
一枚ぺろりと平らげたので、どんどん焼いていく。
豪快かつ繊細、一度に4枚焼き。
よしゃよしゃ!!

薬味もよしゃよしゃよしゃよしゃ!!!!!

こんなんに……

しょうゆ(鮮度の一滴)をちゃっと垂らして……

おろししょうがや七味も、ちっと……

うまい。
これだけのことなのに、こんなに正義を感じる。
ジョジョ第三部のDIOが黒なら、厚揚げは「正しいことの白」。間違いない。

あとこれね! 何と言っても厚揚げ納豆ね!
同じ大豆だからか、厚揚げと納豆の相性はベスト・オブ・ベスト! ベター・ザン・ロウ!
納豆と油の香りが漂うだけで、無限にお腹が空くわ空くわ…
これだけで十分ウマいのだが、厚揚げをめちゃめちゃ食べる会長としては、より冒険的な食べ方に舵を切りたい気持ちになってきた。
「チヂミのタレですよ」

「松岡?」
「厚揚げにチヂミのタレかけると、ウマイっすよ。近くのカルディに売ってます」
「チ、チヂミのタレ?」
やぶから棒に、一体何を言い出すんだ、松岡。
チヂミのタレなんてお前そんな……

そんなお前……

そんな……

お、ウマイ。
思えばチヂミも平たくした生地を油で焼いた料理で、油まみれなのは厚揚げと共通している。
油と合う調味料を探れば、厚揚げ道を極める道も見えてくるのだろうか。

せっかくカルディに行ったのでチヂミのタレ以外の商品も買いたくなってしまい、
ヒット商品の「たらこスプレッド」を買ってきた。

レンジで軽くチンし、とろりとしたスプレッドを厚揚げに合わせてみる。果たして……

憎い。
まるで自分の血管に詰まった塩分とコレステロールをこそげて食べているかのような感覚。
世界が、憎い。
だが憎しみとともに、油まみれの厚揚げに脂っこいものを掛け合わせてはいけないということを学んだ。
同じ轍は二度踏まない。一度挫折を味わった会長は、ちっとばかしタフだ。
まずこのベタついた口を洗い流すためには……
「めかぶっすよ」

「松岡?」
「サッパリいくなら、厚揚げとめかぶっすね。卵黄のっけてもいいと思いますよ」
「厚揚げにめかぶ…? 卵黄…?」

松岡…。
さっきから写真が一種類しか無いのに、めちゃめちゃ厚揚げのアイディア出してきて……何者なんだ……

でも作ってみたよ!
厚揚げとめかぶ、意外すぎる組み合わせだが美味いのか。見た目は良い。

卵黄をちゅっと割って……
ズゾッ

一位。
厚揚げのかさばる質感を、めかぶのネバネバとサッパリさが包み込み……まさに口が洗われるよう。
卵黄の旨味ワンポイントリリーフもしっかり効いている。これは今日から好物にしてもいいぐらい好きだ。
納豆といい、厚揚げはネバネバした食品と相性がいいのかもしれない。

厚揚げにハンバーグと野菜を挟み込んだ、「モスバーガーが期間限定で一瞬出しそうなやつ」も作ってみた。

ガッ
物理的に厚揚げの向こう側に進んでいけない食べ物だった。

デザート系にもやはり挑戦ということで、厚揚げにきなこと黒みつをまぶしてみた。
油で揚げたデザートというと、ドーナッツやパンの耳などがある。
厚揚げにも、糖質控えめスイーツとして売り出せる素養はあるのではないだろうか。

見た目も断然それっぽいが……

スッ

信玄餅じゃん。
完っっっっっっっっっっっ全に信玄餅じゃんこれ。
創作ダイニング系居酒屋のデザート、これでいいじゃん!
「シメは厚揚げ」。そんな時代がきちゃっていいじゃん!

「ただ厚揚げが食べたい」、そんな衝動のままに行動してみた昼下がり。
狙い通り、厚揚げの無限に広がる可能性を再確認することができた。
30代後半の体にぴったりだったのは、めかぶ厚揚げだ。これは普通にオススメ。

たくさんのアイディアを出してくれた後輩の松岡くんにもお礼を言った。
彼の頭の中には、一体どんな未知の厚揚げの食べ方が眠っているのだろう?
今度飲みに行って聞いてみよう。



(おしまい)

原宿

ブロス編集部
松岡
ストーム叉焼

めいと
彩雲

鳥角
梨







