いつも通り声に出して読んでいい?

みくのしんの読みたいように読んでいいよ

相変わらず音読しないと頭に入ってこなくて。そのせいで時間かかっちゃうんだよな〜

時間はあるから大丈夫

 


一行目を読むみくのしん

おぉ……これは面白そうだぞ……

 

……ある牛飼(うしかい)がものがたる

これだけで1ページ使ってる!

 

やったね!

どこで嬉しそうな顔してんだ

読む文字が少ないと楽だからね! この調子でいってほしい!

1ページ1行で進むわけないだろ

 


なかなか読み進めようとしない

う〜ん。今まで2冊は読めたのに、まだ読書に対する苦手意識はあるんだね

前ほどじゃないと思うけど、今回は電子書籍だからな〜。本と違ってどれだけの文字がこの中に入ってるのか分からなくて怖い

紙の本なら手触りで文量が分かるもんな

1ページに数行とかなら俺でも楽に読め……

 

あーはは!!

どうした?

 

見て。次のページめくったらこれだよ

 

めちゃくちゃ文字じゃん

そりゃそう

さっきまであんなに接しやすかったのに! 急に本になるなよ!

初めから本ではある

 


崩れ落ちるみくのしん

読みたくねえ……

言っちゃった。できれば頑張ってほしいけど

文字じゃなくて「データ」って感じがする。生身の人間が読むもんじゃないだろ……

そんなこと言う奴がなんでWEBライターやれてるんだ?

 

大量の文字が出現したことにひるみ、駄々をこね始めたみくのしん。

大きい方が読みやすいと思ってiPadを貸したのが裏目に出たかもしれません。スマホで読んでもらえばよかったですね。

まあまあ。無理なら途中でやめたっていいから。いけるところまで読んでみようぜ

そうだね…。まだ1行しか読んでないし、もうちょっと付き合ってみるか……

 

第一日曜

おっ。日曜始まりなんだ

カレンダーみたいに言うなよ

日曜始まりっていいよね。一週間は休みから始まる方が楽しいもんな

なんにせよ、楽しく読めるならそれでいいよ

 

オツベルときたら大したもんだ。

なんかしゃべってるみたいに書かれてるね。俺、カギカッコの始まりを見落とした?

最初に「……ある牛飼(うしかい)がものがたる」って書いてあったでしょ。その牛飼がしゃべってる…という形式なんだよ

スタンド・バイ・ミーみたいなこと? へ〜。小説ってそういうのもアリなんだ

 

稲扱(いねこき)器械の六台も据(す)えつけて、

稲扱き機械って…コンバインみたいなやつかな?

そうだね。据え置き型のコンバインみたいなイメージでいいと思う

それを6台も持ってるんだ。結構大きい農家なんだね

 

のんのんのんのんのんのんと、

変わった擬音だな〜。ニュアンスは伝わるけどさ

ちなみに、どういうニュアンスで受け取ってるの?

「ガションガション!」じゃなくて、でっかい機械が身震いしてる感じなんだな〜って思った。なんか印刷機みたいなイメージ

だいぶニュアンスだなぁ

 

稲扱器械の六台も据えつけて、のんのんのんのんのんのんと、

でも、この擬音面白くない? わざわざこう書くってことは何か意味あるのかな?

さっきから擬音を気にしてるね。何かひっかかるの?

普通なら「のんのんと……」って2回で済ますでしょ? それをあえて6回も繰り返して──

 

あ!

 

稲扱き機械が6台あるからだ!!

「1稲扱き=1のん」だと思ってる?

どう?? 違う!?

みくのしんがこの擬音で「たくさんの機械が動いてるな〜」と思ったんなら正解でいいかな

 

大そろしない音をたててやっている。

なにこの言葉?! 「大そろしない」? こんな言葉あるの??

ないよ

ないの????

調べても出てこないと思う。作者の造語なのか知らない方言なのか、とにかく今の日本にそんな言葉ないんじゃないかな

 

稲扱器械の六台も据えつけて、のんのんのんのんのんのんと、大そろしない音をたててやっている。

じゃあ、この一文は「ない言葉」を使って書いてんの?? そんなことされたらもう読めないじゃん

でも、なんとなくは分かるんじゃない? みくのしんはどんな意味だと思う?

「でっけー音」みたいな意味なんだとは思う。のんきで耳障りじゃない音なのかな〜って感じ。コインランドリーの乾燥機みたいなさ

分かってんじゃねえか

擬音が「のんのん」だからね。でっかくてうっせー音だったら擬音にガギグゲゴ使うと思う

だいぶニュアンスだなぁ

 

十六人の百姓(ひゃくしょう)どもが、

算数の問題始まる?

始まんねえよ

6台の機械に16人のスタッフ、さて1台あたり何人が…? とか言ってきそう

誰も出題しないから心配すんな

 

十六人の百姓どもが、顔をまるっきりまっ赤にして足で踏んで器械をまわし、小山のように積まれた稲を片っぱしから扱(こ)いて行く。

いいねえ。今はなくなった昔の仕事風景って感じ! 算数じゃなくて社会の気配出てきたかも!

だから誰も出題しないんだって

 

(わら)はどんどんうしろの方へ投げられて、また新らしい山になる。

わかるわかる。カサカサになったやつが放り投げられてるんだね

 

そこらは、籾(もみ)や藁から発(た)ったこまかな塵(ちり)で、変にぼうっと黄いろになり、まるで沙漠(さばく)のけむりのようだ。

これいいね! 情景が浮かぶ!ここで遊んだら、家に帰って母さんに怒られそうじゃない?

トリッキーな情景の浮かび方してるなぁ

「家入る前に玄関でパンパンッてやって!」って言われそうな場所ってことだよね!

 

そのうすくらい仕事場を、オツベルは、大きな琥珀(こはく)のパイプをくわえ、

あ、オツベル出てきた。琥珀のパイプだって。いいもの持ってんな〜!

 

吹殻(ふきがら)を藁に落さないよう、

えっと……? こういう感じ?

 

(め)を細くして気をつけながら、

で、目を細めて……

説明書みたいに読んでる?

 

両手を背中に組みあわせて、

え!? 手ぶら!?

どこに食いついてんだよ

危なくない?! 口からポロッと落としたら火事になるよ?! 大丈夫!?

大丈夫だから続き読みな

 

ぶらぶら往(い)ったり来たりする。

多分、偉そうな感じだよね。オツベルは店長なのかな

みくのしんの読書ってやたら動きを伴うね

動いてみて分かったけど、なるほどこれは手ぶらじゃないとダメかも。手を添えてたらトランペットになっちゃうから

そうはならないと思うけど

 

なるだろ

なるんだ

 

小屋はずいぶん頑丈で、学校ぐらいもあるのだが、何せ新式稲扱器械が、六台もそろってまわってるから、のんのんのんのんふるうのだ。

…?

どうした? 止まっちゃったけど

この文章がよく分かんない。俺だけ? 読めるんだけど、言いたいことの100%は分かってない気がする

 

一回、ちゃんと読んでいい?

いいよ。分かるまで読もう

ごめんね。時間かかっちゃって

何を今さら

 

小屋はずいぶん頑丈で、学校ぐらいもあるのだが、何せ新式稲扱器械が、六台もそろってまわってるから、のんのんのんのんふるうのだ。

ちなみに、この文章のどこが引っかかってるの?

「小屋が学校くらいある」けど「機械が回ってる」から「のんのんふるう」? なんか繋がった文章として読めてない気がする

そうなんだ。繋がるように読もうとしてみたら?

機械がのんのん鳴るってのはさっき聞いたからなあ…。わざわざもう一回書いてるのは……

 

あ!

 

小屋はずいぶん頑丈で、学校ぐらいもあるのだが、何せ新式稲扱器械が、六台もそろってまわってるから、のんのんのんのんふるうのだ。

これ建物も揺れてるのか! 学校くらいデカい小屋なのに、機械の振動がすごいから小屋ごとのんのん揺れてるってことか!

読み取れたときのみくのしんって気持ちよさそうな顔するよな

外から壁を触ったら「あ、中でやってんな〜」って分かる感じだよね!

ああ、まあそうかもね

仕事終わりに機械止めたら小屋ごと静かになって、やっと普通の声量で同僚と雑談できるな〜って思う感じか!

 

この文章じゃ、そこまでわかんないって〜!!

そこまで分からせようとする文章ではないと思う

でも、ちゃんと読んでよかった! 「ふ〜ん?」って読み飛ばしてもいいと思ったけど、読んだらめっちゃイメージ湧いてきたもん!

 

お前、本だな

そりゃそうだろう

ちゃんと読むに値するわ。今まで半信半疑だった! ゴメン!

電子書籍を何だと思ってるんだ

 

中にはいるとそのために、すっかり腹が空(す)くほどだ。

これもそうじゃない? 読めるのに100%は分かんない。すげー不思議!

そうなんだ。俺は読める時点で次に進んじゃうから、その感覚分からないかも

建物に入るだけでお腹がすくって「なんで?」って思わない?

言われてみたらそうだね。みくのしんはどうしてだと思う?

どうしてって……

 

そりゃ建物が揺れるんだから、腹も減るだろ(笑)

何なんだ

職業体験でいろんな仕事したことあるから分かる。こういうでかい機械が動いてる中にいると、体は疲れてないけどめっちゃ腹減るんだよな

へえ〜。そういうものなんだ

 

俺は分かるけどさぁ〜! みんなは分かるの? ちょっと飛びすぎじゃない?

みくのしんみたいな分かり方は珍しいとは思うけど

宮沢賢治さんだっけ? ちょっと尖りすぎてない? この人、売れるかな?

