今日やること
こういうこと。上のだったら、「好きですこの街」というタイトルから展開されそうなエピソードを考える、ということです。
奇妙な世界の扉を開けるのはこの5人
ダ・ヴィンチ・恐山
・短編小説も刊行する作家の一面もあるので参加
・好きな「世にも〜」のエピソードは「エキストラ(主演:香取慎吾)」
ARuFa
・毎日アニメを見ては「無い妄想」ばかりしているので創作は得意
・好きなエピソードを聞いたら「すみません。あまり見てないです」と言った
まきの
・世にも奇妙な見た目なので参加
・好きなエピソードは「峠の茶屋(主演:伊藤かずえ)」
永田
・世にも奇妙な物語を見て育った奇妙世代
・好きなエピソードは「赤ちゃん養育ソフト(主演:永作博美)」
原宿
・奇妙なインターネットの世界に身を寄せて十余年
・好きなエピソードは「ハイ・ヌーン(玉置浩二の方)」
以上の5人で行います。
ちなみに本気で考えすぎて死ぬほど長いので、タイトルだけ見て気になったやつを読んでみてもいいかもしれません。
~目次~
開始!
場所は「色々なキーワードがありそう」「街ブラ+食べ歩きが楽しそう」という理由で、東京で一番長いと言われる戸越銀座商店街にやってきました。
開始2秒ですでに「牛肉吸い」、「どて焼き」、「お通し代は頂いておりません」など、様々なワードが溢れていますが、ここで早速口を開いたのが永田。
早速いっちゃっていいですか?
あ、ストーリーテラー
話す人がサングラスをかける、というルールです
この「でんがな」で、いきます
串かつの”でんがな”で…?
第一話「でんがな」
政府から突然の発表があったんですよ。「これから日本の公用語はウソ関西弁としますねん」と。
いつも通りに出社すると、職場では本当にみんながウソ関西弁を使ってるんですね。普通に標準語で喋ってしまうと、同僚とか上司にものすごい冷たい目を向けてくる…。
ありそ〜〜〜
日常が非日常に突然変わるエピソードいいですね
戸惑いながらも、教科書を見ながら「でんがな」「まんがな」と呟いたり、スピードラーニングでウソ関西弁を勉強していきます。
ウソ関西弁が身につけば身につくほど、周りの評価も変わってきて、同僚の女性から「○○さん最近カッコええねやんなぁ」と噂されたり、上司からは「ほな、そろそろ出世も見えてきまっしゃろわいな」と褒められます。
めきめきとウソ関西弁が上達し、どんどん自信を付けて、脅威のスピード出世で社長になり、ウソ関西弁のスピーチの見事さを買われ、政治家としても出馬とトントン拍子で進んでいきます。
で、今日のスピーチも大成功して、事務所に帰ったときにテレビを付けると、政府からのこういう発表がされたんです。
「コレカラノ~ ジャパンノ ゲンゴハ ウソイングリッシュ デェ~ス」
主演、大杉漣
あるな〜。いや、あったかも
うっかり標準語が出ちゃってクビになる…みたいなオチかと思ったら、もう一捻りが加えられてより奇妙さが増しましたね…
こんな感じでいきましょう
第二話・カットモデル募集
僕はこれでいきます!「カットモデル募集」で!
その顔はタモリに寄せてるの?
プライドが高く、自分以外の他人のことなどまったく考えない伊集院麗子という女がいたんですよ。口癖は「私以外は全員モブ」。
ある日、美容院へ行くと、店員に
「カットモデル募集してるんですよ。美しい麗子さんに是非やってほしいなぁ、お代は結構なんで」
と誘われるんですね。
美容院にまつわる話、ありそうで良いね
店員の目線の先を見ると、様々なヘアスタイルの首マネキンがショーウィンドウに並んでて、気を良くした麗子は承諾。
すると、いきなりシャンプー台に寝かされた麗子、顔に白い布を置かれるんです。
「あら? いきなりシャンプーなのね?」
「いや~、ははは」
「それにしても何故私を?」
「それはもちろん、あなたが美しいからですよ!」
「あらそう?(ふふふ…悪い気はしないわね)」
みたいに会話をしていたら、
「あと、あなたをカットモデルにした理由は、もう一つあって……」
「え?」
「周りの人間のことなど、まったく気にしてないからですよ」
って言われるんですよ。
すると、布をかぶせられて視界がさえぎられた麗子の耳に、金属を研ぐ音が聞こえて、
「あなたは他人のことなどマネキンのように見えているのでしょう? そういう人がカットモデルに適役なんです!」
で……
斬(ザン)!!!!!!!
です。
なんで?
