3人目:みくのしん

3人目はみくのしん。

彼もライターとして活動しながら、普段は会社員として株式会社カニカピラに勤務している。

【株式会社カニカピラ】

カニカピラはwebを中心に様々なクリエイティブを制作するチームです。
デザインを核に、構築、プランニング、ディレクションいったwebクリエイションをワンパッケージで提供しています。

公式サイトより)

 

自分で適職診断をやった結果が、こちらである。

 

【みくのしんの感想】

:「純粋で非打算的、情が深く人間味がある」。こんな褒め言葉をAIからもらえるとは思いませんでした。ウケる。
また、「他人のミスを許さない」というのは、変なことで急に自制できなくなって怒り続けることや、昔人にされた嫌なことを今でも覚えていてずっとどこかで復讐してやろうと思っているところなどを見抜かれているのか?と思いました。怖いもんです…。

 

どうやら、AIよりも本人の怖さが露呈している気がする。が、ここまでの検証から、まだこれがベストな診断結果とは限らない。

 

 

さっそく上司の方に診断をやってもらおう。

今回検証に協力してくれる上司の方は、カニカピラ代表の姉川たくさん!

姉川たく さん:

アーティスト・アートディレクター。自ら設立した制作会社、カニカピラでは、WEBデザインを中心にクリエイティブディレクションを行っている。クライアントワークとしての代表作に、NHK Eテレ「バリバラ」、TBS「あらびき団」、ポンキッキーズ「やさい星人あらわる」などがある。

2人が上司・部下の関係になってからは3年ほど。仕事上の指示や指導は、姉川さんが直接行っているとのことだ。

 

ここからの検証は、緊急事態宣言発令後に行ったため、ZOOMを利用した。

 

:よろしくお願いします。

:こんなことなかなか無いよな…。マジですごいことさせるな…。

 

特殊な状況に、終始笑いが止まらないみくのしん。というわけで、診断スタート!

 

ためらいなく質問に答えていく姉川さん。

 

:マジで嫌だよこれ!! 見てらんないよ!

:いやでも、これ意外とスイスイいけるよ。

:普段から見てくれてるってのは普通に嬉しいな……。最後うるっとするかも。

 

というわけで、またいくつかの質問を詳しく見ていこう。

 

Q: 「感動したことがあると人に話したくなる」 ⇒ A:「強く思う」

:普段から話すことを考えてる節があるよね。会議始めのアイスブレイクで、日ごろの気になる話なんかをよくしてくれます。

:なんだこれ、めっちゃ恥ずかしい。

 

Q: 「場の雰囲気に合わせることが得意です」  ⇒ A:「強く思う」

:顔見れば「何か言いたいんだな」とすぐわかるんだけど、その場で言う雰囲気で無ければ言わない選択をしてるように見えます。

:バレてるんですね…。マジで完全に面談だ。

 

Q: 「拘束される恋愛は恋愛ではない」 ⇒ A:「思わない」

:こんな質問もあったんですね。(※質問は毎回ランダムで変わる)

:これは正直よくわからないんですが…。そのあたり特殊なイメージがあります。拘束される恋愛とか好きそうかなと。

:いや、これね! 僕は「強く思う」にしたんですよ!

(笑)

:嫌なんです、束縛とか。そんなの恋愛じゃないでしょ。

:なんか現実を反映してそうだね。

:いやいや、特になんかある訳じゃないんですけど、なんかみんなでオンラインフリスビーでもしません?

:何の話?

 

これ以外にもいくつか立ち入った話が飛び出すなど、2人の距離の近さがうかがえる診断に。

というわけで、結果がこちら

 

:割と答えやすかったかな。合ってるかどうかは別として、どう答えるかの想像はしやすいです。

:たしかに、見ていて僕と同じ答えをしていたように感じますね。

 

2つの結果を比べると…

赤字は、異なる結果が出た部分。

2人が言うように、ほとんど同じ結果に!

やったー!悪いことではないですよね?

