俺の名はナ月。ナ月Pだ。かれこれ人生の半分近くをアイドルマスターのオタクとして過ごしている。

 アイドルマスターには大河のような長い長い歴史がある。次の大河ドラマはアイドルマスターであるとも噂されている。

 そしてアイドルマスターの歴史は、アイドルマスターを彩ってきた音楽の歴史でもある。楽曲数は数え方にもよるが、大体大雑把に数えて1500曲ほど。全て再生すると、その長さはだいたいジュラ紀の長さに匹敵すると言われている。

 聴いても聴いても聴いても聴いても良い曲ばっか。どうなってるんだ、良い曲しかねえのかこのコンテンツは。

 アイドルマスターの曲を聴いていると、沸々とある感情が湧き上がってくる。

 好きなアイマス曲の話がしてえよ。

 アイドルマスターには「THE IDOLM@STER MUSIC ON THE RADIO」というアイドルマスターの音楽に焦点を当てた公式ラジオ番組がある。通称MOR。
 声優や作詞家作曲家がゲストでやってきては、アイマスの楽曲をかけながらめちゃめちゃ語る素晴らしい番組だ。毎週欠かさず聴いている。

 全然無関係の一般Pだけど「もしもMORのゲストに呼ばれたら俺だったらこれを選曲するね」みたいな話がしてえよ。そういう話が一番楽しいから。

 だから、勝手にそういう記事を書くことにした。せっかくだからアイマス曲の話がしたいオモコロライターもかき集めたぜ。プロデューサーもいればアイマスやったことないけど曲は大好きみたいなライターもいる。思った以上にみんな熱い文を書いてきたからめちゃめちゃ長いぜ。

 公式の試聴動画やサブスクの配信がある曲は添えるが、無いやつも普通に紹介するぞ。好き勝手に語る記事だから。

・ナ月のおすすめ
 七彩ボタン
 Alice or Guilty
 From Teacher To Future!
 Bloody Festa
 Rat A Tat!!!
 KAWAIIウォーズ

・鬼谷のおすすめ
 夢咲きAfter school
 パ・リ・ラ
 夢見鳥
 誰ソ彼アイデンティティー
 O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!

・ARuFaのおすすめ
 ソウソウ
 たくさん!
 Milky Mode
 夢をのぞいたら
 Slapp Happy!!!(やよいソロ・リミックス)

・めごちものおすすめ
 イリュージョニスタ!

・はらつかうのおすすめ
 Dreamy Dream
 BRAVE STAR

・鎧坂のおすすめ
 お願い!シンデレラ(浅利七海ソロVer.)
 OTAHEN アンセム
 わたしの主人公はわたしだから!

・ゆば座のおすすめ
 デコレーション・ドリ〜ミンッ♪

・ナクヤムパンリエッタのおすすめ
 とんでいっちゃいたいの

・ダ・ヴィンチ・恐山のおすすめ
 LEMONADE

ナ月のおすすめ

七彩ボタン:竜宮小町

 大好き。歌詞が特に好き。少女の成長と淡い恋心を描いたアイドルソングだが、歌詞の見方次第で「俺とアイドル……俺とアイドルマスターの歌だ……」となってオイオイ泣いてしまう。

 この曲はPS3版アイドルマスター2で初めて登場した曲。アイマス2はアイマス史上唯一アイドルの年齢が1歳成長したタイトルで、特に双海姉妹なんか最初「新キャラ?」と思ったくらい成長している。それが歌詞の少女の成長というテーマにも重なってきて、いつの間にか大きくなりやがって……と泣ける。
 ではなぜ彼女らは少し大人になったのか。これはもう「バンダイナムコの人がアイマス2を作ったから」とか「2nd VISIONになったので」とか答えは色々あるのだが、「俺(プレイヤー、プロデューサー)がアイドルマスター2をプレイしたから」だと言わせてくれ。俺が2をプレイしなかったら、少なくとも俺の中では千早は15歳のままだった。

 この曲の作詞をされた遠藤フビトさんが、「七彩ボタンとは現実にプレイヤーが触れているコントローラーのボタンでもある」といったような解説をされていたのがずっと印象に残っている。このことを噛み締めながら曲を聞いてほしい。

 今でこそアイマスといえばスマホの画面をつっつきまわして遊ぶタイトルが多いが、アイマス2は家庭用ゲーム機のコントローラーのボタンをポチポチ触ってプロデュースするアイドルマスターだった。
 七彩ボタン、なんだそれはと思っていたが、俺はずっと七彩ボタンに触っていた。ボタン越しにアイドルとコミュニケーションをとって、ボタン越しにアイドルを育てて、ボタン越しにアイドルにスガモちゃんを装備させてライバルをぶっ飛ばして、時にボタン越しにアイドルとイチャイチャしたりしてきた。
 七彩ボタンの歌詞全てがゲーム中のPを通り越し自分自身に、コントローラーを握っていた時間の分だけ深く刺さってくる。画面の中のアイドルからゲームを遊んでいる俺自身へのメッセージだと思えてくる。

