ほぼブッ刺さったけどすぐ冷めた話。

 

 高校時代の話。昼休みに友人と談笑していたとき、友人に言った冗談が右前に座っていた女子にめちゃくちゃウケた。
 彼女はこちらを向いておらず前を向いて食事をしていたため、まさか聞いているとは思っていなかった。口の中に食べ物が入った状態でツボに入ってしまったのか、口元を手で隠すようにしながら声を押し殺すように笑っている姿がとても可愛らしく、かなりときめいた。
 ただ、そのときに言った冗談というのが自分の顔面を自虐したものだったため『ほぼ話したことないのにこれで爆笑するのだいぶ失礼な人じゃない…?』と思い、恋には落ちなかった。

無記名

 恋に落ちかける理由もギリ思いとどまる理由も素晴らしいエピソードだな。めちゃめちゃ良い。

 

小学生のころ、遠くから引っ越してきたメガネの男の子が塾に通っており、「塾に通っている」ことが何故か幼心にかっこよく見えて好きになりかけていました。
少し良いところのおぼっちゃんで、ちょっと性格はヤンチャだけど育ちが良く、親にきちんと勉強を教えてもらっている真面目なところも良いなと思いました。
彼に憧れて私も同じ塾に通わせてもらったところ、彼が自分より全然成績良くなくて冷めました。

ふかせ

 これも最高。近づきすぎた結果見たくない部分が見えるってことわざになりそうな話。

 

大学生の頃、同じサークルの男子が「これくらいの身長だったらいいのにな〜」と言いながらつま先立ちをしていた時の背の高さが私的にめちゃくちゃちょうど良過ぎて、一瞬「好き!!!」って思った。 なお、つま先立ちをやめたらトキメキも終わった。

つらみ

 恋して冷めるまでのRTAがあったらワールドレコード狙える。

 

 とにかくなんかブッ刺さりかけた話。

 

石畳で転んで膝を擦りむいたことを報告したら心配するより先に爆笑された。ふだん笑われたりいじられたりすることが少ないのでときめいた。

ニレ

 良い話だけど味をしめて転びまくらないようにしてね。2回目以降は普通に心配されるからな多分。

 

女友達の好きなカービィのコピー能力がバックドロップだったと判明した時。

殺戮シンドローム

 最高。

 

中学の頃、一回だけ隣の席になった男子と「将来そいつが起業する会社のcm」を考えて盛り上がったことがあった。
別にそいつに起業の夢があるとかではなく、ただ変なcmを考えて面白がるというよくわからない時間だった。
でも何故かその時そういうくだらない話を私としてくれたということが妙に嬉しくてちょっと危なかった。
それ以降特に何かあるでもなく疎遠になったけど、たまにふとあの日楽しかったな、と思い出すことがある。

トサカ(有)

 あーーー良い。一回隣になっただけの縁でも一日でも変な内輪ネタができちゃうともう他人じゃないからな。

 

バイト先の常連さんですごく弱そうで声ちっさくて前髪が目にかかってるサラリーマンがいて、けどその人目が綺麗で、まっすぐこっちを見据えて「さしみ定食のライス大で」と毎回言ってくるのがなんか分かんないけどツボだった。しかも箸の持ち方が変だった。それからずっと私の性癖は弱そうなサラリーマン。

佐々木

 こういう「なんかわかんないけどツボ」って話とても良い。弱そうだけどライス大ってのも良い。

 

受験期にただでさえ頭痛腹痛持ちだったのに胃痛まで来てしまい、急遽飛び込んだドラッグストア。
前も向けないくらいしんどい痛みにうつむきながら胃薬をレジに持っていったら、店員のお兄さんがあまりにもドタイプな眼鏡をかけていて胃痛が一瞬で和らぎました。
後日友人にこの話をしたのですが「お前のそれはエネルギーチャージだよ」と言われました。
確かに私が好きなのはお兄さんではなく眼鏡そのものだったので言い得て妙だと思いました。

87P

 痛みが消えるほどタイプのメガネって良いな。かといって、多分じゃあそのメガネ買って持ち歩いたら良いってわけでもないから、ドタイプのメガネに似合う人間メガネスタンドも必要なのが面白いところ。(マジでメガネだけでよかったらごめんなさい)

 