室内にあった首のマネキンは、実は今まで殺した客の生首だったんですよ。「私以外モブ」って思ってるんで、生首であることに気づかなかったんです…
気づくだろ
気づくって
気づくな
マネキンの首とか言い出したときから嫌な予感はしていた。
*****
これらの話のキーワード以外にも、街には多くの言葉が。
しかしなかなかエピソードに仕上げるのは難しい…。
そんな時は一旦街ブラへシフト。「おめで鯛焼き本舗」のカスタード鯛焼きは美味い…。
第三話・寿不動産
よし、ではこれで行きます。「寿不動産」
とある結婚間近のカップルが、同棲できる家を探そうって不動産を回ってたんですが、いくら回っても「これぞ!」っていう物件がなかったんですね。で、最後に入った店が、「寿不動産」だったんです。
そこの店主はすごく温和なおじさんで、二人が結婚間近だということを知ると、二人の理想のような物件を紹介してくれます。しかも相場よりもあり得ないぐらいの家賃で。もう内見もせずに「ここにします!」って決めて契約できたんですが、去り際に「くれぐれも仲良くしてくださいね…」と笑顔で言われると。
私、店主は西田敏行の顔で想像してます
かくして二人は仲良く暮らしていたんですが、ある日、二泊三日の予定で出張仕事を入れていた男が、早く片付いて二泊で帰れるようになったんです。そして驚かせようと女に何も言わずにサプライズ的に帰ってみたら、思いっきり別の男を連れ込んでいたんです! 女、ビックリ! 男、大激怒!
間男を帰らせてじっくり話そうと思ったら、
ガッシャーン!!
と窓から何かが入ってきたんです。よくみると、あの時の不動産屋の人!
「あの時、言いましたよね…?くれぐれも仲良く、と…」
そう言いながら、手に持ってたナタで、
ザン!!!!!!!
あ! パクられた!
「結婚間近や新婚さんのカップルにはめちゃめちゃいい物件を安く紹介するけど、ひとたび浮気などをすると殺しにくる」という不動産屋の話です
どちらかと言えば「週刊ストーリーランド」みたい
その不動産屋の目的は結局何だったんだ
※実際の寿不動産さんはそんなことありません
第四話・美化運動実施中
では「美化運動実施中」で、いきます
どんどんいきましょう!
都内で働く普通のOL「あさみ」の話です。彼女の住むマンションに、ある日「美化運動実施中」と書かれたポスターや看板がかけられたんです。
エントランスや廊下で、さっそく大家さん夫婦がホウキでゴミ掃除していて、話を聞いてみると「住むところがキレイだと、皆さん気持ちよく住んでもらえるでしょ? このために人も雇ったんですよ」と。
そう言って清掃員の男を紹介されたんですが、かなり生真面目な感じの見た目。「ずいぶん熱心にやるんだな〜」と思ったんですが、自分の住んでいる場所がキレイになるならいいかと思って、会社へと出かけました。
仕事を終え帰宅すると、もう夜なのに、昼間の清掃員の男がまだ玄関を掃除してるんですよ。
人間型お掃除ロボットだった?
オチを予想するな
こんな時間まで大変だな〜と思ってあさみが「ご苦労様です」と声をかけると、「美化運動、実施中ですんで」と、張り付いたような笑顔で挨拶を返してきて。少し気持ち悪いなと思いながら、部屋に帰るあさみ。
しばらくして「ピンポーン」とインターフォンが鳴ります。あの清掃員の男です。
「大家さんから言われてまして、美化運動でお部屋の中も掃除できるんですが、いかがですか?」
いやいやそれは!と、強い口調であさみは男を追い返すと、ベッドに入ったんですね。
ドンドン…ドンドン……。
眠りについたあさみの耳に、窓を叩く音が聞こえる。叩いているのは清掃員の男…?
「美化運動、実施してまあ~す」
ハッ、と悪夢から目覚めるあさみ。男が窓を叩いているのは夢でした。
「なんだよかった」と、安堵したあさみが飲み物をとろうとキッチンにいくと…、そこには清掃員の男が!
「美化運動、はじめます」
からの
ア〜〜〜〜〜〜〜!!!!!
あ〜〜〜〜〜〜!! …なんで?
あさみと大家の夫は不倫関係にあって、清掃員は大家夫人が雇った殺し屋で、これが本当に実施したかった美化運動だった、という話です
初期の「世にも」感があっていいですね
第五話・御不用品買受処
どんどんいきますよ! これで!