余計な心配をするんじゃない

 

そしてじっさいオツベルは、そいつで上手に腹をへらし、

俺もできるよ? 何なら俺のほうがお腹減らすのうまいと思う

どこで張り合ってんだ

 

ひるめしどきには、六寸ぐらいのビフテキだの、雑巾(ぞうきん)ほどあるオムレツの、ほくほくしたのをたべるのだ。

食いてえ〜!!

まさか「オツベルと象」で食い意地を刺激されるとはね

のんのんでお腹すいた後のコレ! 美味そう! 俺もここの昼休憩、一緒に行きたい!

 

ちなみに、六寸のビフテキってどれくらい?

あ〜。一寸って何cmだったっけな…?

一寸法師がこれくらいでしょ? だから……

 

2寸……

 

3寸……

 

4寸……

 

5寸……

 

やばくない???

6寸にしてはでかすぎる

これと?? 雑巾みたいなオムレツ???

 

こいつかましすぎだろ

宮沢賢治をこいつ呼ばわりするな

これはヤバい。今までの作者と違う。こいつ本気だわ

 

ひるめしどきには、六寸ぐらいのビフテキだの、雑巾ほどあるオムレツの、ほくほくしたのをたべるのだ。

だってさ、ここでオムレツを「雑巾」で例える? 俺は分かるけど

みくのしんは分かるんだ

デカさを伝えたいから雑巾でもいいんだよな。ガサツな勢いもイメージできるしピッタリ。でも、食べ物なんだから普通はもっとキレイなもので例えない?

 

ひるめしどきには、六寸ぐらいのビフテキだの、雑巾ほどあるオムレツの、ほくほくしたのをたべるのだ。

これだけやりたい放題に表現しといて、「ほくほくしたの」だけでぜ〜んぶ美味そうってことにしてる。自由すぎるだろ。じゃじゃ馬みたいな文章だわ

この一文ってそんなに読み応えのある文章だったんだ

なんか「見たもの」じゃなくて「感じたもの」をそのまま言おうとしてるみたい。感性の人間すぎる。こいつは絶対やばい

 

とにかく、そうして、のんのんのんのんやっていた。

ま〜たのんのんしてら。この擬音いいなあ。のんきな感じが伝わってくる

 

そしたらそこへどういうわけか、その、白象がやって来た。

象がきました

やっとオツベルと象が並んだね。これで物語が始まるよ

白い象なんだ。思ってた象とは違ったな

 

白い象だぜ、

え!?

 

俺にしゃべりかけてきたんだけど!?

「牛飼いがしゃべってる」という形式だからね

牛飼いは俺に語ってくれてたんだ。急にこっち向いたからびっくりした

 

ペンキを塗(ぬ)ったのでないぜ。どういうわけで来たかって? 

俺、本と会話してる???

 

白い象だぜ、ペンキを塗(ぬ)ったのでないぜ。どういうわけで来たかって? 

この一文いいな〜! 急に話し手のおっさんの陽気な感じが入ってきて気持ちいいわ

ちなみに、気になったらマーカー引いたりしてもいいからね

え? マーカー??

 

これ、かまどのiPadだけどいいの?

直接じゃねえよ

 


ハイライト機能も初体験のみくのしん

なるほど! マーカーが引ける機能があるんだ!

紙の本だと抵抗あるけど、電子なら遠慮なくマーカー引けるよな

いいな〜。本に書き込む人って憧れるんだよな

 

あ、色も変えられるんだ

 

じゃあ、黄色がいいな!

何色でもいいよ

後で読み返したときに今のテンションが思い出せるようにさ! 明るい色でマーカー引きたい!

 


コメント機能もやってみる

へえ〜! 自分のメモも書けるんだ

何か気付いたことがあったら直接それで書き込んでもいいよ

なるほどね。何か気付いたこと……

 


「これはスゴい。」

メモするほどのことか?

我ながら使いこなせてなさすぎるな。普通はどうやって使うの?

人それぞれだからこれでもいいんだけど。一般的には自分の意見とか本を読んでて感じたことを書いたりするんじゃないかな?

本を読んでて感じたことか……

 

それはかまどがこの記事に書いてくれるから別にいいか

なんて他人任せな読書だ

 

そいつは象のことだから、たぶんぶらっと森を出て、ただなにとなく来たのだろう。

……。

 

なんかこの本、言いやすくない?

言いやすい? 読みやすいじゃなくて?

なんか「声に出して読みやすい」というか。読み上げたときの言葉のリズムがよくてトントン読める気がする

へえ〜。そうなんだ。考えたことなかったな

 

そいつは象のことだから、たぶんぶらっと森を出て、ただなにとなく来たのだろう。

ほら、歌詞みたいじゃない? 童謡というか

七五調だからそう感じるのかな? みくのしんが読みやすいのも、そのおかげなのかも

合いの手とか入れたらもっと分かりやすいと思う

 

そいつは象の
ことだから(ハ、ヨイショ!)

たぶんぶらっと
森を出て(ア、ソレ!)

ただなにとなく
来たのだろう(ア、ドシタ!)

ほら

ほらと言われても

 

ごめんごめん。さっきから寄り道が多いよね

別にいいよ。面白い感想だから、それこそメモに書いておけば?

それはいいや。文字読んでるときに文字書いたらもうキャパオーバーだから

もったいないなあ

 

そいつが小屋の入口に、ゆっくり顔を出したとき、百姓どもはぎょっとした。

象が来たのに誰もはしゃいでないね。リアル象なのかな?

リアル象ってなんだよ

 

なぜぎょっとした?

また聞いてきたな。ちょいちょいこっち向くから油断できねえわ

宮沢賢治は第四の壁越えてこないよ

教えてくれよ。なんでぎょっとしたんだよ。リアル象だからか?

 

よくきくねえ、

この人しゃべりやすい!

本に対する感想としてはだいぶ珍しい

俺のことを見ながらしゃべってくれてる! めっちゃトーク上手いじゃん!

 

何をしだすか知れないじゃないか。

たしかに!!

本読んでてこんなに豊かなリアクション見せることあるかよ

こいつ、だいぶ話し慣れてるわ! 飲み会のたびにこのエピソードしゃべってるだろ!

 

かかり合っては大へんだから、どいつもみな、いっしょうけんめい、じぶんの稲を扱いていた。

なるほど。やっぱりリアル象なんだね

さっきから言ってるけど、リアル象って何?

下手に刺激したらヤバい! って思うくらいリアルなんだよ。優しそうだけど、目を見ると「怖ッ!」ってなるくらいのリアリティがあんの

 

こんな感じ

こんな感じと言われても

 

で、百姓はこう

ビビってんな〜

本当は逃げ出したいけど象を刺激したらヤバいから。俺もコンビニの夜勤してたときに酔っ払いが入店したらこんな感じだった

 

ところがそのときオツベルは、

出たね。店長

農場主な

ここで、店長がどう動くかは大事よ。これでビビってたら俺たちに舐められちゃうから

 

あえて、パイプくわえて冷静にいてほしいな。象なんか無視しててほしい

オツベルに何を求めてんだ

でも、ここで長としての力量がわかるから。教室にハチが入ってきたときの先生と一緒よ

 

ならんだ器械のうしろの方で、ポケットに手を入れながら、ちらっと鋭く象を見た。

見てました!やっぱオツベルも気になるんじゃん!

主人なんだから無視するわけにもいかないもんね

じゃあ、こうです!

 

見てるな〜

頼りになるね。パニックになるでも、我関せずで無視するでもない。ただチラッと見る。いい先生です

農場主な

 

それからすばやく下を向き、何でもないというふうで、いままでどおり往ったり来たりしていたもんだ。

やっぱり冷静なんじゃん! こいつすごいわ! そりゃ稲扱き機械6台は買えるわな!!

ここでオツベルの経営者としての才覚を見抜くかね?

 

こう……素知らぬ顔で工場を巡回してて……

 

スタッフに向けて「こんなつまんねえことで騒ぐなよ」みたいなオーラを出しつつ……

 

チラッと見る

舞台を大きく使って読書するな

 

するとこんどは白象が、片脚(かたあし)床にあげたのだ。

やばい! 乗ってきた!

象になって本を読む人は初めて見たなあ

 

百姓どもはぎょっとした。

いいねえ。スタッフはお間抜けな感じ。海外のコメディみたい

それはみくのしんの表情筋次第だろ

オツベルが頼りになるから自分たちで考えようとしないんだろうね。俺もここにいたら「僕らは仕事してるんで」だけ考えてやり過ごそうとすると思う

 

それでも仕事が忙しいし、かかり合ってはひどいから、そっちを見ずに、やっぱり稲を扱いていた。

(オツベルさん、なんとかしてくれぃ〜)

 

オツベルは奥のうすくらいところで両手をポケットから出して、も一度ちらっと象を見た。

めっちゃ気になってんじゃん!!

 

それからいかにも退屈そうに、わざと大きなあくびをして、両手を頭のうしろに組んで、行ったり来たりやっていた。

無理やり余裕を見せようとしてるんだ! 可愛い!

オツベルの形態模写に熱が入り過ぎてるな

あっ! かまど! 後ろ! 後ろ見て!

後ろ?

 

こう! オツベルは手を組んでないと思う! 組んでるふりして浮かせてるはず!

なんでそんな難儀なポーズとるんだよ

 

いつ象がパオンするか分からないだろ

???

オツベルは賢いから、いつ象がパオンしてもいいように浅く組んでるんだろ! 

 

もし、こんな感じで手をホールドしてたらヤバいぞぉ……

さっきから何の話してんの???

