こんにちわ、オモコロ編集部です。
皆さんは出身地を聞かれた時に何と答えますか? 「東京です」「横浜です」「名古屋です」、大体の人が都や市など大きい単位での地名を言うと思います。 他人に対する解答としてはそれで十分事足りるわけですが、現実にはまだ「その先」があるはずです。僕たちが生まれ、育った場所は「東京」よりももっと細かい単位、人に地名を教えてもまるでイメージが伝わらないミクロな地元のことだと思うのです。
そこで今回はとあるオモコロライターが生まれ育ったミクロな地元、「二俣川」に実際に行ってみることにしました。二俣川って地名だけ聞いても全く何のイメージも湧きませんね。
二俣川は横浜駅から相鉄線に乗って急行で一本、時間にして11分ぐらいで到着します。
二俣川の駅前に降り立ったオモコロ編集部の永田と加藤。全然知らない駅に朝早くから呼ばれたためか、異様にテンションが低いです。そして2人とは対照的に元気なのが一名。
「おーーーーい!! おーいおーいおーい!!!」
オモコロ編集長 原宿
「ようこそ! おらが町、二俣川に! まさかオモコロで地元自慢できる日がくるとは…故郷に錦を飾った気分だね。今日はみんなに二俣川の良さをたっぷりお届けするよ!」
馴染みのある地元を紹介できるということでハリキリ気味の原宿に、「他人の地元に面白いものなんかあるの?」と引き気味の2人。原宿は一体どんな地元スポットを紹介するつもりなんでしょうか。
やってきたのは地元のスーパー。一体ここに何が…?
「これ。ここのトイレね。俺は小学生の時、この便器の中に買ってもらったばかりのゲームボーイを落としたんだ」
「一発目からどこを案内してるんですか」
「親の買い物を待ってる間、トイレに行きたくなってね。優雅に便器に座ってゲームをしてたんだけど、立ち上がって後ろを向き、レバーで流そうとした時にもゲーム画面に夢中なのがいけなかった。その時にツルっと手が滑って、最新のゲームボーイがポチャン、よ。その後の地獄は思い出したくもないね…親にもめちゃくちゃ怒られたし…」
「この場所で遠い目になるのは原宿さんだけですからね。僕らにはただのトイレにしか見えない」
「ちなみにソフトは、『レッドアーリマー 魔界村外伝』」
「脳のメモリがもったいなくなる情報ですね」
★審査員による地元度採点
★☆☆☆☆
いきなり便所に案内されて不快だったので★1つです。
★★☆☆☆
ミクロな地元のミクロってこういうミクロさのことだったの?
「う~ん…地元案内ってこういうことじゃないのでは?」
「もっとわかりやすい名所みたいのを自慢した方がいいんじゃないですかね?」
「なんだ! そういうのが見たかったんだ。あるある! 二俣川一番の名所があるよ。こっちこっち……」
「あ!」
「あのビル、昔はウェンディーズ入ってたのに全く違う店になってる!」
「地元民じゃないから驚きがまったく共有できない」
「え、なにこれ。これが名所…?『はたけやましげただこういれつひ』? で読み方合ってるの?」
「畠山重忠っていうのは、鎌倉時代に活躍した源氏の武将でね。武勇の誉れ高い豪傑で、源平の合戦でたくさんの功績を上げたんだ。中でも有名なのは、これ小学館の『マンガ少年少女の日本の歴史』でも描かれてるんだけど、一ノ谷の戦いで、源義経が断崖絶壁を馬で駆け下りて平家の陣を奇襲した時、『愛馬が怪我をしてはならん』と馬を背負って徒歩で崖を降りたっていう伝説ね。豪勇ぶりに似合わない優しさも兼ね備えた名将だったんだろうね」
「……………」
「ところが鎌倉幕府の実権が北条氏に握られると、幕府創業の功臣だった畠山重忠の存在は北条氏にとって邪魔になってきてね。謀略でおびき出された重忠は、数万の軍勢に対してわずか130騎で戦うことになり、善戦むなしく討ち取られてしまうんだ。その最後の地こそがこの二俣川ってわけ。地元が畠山重忠ほどの名将のゆかりの地だなんて、自慢できるなぁ! どう? 羨ましい? 畠山重忠ってマジで凄い武将だよ? NHK大河ドラマの『義経』ではめちゃくちゃ扱い小さかったけど、もしもKOEIが『源平無双』作ったら間違いなく登場しちゃうからね! 早く出ないかな~!!! 源平無双~~~!!!!!」
「……………」
★審査員による地元度採点
★☆☆☆☆
初めて名所っぽいところでしたが、畠山重忠の話がマニアックすぎて一切興味がもてないので★1つです。
★☆☆☆☆
源平時代の武将に詳しい奴ってモテなさそう。
「この池に縁日で捕まえて飼ってたらでかくなりすぎたオタマジャクシを逃がしたんだ。めちゃくちゃでかかったから、今から考えると外来種だったかもしれない」
★審査員による地元度採点
★☆☆☆☆
名所って日本語の意味わかってる?
★☆☆☆☆
子供のしたこととは言え、生態系を破壊した可能性があるので★1つです。
「ここで僕は、大人になった」
★審査員による地元度採点
★☆☆☆☆
本当の意味での「だから何だよ」。
★☆☆☆☆
写真の顔が絶妙にムカつく。
「幼稚園の頃、ここでよく一人で壁にボールを蹴って遊んだなぁ…。いや友達がいなかったわけじゃないんだけどね。友達がいなかったわけじゃ全然なかったんだけどね!」
★審査員による地元度採点
★☆☆☆☆
友達いなかったんだろうなこいつ。だから畠山重忠とかに無闇に詳しいんだろうな。
★★☆☆☆
トウキックじゃなく、インサイドキックで蹴ってた点を加味しても★2つ。
「一人でボールを蹴ってる時によく遊んでくれたお茶屋の渡邉園のおじさんだよ! 会うのは28年ぶりぐらいだったけど、ちゃんと覚えててくれたわ! すげえ! 自社栽培の厳選茶葉にこだわった渡邉園のおいしいお茶、二俣川を訪れたら是非おみやげにどうぞ!」
★審査員による地元度採点
★★★★☆
渡邉園のお茶は確かに美味かったです。
★★★☆☆
「健ちゃん!(←原宿のこと) あんた健ちゃんだ!」とおじさんが言った時に何かグッときました。地元に帰るっていいな…。
「え? なにここ。なんの店? 勝手に入って行っていいの?」
「僕の実家です」
「え?」
「母です」
「え~~~~!?」
「二俣川にある『リフレッシュサロンai』は今年で創業30年。『凝り固まった体を芯からほぐす』をテーマに、心を込めた丁寧なマッサージを提供し続けております」
「実家の宣伝をするな! でも…マジで芯からほぐれる~~~!!」
「凝り固まってる部分はほぐす時に少し痛いかもしれませんが、こうしてしっかりほぐすことによってマッサージ後にとっても体が軽くなります。料金は通常60分5500円ですが、ただいま30周年キャンペーン中につき、ふくらはぎマッサージか顔筋マッサージのどちらかひとつを無料でプラス!さぁ、今すぐリフレッシュしに二俣川に行こう!」
「実家のお店情報を貼るな!」
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