第5位《適者生存/Survival of the Fittest》[EXO]
第5位は《適者生存/Survival of the Fittest》[EXO]。
お値段23000円。当ランキングはこの金額が基準点です。(6位は《金属細工師/Metalworker》[UDS]の14000円)
このカードの持ち主は『暗黒デッキ』の使い手こと黒城凶死郎。
両親はどんな思いを込めてこんな名前を付けたんですかね?
なお『暗黒デッキ』とか言ってますが当時彼が使っていたのは黒赤緑の3色デッキです。最初ジャンドだったんだ。
効果は「1マナ起動で手札のクリーチャーを一枚捨てる代わりにデッキからクリーチャーカードを一枚探して手札に加える」というもの。
たった1マナでクリーチャーなんでもサーチの時点で強いのにリアニ元を墓地に落とせるってぶっ壊れが……
すみません、ここまで何にもわかんないですよね。
「コストを支払って利益を得てると見せかけてコスト自体がメリット」という卑怯なカードです。例えると
「焼き肉を食べなくてはならないがその代わり一万円貰える」みたいな事が書いてあります。
しかも貰った一万円で焼き肉を食えばまた一万円貰えます。人を馬鹿にするのも大概にしろよ。
ちなみにこのカード使われてません。
「三枚の切札のうち一枚でも引ければ勝負を倒せるのに……!」
という場面で挙げられた切札のうちの一枚なのですが、何度ドローしても引けず、結局最後まで使えませんでした。右手が光ってねぇ~……
「右手が光る」……カードゲームで勝利や逆転に必要なカードをピンポイントで引いてくる事を指すスラング。
元ネタは「デュエル・マスターズ」第3話の勝舞VS黒城戦(適者生存が引けなかった決闘)で明かされた
「真の決闘者はドローする際に手が光り、デッキから望むカードを引ける」という設定から。
この決闘で勝舞君は右手を物理的にビカビカに光らせ有効牌を引き続けた。
最終的には黒城が(スラング的意味で)右手を光らせ勝利。
第4位 《荊州占拠/Capture of Jingzhou》[PTK]
第4位はポータル三国志から《荊州占拠/Capture of Jingzhou》[PTK]。
お値段32000円。使用者は主人公の勝舞君です。
え!?MTGって三国志演義がある世界観なの?!とびっくりする人もいるかと思いますが、MTGの世界は多数の「次元」によって構成されていて、パックによって違う宇宙のお話って事になってます。
だからポータル三国志は中国風の「次元」でのお話……
ではなく普通に「地球の中国」が舞台らしいです。なんじゃそりゃ。
まぁ今のMTGにはウォーキング・デッドのリックとかニーガンも参戦してるので突っ込んでもしょうがない。
《荊州占拠/Capture of Jingzhou》の効果は「このターンの後に追加でもう1回ターンを得る」。つまり相手の番を飛ばしてもう一回自分の番が来ます。
勝舞君はこのカードを使った決闘で、荊州占拠を何度も使い「ずっと俺のターン!」を目指す
「エターナル・ブルー」と呼ばれるデッキを使います。名前かっっっっっっっっけ。
追加ターンはデュエマの「ボルバルザーク」が有名なのでぶっ壊れに見えがちですが、荊州占拠はマナレシオ(コストに対する効果の強さ)は適正で、極端に強くも弱くもありません。
では何故高いかというと「ポータル三国志が全然売れなかったから」。
ポータル三国志は
・販売された国が少ない
・今までのMTGと世界観が違い過ぎる
・名前だけ変えた、昔のカードと効果が同じカードが沢山
・何故か「公式大会で使えない」という制限
という要素が重なり、ニッチなファンこそ産まれたものの全然売れなかったらしいんです。
が、2005年に公式ルールでの使用許可が下り、「EDH」という
「同じ名前のカードは1枚まで」という遊び方が流行すると評価が一変。
「効果は同じだけど別のカード」なので、「このカード2枚以上入れたい!」時に「二枚目の○○」として使えるので一部のポータル三国志のカードに需要が集まりました。
ところがポータル三国志は全然売れなかったのでカードの流通量も少なく、そのせいで需要過多となりカードの値段が跳ね上がったという訳ですね。
20年前の話なんでどうしようもないけど難儀な話だ。
MTGは全然需要のない過去のカードやパックが突然値上がりしたりするので投機目的で購入する人もいます。皆さんもMTG投機始めてみては?
