こんにちは、オモコロ編集部です。
突然ですが、皆さんはこんな妄想をしたことはありませんか?
みんな大好きな妄想の中でも頭一つ抜けてポピュラーであるこちら。
なぜ我々がこんな妄想をしてしまうのか。それは…
『バキ』©板垣恵介(秋田書店)、『寄生獣』©岩明均/講談社 、『ARMS』©七月鏡一/皆川亮二/小学館 より引用
上記のように数々の漫画で、「学校を襲撃してきた敵を、主人公が撃退する」パターンが描かれてきたからです。
学校では隠しているけれど、みんなを守るために力を使い、そしてクラスメイトからの畏敬の念を 一身に浴びる…
中二病と誹りを受けるかもしれませんが、きっとみんなこのシチュエーションに憧れたはずです。
これ……
実現したくないですか?
ですか?
ですか?
ですか?
実現したいので、実現します。
学校にやってきました。
失われた学生時代を妄想によって補完しようともがき続ける男たちが集合(平均年齢31歳)
というわけでこのメンバーで…
の妄想を実演していきましょう!
1人目:ダ・ヴィンチ・恐山
最初はダ・ヴィンチ・恐山。インターネット屁理屈メガネとして名を馳せている彼は、はたしてどんな妄想を見せてくれるのでしょうか!?
「えー、酸素の少ない環境で燃焼を起こすと何が発生するか。これを……」
「……ん?」
「くおらっ! 転校生! 授業中にな~に消しゴム浮かせとる!」
「失礼。近々、クリスマス・ショウの予定があるものでして」
「お遊びはいいから問題に答えろ! それともまさか、聞いてなかったんじゃあないよなあ~?」
「……はて」
「それなら、もう答えを書いておきましたが……」
「ド、ドシーッ!! 黒板にもう答えが!? いつのまに!?」
生徒たち「クスクス……」
クラスのマドンナ、有里彩(ありさ)「霧崎くんったら……♡」
「お前らここから一歩も動くなぁ!」
「ヒィッ!?な、なに?じゅ、じゅ、銃!?」
「学校は俺たちが占拠した!!お前らケガしたくなかったらピーピー騒ぐなよ?」
「ヒ、ヒエエ、い、命だけは……命だけはお助けを……」
「いい心がけだぜ先公。命が惜しかったらおとなしく……ん?」
「おい! 勝手に立つんじゃねえ! なんだテメエは!」
「僕ですか? ふふ、ただのマジシャンですよ。タネもしかけもない、ね」
「マジシャンだァ? ふざけやがって。ぶっ殺されてえのか!」
「おや。信じていただけないようです。では、とっておきのステージを披露いたしましょう」
「これから私は、思いもよらない手段でここから『脱出』してみせます。しかも、ここから一歩も動かず、煙のようにね」
「そして『脱出』と共に……」
「あなたたちテロリストは『牢獄』へ送られる」
「……こいつ、何か企んでやがる! 窓も出入り口も封じろ! ガキどもはコイツが持ってたロープで縛って床に転がしとけ!」
「ククク……手品師さんよ。いい景色だぜ。脱出マジックはいつ始まるんだろうなあ」
「お前は動けない。窓も出入り口も完全に塞いでやった。打つ手なしってわけだ」
「……ありがとう」
「あ?」
「おかげで、ショウの準備が整いました」
奇術の種が、
いま発芽する――
ILLUSION TIME
「ウッ……」
「な、なんだ、息が……」
「アアッ……」
ドサ……
「な、何をした……」
「それなら、もう答えを書いておきましたが……」
「一酸化炭素、ですよ」
「今は12月。この教室の暖房はストーブです。にもかかわらず部屋を密閉すれば、一酸化炭素の濃度はどんどん上がっていき、中毒状態に陥る。私はわざとあなたたちを挑発し、脱出させないように教室を締め切らせたのです。簡単なミスディレクションですね」
「そして、一酸化炭素は空気よりも少しだけ軽い。私たちを床に座らせるよう仕向けたのは、生徒たちになるべく危険が及ばないようにするため。この状況は全てあなた方が作ってくれたんです。観客の協力があってこそのマジックショウ。ご協力に感謝ですね」
「あの一瞬でそこまで……? お前は……一体……」
「別に? 化学の授業をよく聞いていた、少々マジックが得意な高校生ですよ」
こうしてテロリストは逮捕され、日常が戻ってきた。
事件の次の日、霧崎くんは転校してしまった。まるで煙みたいに消えたのだ。
