先日、ありがたいことに学生時代の同級生の結婚式で「友人代表のスピーチ」を任されました。

 

せっかくなので思い出に残るスピーチにしたいと思い、しっかり下準備して挑んだのですがこれがめちゃくちゃウケました。

スピーチ後に面識のない参列者の方々からもお褒めの言葉をいただき、なぜか新婦のご親戚の方からおヒネリまでいただきました。

味をしめて、その後は友人スピーチだけでなく、余興や出し物を任されたときにも同じ台本を使っていたんですが、概ね評判もよかったです。

 

今後、式に呼んでくれそうな友人もいないので、これを機にこの絶対にウケる友人代表スピーチの台本をみなさんに丸ごとお譲りします。

スピーチを任され「せっかくならウケたい! 盛り上げたい!」と企んでいる方たちにとって、何らかの参考になれば幸いです。

 

何をやったか?

手品をやりました。

厳密にいうと、手品を元にスピーチを組み立てたという感じです。

 

ざっくり説明すると…

 

①会場にいる人たちからランダムに数字を言ってもらいます

 

②その数字を全部スマホの電卓で掛け合わせていきます

 

③その計算結果と同じ数字を事前に予言してあります

 

④そして、その数字が結婚式当日の日付になっています

 

こんな展開を下敷きにしながら、新郎新婦をお祝いする言葉を添えて一つのスピーチとしました。

 

 

なぜこんなことをやったか

改めまして、この記事を書いているライターかまどです。学生時代は落語研究会というサークルに所属していました。

学生の頃はいろんなところへ出向いて、落語をやったり司会をやったりしていたので、いくらか人前に立つ経験が多かったと思います。

 

そこで思い知った鉄則なんですが『観客が食事中 or 歓談中』という環境で素人が笑いを取るのはほぼ不可能です。

演者よりも魅力的なものが観客の目の前にあるという状況なので、話を聞いてもらうことすらままならないケースが多いためです。

 

なので、僕はこの結婚式において「トーク」でウケを取るのは諦めています。

もちろん、この状況で爆笑をかっさらう人もいるでしょうが、そこには演者のキャラクターや口調・表情、現場の雰囲気など、素人にはコントロールできない要素が多く含まれています。誰でも使える万能なテクニックもないでしょうし、自分には再現性がないと判断しました。

 

こういう時に便利なのが「サプライズ」と「ウィット」です。

要するに、観客を「おぉ〜」と驚かせ「ほぉ〜」と感心させる。これなら、準備さえしておけば素人でも簡単に再現できます。

また、話を聞いてくれない問題ですが、観客を巻き込みながら進めるとうまくいくという経験則があります。有り体に言うと「客いじり」でしょうか。

 

また、事前に新郎新婦にリサーチしたところ、当日の来賓客はくだけた雰囲気のスピーチも受け入れてもらえそうな顔ぶれとのこと。ということで、上記の要素を使って、観客に協力してもらうという形式のスピーチを組み立てました。

 

 

絶対にウケるスピーチ台本

1.事前に用意するもの

用意するものは、iPhoneと結婚式の日付を書いた大きめの紙。

例えば結婚式の日が「2020年3月2日」なら「202032」と書いておきます。

 

2.挨拶の前に

電卓に「202032」と入力。そのあと「+」→「0」→「×」と入力します。

 

「(最後に表示させたい数字)+0×(適当な数字)」という計算式を使うので、この後どんな数字を掛け算しても元の数字が表示されるという単純な仕組みです。

途中式が表示されない上に「+(0×…)」という計算をやってくれるiPhoneの電卓でのみ可能な手品です。アンドロイドやアナログの電卓ではこうはならないので注意! iPhoneを持っていない人はスピーチの前に誰かに借りておくと良いでしょう。

 

スピーチの前に、こっそりここまでの準備をしておきます。

 

3.挨拶

「○○さん、△△さん、ならびにご両家のみなさま。本日はご結婚、誠におめでとうございます。ただいまご紹介に預かりました■■と申します」

とにかく、ハキハキと丁寧に話すことを心がけます。大げさではなくこの第一声でスピーチの出来がほとんど決まります。

全体的にカジュアルなスピーチなので、締めるところはちゃんと締めようという意図です。が、それ以上に、この数秒間には『話者に対して安心感を持ってもらう』という重要な目的があります。

 

余談ですが、素人落語をやっているときも、第一声を軽んじたときは大抵失敗していました。

聞いている人に(この子、大丈夫かしら…?)と一瞬でも思われたらアウト。その後は、話は聞いてくれるけど、反応が返ってこないというパターンに陥りがちだったので…。

 

4.スピーチの説明

「このめでたい席でスピーチをするという大役を任され、今日まで眠れない日々を過ごしてまいりました。

 スピーチというのは結婚と同じです。一人ではできません。

 なので、僭越ながらここにいらっしゃる皆さんにご協力いただきながら、一緒にスピーチを作っていきたいと思います。」

ここでスピーチのテーマを提示します。

こういうとき、開始早々「私、緊張してます」と明かしてしまうのは、かっこ悪いけど使える手です。僕はプライドがないのでこういうのも平気でやります。

 

「新郎新婦が結婚式に今日という日を選んだのは偶然ではありません。今からそれを証明したいと思います」

と言いながら、先ほど下準備をしておいたスマホを取り出します。

 

ここで「手品をします」と言い切ると、見ている人が「トリックを見破るモード」になって、スピーチの重心がズレてしまいます。かといって、何をするのかを伝えないまま進むと「このスピーチはどこに向かってるの?」という不安感を生んでしまいます。