この状態のときにパオンされてみろ…。とっさに反応しようとしても、指が絡まっちゃって……

 


グン……ッ!!

ってなっちゃうでしょうが!!!

お前、俺を笑わせるために読んでない?

洗濯機の給水が止まったときみたいに!! ドゥンッッッ!!!ってなるだろうが!!!

もうやめて。お腹痛い

 


笑い崩れるかまど

 

ちゃんと撮ってよ。こっちは真面目に読んでるのにさ〜

本当だろうな? 読むのに飽きて遊んでるんじゃねえだろうな?

めちゃくちゃ楽しいけど、真面目に読んではいます。信じて下さい

 

そもそも、この本がかなり読みやすいんだよ。今までの本と比べて全然ひっかかりがない

たしかに、いつもみたいに読めないストレスは感じてないみたいだね

「イメージしないと読めない文章」がない代わりに「イメージを膨らませて読みたい文章」が多いのかも。だから読むよりイメージする方にエネルギーを使える感じがする

だから遊びが増えちゃうの? それなら好きに読んでいいけど……

 

ところが象が威勢(いせい)よく、前肢(まえあし)二つつきだして、小屋にあがって来ようとする。

これが真面目な読書か???

 

百姓どもはぎくっとし、オツベルもすこしぎょっとして、大きな琥珀のパイプから、ふっとけむりをはきだした。

ほら。やっぱり部下の前では威厳を保とうとしてるよね

あんだけ遊び倒してるのに、ちゃんと読めてるのが不思議だ

 

それでもやっぱりしらないふうで、ゆっくりそこらをあるいていた。

ヒヤヒヤするねえ。こんな一触即発のストーリーなんだ

そんな風に読む話だとは思ってなかったな

タイトルだけで、勝手にオツベル少年と象の友情物語だと思ってた。まさか主人公がやり手の経営者だとはね!

 

そしたらとうとう、象がのこのこ上って来た。

やばいです。事態は進行してます

挿絵になろうとしてる?

 

そして器械の前のとこを、呑気(のんき)にあるきはじめたのだ。

機械ぶっ壊したりしない??? 大丈夫???

 

ところが何せ、器械はひどく廻まわっていて、籾(もみ)は夕立か霰(あられ)のように、パチパチ象にあたるのだ。

これはヤバい。パオンするかもしれない

 

象はいかにもうるさいらしく、小さなその眼を細めていたが、

どきどき……!

 

またよく見ると、たしかに少しわらっていた。

笑ってました!

よかったね

緊張感あったからな〜! てっきりキレてると思った!

 

オツベルはやっと覚悟をきめて、稲扱(いねこき)器械の前に出て、象に話をしようとしたが、

いいぞオツベル…。刺激しないようにね……

みくのしんが小声になる必要はない

 

そのとき象が、とてもきれいな、鶯(うぐいす)みたいないい声で、こんな文句を云(い)ったのだ。

え? これ……

 

あっ!

 

 

……やばいかも

なんで文章を手で隠してんの?

ネタバレ防止。次の文章でヤバいのがくるかもしれない

???

 

さっきカギカッコが見えたんだよ!!! 

じゃあ続き読めばいいのに。ここでひと呼吸置くんだね

もしかしたら象がしゃべるかも!!!!

みくのしんって自分で自分を楽しくしながら読むの上手だよな

 

どうだ…!?

 

しゃべるか…!?

 

「ああ、だめだ。あんまりせわしく、砂がわたしの歯にあたる。」

しゃべった…!!

こんなに楽しく読書できる奴がなんで今まで本嫌いだったんだろう

 

まったく籾は、パチパチパチパチ歯にあたり、またまっ白な頭や首にぶっつかる。

「ぶっつかる」だって! いちいちいい書き方するなあ。普通に「ぶつかる」じゃダメなのか?

意味としては一緒だろうから、「ぶつかる」として読んでいいよ?

でも「ぶっつかる」じゃないとダメなんだよな〜! 4文字じゃあリズムが悪いもんな!

あんなにはしゃぎながら、そういうところも把握できてるんだ

 

さあ、オツベルは命懸(いのちがけ)だ。パイプを右手にもち直し、度胸を据えて斯(こ)う云った。

「どうだい、此処(ここ)は面白いかい。」

すごくない? 普通に会話してんだけど

そういう世界観のお話なんだね

ここまで読まないと、象がしゃべるような世界観だと気付かないのスゴいよね。ここで一気にイメージがファンタジーになった!

 

さあ、象は何て返す…?

 

「面白いねえ。」

面白いって!!

よかったね

うん!!

 

象がからだを斜(なな)めにして、眼を細くして返事した。

こうやって「面白いねえ。」って感じか

全身使って読書してんな。そんな読み方してて疲れない?

疲れるけど楽しい!

じゃあいいか

 

「ずうっとこっちに居たらどうだい。」

オツベルが場を収めようとしてる。やっぱ頼りがいあるな〜。いい上司じゃん

 

百姓どもははっとして、息を殺して象を見た。

一方、俺らはこんな風よ

百姓の一員になった気分で読んでんの?

俺らにできることはないもんね。あとは偉い人に任せるから、後で決まったことだけ報告してほしい

 

オツベルは云ってしまってから、にわかにがたがた顫(ふる)え出す。

オツベルも怖かったんだそれを隠して象と交渉してくれてたのか…。かっけぇ…!

オツベルに上司としての器量を見出してるね。そんな読み方もできるんだ

これくらいできないと経営者になれないんだろうな。じゃあ、俺は雇われでいいわ

「オツベルと象」でキャリアタイプ診断してる?

 

ところが象はけろりとして「居てもいいよ。」と答えたもんだ。

交渉成立!

 

「そうか。それではそうしよう。そういうことにしようじゃないか。」

オツベルが顔をくしゃくしゃにして、まっ赤になって悦(よろこ)びながらそう云った。

でも……実際、象がいてどうすんの? オツベルは喜んでるけどさぁ。意味ある?

読んでいけば分かるんじゃない?

うんことかもデカいよ? 大丈夫?

排泄の前に気にするところいっぱいあるだろ

 

どうだ、そうしてこの象は、もうオツベルの財産だ。

ん? 財産って言い方する? 友達とかじゃなくて?

(そういうところは読み逃さないんだ。丁寧な読み方してるなあ)

オツベルは人材のことを人財って言うタイプの経営者なのかも

(……解釈はフリーダムだけど)

 

いまに見たまえ、オツベルは、あの白象を、はたらかせるか、サーカス団に売りとばすか、どっちにしても万円以上もうけるぜ。

ここで第1章が終わってるわ! 続き気になるゥ〜!!!

いいお客さんだな。サクラみたい

ここでCM入ったらスキップ出来なくても我慢すると思う

本の途中で広告入らないだろ

 

初めての電子書籍だけど、ここまでは違和感なく読めてるみたいだね

そういえばそうだね。最初は緊張したけど、思ったより普通に読書できてるかも

これが普通の読書と言えるかは微妙なところだけどな。ちなみに、紙の本と比べてどう?

そうねぇ……

 

置けるのがいいです!

そこ???

うん。途中で遠慮なく置いて休憩できる。これはデカいよ。本の重みから逃げられるもん

それは紙の本でもできるんじゃないの?

 


走れメロスを読んでいたとき

紙の本は人の字にして伏せたりしおりを挟んだりしなきゃいけないじゃん。俺、あれに慣れてなくて

なるほど…。言われてみれば、紙の本って置くだけでもひと手間かかるもんね

そうそう。だから手に持って読み始めたらずっと緊張してなきゃいけなかったんだよ。でも、電子書籍ならいつ休憩してもいいからすごく楽!

普段、読書中の休憩を意識しないから、これは気付かなかったな。知れてよかった

 

ちなみに、画面横向きでも表示できるよ。俺はいつもその向きで読んでる

へ〜! 途中でも向き変えられるんだ。本をかっぴらいたときと同じ持ち方ができるね

もし読みにくかったらそっちで読んでもいいよ。1行あたりの文字数が少なくなるから、みくのしんはそっちの方が読みやすいんじゃない?

う〜ん…。俺はタテのままでいいかな

 

でっかい見開きみたいで読みやすくない? こう……見えない左ページも想像しながら読んでるから楽しいんだよな

へえ〜! いい読み方だね

でも、どうなの? 記事の見栄え的に向き変えて読んだりした方がいい?

いや、そのままでいいよ。みくのしんが一番楽しい形で読もう

 

そういえば、地味に嬉しい機能があってさ

 

ここ! 上の方にシークバーみたいなのが出てくんの!

あ〜そうそう。そこ見ればどれくらい読んだか分かるよね

これがさ……

 

ほら! 2ページめくるだけですごい進んだ!!!

ホントだ。まあ短い話だからね

よかったぁ〜! いつ終わるか分からなくて緊張してたんだよね!

(でも、まだ半分以上残ってるんだなぁ)

 

ていうか、そもそも電子とかあんま気にしてなかったかも。とにかく今日の本、めちゃくちゃ楽しいです

それはよかった

 

第二日曜

一週間経ちました!

 

オツベルときたら大したもんだ。

あれ? さっきもこんな感じの文章あったよね? 印刷ミス?

印刷はしてないだろ

ちょっと待って…。探すわ

 

オツベルときたら大したもんだ。

ほら! 最初の3行目とまったく同じ!

あえて反復してるんだろうね

こういうのも含めて歌詞っぽいんだよな〜! 全体的にリズムが良くて読んでて楽しくなるよね

 

あとさ。電子書籍って前に読んだ文章を探すとき楽じゃない?

