みなさんこんにちは。モンゴルナイフと申します。
どんどん気温も上がり、気持ちの良い季節になりましたね。
そんな春に満開になるものがありますよね……?
それは……?
そう!
杉の花が満開になって、花粉症の人間にとって春は気持ち良いどころか地獄の季節です。
私は杉が生えていない北海道出身なので、スギ花粉症で苦しんでいる友達に向けて「あらあらお大事に……」と一応声はかけるものの、スギ花粉症なんて完全に他人事だと思っていました。
しかし数年前に花粉症を発症してしまい、辛い症状から開放されたくてアレグラを握りしめながら震えて眠る日々です。
最近では、”杉”って名前に入っているしなんか裕福そうというだけの理由で出木杉くんを憎むようになってしまいました。
しかし花粉にこんなに苦しまされているのに一度もスギ花粉の実態を見たことがないので
と疑い始めました。
当たり前のことを疑うのって、頭がとても良い人みたいでかっこいいので疑うことにしました。形から入る春にしたいですね。
見たこともないスギ花粉を憎み続けるのも、会ったことないけどなんか好きじゃないなって人の悪口を言ってるみたいなので
実際に杉林へ行って、花粉をちゃんと見てみたい思います。
西へ行け
しかし、どこに杉林があるかわからなかったので東京出身の友達に聞いたところ
モン「杉林を見に行きたいんだけど、いい場所知らない?」
友 「どっか……西じゃん……? 山とか」
友 「中央線とか京王線に乗ればいいんじゃない?」
と教えてくれました。
「西へいけ」というシャーマンのようなアドバイスに従い、中央線に揺られて西へやってきました!!
まだ杉林は見えていないのに凄まじい花粉の密度です。
あ、だめだ…ごめんなさい痒すぎて目が開けられない!!
しかしこの目で見ていないので、花粉はないに等しいと思い込み林を目指します。
何ということでしょう、本当に杉の花が満開オレンジ色になっています。
これ全部からスギ花粉が出てるの……? 怖杉。
in 杉林(杉林って文字を見ているとだんだん林修に見えてきませんか?)
まだ花粉を見ていないのにもう目が開けてられない~~~~! 痒すぎる……。
なぜレインコートを来ているのかというと、体に一粒たりとも花粉を残したくないからです。
そのとき同行していたカメラマン(not花粉症)が突然深呼吸をしはじめました。
「空気がいいな~気持ちいいですよ! モンゴルさんも深呼吸してみたらどスカ?」
なにを言ってますのこんなに目がかゆいのに……と思っていましたが
「都心の花粉は、排気ガスと混ざってるからきついんですよ。 その目のかゆみは来る前からじゃないスカ? ここのは新鮮な花粉だから大丈夫じゃないスか?」
よく考えたらそんなワケないかもしれないのに、知能がない私は簡単にとんでも科学を信じてしまいました。
よし、もっと自然を感じてみよう!
ス……ッ
すうううううううううううう~~~~
そよそよ……
そよそよ……
私いま……自然と一つに……
ビエックショウンンン
地獄!!!!!!!
なんで目に見えないものにこんなに苦しめられなきゃいけないでしょうね。
絶対この目で花粉見てやるばい!!! もう全然目が開けられないけど。
花粉を探せど肝心の花粉は、木の上でそよそよ舞っていると思うのでなかなか肉眼で確認することが出来ません。
スギ花粉と煙は高いとことが好きなんだ。
体調もオワリが近くなってきたとき、伐採された杉のいらない枝が沢山落ちていることに気が付きました。
上ばかり見て下を全然見ていなかった……。
よく見たら、小さいけど杉の花ついてない?
これを振ると花粉が出そうだけど、こんな近くで飛び出した新鮮な花粉浴びるの嫌すぎると思っていました。
でも男子小学生なので花粉を見てみたい好奇心が勝ってしまいました。
どんなもんじゃい!!!!!
ぶわっさ~~…
だーーーーーーーーーーー!
ぶわっさ~~…
あだーーーーーーーーーーー!
自業自得ェーーーーーーーーーーー!
鼻崩壊寸前!!!!!!諸悪の根源!!!!!!
鼻の限界も近く、スギの花粉をこの目にしかと焼付けることも出来たので、林を抜けて足早に家路へつきました。
これでこれから堂々と花粉の文句が言える!
そしてこの夜、正体不明の高熱でうなされました。
「なんか鼻ムズムズすんな~」
花粉をポップに
花粉を見てから怒りよりも「この花のところからもっとポップな粉が出てきたら良いのにな~」という考えが浮かびました。
杉の枝を都心に持ってくるのは嫌だったので、似たようなものを作ってみることにしました。
まず大量の醤油差しに穴を開けました。 熱でプラスチックを溶かしながら穴を開けていたら会社が異臭騒ぎになってしまいました。
唐揚げのお墓に見えてしまうかもしれませんが、先程の醤油差しを紙粘土で覆って色を塗りました。 なんていびつなの……。
醤油差しに模様をつけて針金で作った枝に通して……
「杉の花風コショウいれ」完成です!!
全然杉の花じゃないうえ、近くで見るとトラウマになるかもしれないので遠くから御覧ください。
これは花粉よりはるかにポップな粉である胡椒が、枝を降ると元気に飛び出すというものです。
それでは気張って振ってみましょう!
ライ・ライ・ライ♪
ライ・ライ・ライ♪
ライ・ライ・ライ♪
ライ・ライ・ライ♪
ライ・ライ・ライ♪
ライ・ライ・ライ♪
ライ・ライ・ライ♪
ライ・ライ・ライ♪
ライ・ライ・ライ♪
おいしくただき……
ボエックション
鼻へのダメージによってこんな顔してますけど、味覚が崩壊しているので辛い味は全然平気でした。
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杉林の出口に咲いていた、杉の花と同じ色の花。
(おしまい)
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