2019年2月15日に放送したテレビ朝日系列「タモリ倶楽部」にて、会社の同僚がタモリさんと共演した。
関係の近しい人が、あのタモリさんと同じ番組に出る。
これってなかなか凄いことではと思ったので、詳しく話を聞いてみることにした。
彼がタモリさんとの共演を果たした、オモコロの工作系ライター・マンスーンである。
数々の電子工作を用いた記事を制作してきた実績を買われ、今回のタモリ倶楽部の企画である「勝ち抜きエレキ合戦!」への出演オファーがきた。
↑マンスーンが出演した回の内容。
タモリさんに自作の工作マシンを評してもらおうというこの企画に、マンスーンは過去に制作した「ヘドバン赤べこ」で出演した。
これは「普通の赤べこより首の動きがめちゃくちゃ激しい」という工作だが、詳細が知りたい方はこちらの記事を読んで欲しい。
何の役にも立たないと思っていた工作がテレビ出演、ひいてはタモリさんとの共演につながってしまう。
人生とは何のフラグが誰とつながるか、本当に分からないものだ。
マンスーンの勇姿を見るため、録画しておいた「タモリ倶楽部」を会社のメンバーで見る。
「このお尻のオープニング、まだあるんですね」
「そういえばさ、タモリさんって普段『タモリ』って呼んでる? 『タモリさん』って呼んでる?」
「これは失礼かもしれないけど、『タモリ』って呼んじゃうよね」
「別に知り合いでもないんだけど、なんか『タモリ』だよね」
「でも記事とかSNSでは『タモリさん』にした方がいいと思う」
「マンスーンは実際会ったあと、『タモリさん』って呼ぶようになった?」
「うーん、どう考えても『タモリさん』と呼ばなきゃいけない人ではあるんですが、なんか一度共演したからっていきなり『タモリさん』と呼ぶのも逆にイタい気がして……」
― なるほど、「急に知り合いヅラしてやがる」みたいな。
「なので、友だちに番組の感想を話す時はあえて『タモリは…』と呼び捨てにしています。ちょっと心苦しいですが…」
一度実物と会ってしまったことで、より「タモリさん、あるいはタモリ的なもの」との距離感に悩むマンスーン。
そうこうしている内に……
あっ!
ほんとにテレビに出た~~~~~~~~~~。
出たことはすでに知っているのに、いざ知り合いがテレビに映ると、なんだか笑ってしまう。
そしてこの後、肝心のマンスーンとタモリさんの共演の瞬間が来ます。
おおっ!!
完全にタモリさんと共演してるよ!
― うおー距離近い! 襲おうと思えば襲える距離じゃん!
「襲っても僕にメリットがないので襲わないですけど、距離的にはそうかもしれません」
― なんか “意”みたいのをタモリさんに飛ばしてみたりしなかったの?
「意?」
― 殺気みたいなの。
「武芸者じゃないので」
この後、マンスーンはタモリさんの前で「ヘドバン赤べこ」を披露し、かなりウケる。
― いい感じでウケてる。タモリさんて実際会った感じ、どんな人なの?
「落ち着きが凄かったですね。何があっても動じないような雰囲気があって、でもボーッとしてる感じじゃなくて、アンテナをビーンと周囲すべてに張っている感じなんです」
― 「ハンターハンター」の “円”じゃん。
「あとテレビを通した時よりも、声の重低音の部分が良く聞こえてきて、その時に『うわっ! 生きてる本物だ!』と思いました」
― 目の前にしたら緊張した?
「それが不思議なほどしなかったんですよね。今でも本当に会ったのか、あまり実感がないような感じで…。実際にタモリさんの手にも触れたんですけどね」
― 触れたの!?
「赤べこを止めようとしたら、同じタイミングでタモリさんもスイッチに手を伸ばしてきて、その時に手が触れました」
(マンスーンとタモリさんの手が触れたシーンが流れる)
触れてる~~~~~~~~!!!
―どんな感触だった!?
「しっとり」
空耳アワーも見れた
※ヘドバン赤べこを手に取るタモリさんの再現イラスト(作:ギャラクシー)
― 赤べこ、結構ウケてくれてるなあ~
「僕の発明だけに限らず、出場した人の発明はどれもかなり丁寧に見てくれていましたね」
― イメージ的に、もっとざっくり適当な感じかと思ってた!
「機械の裏側まできちっと見てくれるような細かい観察が凄くて、正直ここまで前のめりに見てくれるなんて思ってなかったので、嬉しかったです」
― タモリさんはどんな匂いがしたの?
「“紳士”の匂いですね」
― タモリさんと共演したことで、親からも何か反応があったんじゃないの?
「いや出ることを伝えてないので……どうなんでしょう、見たのかな?」
― えー! 「今度タモリとやるよ」って、親に伝えない奴がいるかよ!
「タモリ倶楽部をエッチな番組だと思ってたら恥ずかしいので…」
― テレビに出てこれが良かったってことはあった?
「エレキ合戦をやる前に、空耳アワーの収録も見学できたんですけど、これが凄かったですね」
― 安齋肇さんとのあの名物コーナーを間近で!
「リハーサルも何もなしでいきなりポンと始まって、NGもなしでスーッと5分ぐらいで一回分撮りきってて、『これぞプロフェッショナル!』とすごく興奮しました」
― マンスーンの好きなタモリ式のレシピは?
じっくり発明を観察するタモリさんの様子を再現するマンスーン
― 収録の中で大変なことってあった?
「インサート」
― なんだこいつ業界人気取りか。
「インサート用の……要は物撮りって言うんですかね? 収録の中で撮れなかったカット単体を順番に撮っていくのが結構時間かかるんです。昼に集合して解散がけっこう遅かったので、テレビ収録はやっぱり大変だなと思いました」
― でもロケ弁をたくさん持って帰れたりとか?
「今回は人数ちょうどのお弁当だったんですよね、残念」
タモリさんも「だんだん面白くなってきた」と大いに食いついていたマンスーンの「ヘドバン赤べこ」だったが、残念ながら二回戦で姿を消し、第一回「勝ち抜きエレキ合戦」の優勝に輝いたのは、dydtさんの「自作VVVFインバータ搭載扇風機」であった。
― 電車のモーター音が再現できる扇風機なんだね、すごいな。
「やっぱりタモリさんと言えば電車ネタかー!とは思いましたね。確かに一番食いついていました。今回は過去の発明の中から選ぶ感じだったんでアレだったんですが、一から作れるなら僕も次回は電車ネタにしようかな…」
くやしみを感じるマンスーン
― タモリさんは赤べこに「可哀想な感じもする」ともコメントしていたからね。
「次回はもっとピースフルな路線で……」
― 最後にこれだけは教えておくれよマンスーン、タモリさんの現実の佇まいを、漢字一文字で表すとしたら…?
「うーーーーーーーーーーーーん」
「柱(はしら)…………」
― 柱!? なんで!?
「話していてぜんぜん散漫な空気が無いというか、柱のような安定感を感じたんですよね。収録中に時折シーンとしたりする瞬間もあるんですけど、その時もすかさずタモリさんが気の利いたコメントを挟んで、場の空気を盛り上げたりとか」
― 1番の大ベテランなのにすごい……
「ものすごく語るわけでもないけどどっしりと落ち着いていて、収録現場のすべてをタモリさんという柱が支えているような感覚でした。タモリさんは、柱です。僕も柱になりたい……」
第二回エレキ合戦で優勝すべく、柱になるべく、今日も工作街道は続いていく。
マンスーンの次回の発明にご期待あれ!