そう? 俺はあんまり意識したことはないけど

あんまり力をいれずにサッサッとページをめくれるからかな。ストレスが少ない気がする

 

読み返すの難しくない?
 読んでる途中で「あのシーンどこだっけ!?」ってなるじゃないですか。紙の本なら、指の感覚でそれが探せるんだけど、電子だとそれができない気がする。

読む前に抱いてたイメージとは真逆だね

たしかに。でも、「指の感覚」で言えば画面操作の方が分かりやすいな。本を触ったことは少ないけど、スマホは毎日触ってるしね

本をめくるより、画面をスワイプする動きの方が直感的なのか。すごい時代だ

 

それにこの前稲扱小屋で、

稲扱き小屋かぁ。正直、これのイメージがはっきり分かってないんだよな

言い忘れてたけど、電子書籍ならそのままネットで検索できるよ

そっか。そういえばこの板ってもっと便利だったわ

 

漢字が読めなくても調べられるのいいよね。紙の本は、文字自体が初めましてだと詰んじゃうもんな

詰みはしないけど、まあこっちの方が手軽ではあるだろうね

 


稲扱き小屋の検索画面

和の風景って感じだなあ。「オツベル」って名前だからもっと洋風の舞台かと思ってた

この検索画面だとそうだね。「稲扱き小屋 オツベルと象」で調べてみたら?

それだとネタバレ踏んじゃいそうで怖い

宮沢賢治のネタバレに怯える人いるんだ

 

でも、この時間、最高じゃない? 分からないものを調べながら本を読むとかすげえカッコいいわ。休みの日とかこんな風に過ごしたい

みくのしんもいつでもできるよ。今週末にでもやってみたら?

じゃあ、かまども家に来てよ。休日に一人でこんなにギャーギャー読んでたらバカみたいだろ

バカってことはないけど、近所迷惑ではあるかもしれない

 

…え〜っと? ごめんごめん。どこまで読んでたっけ?

2章目が始まったあたりだね

ちょっと私語が多すぎるかな。集中して読むか……

初めての電子書籍だからしゃ〜ないよ。みくのしんの好きなペースで読みな

 

オツベルときたら大したもんだ。

それにこの前稲扱小屋で、うまく自分のものにした、象もじっさい大したもんだ。

そうだよね。偉いのはオツベルだけじゃないもんね

 

力も二十馬力もある。

第一みかけがまっ白で、牙はぜんたいきれいな象牙でできている。

皮も全体、立派で丈夫な象皮なのだ。そしてずいぶんはたらくもんだ。

めっちゃ褒められてる! よかった! いい就職先じゃん!

 

けれどもそんなに稼ぐのも、やっぱり主人が偉いのだ。

まあな〜。仲良くなったのもオツベルの手腕だもんな〜

 

「おい、お前は時計は要らないか。」

丸太で建てたその象小屋の前に来て、オツベルは琥珀のパイプをくわえ、顔をしかめて斯う訊(き)いた。

一週間でこんな仲になったんだ!

いい顔で読むなあ。表情がホクホクしてる

だって、さっそく経営者に認められてるんだよ? 俺、こういう話好きだな〜! 嬉しくなっちゃう!

 

「ぼくは時計は要らないよ。」

象がわらって返事した。

象かわいい!!

すっかり夢中だね

初対面はピリついてたから馴染めるか心配だったんだよ。なんだ、みんないい奴だったのか

 

「ぼくは時計は要らないよ」だって! 遠慮すんなよな〜!

これはもう飼い主の笑顔だな

同僚としても嬉しいよ。新入りがかわいい象なんだから

この本を百姓の一員として読んでる奴いないって

 

「まあ持って見ろ、いいもんだ。」

斯う言いながらオツベルは、ブリキでこさえた大きな時計を、象の首からぶらさげた。

わざわざ作ってあげたんだ。オツベル優しいじゃん

たしかに。「こさえた」って言うからには、お手製なんだろうね

ブリキの時計ってどんなやつだろ。象の首にかけるんだから結構大きいはずだよね……

 

ちょっと描いてみるか

 

読書中にホワイトボード使うことある?

本には挿絵がないからね。自分でイメージを残しておかないと

 

象がいて……

 

ブリキの時計があって……

 

みくのしんのブリキのイメージってこれなんだ

違う? 読書なんだから自由にイメージしていいのかなと思ったんだけど

もちろんそれでいいよ。あまりにブリキだったからビックリしただけ

 

ほら

 

象も嬉しそう!

それはみくのしんの描き方によるだろ

 

「なかなかいいね。」象も云う。

喜んでるね! 俺も頑張って描いたかいがあった!

 

「鎖(くさり)もなくちゃだめだろう。」

あ〜! 鎖! 俺も描こうと思ってた! これはマジ! 後出しじゃない! 

誰も疑ってねえよ

ブリキに似合うカッコいいチェーンを描こうとしたの! 信じて!

だったら描けばよかったのに

 

それはもう俺の優しさ。鎖が首に挟まると痛いかな〜って思ったんだよ

細かいところ気にしながらイメージ拡げてるなぁ

でも、まあ象ならいいのかな。象の皮なら鎖に負けなさそうだもんね

 

オツベルときたら、百キロもある鎖をさ、その前肢にくっつけた。

100kgもあんの?

象だからそれくらいあっても大丈夫なんじゃない?

前足にかけるんだから……時計とは別のアクセサリーなのか。銭湯のカギみたいなこと?

 

描くか

今日の読書は忙しいな

 

ワイルドな感じにしてあげようかな。せっかく100kgあるんだもんね

コーディネートまで気にしてあげるの?

休み時間に俺たちが触ってさ。「重〜!」とか言って笑いたい。で、象もイタズラでジャラッって鳴らしてきて「やめろって(笑)ビビんだろぉ〜(笑)」とか言いたい

アットホームな職場だなあ

 

オツベルも嬉しそう!

そうだね

うん!

 

「うん、なかなか鎖はいいね。」

三あし歩いて象がいう。

いいね。象の好感度が順調に上がってるわ!

象を攻略しようとしてる?

 

「靴をはいたらどうだろう。」

まだ描くのかよ!!

別に描く必要はないよ。頭でイメージすればいいんだから

それができたら最初から描いてねえよ!

 

「ぼくは靴などはかないよ。」

ほら! 象も要らないって! じゃあ靴はナシナシ!

騒がしい読書だなあ

オツベルもちょっと距離詰めすぎだぞ! 贈り物しすぎると部下に誤解されるって!

象との社内恋愛を疑うやつはいないだろ

 

「まあはいてみろ、いいもんだ。」

もぅ……

 

描くしかねえか!

描かなくていいんだって

 

オツベルは顔をしかめながら、赤い張子の大きな靴を、象のうしろのかかとにはめた。

せっかくの入社祝いだからね。でっけーの描いてあげよう

象の書き込みがどんどん増えていく……

小屋の中は稲のカスが散らばってるからね。靴はいたほうが足もチクチクしないと思う!

 

「なかなかいいね。」

象も云う。

こいつ、もらったら喜ぶんだよな〜! そりゃオツベルもプレゼントしがいあるわ!

よくもまあ、こんな1行1行楽しみながら読書できるな

 

どう? もういい? さすがにプレゼントは終わりか?

 

「靴に飾(かざ)りをつけなくちゃ。」

まだ贈るんだって!! どんだけ気があるんだよ!!

口説こうとしてるわけじゃないよ

ここまできたら他のスタッフも「え? 僕らにはプレゼントないんスかぁ?」ってなっちゃうよ!?

 

オツベルはもう大急ぎで、四百キロある分銅を靴の上から、穿(は)め込んだ。

400kgて。いちいち重いなぁ〜

 

分銅ってたしかピンセットでつまむようなやつだよね?

そうそう。小学校の頃、理科の授業で使ってた重しだね

それが400kgってイメージできなくない? 

 

こうでしょ?

なんでミリグラムのやつ描くんだよ

こんなんじゃなかったっけ? 端っこがつまみやすくペロンッてなってる感じの……

 

分銅

 

ああこういうのか〜! あったあった!

分銅って言われて最初にペラ板の方を思い出すの、みくのしんくらいだろ

これが400kg分あるってことね。それなら理解できるわ!

 

こういうことか!

ゾナウバッテリー?

 

「うん、なかなかいいね。」

象は二あし歩いてみて、さもうれしそうにそう云った。

俺も描いたかいがありました!

 

どう? さすがにもう贈り物は終わった…? 席に戻っていい?

 

次の日、ブリキの大きな時計と、やくざな紙の靴とはやぶけ、

もう壊してんだけど!???

 

象は鎖と分銅だけで、大よろこびであるいて居(お)った。

ふざけんな…。せっかく描いたのに……

こんな読書してたら疲れるだろうなあ

 

「済まないが税金も高いから、今日はすこうし、川から水を汲(く)んでくれ。」

オツベルは両手をうしろで組んで、顔をしかめて象に云う。

こんな世界観のお話なのに税金とかあるんだ。嫌だなあ

 

「ああ、ぼく水を汲んで来よう。もう何ばいでも汲んでやるよ。」

かわいいね。多分、まだ仕事自体が新鮮で楽しいんだと思う

なるほど。たしかに象は人間の仕事をしたことはないだろうな

お手伝いできるのが楽しくてたまらない! って口調だもんね。わかるわかる!

口調までイメージできてるんだ。豊かな読書だなあ

 

象は眼を細くしてよろこんで、そのひるすぎに五十だけ、川から水を汲んで来た。

そして菜っ葉の畑にかけた。

野菜も育ててんの? 手広くやってるね

 

夕方象は小屋に居て、十把(ぱ)の藁(わら)をたべながら、西の三日の月を見て、

「ああ、稼ぐのは愉快だねえ、さっぱりするねえ」と云っていた。

いいセリフ! 仕事終わりにこの一言が出るのは羨ましいよ! 俺もこう言いたい!

