2日目

2日目も基本的な流れは同じ。
ひたすら粘土を弄って、時間になったら先生の講義。そしてまた粘土を弄る。

 

というわけで今日も元気に作っていこう! といきたいところですがここで問題が発生。

 

 

そう、中途半端に南原清隆として完成してしまったせいで、素人にはどこをいじればいいのかわからなくなってしまったのだ。

 

細かいところを作れば何か変わるかもと思い、歯をつけてみるも……

 

 

歯をムキ出しにしてるナンチャンにしかならない。

南原地獄に突入してしまった……

 

 

どうやったらここから抜け出せるのか、手をこまねいているところに先生が登場。

 

 

  「あー、なるほどね。雰囲気は抜群に出てるね」

  「え?そうですか」

  「うん、イイと思うよ。あとは口の周りをこうしてみたりして…」

  「あ、なるほど! でもなんか今のままだとイメージが掴みづらくて、髪の毛とか生やしてみてもいいですかね」

  「うん、いいね。それもやってごらん」

 

 

と、先生からのアドバイスでまた新たな方向性が見えてきたので、ひとまず髪の毛を作ってみることにします。

 

 

薄く伸ばした粘土にそれっぽい線をつけて……

 

 

 

これを装着すると……、

 

 

 

 

 

あっ!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

一難去ってまた一難とはまさにこのこと。今度はナンチャンorダンカンという危機的状況に陥るはめに

しかし顔に手を加えて何者でもなくなってしまうことが怖くて、鎖骨や首筋周りしかいじれないでいると再び先生が登場

 

 

  「どう?」

  「いや、なんかもうどうしたらいいかわからなくなっちゃって……」

  「あー、なるほどね。ちょっと貸してごらん?」

  「頬骨がちょっと出すぎてるんだよね…、こう…顔はもっと3Dに出来てるからね」

  「ササッ・・・ササササッ‥‥ササササササッ」

  「(え、うわっ…すげ……)」

  「はい、こんなイメージかな」

 

 

と先生が半分だけ手を加えた顔がこちら

 

 

 

!?!?!?!?!?!?!?

 

 

 

すげ~っ!  分かりますかこの違い!

 

こっちが10時間くらいかけて僕が作った顔で…

 

 

 

こっちが、それを先生が30秒で手直しした顔。

 

 

 

 

向かって右顔面の奥行きがすごい…!

こうなると自分で作った方はお面を付けてるように見えてくるし、頬骨が激烈に高いのも理解できる。そりゃナンチャンにもなるわけだ。

あとチョロっと撫でただけなのに、僕が10時間こねくり回したのよりも表面が滑らかなのもよくわからなくてすごい。

自分の方はグランドキャニオン接写したのか?ってくらいガサガサで恥ずかしいな。

 

 

3日目

とうとう最終日です。

 

朝一で少し長めの講義を受けたら、後はひたすら自分の作業を続けるのみ。

 

 

・・・

 

・・・

 

・・・

 

 

 

 

 

 

~8時間後~

 

 

 

 

 

 

 

ついに完成~!!

 

 

いやー、やり切ったなー!長かったけど楽しかったー!
3日間、朝から晩までこんなに集中して作業ができる環境で作業ができたというだけで、かなり成長できたと思います。

そのうえプロの技術を真近で見られて、質問もできてアドバイスももらえるという最高の体験でした。

よっしゃー!

 

 

 

お世話になっている人に渡す

というわけで胸像がようやく完成したので、いよいよお世話になっている人に渡しに行こうと思います。

 

 

  「うわー、緊張するなー。喜んでもらえるかなー」

 

 

 

 

  「そろそろ待ち合わせの時間なんだけど、はー、緊張する」

 

 

「おまたせー!」

 

  「お、お疲れ様です!」

 

 

「いやー、急に呼び出したりしてどうしたの」

  「え、と、あの、いつもお世話になっているお礼にプレゼントを作ってきたんで、その…受け取ってください!」

 

 

「なにそれー、ありがとう! 中見てもいい?」

  「もちろん! ここで開けてください」

 

 

「さてさて何が入ってるのかな~、と」

 

 

 

 

パカッ

 

 

 

 

「え、なに? 茶色?」

 

 

 

 

 

 

 

「え、ウソウソウソウソ。これってもしかして……!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「僕の顔じゃ~ん!!!!!」

 

マッハ・キショ松

オモコロの大先輩で、今のバイト先を紹介してもらうなど公私共にとてもお世話になっている人。

付き合いは長いが、先日初めて2人きりで居酒屋に行ったところ2時間で話題が尽きた。

 

 

 

「聞きたいことはいっぱいあるけど、とりあえず『なんで?』」

  「いつもお世話になっているので。感謝の気持ちを、と思いまして」

「ならもうちょっと髪の毛多くてもよかったんじゃない?」

 

 

 

 

「いやでもこれ凄いよ。どうやって作ったの?」

 

 

 

  「この写真をお手本に彫刻教室で作ってきました」

「彫刻教室で!? これをお手本に? 絶対周りから何か言われたでしょ」

  「いや、逆になにも」

「それはそれで哀しいものがあるな」

 

 

 

 

  「それで…どうです? このプレゼント?」

「すげえハゲてて、一瞬、自分にそっくりな市長かなーと思ってよく見たら紛れもなく自分だったからすごいショックだった」

  「そんなー、もっと喜んでくださいよ。作るの大変だったんですよ?」

「だったら『自分に自分をプレゼントされたとき』の正しい喜び方が書いてあるマナー本もセットにしてくれよ」

 

 

 

 

 

「でも……ま、いろいろ文句は言ったけど」

 

 

 

「こんなの貰ったらめちゃくちゃ嬉しいに決まってるデショ!!!!!」

 

 

 

 

  「よかったー!」

「まさかこの人生で像になる日が来るとは思わなかったからね。ハゲきる前に像になれてよかった」

 

 

 

というわけで、プロの造形師の方に3日間教わった結果、めちゃくちゃリアルな胸像が作れるようになってお世話になってる人に最高のプレゼントを渡すことができました。

片桐先生のセミナーでは、胸像の他にも全身を作るフィギュア作成コースなどもあるみたいなので、今度はそっちにも挑戦して最終的にキショ松さんのリアルアクションフィギュアを作りたいと思います。

皆さんもお世話になった人に「像」をプレゼントしてみては?

 

 

http://chokokuseminar.com/

 

 


この記事はオモコロ応援サロン「ほかほかおにぎりクラブ」の支援で制作され、先行公開されました。先行公開記事のほか、限定記事やラジオ、コミュニティなどの特典がございます!