思い出すのは、あの日の朝に交わした会話……
「少しお願いしていいかい? 今日、先生が私に絡んでくるはずだ」
「そのスキを見て、黒板に答えを書いてほしい」
「いいけど……どうしてそんなコト?」
「ふふ……」
最高のショウのためには、観客の協力が必要不可欠なんだよ。
戦闘力は全くないけど、ギリギリの水際で知能だけを武器にして勝つやつが一番かっこいいと思います。まあ、いざとなったらトランプを投げて戦えますが……
~会場の反応~
「かなりキツいけど、まあこういうことだよね」
「教室の安全管理体制に問題あるだろ」
「調べてみたら一酸化炭素、低いところでも余裕で中毒になるらしい」
やはりお得意の「知性」を武器にテロリストを撃退した恐山(ただ一酸化炭素中毒に関してはめちゃくちゃ嘘)
皆さん、この記事の流れが分かっていただけたでしょうか?おおむねこういった感じのが続きますので、気持ちを強くもってくださいね。
2人目:ヤスミノ
さて続いてはヤスミノ。サブカルチャーに精通している故に、周りからは「文化クン」と蔑称されている彼ですが、どのようなシチュエーションを披露してくれるのでしょうか。
ああ…クソ……
「これ」じゃないのか…
ハッ
「……」
「……またか……なんだっていうんだ」
「…いや、落ち込んでる暇はない。急がないと」
カリカリ…
ポロッ
パッ…
「あ、ありがとう。今のよくキャッチできたね」
「ああ。”消しゴムには注意しろよ”」
「…?」
「1分16秒後…」
ガタッ
「ん?トイレか?」
「お、おい!どうした?理由を言え!授業中だぞ!!」
「話を聞け!急になんなんだ!」
「オラァッ!!」
「騒ぐな!この学校は占拠した!!」
「お前らケガしたくなかったら静かにしてろよ!」
「ヒッ…じゅ…銃…?本物…?」
(16…15…)
(9…8…)
「おい、お前もだ。あいつらみたいに隅に寄れ」
「……」
(2…1…)
「早くし」
「なんだっ!?」
パッ
「あっ……こいつ一瞬のスキを…」
「おい」
「おいおいおいおいおい」
「お前、馬鹿か?」
「こっちは二人だぞ。片方の銃を奪ったからってどうにもなんねえぞ」
「片方の銃で十分だ」
「あ?」
「だってお前は撃てないから」
「お前はいままで、ただの一度も撃たなかった」
「あ!?なんの話だ!?」
「学校を襲撃する勇気はあっても、銃を撃つ度胸はないみたいだな」
「……何を」
「何をわけわかんねえこと言ってやがんだ!!」
「もしかして銃にまつわるトラウマでもあるのか?」
「ふざけるな!!!俺は撃つぞ!!!」
「気づいてるか。お前、俺から徐々に離れているぞ?」
「はぁ……はぁ……!」
「撃つぞ!本当に撃つからな…!!」
「Go ahead. Make my day…
(やれるもんならやってみな…)」
「うおおおお!!!!!!!!」
「!?」
「こ、転んだ…?」
「パチンコ玉…?」
「他のやつが転がしただと…?なぜ…?」
“消しゴムには注意しろよ”
…?
ん?…紙が挟まってる?
何か書いてある…
教室の時計で 11時51分48秒
パチンコ玉を足元に転がせ(パチンコ玉は角の机の中にある)
1秒の誤差もなく、11時51分48秒、ちょうどだ
時間が来れば意味が分かる
「ほらな?」
「やっぱり、お前は撃てなかった」
・
・
・
「よし!これで完全に撃退した…!」
「やっと…」
「この教室から抜け出せる!!」
「嘘だろ……?」
「襲撃者を全員倒せばループから抜けられるんじゃないのか!?」
「ねえ…?もしかして…」
「君もループしてるの?」
『ループもの』の主人公って何度もの死を乗り越えてるんで、達観した佇まいがかっこいいですよね。身体的な特殊技能でなく、未来を知っているというアドバンテージのみで敵を倒すのもいかしてる
~会場の反応~
「勝手に続くな」
「Go ahead. Make my dayってなに?」
「Go ahead. Make my day」は『ダーティハリー4』の名セリフです。
~会場の反応~
「うっせ~~~」
ループものの主人公になったヤスミノ。長いし、ちゃんとした伏線を張ってるのも何か嫌ですね。
気を取り直して次ページでどうぞ!