象にとっては疲れるほどの仕事じゃなかったのかもね

だとしてもさ! こういう風に言ってくれると、周りも気持ち良くなるじゃん! いい象だな〜!

 

靴を破いたのは許します!

根に持ってたのかよ

 

「済まないが税金がまたあがる。今日は少うし森から、たきぎを運んでくれ」

オツベルは房(ふさ)のついた赤い帽子をかぶり、両手をかくしにつっ込んで、次の日象にそう言った。

また税金増えんの? 嫌なんだが?

イライラしないで。みくのしんにかかる税じゃないから

それだけ儲けてるってこと? 103万円以上稼いじゃったのかな

象は確定申告しないよ

 

「ああ、ぼくたきぎを持って来よう。いい天気だねえ。ぼくはぜんたい森へ行くのは大すきなんだ」

象はわらってこう言った。

めっちゃいい象じゃん

情緒豊かに読むなあ。この読書で喜怒哀楽の全部出てきそう

 

なんか不安になってきたな……。ちょっといい奴すぎない? 悲劇の前フリっぽくない?

まあ、物語としてはまだ何も起きてはいないよね

嫌なこと起きないでほしいな。せっかく仲良くなったのに

 

オツベルは少しぎょっとして、パイプを手からあぶなく落としそうにしたが

もうあのときは、象がいかにも愉快なふうで、ゆっくりあるきだしたので、

また安心してパイプをくわえ、小さな咳(せき)を一つして、百姓どもの仕事の方を見に行った。

なんだこの文章。なんでオツベルはぎょっとしてんの? 何か隠し事してる?

なんだろうね。とりあえず読み進めてみたら?

不穏な空気してきたか…? 気のせい?

 

そのひるすぎの半日に、象は九百把たきぎを運び、眼を細くしてよろこんだ。

象は楽しく仕事してるな…。やっぱり気のせいだったかも

 

晩方象は小屋に居て、八把の藁をたべながら、西の四日の月を見て

「ああ、せいせいした。サンタマリア」と斯(こ)うひとりごとしたそうだ。

サンタマリア?? 何?? どういうこと???

急に出てくると分かんないよな。みくのしんはどんな意味だと思う?

聞いたことない単語じゃないからなぁ。なんとなく「おお、神よ」みたいなことかな〜と思ったけど……

 

あ、調べたら「聖母マリア」のことなんだって

検索機能を使いこなし始めたな。いい調子だ

象がいつも笑顔な理由がわかったかも。税金があがっても仕事が増えても、祈る先があるから穏やかに過ごせるんだね

 

その次の日だ、

「済まないが、税金が五倍になった、

なんなんだよマジで!

税にキレすぎだろ

 

あ〜〜〜〜

 

もう〜〜〜〜

 

一揆起こしてぇ

滅多なこと言うんじゃない

 

……嘘ついてない?

何が?

税金の話。オツベルが嘘ついてる可能性ある?

俺に聞くより続きを読んだ方が早いよ

 

今日は少うし鍛冶場(かじば)へ行って、炭火を吹(ふ)いてくれないか」

急にオツベルの顔が見えなくなった……

ん? それはどういうこと?

「悪い奴だったらどうしよう」って思った途端に、オツベルの口調とか表情がイメージできなくなった。こいつが何考えてんのかマジで分からん

1行ごとにイメージしようとしてたらそうなるのか

 

「ああ、吹いてやろう。本気でやったら、ぼく、もう、息で、石もなげとばせるよ」

象も疑うことを知らないからな〜。それがこいつの良いところでもあるんだけど……

 

オツベルはまたどきっとしたが、気を落ち付けてわらっていた。

ほら。なんでオツベルはドキッとしてんの?

さっきもそういう描写あったね

前も象の笑顔を見て心臓がギュッとなってたよね。なに? 罪悪感があんの?

 

象はのそのそ鍛冶場へ行って、べたんと肢を折って座り、ふいごの代りに半日炭を吹いたのだ。

象は相変わらずだなぁ。いいよいいよ。何も疑わなくていいよ

みくのしんは象に甘いね

だってかわいそうじゃん。このまま象には嫌なものに一切触れない人生を過ごしてほしい

我が子に贈る言葉?

 

その晩、象は象小屋で、七把(わ)の藁をたべながら、

7? 減ってない???

最初は「十把の藁」って書いてあったよね

これは本当に税金がやばいのか…? それともわざとか…?

 

空の五日の月を見て
「ああ、つかれたな、うれしいな、サンタマリア」と斯う言った。

もうダメかもしれません

ダメってことはないだろ。「うれしいな」って言ってんだから

でもさぁ……象の声色も変わってきちゃってんじゃん

 

「ああ、稼ぐのは愉快だねえ、さっぱりするねえ

→「ああ、せいせいした。サンタマリア」

→「ああ、つかれたな、うれしいな、サンタマリア」

ほら。だんだん無邪気なだけじゃなくなってない? 最後はとうとう「疲れた」って言っちゃってるし

ほんとだ。ちょっとずつネガティブな言い方を覚え始めてる。よく気付いたね

わかるよ。象の声が日に日に細くなってたから

すごい感覚で朗読してんな

 

どうだ、そうして次の日から、象は朝からかせぐのだ。

藁も昨日はただ五把だ。

人間で言ったら給料が半分になってます。これは本当にヤバいです

でも、オツベルは「税金が五倍になった」って言ってたよ?

だとしても、うまくやりくりしろよ。それがオツベルの仕事だろ

 

よくまあ、五把の藁などで、あんな力がでるもんだ。

仕事量を調整した方がいいんじゃない?

 

じっさい象はけいざいだよ。

え?

 

それというのもオツベルが、頭がよくてえらいためだ。オツベルときたら大したもんさ。

……。

頭抱えちゃった

いいヤツはこんな言い方しないだろ。オツベル、ぜってー悪いやつだわ

 

やっぱ嘘ついてたってことだよね? 少ないエサで働かせてたってことだよね?

だから「象は経済的だ」って言ってるんだろうね

今思うと、鎖とか分銅とかも変だったもんな。アクセサリーというより、まるで奴隷につけるような……

 

え!? そういうこと?!?!

気付いちゃった

 

やばい!!

 

プレゼントのふりして象に重しをつけてたってこと!??!

そういう風に読む人が多いんじゃないかな。みくのしんは心からのプレゼントだと思ってたけど

オツベルってそんなにヤバい奴だったの???

 

こんなに笑顔なのに??!?

それはみくのしんの描き方次第だろ

 

そんなことだとは知らずに嬉々として描いちゃった。バカか俺は

「オツベルと象」を読んで罪の意識に苦しむ人、初めて見た

正直、鎖を描くときもおかしいとは感じてたんだよ。100kgとか400kgとか「さすがに重くね???」って思ってたし……

 

「うん、なかなか鎖はいいね。」
三あし歩いて象がいう。

→「うん、なかなかいいね。」
象は二あし歩いてみて、さもうれしそうにそう云った。

重しをつけるたびに歩きにくそうにしてたしさ……

ほんとだ。初めて気付いたけど、だんだん歩数が減ってるんだね

違和感はあったのに……。俺も言ってあげればよかった……

 

ごめん……!!

すごい感度で読書してんなぁ

 


泣いちゃった

飯も減らされてるし……。俺のせいだ……ごめん……

みくのしんが抱えることじゃないよ

慰めなんかいらねえよ……

本当にみくのしんが抱えることじゃないから言ってんだよ

 

これどうなるの? ちゃんと幸せに終わる?

どうだろうね。まだ第3章が残ってるし、続きを読んでみたら?

読みたくねえ〜!

 

第五日曜

だいぶ経ったなぁ。この三週間で何があった?

 

オツベルかね、

どきどき……

 

そのオツベルは、おれも云おうとしてたんだが、居なくなったよ。

え???

読書中に見せる表情か、これ?

いなくなった?? 出てったってこと? 死んだ? クビになったとか? え? どういうこと????

 

まあ落ちついてききたまえ。

あ、すみません

本と会話してる?

 

前にはなしたあの象を、オツベルはすこしひどくし過ぎた。

やっぱそうだよな〜〜〜!!! 俺も気付いてたよ!!

 

しかたがだんだんひどくなったから、象がなかなか笑わなくなった。

わぁ……

 

時には赤い竜の眼をして、じっとこんなにオツベルを見おろすようになってきた。

そんな目を覚えちゃったんだ……最悪だ……

 

ある晩象は象小屋で、三把の藁をたべながら、十日の月を仰(あお)ぎ見て、

「苦しいです。サンタマリア。」と云ったということだ。

それでもオツベルへの悪口は出さない。やっぱりいい象だよ

そんな風に感じたことなかったな。性格のいい受け取り方だね

 

こいつを聞いたオツベルは、ことごと象につらくした。

こいつやばッ!!

声でかっ

象が弱音吐いたら八つ当たりしてんの? 狂ってるだろコイツ!!

 

ある晩、象は象小屋で、ふらふら倒れて地べたに座り、藁もたべずに、十一日の月を見て、

お前はもう、うちに来い……

象を保護しようとしてる?

うちに来てキャベツとか食っていい。うんこもいっぱいしていいから

排泄の前に気にすることいっぱいあるだろ

 

「もう、さようなら、サンタマリア。」と斯う言った。

こんな話になるとは思わなかった……。何でこんな本読ませたんだよ

みくのしんは楽しく読んでくれそうだと思ったんだけどな

楽しくない…!ツラい…!