駅のホームでたまたま見かけた、スーツ姿にマフラーを巻いた男性が、腕時計を見ていた姿に理性が飛びそうになりました。
清潔にまとめられた髪と、スーツや靴や鞄にマフラー、全てのコーディネートの色味やサイズ感がその人にマッチしていて、派手すぎず地味すぎない。完璧な立ち姿としぐさでした。
容姿が好みだったわけでも、スタイルが良いわけでもなく、むしろ小柄な方だったので「ファッションの力」の圧倒的な説得力をその時に感じました。

ポンカン金柑肩パン

 完璧に似合う服を着ている人を見て「完璧だなあ」と感心するのはある。理性飛ぶほどスーツが似合う人見たいな……。

 

小学生の頃の席替えで、私の居た学校に転校してきて日が浅く、全く話したことの無い子が隣の席になりました。
休憩時間に周りにあまり人が居らず、静かだな〜と思っていた所、その子が突然小声で歌い出し、「ヤマザキ春の〜」で止めたのでどうせ聞こえないだろと思い、ついついすごく小さな声でパン祭り🎶と返したら、ツボに入ったらしく「小声で言うなよwww」とはちゃめちゃに笑われました。
私がやばい聞こえてしまったと慌てていると、さらに輪をかけてめちゃくちゃいい笑顔を向けられてしまいました。
すっっごい恥ずかしかったし小さいながら私にもなぜか恐ろしく刺さった。

当然恋には至らず、もうその子の顔も名前もわかりませんが、このエピソードだけは未だに覚えています。

にこにこインカ帝国

 めちゃめちゃ良いな。上の句を詠んだら下の句が返ってくるようなもんなのでかなり雅だし微笑ましい。「ヤマザキ春の〜」で歌を止めるそいつは何考えてたのかわからないけど。

 

大学生のころ、ゼミの同級生(大変顔が良かった)がふと至近距離で「あなたって、太宰治は好きだけど宮沢賢治は嫌いそう」と言ってきたとき。

土手

 褒めてるんだか褒めてないんだかわからないけど、顔がいい同級生に言われたら大変ドキドキするな。

 

待合室で2022年なのにスマホで探偵オペラミルキィホームズのアニメを見ている若い女性の方が居た時は「えっ!今このアニメを!?」となりめちゃくちゃ好きになりかけました。

その後特に話しかけるとかはしなかったのですがだいぶ危なかったです。

おにいたん

 話しかけてアニメ見てる人の邪魔しなかったのは偉いぞ。

 

レジのバイトをしてた時の話です。
出勤早々、その日シフト被ってた先輩から一番くじのA賞とラストワンを間違えて渡しちゃった旨の報告をサラッとされ、事の深刻さにそぐわない、店の損失を何とも思ってない先輩のあっけらかんな態度に何故かグッときました。

レジ研修生

 豪快な失敗をなんとも思ってない人ってちょっと憧れそうになるよな。普通にダメなんだけどな。

 

5個くらい上のフリーターの先輩♀︎が寿司ネタでエンガワが1番好きって言ってて、そんなたまごしか食べなさそうな顔してエンガワなんだ…って恋しそうになった

ちー

 たまごしか食べなさそうな顔が全然想像できないけど素晴らしいエピソードです。

 

仕事の空き時間に、20年くらい使われていないという資料室のドアが少し開いていて、興味本位で中を覗いたところ私の教育係をやってくれた先輩が年代物の革張りソファでくつろいで(サボって)いた。「いいでしょ、ここ。秘密基地」と笑いかけられた瞬間に好きになりかけた。もしそこで一緒にサボっていたらその時間で完全に好きになっていたと思う。

村田

 教育係の先輩とか革張りのソファとか構成要素が全部良いな……。

 

階段で鬼ごっこしていたらつまずき、1階分ほど落ちたが、なぜか何も擦り剥かず捻りもしなかったら、全く見知らぬ人に「最高すぎる…友達になろ…」と言われ恋しかけた。そのキュンはただの階段から落ちた恐怖だったと思う。

無記名

 吊り橋効果が偶然現れた変な人に適応された結果なんだろうけど、めちゃめちゃ素敵な出会いだな〜とは思う。

 

「13時新宿集合」とだけ約束して、約束の時間に新宿のどこだよと知らね~と思いながら立ち読みしに新宿紀伊国屋の漫画コーナーいったらいたとき。運命かと思うところだった

無記名

 最高。この後べつに恋はしてないのも最高。

 

夜の住宅街を歩いてたときに、女の子が「8888」のナンバープレートを指さして「ねえ見て、絶対ヤクザだよ」とくすくす笑った。
自分がテンポよく「しかも足立ナンバーじゃん」と言って2人で笑ったとき、「僕たちとてもうまくいきそうだね」ムードがあたりを包んだ。 (ステレオタイプでいろいろ言ってすみません)

