春は眠い。
寝ても寝ても、眠い。
眠くて眠くて、どうにかなっちまいそうだ。
「あれ? みんなは?」
「来てませんね。ぼく1人だけです」
オモコロ編集部内で「ネタ出しに付き合ってくれる人、募集!」と呼びかけたのだが、神田くんしか来てくれなかったようだ。
今日は日曜日だからしょうがない。みんなゆっくり休みたいんだろう。
「ちょっと、ヒドくないですか? せっかく来たんだからネタ出しやりましょうよ」
それにしても眠い。まともに目が開かない。今にも落ちてしまいそうだ。
「めちゃくちゃ眠そうですね」
「うん。気を抜いたらすぐ寝ちゃうんだよね。春はダメ。全然やる気が湧いてこない」
「ちょっとゴメン。やっぱ全然はかどらないわ。30分だけ寝かせて」
「ちょっと起きてください。もう夜ですよ」
「30分だけって言ったじゃないですか。今日はもう帰りましょう」
「……くそっ!」
「もう足が限界だ……」
「なんで起きないんだよ。頭おかしいのか?」
「……どういうこと?」
「しょうがねえなぁ。家まで送ってやるか……」