まあまあ、そんなこと言わないで。最後まで読んでみてよ

 

「おや、何だって? さよならだ?」

月が俄(にわか)に象に訊(き)く。

おい! 月がしゃべってるぞ!!!!

楽しく読んでんじゃねえか

すげえ! 月までおしゃべりする世界観なんだ! もうなんでもアリだな!!

 

「ええ、さよならです。サンタマリア。」

さよならなんて悲しいこと言うなよ

シンジくん?

今日までずっとお祈りしてたんだから。きっと助けてくれるって

 

「何だい、なりばかり大きくて、からっきし意気地(いくじ)のないやつだなあ。

…は?

 

コイツ今、何つった??

眉間のシワすごっ

今、クソみてえなこと言わなかったか? コイツ、何様だよ

お月さまだよ

 

仲間へ手紙を書いたらいいや。」月がわらって斯う云った。

嫌味な言い方! 毎日象が祈ってたの見てただろ。何を見てきたんだよ

 

「お筆も紙もありませんよう。」

象は細ういきれいな声で、しくしくしくしく泣き出した。

なんてか弱い……

感情移入しすぎじゃない?

なんでこうなる前に気づけなかったんだ…

 

そういえば最初からサーカスに売り飛ばすとか言ってたな。牛飼いも月も、みんな象の味方じゃなかったのかよ……

象も騙されてることに気付いてなかったもんね

 

俺が気づくべきだったのに! 俺は間抜けな百姓でした!

 

「そら、これでしょう。」

すぐ眼の前で、可愛い子どもの声がした。

子ども…? 誰?

 

象が頭を上げて見ると、赤い着物の童子が立って、硯(すずり)と紙を捧(ささ)げていた。

すごいね。夢の話を聞いてるみたい

不思議な世界観だよね。それが宮沢賢治っぽいんだけど

急に月がしゃべったり、童子がきたり。もう何でもアリじゃん

 

でも、適当こいてマジの何でもアリにしてるわけじゃないってのは分かるんだよな。芯が見えるというか

ただ単にめちゃくちゃって感じはしないよね

宮沢賢治の中では筋が通ってるんだろうな。その筋が俺には分からないから、近い体験として「夢っぽいな〜」と思うのかも

 

ちなみに「童子」って何? 子どもってことは分かるんだけど……

 

「童子」の検索画面

え? これ?? これが来たの???

あら。「童子」で検索するとこれが出てきちゃうのか

 

イメージと違いすぎる。もっと座敷わらし的な存在だと思ったのに

そういう理解でいいと思うよ。仏教用語にも同じ単語があるから、検索で仏像が出てきちゃうんだろうね

意味を調べたら「偉い人のお世話をする子ども」って出てきた。月の使い的な感じなのかな?

 

象は早速手紙を書いた。

「ぼくはずいぶん眼にあっている。みんなで出て来て助けてくれ。」

そっか…。象にはまだ助けてくれる仲間がいるんだ…!

 

童子はすぐに手紙をもって、林の方へあるいて行った。

赤衣(せきい)の童子が、そうして山に着いたのは、ちょうどひるめしごろだった。

よかった…。童子も味方みたいです

なんだかんだで月も助けてくれるんだね

祈っててよかったね。意地悪なこと言ってたから俺は祈らねえけど

根に持ってたのかよ

 

このとき山の象どもは、沙羅樹(さらじゅ)の下のくらがりで、

沙羅樹? なんかすごそうな単語!

そんな言葉出てくるんだ。童話にしては難しい固有名詞だなぁ

読みやすくて気軽な本だけど、こういう語彙を見せつけられると「すごい人が書いたものなんだ」って冷静になるね

 

多分、何かの木のことなんだろうけど……調べてみるか……

 

…え!? え!?

 

ちょ……うわっ!!

なに? どうした?

 

昭和のエッチが出てきた!!

なんて???

 


昔、同じ名前のAV女優さんがいたらしい

やばい! 誤解されちゃう!!!

や〜い。えっち〜

ちげ〜し! 興味ねぇし!!

 

一般的には「サラソウジュ」って言うから、そっちで調べてみたら?

サラソウジュ……サラソウジュ……

 

キレイな花だな〜! 「仏教の三大聖木の一つ」って書いてある。神秘的な木なのかな

俺も初めて見た。沙羅樹ってこんな感じなんだ

あれ? かまどってこの本読んだことあるんでしょ? なのにどんなものなのか知らなかったの?

お恥ずかしい。みくのしんみたいに丁寧な読み方してないから、知ったつもりになって読み飛ばしちゃってたな

 

知らなくても読めるなら、その方がすごくない?

そんな無垢な目で見ないでくれ。恥ずかしい

 

このとき山の象どもは、沙羅樹(さらじゅ)の下のくらがりで、

でも、何だろ。さっきからうまくイメージできないんだよな

そう? 沙羅樹が分かれば、そんなに読みにくい文章じゃないと思うけど

まず舞台がどこなのか分からなくない? ここはどこなの? 日本ではないってことは分かるけど

考えたことなかったな。なんとなくインドっぽいイメージだったけど

 

それはわかる。そもそも白い象だし、沙羅樹も何となく神秘的なインドの雰囲気してる。でも「オツベル」って名前はインドっぽくないよね?

……たしかに。アジアの印象はないかな

じゃあ、舞台はヨーロッパなのかな〜と思ったら、「着物」を着た和風の童子も出てくるしさ。何か全体的にそんな感じでうまくイメージできないんだよ。ここってどこなの???

ごめん。俺には答えられないけど、面白いから続けてみて

 

沙羅樹って仏教的なやつなんでしょ? でも、象が祈ってたのは聖母マリアじゃなかった? それってキリスト教的なやつだよね? で、そのサンタマリアは和服の童子を送ってきてるの? なんで???

たしかに構成する要素がバラバラに見えるね。だからみくのしんの中でイメージがうまく結びつかないのか

でも、それがストレスじゃないんだよな〜。よく分かんないんだけど、そのままでいいと思えちゃうというか。宮沢賢治の頭ん中をそのまま読んでるんだから分かんなくて当たり前というか

要素はバラバラだけど、それをちぐはぐには感じないんだ。なるほど

 

この人の頭ん中にあるものをひっかき集めてお話が作られてる感じがする。そういうのもあって「夢っぽいな〜」と思ったのかも

俺はそんなこと考えたこともなかった

本当の読書家はこれで宮沢賢治が何を言いたいのか分かるんでしょ? すごいよな〜

みくのしんも十分すごいって。尊敬するわ

 

このとき山の象どもは、沙羅樹(さらじゅ)の下のくらがりで、

でも、せっかくなら自分でも分かりたいよな〜

じゃあ続き読んでみたら? 俺もみくのしんの読書もっと見てみたい

え〜っと。沙羅樹の下で象は……

 

 

ひひっ

? 何笑ってんの?

 

…かまど。象たちは何してたと思う?

ん?

沙羅樹の下で、象たちは何してたと思いますか?

覚えてないな。なんて書いてあるの?

 

 

 

(ご)などをやっていたのだが、

囲碁やってました!!

さっきまでのIQどこいったんだよ

公園のおじさんじゃん!! 楽しそすぎ!!

 

こうやってベンチにまたがってやるタイプの象もいるよね!!

本の読み方にムラがありすぎるだろ、こいつ

ってことは、このお話の舞台は公園だったかも!!

さっき俺が抱いた敬意は何だったんだ

 

額をあつめてこれを見た。

「ぼくはずいぶん眼にあっている。みんなで出てきて助けてくれ。」

仲間にメッセージ届いてます! こうなったらもう安心だね!

 

象は一せいに立ちあがり、まっ黒になって吠(ほ)えだした。

そうそう!! 囲碁なんかやってる場合じゃないぞ!!

みくのしんのボルテージまであがってるな

始まるぞぉ…!! 見とけよオツベル!!!

 

「オツベルをやっつけよう」議長の象が高く叫ぶと、

議長もキレてます!! もう場を収める象はいません!!

 

「おう、でかけよう。グララアガア、グララアガア。」みんながいちどに呼応する。

なんじゃこりゃ!? 「グララアガア」??!? こんな擬音あるの?!?

ないよ。多分、宮沢賢治が造った言葉じゃないかな

そんなことしていいの??! そもそも、ゼロからこんなカッケぇ日本語作れるか?!

 

かまど。こいつ天才だわ

それはよく知ってるよ

 

さあ、もうみんな、嵐のように林の中をなきぬけて、

これもだ。「なきぬける」ってなに? 鳴きながら走り抜けてくってこと!?

 

調べてもでてこない! すっご……! これも造った言葉なんだ!

宮沢賢治って独特な語彙が多いことで有名だからね

自由すぎる…! 文章ってこんな書き方していいんだ…!!

 

グララアガア、グララアガア、野原の方へとんで行く。

オリジナルの言葉なのに違和感なく読めるのすごいよなぁ……

 

どいつもみんなきちがいだ。

え!?

 

 

……。

焦るな焦るな。昔の本だから現代では使っちゃいけない単語が出てくることもあるよ

俺は言ってないです……。宮沢賢治がそう言えって……

大丈夫だから。よくあることだから

 

小さな木などは根こぎになり、藪(やぶ)や何かもめちゃめちゃだ。

「根こぎ」は……根こそぎ、みたいな意味か。こうやってスムーズに検索できると分からない単語があっても集中力切れないからいいね

それができれば、もう俺がいなくても本読めるんじゃない?