 ゲーム中では竜宮小町以外のメンバーにも歌ってもらうことができたのでずっと千早に歌わせては泣いていた。出会ってくれてありがとう。

Alice or Guilty:ジュピター

 またアイマス2の話してごめん。アイドルマスター2で初めて登場した男性アイドルジュピターの曲。正直発表当時はかなり複雑な心境で「な~~にがジュピターじゃい」と思っていたが、クリアする頃には曲もジュピターも大好きになっていた。可愛いぜ……。

 なんといっても尖りまくってるのがいい。それまでの女の子だけのアイマスではできなかったことがギッチギチに詰まっている。振り付けとか。

 後々にSideMで展開される男性アイドルアイマス曲とも全然違う雰囲気なので、「961プロの男性アイドル曲」「ライバルキャラの尖ったテーマ曲」として唯一無二の魅力がある。

 また尖りまくっている曲でのデビューだったからこそ、315プロに移籍してからの「BRAND NEW FIELD」のまっすぐさで泣いちゃう。3rdライブの「Alice or Guilty」からの「BRAND NEW FIELD」の演出がさあ!!!!

 アニメ版SideMのプロローグ、Episode of JupiterのDVDやブルーレイの特典に収録されているIndies Live Arrange版もめちゃめちゃかっこいい。意外とまだまだ手に入るから買って聞いてくれ〜。

From Teacher To Future!:S.E.M

 アニメ版のアイドルマスターSideMがかなり好きだ。このアニメにはアイマスシリーズのファンとしてだけではなく、成人男性としてめちゃめちゃ励まされた。成人男性に見てほしいアイマスアニメNo.1。成人男性こそSideMを見て。

 特にS.E.M回の成人男性励まし度はすごい。成人男性が成人男性の仲間達とひたむきに、そして楽しそうに頑張って物理的にも精神的にもキラキラする回で、見るたびメソメソ泣いてしまう。女児が女児アニメキャラに憧れるように、成人男性が成人男性キャラに憧れてしまう。

 その回のエンディングで流れるのがこの「From Teacher To Future!」だ。なんて良い歌詞なんだ。彼らが元教師アイドルという立場から頑張ろうとする人を応援する明るく楽しい最高の応援歌で、もう彼らより年上になってしまった俺の背中でさえもグイグイ押してくれる。

 人生はうまく行くことばかりではないし、むしろ絶望の方が多いなんてことは大人なら誰でも知っている。だからこそ、なんの根拠もなくひたすら明るく「君はできる」と励まし応援してくれるアイドルの存在がありがたい。

「無根拠でいいから誰かとにかく俺を励ましてくれないと一歩も歩けない」という時に聞くと歩けたりする。ありがとうアイドルマスターSideM。

Bloody Festa:白坂小梅

 ホラー大好き白坂小梅ちゃんの二曲目のソロ曲。俺もホラー大好きなので白坂小梅ちゃんのことはかなりひいきしている。可愛いし。白坂小梅ちゃんとツタヤかゲオに行ってホラーの棚を物色したい。面白そうなホラー1本とクソそうなホラー1本とわけわかんないホラーを1本ずつくらい借りて、見る順番を話し合いながら帰りたい。閑話休題。曲の話だ。カッコよくて可愛い。これに尽きる。カッコいいか可愛いのどちらかに振るのではなくて、カッコいいと可愛いの両方のつまみを両方マックスまで上げた最高の曲。

 どうやってそんなことを可能にしているか。これがもう単純で、めちゃめちゃカッコいい曲に小梅ちゃんを演じている桜咲千依さんの可愛すぎる声を乗せている。バッキバキのメタルにふわっふわの可愛い声が乗ってるのに大変弱いんだよ俺は。そこに散りばめられたホラーっぽいゴシックな要素がアーーーーーー良い。ツボすぎる。

 ライブで客席が真っ赤に染まる中で指を交差させるポーズを決めるのがめちゃめちゃカッコよくて可愛い。

 6:07くらいから見て。

Rat A Tat!!!:MILLIONSTARS

 アニメ版ミリオンライブのオープニングテーマ曲。ミリオンライブ他にも好きな曲いっぱいあるのだけどちょっと今はこの曲の話をしないことには耐えられない。見ましたかミリアニ。見てくれ。TV放映なんか待たないで劇場で見て欲しいけど、TV放映で見る予定の人はここだけ読み飛ばしてくれ。もうネタバレをちょっとする。言ったからな!! ちょっとだけ内容に触れる!! 読み飛ばせ~!! 一応文字色を白にしておこうかな。

