藪から棒でごめんあそばせ?

お嬢様ライターの金輪財 雑魚とそのメイドですわ♡

早速ですが、靴下で決闘(デュエル)をしますわよ。

今回はゲーミングなお嬢様です。

『遊☆戯☆嬢 ソックスモンスターズ』

中世ヨーロッパ、イギリス発祥とされるトレーディング靴下バトルの一種。お互いに持ち寄った「キャラクター靴下」を用いて行われるこのゲームは世界的に絶大なる人気を誇っており、各国のキャラクター靴下工場の飽和を促した。

ゲーム自体はとても紳士的で、特に「勝ち負けを譲り合う」という独特な勝敗のつけ方は上流階級の貴族達にマッチし、お嬢様界隈でのお遊戯として嗜まわれる様にもなったとか。

それでは説明がてら、軽く一回戦目を始めていきたいと思いますわよ。

ルール自体は非常に簡単です。

 

例えばこの二枚を戦わせるとします。

 

お嬢様は「まる子&友蔵のハッピー靴下」を出し、私は「ジャムおじさんの生首靴下」を場に出しました。

出す靴下の裏は、前もって確認などするのは禁止されていて完全初見の靴下のみでデュエルを致します。

両者靴下を確認し合いましたら、「Let’s リバーシ GO!」の掛け声と共に両プレイヤー一斉に靴下を裏返し合います。

裏返した後は「美しさ」や「意外性」、「画の強さ」等様々な印象の優劣を用いて勝敗を決めます。それでは、

 

 

Let’s……

 

 

 

 

リバーシGO!

 

 

バン!

 

……。

 

 

一目瞭然ですわね。

 

はい。熟練のデュエリストならお判りでしょうが、僭越ながらこの場合は私の出した「ジャムおじさん靴下」の勝ちとなります。

 

「ジャムおじさん靴下」、裏返してみるとかつておじさんであった物が猟奇的に己を主張しており、血管の様な赤色の糸がそこかしこに散らされていました。

その「画の強さ」も良いですが、わたくし的には「展開の美しさ」がポイントになってますわ。

表面を見た時からその密度に圧倒されて、思わず「裏側はどうなっているのだろう」と期待しまう……。

そして見事に期待通りの密度を叩きつけてくれた!その痛快さが気持ちよく高得点な印象でしたわ。完敗ですわね。

連続殺人犯の深層心理みたいです。

 

一方わたくしの出した「まる子&友蔵」、友蔵の口が裂けているようにも見えてそこまで悪くはなかったのですが、肝心の「まる子」があまり機能してないが故に、靴下自体のテーマが見出せ無く二人の連携があまりなっていないですわね。少し期待外れでしたわ……。

綺麗な展開を披露した「ジャムおじさん」に比べたら、少し物足りなかった訳ですね。

 

第一回戦、メイドの勝利!

第1回戦目はメイドの方に1ポイントが入りましたわね。ちなみにこのデュエルは3回勝負、先に2回勝った者の勝利となりますわよ。

お嬢様からの勝利大変恐縮です。違和感を抱いた方もいらっしゃったでしょうがこのゲームには「明確な勝敗の数値」「ディベート(議論)バトル」も存在しません。ただ感覚で勝負をします。

勝敗の付け方は「劣りを感じたら素直に負けを認め、勝利を譲る」、ただそれだけ。高貴なお嬢様たるもの、それくらいの精神でデュエルをやるもんですわよ。ほほ。

譲り合いの精神が産んだ、とても紳士的なゲームだと言えますね。

 

ちなみに負けた者は吊し上げられ、辱めを受ける事となってますのでそこはご了承くださいましね。

 

第二回戦

デモンストレーションは終了!ここからは本気のデュエルですわ!

わたくしが先行をもらいますわよ!

かすかべ防衛隊を召喚!!!

※かすかべ防衛隊

埼玉県春日部市にて結成された対異常集団防衛組織。主に児童で編成されている。

 

何故かネネちゃんだけセットには入っていませんでしたわ。

四枚同時召喚……。成程、4枚一気に召喚することによっていづれか一つはグロい靴下を引き当てれるだろうという「数打ちゃ当たる戦法」な訳ですね。

ですがその分リスクとしてそれ相応の物を引き当てられなければただの愚策になりかねませんよ

それでは……私はこの1枚で対抗してみます。いでよ園長……いや、

組長先生!!!

 

くっ……組長!?