それはね、全然無理です。誰かがついててくれないとこんな読み方できません

 

グワア グワア グワア グワア、花火みたいに野原の中へ飛び出した。

いいねえ! このシーン、予告編で使いそう〜!

「オツベルと象」に特報トレーラーはない

 

それから、何の、走って、走って、

これだけでスピード感が伝わる! やっぱり小説家ってすごいな……

みくのしんは口に出して読んでるから文章表現の機微も受け取りやすいのかもね

普通「、」って一呼吸おくために使うじゃん。なのに、こうやって使うと「息もつかせぬ〜!」って感じに見えるんだ

そういう感想を聞くと、みくのしんもWEBライターなんだな〜と思うなあ

 

とうとう向うの青くかすんだ野原のはてに、オツベルの邸(やしき)の黄いろな屋根を見附(みつ)けると、

オツベルの家が見えてきたぞ……。屋根が黄色なのムカつくな。何を偉そうに

それは言いがかりでは?

でも、青い野原の中でそれがポツンと目立つんだろうね。それが目印になってんだからいい気味だわ

自分が今、何色のソファに座ってるか一回見てみろよ

 

象はいちどに噴火(ふんか)した。

黄色の屋根ってお前ーーー!!!!!

怒りの種類が変わってない?

 

グララアガア、

グララアガア!!

 

グララアガア。

グララアガア!!

みくのしんが象になっちゃった

 

その時はちょうど一時半、オツベルは皮の寝台(しんだい)の上でひるねのさかりで、(からす)の夢を見ていたもんだ。

ここの文章スゴくない? まさに宮沢賢治って感じ!!

そうなんだ。どの辺でそう感じたの?

「カラスの夢」だよ!? たったこれだけでオツベルが悪い奴ってことを表現してんのスゴくない!?

なるほど。たしかにそういうニュアンスもあるのかもね

 

(からす)の夢を見ていたもんだ。

しかも「こいつは悪い奴ですよ〜」って言いつける感じじゃないのがいいよね。ふわっと悪人の風味だけを残してる感じ

そう言われてみれば「カラスの夢を見てた」って書かれると、不道徳な印象を受ける気がするなあ

悪い奴だからわざわざこう書くんだもんね。いい人だったらコンビニのたまごサンドの夢とか見るもん

そうとは限らないだろ

 

あまり大きな音なので、オツベルの家の百姓どもが、門から少し外へ出て、小手をかざして向うを見た。

おんやぁ? 何かでっけー音がするなぁ?

 

林のような象だろう。汽車より早くやってくる。

例えうまっ!! なんでこんな文章書けんの?

よくもまあ、こんなに感情揺さぶられながら読書できるな

例えてるのに全然分かりにくくない! 見たまんまを言ってるみたいで気持ちいい!

 

こいつ売れるわ

もう売れきってるよ

 

さあ、まるっきり、血の気も失せてかけ込こんで、「旦那あ、象です。押し寄せやした。旦那あ、象です。」と声をかぎりに叫んだもんだ。

象が! いっぱい来ます! 汽車より速いッス!!

 

ところがオツベルはやっぱりえらい。

眼をぱっちりとあいたときは、もう何もかもわかっていた。

切れ者だなぁ〜! 悪人としてのカリスマ性あるわ!

この1行だけでそう感じるんだ

だって、寝起きで即理解できるってことは、こういう日がくることを覚悟してたんでしょ?

 

こうやって……カラスの夢見ててさ……

 

「オツベルさん! 象が……!」って言われて──

 

はい分かったァ!!!

そんな分かり方???

象を取り返しにきてるし、屋根は黄色です!!

屋根のことはもういいって

 

「おい、象のやつは小屋にいるのか。居る? 居る? 居るのか。よし、戸をしめろ。戸をしめるんだよ。早く象小屋の戸をしめるんだ。ようし、早く丸太を持って来い。とじこめちまえ、畜生めじたばたしやがるな、丸太をそこへしばりつけろ。

すごい文章だなあ……。臨場感すごいし、跳ね上がる息も聞こえてくるみたい

襲来に備える慌ただしさが伝わってくるよね

なんかもう……オツベルのことを敵なのにかっこいいと思っちゃった

 

宮沢賢治ってすっげぇわ……。痺れた

今日のみくのしんは、作品の内容だけじゃなくて作者に言及する機会が多いね。それだけ宮沢賢治がハマったんだろうけど

読みやすいのに書けそうにない文章ってすごすぎない? 俺も同じ文字と言葉を使えるのに、何でこんなに差があるんだ

 

何ができるもんか。わざと力を減らしてあるんだ。

言ったな。やっぱり税金は嘘だったんだ……

象が逃げられないようにしてたんだね。用意周到だよな

悔しいけど、悪役としてのカッコよさも感じちゃってるんだよな…。これはいい勝負かもしれん

 

ようし、もう五六本持って来い。さあ、大丈夫だ。大丈夫だとも。あわてるなったら。

おら! お前らグズグズすんな!!

 

おい、みんな、こんどは門だ。門をしめろ。かんぬきをかえ。つっぱり。つっぱり。

俺に任せろ! 大丈夫だ!

 

そうだ。おい、みんな心配するなったら。しっかりしろよ。」

いけいけいけ!!!

 

閉めろ閉めろ閉めろ!!!

この副音声やかましいな〜

 

オツベルはもう支度(したく)ができて、ラッパみたいないい声で、百姓どもをはげました。

ダメだ……カッコいい……

動きも感情も慌ただしい

象のことを思ったらこんなこと言いたくないんだけど、やっぱカリスマ性あるよ。牛飼いもオツベル贔屓で語ってる気がする

 

もう、全部マーカー引いちゃお

そんなに気に入ったんだ

 

ところがどうして、百姓どもは気が気じゃない。

こんな主人に巻き添(ぞ)いなんぞ食いたくないから、みんなタオルやはんけちや、よごれたような白いようなものを、ぐるぐる腕に巻きつける。

降参をするしるしなのだ。

白旗みたいなもんか。部下は全然ついてきてないなぁ

主人ほどの覚悟はできてなかったんだろうね

でもここはオツベルが、というより部下が情けないシーンだよね。最初に象が来たときから、ずっとこいつらは自分で考えることをしてないから

 

オツベルはいよいよやっきとなって、そこらあたりをかけまわる。

さすがのオツベルもパニックになってるね! 面白くなってきたぞ!

 

オツベルの犬も気が立って、火のつくように吠(ほ)えながら、やしきの中をはせまわる。

犬飼ってたんかい!!!

どこでブチギレてんだよ

犬を飼う気持ちがあるなら象にもやさしくできるだろ!!!

 

お前、犬にはちゃんと食わせてたんだろうな

今、オツベルの飼育環境を把握しなくてもいいだろ

これで犬までイジメてたらもう勘弁ならん。俺もグララアガアする

 

間もなく地面はぐらぐらとゆられ、そこらはばしゃばしゃくらくなり、象はやしきをとりまいた。

きたきたきた!!

 

グララアガア、グララアガア、その恐ろしいさわぎの中から、

「今助けるから安心しろよ。」やさしい声もきこえてくる。

いいねえ! 優しい声も出せるんだ! 怒りで我を忘れてるわけじゃないんだ!

 

「ありがとう。よく来てくれて、ほんとに僕はうれしいよ。」象小屋からも声がする。

俺も嬉しい!!

こんな風に本が読めたら楽しいだろうな〜

早く連れ出してあげて!! 一緒に帰って囲碁やろう!!

 

さあ、そうすると、まわりの象は、一そうひどく、グララアガア、グララアガア、塀(へい)のまわりをぐるぐる走っているらしく、度々中から、怒ってふりまわす鼻も見える。

パオンしてます!

本を読みながら出せる躍動感じゃないだろ、これ

オツベルの家なんかひとたまりもねえぞ! 

 

けれども塀はセメントで、中には鉄も入っているから、なかなか象もこわせない。

鉄筋コンクリートじゃねえか!!!!

象も壊せないってなかなかの強度だね

つくづく生意気だな!! 屋根も黄色で塀は頑丈!! ふざけやがって!!

屋根の色、そんなに気になる?

 

塀の中にはオツベルが、たった一人で叫んでいる。百姓どもは眼もくらみ、そこらをうろうろするだけだ。

ざまあみろだな!!!

「オツベルと象」読みながら爆笑することあるんだ

象には助けてくれる仲間がいる! でも、オツベルにはもう誰もついてきてない! 悪党にふさわしいラストだ!!

 

そのうち外の象どもは、仲間のからだを台にして、いよいよ塀を越(こ)しかかる。

すごいすごい! 壊せなくても、こっちには数がいるからな!

 

だんだんにゅうと顔を出す。

 

 

怖すぎるだろ

オツベルに思い知らせたほうがいいから! 今日がお前の最期だぞってな!

 

その皺(しわ)くちゃで灰いろの、大きな顔を見あげたとき、オツベルの犬は気絶した。

怖〜ッ!

笑ってやるなよ。気の毒に

犬までビビらすつもりなかったのに! やりすぎた! ごめん!

 

でも、そりゃそうだよな。真っ黒にブチギレた象の大群がこうきたら……

 

ヒィ─…ンってなるよな

実演しなくても分かるって

これ大丈夫か? 最初に「この本には犬が気絶する描写があります」って注意書きしといた方がいいんじゃない!?

犬好きに配慮しなくていいから

 

さあ、オツベルは射(う)ちだした。

 

六連発のピストルさ。

武器持ってんのかい!!

こいつ、ただじゃくたばらねえな! 悪役の鑑だ!!

 

ドーン、グララアガア、ドーン、グララアガア、ドーン、グララアガア、

すごいすごい! 大迫力!!