例えば……「ドラゴンの迷路」とか。
第3位 《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》[USG]
そのお値段11万円。
とうとう値段が大台に乗りました。
1ターンに一度、自分の場のクリーチャーの数だけマナ(行動力)を産み出すという「土地」カードです。土地?マナ?という方もいるかと思いますが、
「普通は土地1枚から1マナしか出ない」のでメチャ強です。
MTGの「土地」は高額カードも多いので、リアルの土地だかカードの土地だかわかんない金額が飛び交います。
ちなみに面積あたりの金額を求めると、現在ガイアの揺籃の地は一坪6200万円換算です。(東京都23区の平均坪単価は534万)
この高額カード、勝舞君の入手までには1ドラマありまして……
デュエルで連勝を重ねる勝舞君だったが、その過程でデッキレシピと戦術が割れ、徹底的なメタ(対策)を張られて逆に連敗街道まっしぐら。
デッキを強化する為、とある二枚のカードを探しにカードショップ巡りをします。
その探し求めていたカードこそ《ガイアの揺籃の地/Gaea’s Cradle》(と《樫の力/Might of Oaks》)。
数件巡ってようやく見つけるものの、うっかり財布を忘れてしまった勝舞君。
店員から「トレードでもいいよ」と持ちかけられます。
(現在では店舗内トレードはトラブル防止の為に禁止されている事が殆どです)
が、勝舞君の手持ちカードを見た店員は「きたねぇ雑魚カードばっか(要約)」ととんでもない言葉を漏らします。
小学生にそんな事言う?という是非はさておき、勝舞君のデッキは最低レア度のコモンカードが多く、かつボロボロになるまで使い込まれている為商品価値も低いです。
万事休すかと思いきや、「このカードだったらいいよ!」と店員。
選ばれたのは《地震/Earthquake》2枚。
父親から託され、勝舞君を何度も勝利に導いた魂の切り札。勝舞君は悩み抜いた末に……
ちなみに日本語版《地震/Earthquake》[PO2]の現在の価格は450円(NM)です。
店潰れんぞ
久々に読み返してたら目玉が飛び出ちゃう所でしたね。
注・クレイドルが高騰したのは近年の話で、当時は「地震」も高かったので適正レートとの事です
こういう事もあるので、昔MTG遊んでた人はちょっと押入れとか探してみませんか?当時のカスレアが半端じゃない値上がりるかもしれません。
第2位 《Moat》[LEG]
《Moat》[LEG]は漫画「デュエル・マスターズ」の記念すべき1戦目で使われた日本語版の存在しないカードです。
直訳すると「堀」という意味のこのカードは「ちっちゃいコマの中で勝舞君が発動し、次のページで特に効果の説明もなく破壊される」という地味~~~な扱いをされているので、
「ちゃんと読んでてもどういうカードなのかわからない」
という不遇なカード。
効果自体は「これが場にある間お互いの『飛行』能力を持たないクリーチャーは攻撃できなくなる」とシンプル。
空を飛ばないと対戦相手まで攻撃できない大きな堀のイメージですね。Moatを発動すると
「空を飛んでないクリーチャーは攻撃にも防御にも参加できない」
という完全な置物と化します。
一部のデッキ(というか割と大部分)は「Moatを破壊できない=負け」となるような超強力なカードです。
気になるお値段20万円。数字のインフレが速すぎる。
……ただし、このカードが登場したのは漫画の連載当時より更に昔、MTGに英語版しかなかった頃。普段のプレイで目にする事すらなかったはずなので、
「当時Moatの効果知ってたコロコロの読者0人説」
が有力です。なんて可哀想なカードなんだ。こんなたけぇのに。
まぁそもそもデュエル・マスターズの1話目はターン進行が端折られまくっているので
「MTGプレイヤーが読んでも訳がわからなくなる」んですけどね。

こうなります
第1位 《Library of Alexandria》[ARN]
先程のMoatと同じデュエルで使われた一番最初のカード。
つまり「デュエル・マスターズ」で一番最初に名前が出たカードです。
「それは禁止カードのはず!!ずるいぞ!!勝舞兄ちゃん!!」
で有名なカードですね。

「デュエル・マスターズ」第一巻16ページより
多分デュエル・マスターズで一番有名なコマだと思います。
勝舞君が使っているのは三年前に父親が置いていったデッキ。現在の禁止カードが入っていてもしょうがないとデュエルは続行します。
漫画内では「今は禁止カードである」事しか言及されません。
説明はおろか効果を使った描写すらありません。
漫画的には「勝舞君のデッキには使っちゃダメなやべーカードが入りまくってる」事の描写でしかない訳ですね。実際その後に禁止カードの
《天秤/Balance》を用いたコンボを使います。
そして《Library of Alexandria》、そのお値段35万円です。
35万円です。
怖。そんなカード小学生が使わないで。
肝心の効果なんですが、「手札が7枚の時に1枚ドローする事が出来る」という物。すっげぇ強いんですがMTGをやらない人にはその強さの説明が難しいカードです。
しかも漫画だと何故か手札3枚スタートなので効果の発動すらできねぇ。(本来は7枚スタートなので強い)なんて締りの悪いランキングなんだ。
余談ですが、勝舞君がこのデュエルで使っていたデッキ、単行本のコラムからとある有名なものである事がわかります。
その名も『The Deck』(ザ・デッキ)(詳しくはこちら)。MTG黎明期に作り出されたコントロールデッキ。「デュエル・マスター」と呼ばれた勝舞君の父「切札勝利」に相応しいかっっっっこいい名前のデッキです。
実際は「相手の行動を徹底的に妨害しまくって勝つ」という、一話で熱血小学生の主人公が使うようなもんじゃないんですけどね。
……うーん……
というかアレだな……
《Library of Alexandria》や《天秤/Balance》が使えるルールのThe Deckって事はアレだな……
多分このデッキパワー9全部入ってんな……
MOXシリーズ5枚[2ED]も……
《Time Walk》[2ED]も……
《Ancestral Recall》[2ED]も……
《Timetwister》[2ED]も……
当然《Black Lotus》[2ED]も……
勝舞君……
君のデッキ、一千万円余裕で超えてるね……
勝舞君のデッキがヤバ過ぎてランキング自体が霞むという大事故を起こしましたがいかがでしたでしょうか。
そんなクソヤバデッキを使っている「デュエル・マスターズ」の第一話は公式で無料配信中ですので、皆も
「河川敷でそんなデッキ使わないで!!!!」と絶叫しましょう。
(デュエル・マスターズ 第1話)
俺からは以上です。
次回「オモコロの経費で《Volcanic Island》買えるかチャレンジ」でお会いしましょう。
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