キャッペンキャップ

 そういうふわふわした変な感性が噛み合うとたしかにとてもうまくいきそうだねムードになるな。

 

見た目も性格もすごく可愛らしい同僚が車から、雨が降る外に傘をささずに躊躇なく降り立った。
後から聞くと「どうせ乾くからいいじゃないですか」となんとも男らしい理由を答えてくれた。
その瞬間「雨の時は傘をさすもの」という自分の中の常識が瓦解して、目の前が明るくなった気がした。
明るくなった視界の先に天使が見えた。

ばんぺーゆ

 世の中にはこの回答でドン引きする人もいることを思えばこの刺さり方は運命的と言えるんだけど、でも恋まではしてない。通り過ぎて信仰になった気もする。

 

高校1年生の頃の物理の先生に、黄色を「ねずみいろ」青色を「たぬきいろ」赤色を「大人のカレーパンマン」緑色を「腐ったカレーパンマン」と表す先生がいました。

大人のカレーパンマン、まだ分かります。腐ったカレーパンマン、百歩譲って分かります。
ただ「たぬき」と「ねずみ」って何?と、半年ほどはクラス中が困惑したまま授業を受けていました。
ただある日、私は気付いてしまいました。たぬきはドラえもんの色、ねずみは電気ねずみの色、つまりピカチュウの色だということに。
「ねえみんな、ドラえもんとポケモンだよ!」休み時間興奮気味に友達に語る私。当たり前に困惑した顔の友達。
すると突然「よくわかったね」と後ろから声がしました。黒板を消していたあの先生でした。
「だから、たぬきいろは、あおだぬきいろだね」その瞬間の先生の声は本当に優しくて、女子校に倦みはじめてきた私の胸を高鳴らせるには十分でした。

「は?」という友達の言葉がなければ、高校生活をあの先生に捧げていたと思います。
今思い返すと本当にわけがわかりませんし、普通に色の名前は色で呼んでほしかったと思います。
とにかくめちゃくちゃわかりにくかったので。

無記名

 本当にわけがわからないので「は?」って言ってくれる友達がいてよかった。その友達は大切にして。

 

大学の卒業式。ゼミのみんなで集まっている時に友達とふざけていると、お互いの卒業証書を取り違え、「ほら〜ふざけるから卒業証書逆になっちゃったじゃん!」と相手の名前が書かれたものを見せると「いまさら名前くらい、おんなじだろ!」と間髪入れずに言われ、息を呑んだ。
ついでに、周りにいた子から「ついにその境地まで……」と感慨深そうに言われ「すでにそういう風に見られてたのか」と自覚して余計傾きそうになった。

無記名

 もう恋どころか相手にとっては半身くらいの存在じゃんそんなの。

 

同じ部活に、即興で作詞作曲ができる女子がいた。
そいつの手にかかれば綺麗なラブソングから面白替え歌までお手のもので、結構気になってたんだけど、ある日呼び込みくんのbgmで南無妙法蓮華経唱えてて怖くなった。
でもめっちゃくちゃ完璧なリズムだった…。信じられないくらい完璧だった……。

無記名

 怖いくらい異常な技術を見た時ってなんかときめいてしまうのはわかる。

 

中2の頃、私の所属する卓球部の大会があって、私は試合に出るとき新調した卓球用シューズを履いて行ったのですが、その後試合も終わったしテキトーに過ごすか〜とのんびりしてたら同じ卓球部の男子に、「それ新しく買ったシューズ?じゃあ踏んであげる」と言われソフトに足を踏まれたとき、心臓がぎゅうぅうとなりました。
その頃から絶妙なラインで自分にひどいことをしてくる人が好きだと自覚しました。

りりり

 10倍に希釈したSMだろこんなの。多感な時期にこういう事があるとたしかになんか目覚めるかもしれないな。

 

 以上、皆から教えていただいた「あっぶねえ〜! もうちょっとで恋するところだったぜ!」みたいな話今回はここまで!

 あらためて、送ってくれた皆さんありがとうございました。今回もめちゃめちゃ面白かった。ナイス自制だ。

 次回もやるか未定だが、一応応募フォームを貼り付けておく。ギリ恋しなかった出来事があったらここから教えてね。今回送ってくれた人もまた送れるぞ。注意書きはよく読んでね。次回がなくても怒らないでね。

 これからもバリバリ恋心を自制していこうぜ!!