いいなあ。この文章がみくのしんには大迫力に見えるんだもんな

 

ところが弾丸(たま)は通らない。牙にあたればはねかえる。

す…すげえ! オツベルの銃が通用してないぜ…ッ!!

勝手にモブを演じるな

 

一疋(ぴき)なぞは斯う言った。

「なかなかこいつはうるさいねえ。ぱちぱち顔へあたるんだ。」

強いなぁ〜!! でっけえ命だ!!

なんて感覚的なコメントだ

 

オツベルはいつかどこかで、こんな文句をきいたようだと思いながら、

うわあああ!!

あった!!!!

前にもあった!

 

すごいすごい!!!あれが今になって効いてくるんだ!!

みくのしんの読書まで怒涛の展開を見せてるね

どこだっけ!!! たしかめっちゃ序盤の方で……

 

……やばい!

 

汗かきすぎてiPadが反応しなくなっちゃった!!!

そんなことある???

電子書籍ってこうなっちゃうのか??! じゃあ紙の本がいいわ!!!

こんな読み方してたら、紙の本は今頃ズタボロだろ

 

ケースを帯からつめかえた。

悠長にリロードしてる暇があるかな?

 

そのうち、象の片脚が、塀からこっちへはみ出した。

グララアガア!

また象になっちゃった

 

それからも一つはみ出した。

グララアガア!

早く人に戻れ

 

五匹の象が一ぺんに、塀からどっと落ちて来た。

グララアガア!

俺はバイオハザードしてんのか?

 

オツベルはケースを握ったまま、もうくしゃくしゃに潰(つぶ)れていた。

──ンッッッ

 

ッッッシャア!!!!!!

こんなに特大のガッツポーズはなかなか見れないな

マジざまみろだわ!!! 気ン持ちいい〜!!!

 

早くも門があいていて、グララアガア、グララアガア、象がどしどしなだれ込む。

よかった…。これはもうハッピーエンドだね…!

 

「牢(ろう)はどこだ。」みんなは小屋に押し寄せる。

丸太なんぞは、マッチのようにへし折られ、あの白象は大へん瘠(や)せて小屋を出た。

早く家に帰って飯食わせてあげて! 白菜とかバリバリ食べてほしい!

 

「まあ、よかったねやせたねえ。」

みんなはしずかにそばにより、鎖と銅をはずしてやった。

その鎖は俺が描いたやつって言わないでね。俺も反省してるから

誰も気にしてないから大丈夫だって

 

「ああ、ありがとう。ほんとにぼくは助かったよ。」

白象はさびしくわらってそう云った。

おめでとうって気持ちでいっぱいです

よかったよかった

だからお話の最後は「めでたし!」って言うんだね。今、心からそれが分かるよ 

 

 

おや〔一字不明〕、川へはいっちゃいけないったら。

 

 

……は?

 

 

これで終わってるんだけど?!???

そうだね。お疲れ様!

いや……ちょっと……え?

 

 

おや〔一字不明〕、川へはいっちゃいけないったら。

どういうこと???

気持ちは分かる。でも、その本はそれでおしまいだから

そんなわけ……え? マジ?? でも一字不明って……一文字空いてんじゃん

 

……謎解き?

違う違う。本当にそれで終わりだから

なにこれ?? 俺に分かる??? 俺の手に負える問題???

 

俺分かる???

OK! お疲れ様!

なあ!!! 俺分かる???

 

 

 

 

ということで、無事(無事?)みくのしんは「オツベルと象」を読み終えることができました。ここまで読んだあなたもお疲れ様でした!

今のところ、みくのしんは最後の一文に混乱しきりなので、落ち着くまで待ってから感想を聞いてみることにしましょう。

 

(小休憩ありまして…)

 

お疲れ様。読み終わってみてどうだった?

めちゃくちゃ面白かった!!またいい本が読めました。本当にありがとう!

こちらこそ。いい読書が見れました

今までの本とは全然違ったな〜! 小説を書く人ってまだまだいろんな人がいるんだろうね。すごいわ

たしかに、横で見てても以前の読書とは読み方が違った気がする。何でだろうね?

 

まず、文章がかなり読みやすかった! 読めないストレスを感じた瞬間もなかったんじゃないかな

そうなんだ。「走れメロス」とかもちゃんと読めてたと思うけどなぁ

太宰治も芥川龍之介も感激したし、めちゃくちゃ面白かったけどさ。どこか「遠い建物にいる偉い人」って感じがしてたんだよ

ほうほう

でも、宮沢賢治からはもっと「近さ」を感じたかも! 算数の問題文だとしたら、太宰治たちが「〜せよ。」で宮沢賢治が「〜してみよう!」って感じ!

 

何冊か本を読んできて分かったけど、俺って物事を理解するためにめちゃくちゃ噛み砕いて納得しないと先に進めないみたいでさ。文章でも人の話でも「それってどういうこと?」って思うと止まっちゃうんだよ

みくのしんは「なんとなく理解して先に進む」が苦手だよね。かなり細かいところまでイメージできないと納得できないのか

それが人の話だとこっちから質問もできるし、「要するに〜」って相手が柔らかくしてくれるじゃん。でも、本はその文章以上は細かくならないから読めなくなっちゃう

分からない文章って納得しようがないもんな

太宰治とかはかまどが一緒に噛み砕いてくれたから読めたんだろうね。でも、宮沢賢治は俺が気になりそうなところを先回りして全部噛み砕いてくれてる気がした! 

 

ちょくちょく疑問に思うところもあるんだけどね。オムレツを雑巾って言ってたり、物語の舞台がイメージできなかったり

そういうところは読んでる途中でもひっかかってたよね

でも、どこかで「そのままでいいや」と思えちゃうゆとりがあったと思う。だから、疑問に思うところがあっても、ひっかかるというより、味とか風味として、口とか脳に残っていく感覚だったかも

……。

擬音とか話の展開も自由だし、そうかと思ったら突然痺れる文章が飛び込んできたりするしさ。そういうのをまるごと楽しんでたら、本というより「宮沢賢治」という人間を読ませてもらった感じがして

……。

相手が人間だったら「俺には分からんけど〜」ってところがあって当たり前じゃん。逆に「あ、それ俺もわかる!」ってところはすごく嬉しくなるし。で、俺は宮沢賢治のことがめっちゃ好きになったから、疑問に思うところも含めて「好き!」って言えるんだと思う

お前、読書向いてるって

 

〔一字不明〕について

 おや〔一字不明〕、川へはいっちゃいけないったら。

ちなみに、最後の一文だけど……

あ〜! これね! これはマジで意味不明だった

 

さっき、かまどから聞いたけど、これって本当にそういう文らしいね

そうそう。原稿が残ってないから、今となってはそこに何が書かれてたか誰も知らないんだって

それを聞いて落ち着いたわ。さっきまでは正体不明だったからビビってた

「この一文字なんじゃないか」という定説はあるらしいけどね。ひとまずそれは置いといて、みくのしんがどう思ったかを聞いてみたい

気になるけど、どうせ追っても追ってもたどり着かない答えなんだろうな〜

 

 おや〔一字不明〕、川へはいっちゃいけないったら。

勝手なイメージだけど、この一文は宮沢賢治の遊び心だったらいいな〜と思ってる

遊び心?

俺は今のところ、宮沢賢治のことを「なんか可愛いところのある人」として好きだから。ふわっとただ書いてみただけで、意味なんかない文章だったらいいな〜

なるほどね。じゃあ、みくのしんはこの一文字に何が入ると思う?

 

「あ」かな

「あ」?

うん。「おやあ、川へはいっちゃいけないったら。」だと思う

ここに意味のない文字を入れる人いる???

 

でも、そうだったらよくない? それくらい意味を乗っけてない文章として、俺は読みたいんだよな

いいね。これはみくのしんの読書だからそれでいいと思うよ

もっと宮沢賢治の本を読んだら違う文字を入れたくなるんだろうな。でも、今の俺と宮沢賢治の関係だったら「あ」かな!

聞いてみてよかった

 

以上、みくのしんの初めての電子書籍でした。

 

「紙の本と電子書籍、どっちがいいか?」というのは、本を読む人にとってありがちな悩みです。

たしかに紙の本でしか味わえないものもありますが、電子書籍にしかできないこともたくさんありますよね。

 

文字の大きさや色を変えることができたり、タップするだけでページ送りができたり。

そして、こういった機能がないと本を読むことができない人もいるでしょう。

 

電子書籍は便利なだけではなく、誰もが本を読めるようにと読み方を拡張してくれる存在でもあります。

「電子書籍はあまり読まないな〜」という方も、たまにはお手元のスマホで本を読んでみてはいかがでしょうか?

 

最後に、みくのしんに「電子書籍で読んでみて、何が一番印象に残った?」と聞いてみたんですが……

 

読み終わったタイトルに「読了」と表示されるのが一番よかったそうです。

「お疲れさん!」って言われてる感じがして嬉しかったんだって。

 

(おわり)

 

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また、そんな楽天Koboにて、みくのしんの読書記事を独占販売させてもらえることになりました。

そちらでは、みくのしんがスマホによる読書をやってみた一日をお楽しみいただけます。

 

みくのしんがベチャベチャに号泣しながら梶井基次郎の「檸檬」を読破する様子をまとめていますので、気になった方は是非お買い求め下さい。

 

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おわりに

後日、みくのしんが「オツベルと象」を読み返したときにコメント機能で残していたメモを送ってもらいました。

そちらをお見せして、この記事の結びとさせていただきます。最後まで読んでいただき、誠にありがとうございました。

 

 

 

 

 

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まだご覧になってない方は是非!