりと足の上に落ちた。佐川急便からの不在票だ。走り書きで内容物の欄にこう書いてあった。
「グリコ、モバイルバッテリー」
ここから翌日までの記憶があまりない。
とにかく翌日、ものすごいスピードで帰宅したのは覚えている。
次の日、小さな段ボールを受け取った。
慎重に開け、いきなり飛び込んできた「ご当選おめでとうございます!」の文字に目をやられた。直視できない。
本当の本当に、あの激かわモバイルバッテリーが当たったというのか。まだ信じられない。
ぎゃーー! 当たってたーー!!!
夢じゃない。まぎれもなく、夢にまで見たモバイルバッテリーだ。
17アイスそっくり。今すぐ剥いてかじりつきたいぐらいリアル。
いや、もうこれ17アイスそのものじゃない? 本当にモバイルバッテリーか?!
「モバイルバッテリーです。食べられません。」
おしりに開いた差し込み口……
バッテリーの残量を示す光……
ああ、まぎれもなくモバイルバッテリーだ。
バカみたいにくるくる回して何度も確かめてしまった。嬉しい。当たった。やってきてよかった。お母さん、わたし頑張ったよ。あの17アイスモバイルバッテリーを当てたんだよ! それをくるくる回して立派に暮らしているよ!
生涯、このモバイルバッテリーは大切にしたいと思う。
信じれば夢は叶う!