貧乏な主人公が、ある日「御不用品買受処」という看板を見つけます。
そこに自分の身の回りのものを売りにいくんですが、大切にしていた高値がつきそうなものは安く、逆にいらないと思っている安そうなものには高く売れたんです。
不思議に思いながら利用を続けるうちに気づくんですよ。「自分がいらないと思っている物ほど高価で売れる」ことに。
世にもでよくある「なんか不思議な店」だ
主人公はそれを利用し何でもない本当のゴミとかを高値で買い取ってもらって大金を得て、贅沢な暮らしを始めます。豪邸に住み、美人な妻と結婚し、ありとあらゆる豪華なものを買って遊びまくります。
でもそんな金で得た幸せに虚無感を覚え始めるんですね。妻ともしょっちゅうケンカをしちゃって、夫婦仲は最悪になってしまいます。
ある時、妻が「御不用品買受処」のオーナーを家に招き入れます。話を聞くと「離婚するから、家財を整理する」と。査定が始まると、妻のお気に入りの調度品は安値で、どうでもいいと思っている夫の趣味のものだけが高値をつけていく。納得がいかない状況にいらだちを募らせる妻。
そして「アンタごと売れたらいいのに」という妻の悪態を聞くと、オーナーがじっと主人公の顔を見て査定をします。すると、「70兆円」という史上最高値がついてしまう。
で、妻は即座に「売ります」と言ってしまって、オーナからすごい力で抑えつけられ「決まりですから」と…。
主人公は本当に身売りされてしまうのでありました。
バッドエンドだ
主人公の値段が最低価格(=本当に必要なもの)になって、ヨリを戻す結末かと思いましたが、こういうパターンもありですね
「世にも」といえば後味の悪い話ですから
※実際の御不用品買受処さんはそんなことありません
第六話・万引きは犯罪です
では私はこの「万引きは犯罪です」で…
仮面の上からサングラスかけるんだ
マインスイーパーでクリアした時の顔に似てない?
主人公はチンピラの若者。万引きや喧嘩の常習犯で手がつけられず、何度も留置所に出入りするような札付きです。「万引きは犯罪です」のポスターも「悪いことなのはわかってるに決まってるだろ、バーカ」と吐き捨てて破るような奴で。
ある日、万引きで逮捕された主人公は「お前はもはや更生の余地がない」と突き放されて、さらにこう告げられます。
「よって、時空転移刑とする」
奇妙な扉が開いた
時空転移刑とは、罪人を別の次元に飛ばしてしまう死刑の亜種です。
機械に入れられて別次元に飛ばされた主人公なんですが、世界の様子はいままでとほとんど変わっていないんです。「失敗したのか?」と思っていると、よく万引きしていた書店のポスターが
「万引きは犯罪では“ありません”」
になっている…。
不審に思いながらもいつもの手癖で万引きしたら運悪く店長に見つかってしまいますが「万引きですか、いいですねえ!」となぜか褒められます。その後も、どんな悪さを働いても周りに喝采されてしまう。
怒られないのが逆に怖い。
ある日、道行く男からカツアゲをしようとして思い切り男を殴ると、男の首が取れてしまって、機械だったことが判明します。
「ロボット…!?」とうろたえていると警察がやってきて、「おや、殺人ですか、すばらしい!」と言われ、そのまま連行されてしまいます。
そして刑事は言います。
「ご存知のように、この世界では人間を模した自律進化ロボットだけが暮らしていました。
しかし、システムに組み込まれた倫理回路によって『悪いこと』だけができず、人間らしさを完璧に表現することがどうしても不可能だった。しかしついに、悪いことのできる市民が現れた。
そう、それがあなたです!」
呆然とする主人公を警察は取り押さえて…
「何しやがる、やめろー!」
「さあ、どんなプログラムが組まれているのか、分解して調べさせてください。これは我々の進歩のための『良いこと』なのですから……」
最後「わ〜!!」って顔のアップになっていって画面が真っ黒になって、右下にロゴ出てCMへ…
負けてられないな
第七話・マタニティ整体
これで!!!「マタニティ整体」で!!
はい
ある妊婦さんが、定期健診をしに産婦人科へいく道中、街で偶然「マタニティ整体」っていう看板を見つけるんです。
「そういえば最近、肩がコるしな~」と思って、定期健診まで時間もあるので立ち寄ることに…。
で、施術を受けたんですけど、全然気持ちよくないし、肩コリは治らないし、むしろお腹が痛くなってくるんです。
で、「おかしいな〜?」と思いながらマタニティ整体を後にして、産婦人科のエコー検査で赤ちゃんの様子見てみたら……
…見てみたら?
