理解しがたい恐怖症がこの世には存在する。
例えばピーナッツバター恐怖症。「ピーナッツバターが口蓋にくっついてしまうのが怖い」という本当に存在する恐怖症らしいが、こうして説明を聞いても「は?」としか思えない。
でも、こういう恐怖症って大なり小なりみんなあるものだと思う。
僕はガソリン駆動の発電機(屋台とかで使われてるやつ)が怖い。なんか圧倒的な力を秘めてて、爆発しそうで怖い。「は?」かもしれないけど、実際怖いから仕方ない。
あと僕にはもう一個怖いものがある。
「駅のトイレでおしっこすること」だ。いや、マジで。
飲み会の帰りとか、駅のトイレに寄ることあるじゃないですか。で、それくらいの時間帯って、他の人達も大体飲み会帰りで混んでるんです。
当然、自分が用を足している時、隣では知らない酔っぱらいのおっさんが小便している。その距離はおよそ30cm。
正気???
そいつに自分の人生を全部賭けなきゃいけないわけ?
よく考えてみてくれって。
酔っぱらいのおっさんが腰をひねるだけで、残念。画面は真っ暗にフェードアウトし、「GAME OVER」の血文字が滲む。キミの冒険は終了してしまう。しばらく待つと「酔っぱらいのおっさんが30cm横で小便してるって正気?」という次回に活かされるべきTipsが表示される。ロード待ちで「冒険を続けていればおっさんの小便を防ぐシールドも手に入るだろう」とTipsの内容が入れ替わる。マジ?! それ何面!?
突然おっさんにおしっこをかけられることほど恐ろしいことがありますか?
「そんなこと心配しだしたら何もできないだろ」と思う方もいるかもしれない。それこそ、街で通り魔に襲われるかもしれないじゃねえか、と。
でも待って、それって「ナイフを出す→切りつける」の2アクションと「圧倒的な悪意」が必要じゃない?
それに比べて、こっちは「酔っぱらいのおっさんが腰をひねる」。これだけよ? 故意じゃなく過失かもしれないのよ?
どうします? これを読んでるあなたは鼻で笑ってるかもしれませんが、おっさんのおしっこでびしゃびしゃになった後のリアクション、ちゃんと考えてます?
考えとかないと第一声「あったけ…」ですよ? それでいいのね?
僕は「も、台無し~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」って言いますよ。
「も、ぜんぶ台無し~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~!!」って天を見上げて言う。
どっちがいい? 後者だろ? な、オイラの勝ちだ。有り金置いてきな。
ごめん、かけられた後の第一声はどうでもいいわ。
あと、混んでる時の小便器前の床って、おしっこで濡れてるじゃないですか。
その濡れに足を取られて、ズルっと滑ってあごを小便器に打ち付けそうで怖い。いや、「は?」じゃなく、普通に。
僕、全部マジで言ってるんですけど誰か理解してくれる人いませんか?
一緒に元祖寿司行こう。