オレオ。

日本ではナビスコから発売されている、アメリカ発のココアビスケットクッキーだ。

 

クッキーと挟まれたクリームのバランスが絶妙で、甘みと塩気の両方を味わえる。うまい。

このオレオ、よく見るとかなり凝った意匠が施されていることに気づいた。

 

 

拡大して撮影してみたものがこれだ。

中央に「OREO」と彫られているのは知っていたが、こんな模様だとは思っていなかった。

お菓子の表面に、こんな由緒ありそうなレリーフがあったとは。

 

 

 

モノクロの線画にしてみたら、歴史の先生が配るプリントに載っている資料の質感になった。

 

 

オレオのレリーフは、味には直接関係がないと思われる。

 

しかし、このレリーフがあるからこそ「オレオ」のアイデンティティを獲得しているというのもまた確かだと思う。

 

 

試しに、砕いたオレオに水を混ぜて作ったオレオパテでレリーフを埋めてみた。

 

 

乾燥したあとヤスリで磨く。

 

 

 

見比べてどうだろうか。

 

明らかに右のクッキーは物足りない。食べたとしても、味も名前もすぐ忘れてしまうと思う。

複雑なレリーフがオレオを力強く印象付けてくれているのだ。

 

ちなみに、食べてみたところレリーフありのオレオのほうが圧倒的に美味しかった。

表面の凸凹が舌への刺激になるのだと思う。

 

 

眺められるオレオケースを作る

だんだんと「オレオ」それ自体を鑑賞物として眺めてみたくなってきた。

 

そこで、ストック中のオレオを眺めることができる「オレオケース」というものを思いついた。

眺めるために飾って、飽きたら食べる。一石二鳥だ。

 

 

 

作ったオレオケースがこれだ。

小物のディスプレイ用ケースにオレオを入れてみた。

 

普段はサクサク食べられるだけのオレオが、心なしか胸を張っているように見える。

「自分は”美術”なんだぞ」という自負を感じる。

 

 

 

仕事場の机の上に置いてみた。

フィギュアの山の中にあってはさすがに浮いている気がするが、案外悪くない。

かつて用いられていた通貨だと言われれば「そうかもしれない」と思ってしまいそうだ。

 

 

もっとオレオらしい台座を作りたい

 

しかし。

よく考えると、本来の「オレオ」のパブリックイメージとは何か離れてしまっている気がする。

本来のオレオは、アメリカらしく楽しいおやつタイムをエンジョイする奔放さがある。

それはパッケージを見ても明らかだ。牛乳の間欠泉に吹き上げられるヤンチャなオレオ。

 

……待てよ。

 

 

 

まさにこれを「オレオケース」にすればいいのでは?

 

 

ということで、

 

 

 

スプラッシュミルクオレオケースが完成した。

 

樹脂粘土をこねて土台を作り、ニスでテカリを出している。

ふだん工作など全くしないので苦戦したが、思っていたよりも形になった気がする。

 

 

 

本来のパッケージと比べると飛沫のキメ細かさが足りないという心残りはある。

意思を持って追いかけてくるタイプの液体生物だと言われたら、そう見える。

 

 

もっと日常に溶け込む台座を作りたい

 

スプラッシュミルクオレオケースもいいが、もっと暮らしに溶け込めそうなインテリアはないだろうか?

そんなことを考えながら気晴らしに散歩をすることにした。

 

 

 

オレオがあっても自然なディスプレイというか……

でもそんなもの、そうそうないか……

 

うーん……

 

 

 

……ん?

 

 

 

マンホールの蓋ってオレオにめちゃくちゃ似てるな。

 

 

考えてみると、オレオは形状・色・模様、どれをとってもマンホールにそっくりだ。

これをオレオ置き場に活かせないだろうか……?

 

……

 

 

 

 

 

ということでできたのが、

 

 

 

こちらの「道路型オレオケース」である。

 

 

 

舗装されたアスファルトをジオラマで再現し、作ったくぼみにオレオをハメこんでいる。

想像以上に違和感がなく、自分でも驚きだ。初めからここにハマるために生まれてきたかのようだ。

 

 

 

ちなみに、制作するにあたって道路を観察したのだが、思ったよりも「継ぎ目」が多いことに気づいた。

水道管工事などで掘り返したあと埋めると、そこだけ質感が変わる。

 

 

 

ジオラマではそのあたりも再現してみた。新しく塗り直した部分は白線がキレイだったりする。あと、アスファルトが黒々としていて、なんか光っているんだよな。それはニスを塗ることで再現。

 

 

 

 

夜の道路に置いてみた。歩きながら幾度となく見てきた光景の中にオレオが溶け込んでいる。

 

 

 

もしもオレオをうっかり割ってしまった場合は、

 

 

 

安全のため、通行止めのパイロンを置いて封鎖しておこう。

 

 

 

 

現在、オレオケースは自宅の壁に飾っている。

 

 

ジオラマは面白い

 

思ってたよりいいのができて嬉しい。

ジオラマとしても楽しいので、みんなも作ってみてほしい。

 

いや、作らなくてもいい。

自分で判断すればいい。

私はあなたに指図をしない。

勝手にしてくれ。