お腹の中の赤ちゃんの姿勢が、メチャメチャ整っていたんです…
はい、ふざけた
インターネットでも現実世界でもふざけ続ける男
「世にも」ってこういうギャグ回とかもあるんじゃないの?
第八話・犬マウンテン
あれ何? せっかくなんであれでいきます
ほんとに何なんだろう
これはビデオカメラ大好き青年が主人公で、話は全て自分のビデオカメラを通した「POV」の構成です。
日本のとある地方に、ある山があったんです。なだらかな曲線と犬の耳のようにちょこっと突き出た二つの岩から、「犬マウンテン」と呼ばれていて、その近くの村に住む青年は毎日その山を眺めて過ごしてました。でもその山には登ったことはなかったんです。「絶対にあの山には登ってはいけない」という村の掟があったので。何故、いつからそんな掟が作られたのかは誰にも分からないんですが、みんなそれを守って暮らしていました。
…という前提を、村人のインタビューとかを通して主人公のビデオカメラから視聴者に伝えていきます。
で、登ってはいけない山なんで、色々な噂が飛び交うのは自然なことで。「頂上には村長が隠した金銀財宝が埋まってる」とか、「あそこから犬が産まれてくる」とか、「村長が人を殺してはあの山に埋めている」とか色々。青年はどうしても気になったので誰にも内緒で一人で登ってみることにしたんです。
ここからヘルメットにGoPro(体に取り付けるカメラ)を付けた映像になります。
1時間ほど歩くと犬マウンテンの麓まで来れたんですが、そこでまず驚きました。周りに大量に犬がいるんです。しかも自分にキャンキャン吠えてて。登山口を防いで行かせないようにしている犬もいます。これが犬マウンテンと呼ばれる所以か? と思いつつ、犬を威嚇して道を開けさせます。そしていざ入山。
はじめは緩やかな道だったんですが、登るにつれて険しくなってきます。青年は体力に自信があったんですが、やけに疲労も激しくなってきます。空気も薄くなってきて、霧も深くなってきました。村の掟があるので、通る人はいません。膝立ちになり、四つん這いの体勢でしばらく激しい息づかいでうずくまっていると、様々な幻覚が見えてきます。その姿はカメラには映らないのですが、何かいる、そんな感覚が彼を支配していきます。
そのまま、苦しみながら四つん這いのまま進みました。息が荒くなって、口で大きく呼吸して酸素を取り入れていくと、少しずつ体力が回復してきました。このまま少しずつ、少しずつ歩いて、霧が少し晴れてきます。もう少しで頂上か…?と思うと不思議と力がわいてきて、その四つん這いのスピードが速くなっていきます。どんどん、どんどん、力がみなぎってきて、四つん這いなのに、二足歩行の全速力よりも速く走れます!
そして、頂上についた時、彼は叫びました。
「ワオ〜〜〜〜〜〜〜〜〜ン!!」
彼はいつの間にか、犬になっていたのです…。カメラは空を映したまま、いつまでも遠吠えをしていたのでした…。
POVの時点で、読めました。でも映像では見てみたい
何で日本なのに「犬マウンテン」て呼ばれてるの?
ちなみに犬マウンテンの登山口にいた犬は、元人間です。必死で止めてたんですね
第九話・髪
ではこの「髪」で…
力強い一文字タイトル
またマインスイーパークリアした時の顔だ
主人公には恋人がいたんですが、事故で亡くなってしまっています。腰まで伸びた黒髪がトレードマークの彼女で、主人公は毎晩彼女の髪を櫛でとかしてやるのが日課でした。棺に横たわる彼女の横に櫛を入れようとするが思いとどまり、遺品として取っておきました。
恋人の死から2年。心の傷も癒えてきたころ、飲み会で知り合ったショートヘアで茶髪の女性と意気投合し、付き合い始めることになりました。しかし同棲するようになると異変が。
長くて黒い髪の毛が、床に落ちているんです。現彼女は「誰?」と問い詰めるが、わからないと言う主人公。
ですが、もちろん心当たりはあります。あの、死んだ彼女…。
で、
えーと……。
すみません、10分くらい考えさせてもらっていいですか?
本格的に考え始めるな
~10分後~
思いついた。
いくら掃除しても黒く長い髪の毛が落ちてるんですよ。床に、洗面所に、洗濯機に……ごっそりと溜まる毛。現彼女は浮気を疑って、生活はギクシャク。死してなお主人公に嫉妬しているのか? お願いだからもうやめてくれ、安らかに眠ってくれ…。
夜。悪夢で目を覚ます主人公。ふと気付くと横で寝ていたはずの現彼女がいない。どうやらリビングで電話をしてるようです。その話を聞いてみると…
「…そうそう。なんかアイツ怪しくてさ、浮気だかなんだかわかんないけど、知らない女の髪の毛とか落ちてて超キモイの。うん……ひととおり漁ったけど、大事にしまってる箱には櫛しか入ってなかった。貯金はあるみたいだから取るもの取ったらいつもどおり…」
現彼女は、別の男と結託して結婚詐欺と殺人を働く常習犯だったんです。
そっちか!