:ここまで同じなのは初めてです。大きな違いは適職の2つ目ですね。

管理部門か(笑)

:えっ!何の笑いですか?

:いや、なんというか……管理のイメージはないよね。周りをサポートする、という意味ならわかるけど。

:かっこいいとは思いますけどね、管理。

 

:あとは、「優しさに欠け、淡白な対応をしてしまう」と。

:俺、優しいと思うけどなぁ。

:あとこれは両方の結果に出てるけど、「他人のミスを許さない」という感じもしないよね。

:他人のミス、許しますよ。僕が怒られたくないんで。人のミスをいじったら絶対返ってくるじゃないですか。

:他人のミスを見つけたら、すぐ自分から謝りにいって丸く収めようとするイメージがある。

:本当はよくないんですけどね。自分から謝るのってズルだから。でも僕は優しいですからね。

 

:では、結果はほとんど一緒だったんですが、あえて言えばどっちがしっくり来ましたか?

:うーん………。姉川さんの結果です!

 

:やっぱり適職ですかね。管理部門というよりは、制作・編集の方が近いかなと。ライターのお仕事もさせていただいているので…。

:なるほど。

:あと僕は優しいですからね。

 

というわけで、3組連続で「上司の結果の方がしっくり来る」というジャッジが続いた。

このままいけば、上司は客観的な目を持っていると結論付けができそうだが、果たして……?

 

4人目:ヤスミノ

最後はヤスミノ。

当記事が載っているメディア・オモコロの編集部員で、オモコロの運営会社バーグハンバーグバーグ」の社員である。

会社員としては、かなり特殊な部類の企業に勤めている彼だが、果たして検証結果に影響は出るのか…?

 

まずは通常通り、自分で適職診断をやってもらった。

その結果がこれだ。

 

【ヤスミノの感想】

:結果で褒められるのは嬉しいですが『純粋で非打算的、情が深く人間味がある』と言われると疑問ではあります。あと『ハイソサエティな人にも好感を与えやすい』って何?とも感じました。金持ちに媚び売り上手ってことですかね???
ただマイナスポイントすべてびびるぐらい自覚があるものばかりで怖かったです。

 

どうも人間は、AIに褒められると懐疑的になり、AIにけなされると全て真理だと思ってしまう傾向があるようだ。

ただ、適職の「編集・制作職」はまさに彼の現職を的確に当てている。これ以上の結果が出ることはあるだろうか?

 

さて、上司による検証だが、ここでは直属の上司であるオモコロ編集長の原宿が行う。

原宿:

38歳で初めて自転車に乗れるようになった。

こちらの検証もZOOMを利用した。

 

:2人は編集長・編集部員ということで、上司・部下の関係でいいんですよね?

:いや、実は直接指令を受けて仕事をすることは少ないんですよ。

:これは「気付きのゲーム」なんで。仕事は自ら掴み取るもの。こちらから与えることはない。

:そうなの?

:インターネットは、ジャングルなんで。僕らが伝えられるのは「あの水を飲むな」とかそういうことだけ。

:そんなこと教えてもらった記憶はないですけどね。

 

 

:ヤスミノの立場になればいいんですよね。

:そうです。ヤスミノさんならどう答えるかを考えてください。

:わかりました。ヤスミノをインストールします

 

Q: 「好奇心旺盛!やりたいことがいっぱいで時間が足りません」 ⇒ A:「まったく思わない」

:これは「好奇心旺盛!」の書き方にイラっときて「まったく思わない」にしたと思う。

:……何も言うまい。

 

Q: 「異性への興味は強い方だ」 ⇒ A:「思う」

:そりゃあ興味はあると思うんですよ。若いから。ただ、「強く思う」にするとスケベすぎるから「思う」くらいにしたんじゃないかな。これ当たったな。当たっただろ!

:……。

:そういう企画じゃないです。

 

Q: 「ユーモアのセンスはあります」 ⇒ A:「思う」

:質問がやばすぎる。

:こんなこと聞く? いや、難しいな……。ここで「思わない」と答えるのもシャクだから、「思う」くらいにしたはず。当たっただろ!