まさかの同作品での対抗と来ましたか……、面白くなってきましたわね。

ですけど園長先生、普段はそのビジュアルから「組長」呼ばわりされて恐れられていますけど、映画版になるとかすかべ防衛隊にやられっぱなしでなくって?(時速50kmオーバーの速度で標識に叩きつけられたり等)

お嬢様、それは画面の中でのお話です。この靴下デュエルは裏返るその時まで勝敗が分からないモノですよ。

ふふ…、どうかしら……

 

てか園長先生の靴下って何???

知りません。

 

 

——気を取り直して

Let’s……

 

 

 

リバーシGO!

 

 

バン!

 

あ!

 

火水風土のかすかべ防衛隊だ!!!

 

凄い、キャラ周りの刺繡糸がオーラの如く逆立っていて、まるで防衛隊がそれぞれ四元素(火水風土)の属性を宿したかのように見えますね。

正直「ごめんねオラ達もう」を期待しての召喚でしたけど、これは思わぬ収穫でしたわ。

 

一方私の出した園長先生は………、エバーテイルの広告の様にはなったもののいまいちピンと来ない感じですね。少し闇に浸食され過ぎていて園長かどうかもわからないです。

良いラインだとは思いますけど流石に潰れ過ぎですわね、もはやこの靴下から園長先生の意識は無いように見えますわ。

 

第二回戦、わたくしの勝利!

何はともあれ、第二回戦は最初のインパクト的にわたくしの「かすかべ防衛隊(四属性)」が勝利ですわね。

そうですね。それにしても見事に1対1、ゲームとして面白い展開になって来ました。

 

第三回戦

さて、もうそろそろわたくしも「切り札」を出してみようかしら。

ほう、切り札ですか。そういえば私もまだお嬢様のソレを見たことがないのですが、一体どういうものですか?

まぁまぁそう焦らなくって?今にお前をブチ殺すで切り札。見とくで切り札。

雑に語尾が「切り札」になった。

 

わたくしの切り札はこれですわ!

バ ン☆

デット・キース

それは……郵便物ですか?

Exactlyその通りですわ

いやーねぇ?わたくしも今までキャラクター靴下を探しに店まで行っていたのですけどね?そういえばネットでも靴下って買えるなーって気づきましてね?

便利というか何というか、強そうな靴下を探す手間も省けますし。

(・・・?)

だいたいキャラクター靴下なんて買ってるところ見られたくないですしねー

……まったく、最初からこうすれば良かったんですのね。

・・・。

 

 

 

・・・あの。

 

 

ひとついいですかお嬢様。

 

あら?どうしまして?

 

先程から少し気にはなっていたのですが、第二回戦目のかすかべ防衛隊靴下……

お嬢様が日常使いするには少々サイズが小さくありませんでした?

 

……

 

 

お嬢様の靴のサイズは確か24.5cmでしたよね。平均より少し小さく、何なら私と同じサイズだったはず……。

なのに、私がピッタリ履ける園長先生の靴下より、防衛隊の靴下は一回り……、いや、二回り以上小さかった。あれは明らかにお子様向けの靴下です。

なにが言いたいのかしら?

いえ、私はただお嬢様がデュエルで使う靴下を日常で履いているのを見たことがなくって…まさかとは思いますがお嬢様……

 

このデュエルで勝つためだけに・・・・・・・・・・・・・・」靴下を購入していませんか?

 

……

 

この靴下デュエル、購入した者の責任としてその靴下を愛し、履き続ける事が決まりです。私もちゃんと日常使いしています。デュエルに勝つ為だけに履けない靴下を買ったり、弱い靴下を捨てるのは流石にお嬢様として……

 

……

 

 

……たかが、

 

 

 


たかが使い捨ての雑兵 ・・・・・・・・・・なにをそんなに気遣うことがありますの……?

 

……!

 

ああ、なるほど、ごみ箱の中が見えちゃった訳ね?小賢しいわね、どの道もう使わない靴下なんだからどうだっていいですわよ!「靴下デュエル」でしたっけ!?わたくしも最近知りましたけどね……

 

そもそもゲームなんて物は「わたくしが勝つ為」だけにあるのよ!キャラクター靴下なぞ、恥ずかしくて履けるものですか!!!オーホッホッホッホ!!!

 

お嬢様……いつの間にそこまで「勝ち負け」に執着する様になったのですか

わたくしはお嬢様だぞ!!!デュエルで勝たなきゃ意味がねェだろが!!!

完全にデュエルに脳を支配されている…。カードゲームとは時に人をおかしくしてしまう物ですが、やはりお嬢様には早かったのでしょうか……

運だけの春日

 

まぁいいでしょう、この切り札はいわば「勝利が約束されているもの」。ここから負けることなど無いのですから……ふふ。

 

冥土の土産にわたくしの「切り札」を見せてあげますわよ。これが!

 

わたくしの!