思わず声を荒げて詰め寄りますが、逆に包丁で襲われて殺されそうになります。しかし、包丁にいつのまにか絡みついた黒い毛が詐欺女の動きを封じ、腕を這い、首を締め上げました。
女は窒息して床に横たわり、主人公は命拾いします。
「そうか、僕を守ってくれてたのか…ありがとう、ありがとう…」
鏡台の鏡の中で、亡き彼女が立っています。主人公は泣きながら手を動かし、鏡の中の彼女の髪をとかすと、彼女は白い光になって消えていきました…。
後味の良いホラーだ!!
そして、1年後。
主人公はまた新しい恋人を見つけます。ようやく吹っ切れて新生活を始めた主人公ですが、新恋人がふと言いました。
「これ、誰の毛?」
つまんでいるのは茶色い髪の毛。そして後ろの鏡に、首にアザのついた茶髪の女が――。
後味悪かった
映像化決定
負けてられないな〜
ボロ負けだよ
第十話・小山三丁目
ではこれで…
よろしくお願いします
大学生の菊太は、自転車で少し遠くまでいってみようと思い家を出たんですが、ある町で道に迷ってしまいました。電柱を見ると、「小山三丁目」と書いてます。ですが、どっちの方向に自転車を漕いでも、なぜか「小山三丁目」に戻ってきてしまうんです。
誰かに道を聞こうと、菊太は扉が開いていた町工場のようなところに入ります。人の気配はないけど、機械は動いてます。誰かいるのかな…? 人を呼ぼうとすると、「菊坊、久しぶりやな」という聞き覚えのある声が。
振り返ると、そこには菊太が幼い頃によく遊んでもらった「マサ兄ちゃん」が立っていました。
「なんや道に迷ったんか?この辺、意外と道がごちゃついとるからな。まあお茶でも飲んでき」
兄ちゃんに言われるがまま、工場の休憩室でお茶を飲みます。マサ兄ちゃんに会うのは子供の頃以来なんですよ。
「ずいぶん久しぶりやなあ。小山にも久々にきたんとちゃうか?」
「うん。兄ちゃん、どうしてた?」
「どうしてたって…変わらず貧乏生活よ。最近は景気も悪いしなあ。うちみたいな工場、いつまでもつかわからんわ。いつまでもつかと言えば…ああ、そうそう。あの角の駄菓子屋、まだやっとるで」
「え!?シゲ爺の!? まだやっとんかあそこ…」
子供の頃にマサ兄がよく連れて行ってくれた駄菓子屋、当時でもかなりのジジイだったシゲ爺の駄菓子屋も、小山三丁目にはまだあったんです。久しぶりに兄ちゃんと一緒に駄菓子を買って、くだらないことで笑って、キャッチボールで遊ぶ二人。こんなに楽しく過ごすのは、菊太にとって久しぶりでした。
「マサ兄、今日はありがとな。でも俺、そろそろ行くわ。道、教えてくれへんか?」
「道ってどっちの?行く方か?帰る方か?」
「………」
「菊坊、お前にはまだこの小山は早いで。帰る方の道ならあっちやけどな」
そういって兄ちゃんが指した方の道は、ぼうっと青白く光っていました。この小山三丁目が、現実の町ではないということはもちろん初めから分かってます。マサ兄ちゃんは15年前に、工場の機械の事故に巻き込まれて死んだから。
実は菊太は就活の失敗や人間関係の悩みを抱え、人生に疲れて富士の樹海に自転車で向かっている途中だったんです。兄ちゃんはきっと、小山三丁目と一緒に少しだけ現実に戻ってきてくれたのかもしれません。菊太にもう一度、人生をやり直させるために…。
「兄ちゃん、ありがとな」
菊太はマサ兄ちゃんに別れを告げ、青白い道の方へ自転車を漕ぎ出す…。
みたいな、いい話の枠です
こういうほっこり系のエピソードもありますね…
5話構成の、一番最後の話ですね…
主演、大杉漣
■おわり
暗くなってきたので、終わりです。普段よく見る言葉からストーリーを考えるのはやってみると結構楽しいので、皆さんも是非一度やってみてください。
それではさようなら。
↓続編
※次のページも別のエピソードがあります。暇だったらついでにどうぞ。