:……。

:そういう企画じゃないです。

 

:やってて思ったけど、ヤスミノって今はまだ周りに遠慮している感じもするんだよな。

:たしかに、まだ100%じゃないかもしれないですね。

:自分をあんまり打ち出してないというか……。だからこそあまり仕事も教えたくない。

:どういうことですか。

:押し付けてるだけになっちゃうんじゃないかなと思って。本当はもっと、若い世代で盛り上げてほしいんだけどね。そういう意味では俺らの世代がそこに蓋をしてしまっているのかもしれないなぁ……。

:だんだん原宿さん自身の内省になってますよ。

:これまでに3人分の取材をしてますけど、みんなだんだんこういう空気になります。

:これ、診断をしてるだけのようで、上司としての在り方を問われるな……。

 

「取材」が「面談」の空気になってきたところで、回答終了。果たして、結果は……?

 

「インターネット・Web関連職」!! ズバリじゃん!就いてるじゃん!

完璧じゃないですか。

:やってみてどうでしたか?

:ヤスミノのことを「素直じゃない人間」だと思ってるんだなと再認識しましたね。

:それは見ててすごく感じました。

 

結果を比べてみると……

赤字は、異なる結果が出た部分。

ほとんど同じ!

:内面から出た答えと、外面に出ているものが同じ。つまり、ウラオモテがない人間ってことですね。

:意外性がない人間。腹の中で考えてることも全部バレてる。

:唯一違うのは適職ですね。

:僕の結果だと適職は「管理部門」か……。管理は向いてないだろうな。

:俺の方が芯を食ってる。「インターネット・Web関連職」だから。

:実際今そういう仕事なわけですからね。なので、あえてどちらがよりしっくり来るかを選ぶとしたら、原宿さんの結果になりますかね。

 

 

:もしかしたら、俺に似てるのかもしれないなぁ。「俺ならこう答えるな」みたいなのも少なからず含まれてたから。

:ヤスミノさんの中に、自分に近いものを見てるんですかね?

:僕は近いとは思ってないですけどね。要所要所で真逆の答えもありましたし。

:とはいえ、診断結果がほぼ同じになったということは、やはりどこかで近いものがあるのかもしれませんね。

:それでいうと、うちの社風も関係あるのかもしれない。会社として、同じようなやつが集まりすぎている。

:ネタ出し会議で、別の人間からまったく同じネタが出たことがありましたしね。

:もっと真逆の人材を入れていかないとマズいな。

:いや、もう共同思念体になっていきましょう。

 

 

結論

検証を終えて、4人中4人が「上司がやった診断の方がしっくり来る」という結果になった。

それに派生して、

・上司に適職診断をしてもらうと、ただの「面談」になる。

・むしろ上司のほうが、自分の身の振り方を顧みる場になる。

・会社が似た者同士だらけだと、ほぼ同じ結果になる。

などのこともわかった。

 

以上をふまえて、当初の検証テーマ「上司に適職診断をやってもらえば、自分でおこなった診断結果よりも、もっとしっくりくる結果が出るのではないだろうか」最終結論を出そう。

 

 

やはり上司は、見ていないようであなたのことを見ている。

まだ知らない自分の一面を見つけたい人は、ぜひ上司を捕まえて適職診断をやってもらおう。

そして、すでに上司の立場にいるあなたは、部下の適職診断をやったら本人以上の結果が出せるほどに、部下のことをよく見れているだろうか?

適職診断は、上司にとっても、部下にとっても、互いを見つめなおす良い機会になるかもしれない。

 

ちなみに学生さんなら、ゼミの教授やバイト先の店長を捕まえてやってもらうのがいいだろう。

 

 

 

しかし……

 

:突然適職診断なんてしだしたけど、なに?転職するの?

 

:……

 

:……

 

社会人が直属の上司に診断をお願いすると、転職を疑われて気まずくなるので気を付けよう!

 

 

(加味條)