 

最強☆オーダーメイド靴下ですわああああああああ!!!

 

どうだ!この神にも等しい靴下は!!!わたくしというだけで面白いのにダブルピースをかますこの面白さ!凄い!!!

あとやっぱり身内ネタが一番!身内の奴の裏側なんて絶対面白いに決まってるわ!さらに爆笑靴下ダジャレのダメ押し!くそー裏返す前から面白い!我ながら最強の靴下を作ってしまいましたわ!!!ワーハハ!!!

・・・

さぁさぁさぁどうしていらして!?恐怖のあまり言葉もでなくって!?まぁいいでしょうサレンダーするなら今のうちですわよ!どの道貴方が勝つ方法なんてないンですけどねオーホホ!!!

 

 

・・・

 

 

・・・はぁ、

 

 

何かと思えば、その程度でしたか。

 

!?

 

「その程度」……ですって…ッッ!?

 

呆れて仕方ないですがその勝負、受けて立ちましょう。お嬢様を躾けるもメイドの役目、貴方に反省してもらう為にも私は、

お嬢様の靴下で、お嬢様を倒します。

は?

 

「まる子&友蔵のハッピー靴下」を召喚。

 

なっ…何ィ!?……貴女!第一回戦の有様をお忘れで!?そんな弱靴下でわたくしを倒せる訳がないじゃない!!!馬鹿にするのもいい加減になさい!!!

さぁお嬢様、バトルを始めましょう。

……ふん!まぁいいでしょう、どうぞご勝手になさい!わたくしの靴下に打ち負かされるがいいわ!!!

……いきますよ

 

最後の……

Let’s……

 

 

 

リバーシGO!

 

 

わたくしの勝ちだああああ!!!キェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ

 

 

!?

なっ……

「無い」!?

 

 

噓!?どういう事ですの!?裏が!裏がないですわ!わたくしの「裏」が……ッッ!!!なんで!?!?!?

勝ちへの執着が裏目に出ましたねお嬢様…。「何故、裏が無かったのか」、その答えは……

 

『プリントタイプの靴下』だからです。

 

プリント………タイプ……?

 

はい。プリント靴下は、従来のキャラクター靴下の編み込み形式とは違いインクジェットで表面に印刷されただけの靴下ですから当然、「裏側なんて無い」のですよ。

仮に裏移りしていたとしても表側そのままのうら写しで、編み込みタイプの様にはならないでしょうね。だいたい靴下の性質を知っていればこんな単純なミスは起こさなかったでしょうに……。

どうやらお嬢様は「くつがえらせた」のではなく、「はき違えた」ようで。

(ぷるぷるぷる……)

お嬢様、あなたの負けです。裏がないものでは靴下デュエルは成り立ちません。頭を冷やして、その靴下も日常使いを……

きいぃいいい!!!うるさーい!もういいデュエルなんて知った事か!力づくでテメェに勝ってやるわ!!!

 

ダッ!

わたくしの体当たりで死ねぇ〜!!!

 

 ……はぁ、仕方ないですね。少々荒い治療ですが、お嬢様には決闘に負けたペナルティとして「靴下」になって一日反省して貰いますよ。

なんて?

 

フワッ

 

えっ、何?

 運命の罰ゲーム!!!

置いてかないで

鏡映しの自分ヴォーミラ」!!!

待って何

何これ!?

 

うぉぁ

きもちわるぅ~~

なに~?

いやなにこれ~

教えて~

 

 

 

 

 

 

パサっ……

 

 

 

お見苦しい所を見せしてしまい申し訳ありませんでした。以上、「靴下裏デュエル」をお送りいたしました。

 

ゲームというモノはどうも人をカッとさせてしまう特性があるもので……

少々大人げなかったですが、一日だけお嬢様を封印しておきたいと思います。あの方も一回没落してからリテラシーを学ぶタイプなので今回で懲りる事でしょう。

 

「靴下デュエル」自体はなんら安全ですのでご心配無く、仲のいいオタク同志なら多少は盛り上がると思います。

 

裏返すまでの緊張感、どれを先に出すかの駆け引き、そして何よりバトルした後も楽しめるキャラクター靴下。お暇な方がいらっしゃいましたら、どうぞこの「靴下デュエル」をやってみてくださいね。

 

これを読んでくださっているメイドの皆さんも、ぜひお嬢様方ともやってみてはいかがでしょうか?

 

上手くいけば立場を逆転……いえ、「裏返す」事も出来るかも知れませんよ。なんてね。

 

私はこの後洗濯物の予定があるのでこの辺でこの記事を切り上げようと思います。

 

 

それでは皆様ごきげんよう。