結末まで興味を引っ張るような言葉だけを添えて、さらっと段取りを始めましょう。

 

5.数字を聞いていく

来賓のみなさんに任意の数字を聞いていきます。前述した通り、この数字は本当になんでもいいので、いろんな人に話を振りながら数字集めをしました。

ちなみに、一般論として、スピーチの時間は長くても5分程度に収めるべき。なので、僕の場合は数字を聞く相手を5-6人程度に絞りました。

このとき「新婦→新郎新婦の友人→新郎の親→会社の偉い人→新婦の親→新郎」と、主要メンバーを大まかに一周すると綺麗な流れになります。

 

〜以下、あくまで一例です〜

■まずは新婦から

「まず新婦の○○さんに、新郎の誕生日をお伺いします」
→「(例えば8月31日だったら)ではまず831と入力しましょう」

 

■お友達の席からノリの良さそうな人を選んで

「次に、あなたの誕生日もお伺いしてもいいですか?」
→「(例えば12月25日だったら)先ほどの数字に1225をかけ算します。こんな感じで皆さんにも数字を教えてもらいますね」

以下、同様に任意の数字を聞き出してかけ算していきます。

ここまで流れを作れば、見ている人にも「何に協力すればいいのか」が分かってもらえるので、年配の方やお堅い雰囲気の方にもアプローチできるようになります。

来賓客も基本的に自分のせいで結婚式を台無しにしたくはないので、大抵の場合は、すんなり協力してくれます。その気持ちを思いっきり利用しました。

 

■新郎のお母さんにも…

「携帯の電話番号を教えてください。下4桁でかまいません」

このあたりで「誕生日以外の数字でもいけるんですよ」と軽く展開させます。ご親族に協力してもらうときには、前後に改めて「ご結婚おめでとうございます」と添えておくといいかも。

※3人目にもなると「こいつスマホで何か操作してんじゃねえの?」みたいな空気がうっすら流れるので、これ以降は相手にスマホを渡して数字をうってもらうなど、さりげなく演出を変えると結構効きます。

 

■次に、会社の偉い人に

お堅い人には「そんなの人前で言えるわけねえだろ」という数字をオーダーすると程よくウケます。

すっげえ申し訳なさそうな顔で「大変言いづらいんですが…年収を教えてもらってもいいですか?」「クレジットカードの暗証番号を…」みたいなことを言えばOKです。

この後は、「さすがに難しいですよね。では会社の電話番号を──」みたいに話をそらします。余裕があればスマホを渡して「私は見ませんのでご安心ください。誰にも見られないように打ち込んだらかけ算しちゃってください」みたいに進めることもあります。

 

■新婦のお父さんに

「お父さんにとって大切な記念日の数字をいただきましょう。娘さんのお誕生日をお伺いしてもいいですか?」

聞いた後に「大切な数字をいただき、ありがとうございます。ここに、今日という新しい記念日が加わるワケですね。改めまして、ご結婚おめでとうございます」みたいなことを言ってもバチは当たらないんじゃないかな。

 

■最後は新郎に締めてもらう

「それでは満を持して、新郎にプロポーズの日付をお伺いしましょう」

ついでにプロポーズの言葉を聞くと友人席を中心に盛り上がってくれるので、余裕があれば寄り道してもいいかもしれません。

 

6.新郎にスマホを渡し、読み上げてもらう

「それでは『=』と入力して、出てきた数字を頭から一桁ずつ読み上げてください」

最初に入力した数字が読み上げられますが、ここで『今日の日付じゃん!』と気づく人はまだ少ないと思います。

 

「実は、この数字になることを始めから私は知っておりました。改めて読み上げてもらってもいいですか」

新郎が読み上げるのに合わせて、手元のボードを会場全体に見えるように掲げます。ここで会場から「おぉ〜!」という声があがれば条件クリアです。

 

「皆さん、この数字に見覚えがありませんか? 2020年3月2日。他ならぬ今日の日付になっています」

サプライズ感を演出するためにもう一押し加えます。ここで会場から拍手までもらえたら第2条件クリアです。

 

7.結びの挨拶

「今、ご覧いただいたように、結婚式を迎えることができたのは偶然ではありません。今日という日は、新郎新婦を始め、ここにいる皆さんとの”ご縁がかけ合わさって”迎えることができた特別な日です。

 これからも周囲の人々とのご縁を大切にしながら、二人が素敵な夫婦であり続けることができますよう心より願っています。本日は誠におめでとうございます」

この辺はもう誰も聞いていないので、サラッと流しつつ丁寧に締めます。”かけ合わさって”の箇所だけ置きにいくように喋るとスピーチが締まるかもしれません。

 

まとめ

一般的な友人代表スピーチからはかけ離れたスタンドプレーですが、友人としてハレの舞台を心からお祝いしたかったので決行しました。その結果、主賓来賓にも華を持たせつつ、会場一体となってお祝いできたと思います。

友だちのために特別なスピーチを考えている人は、ぜひ参考にしてみてください。

 

ちなみに、今回紹介した台本は結婚式の余興などでも大いに使えます。

ただ、友人スピーチと比べると会場も緊張感が緩んでおり、スマホの操作ミスなど想定外の事態が発生しやすいので、より入念な準備をしておくと良いでしょう。

 

 

それでは、結婚式で使える便利な謎かけを残して、この記事の結びとさせていただきます。

 

 

「結婚とかけまして、日本語の50音とときます。その心はどちらも『あい』から始まります。」

これめっちゃ便利です。

(おしまい)