 この曲はオープニングテーマでありながら、めちゃめちゃ素晴らしい演出と共に劇中でも使われる。

 アイドルマスターはあえて「ファン」と「プロデューサー」という言葉を使い分けることもあれば、双方ひっくるめて「プロデューサー」と呼ぶこともある。アイマスの話をする時は一旦辞書に載っている「プロデュース」の意味は忘れてくれ。アイマスは変なコンテンツなのでアニメを見るだけでもそれはアイマスにおけるプロデュース活動だと言い張ることもできる。

 とは言ってもアニメ見てるだけだしな、アニメ内にはアニメのプロデューサーがいるしな。アニメを見ながら俺がアイドルにできることがあるとすれば、なんか「がんばれ~!」って気持ちで見守ることくらいじゃないか。

 じゃあそれもプロデュースだとしてだ。ミリアニを見ていて一番心から「がんばれ~!」と思うその時、アニメを見ている俺と画面のアイドルを繋ぐのがこの「Rat A Tat!!!」になる。

 この曲がアニメ内でアイドルに歌われる時、まだアニメの中で彼女らにプロデューサーはついていない。だがアニメの外から見ている俺たちは彼女らのプロデューサーだ。アニメ見て「がんばれ~!」と思うこともプロデュースなら、めちゃめちゃプロデュースさせてくれる曲。なんか変なこと言ってますか俺は。変なこと言ってる気もする。

KAWAIIウォーズ:ルミナス・ルーフス

 皆様、スタマスをやりましたか。やってください。スタマスの曲がライブで聴きてえんだよ俺は。
 名曲揃いのスタマス曲の中でもこのKAWAIIウォーズはタイトル通りちょっと飛び抜けて可愛い。それでいてめちゃめちゃ毒々しくもある。ポケモンならフェアリータイプとどくタイプ。完璧に可愛く飾られているので毒も可愛さに昇華されている。

 ご主人様のお気に入りだけが立てる飾り棚のセンター争いをするドールたちの歌なのだが、これがそのままアイドル業界の熾烈な争いのメタファーにもなっている。まさにアイドル業界とはKAWAIIウォーズだぜ。とそんなことを考えてしまう歌なのだが、さらにその先がある。
 この歌が使われているのは他でもないアイドルマスターだ。お気に入りのアイドルを選んで、着飾らせて、歌い踊らせるゲームだ。Pのお気に入りのアイドルはず〜っとセンターになるし、あんまりステージに立てないアイドルも出てくるだろう。

「ゲームのキャラクター」「3Dモデルの人形」としての彼女らがそれを自覚しながら画面越しに俺に歌いかけているかのような、七彩ボタンとはまた全然違った味わいのアイドルから直接刺される歌で大変ゾクゾクする。

 あとこの曲は心白と詩花を並べられるのがいい。俺はあとここににちかを並べたいんだけど、いつかなんとかならないか。

 

鬼谷のおすすめ

私はアイマスシリーズの楽曲をよく聴いているが、アイマス系のゲームをやったことがない。つまり「プロデューサー」になったことがない。したがって、曲を歌うアイドルたちの人となりもほとんど知らない。

そんな身分でアイマスの曲を紹介してもいいのか、と恐縮する気持ちもなくはないが、実際問題ないと思っている。

なぜなら、本来アイドルたちは私のような一介のファンに向けてパフォーマンスすることを仕事としているからだ。アイドルの活動を享受するうえで管理者視点を持つことは必須事項ではない。AKBに興味を持ったのに「でも自分は秋元康じゃないし……」と遠慮して離れていく人がいるだろうか。

アイドルを取り巻く文化圏の一部として、我々のような「ただの視聴者」は存在して然るべきだし、むしろそれが多数派だっていい。そのうえで各々が好き勝手に感想を述べていい。全てを知っているプロデューサーたちに「こいつは分かってないなあ」と思われたって構わない。それでこそ互いの立場を楽しむエンタメたりうる。

だから、今この記事を読んでいてアイマスに触れたことがない方も、恐れずに己の興味に従ってみてほしい。知る権利はあるが、知る義務は無い。

夢咲きAfter school:放課後クライマックスガールズ

ポジティブ100%の曲。5人グループの終始エネルギッシュな歌声ながら、サビの「咲こうとしたその日が花盛り」「手を取り合い」で音がじっと着地する感じがたまらない。ここで溜めるんかい……!と心が叫ぶ。

KAT-TUNの『Keep the faith』という曲で「敵無し 不可能も無し」という歌詞があり、こんなこと言える奴らなかなかいないぞと畏怖したことがあるが、放課後クライマックスガールズの曲に通底する精神はこれに近いものがある。ともすれば攻撃性にもなりうる明るさを纏う彼女らの曲が好きだ。底を見せない光量で焼き尽くされたいときにおすすめ。

パ・リ・ラ:Bom Dia

ラテンやサンバの曲調で、夏らしい陽気さが楽しい。一方で「この夏はもう二度と来ない」という切なさも漂っていて、聴くほどに心を掴まれる。どう過ごしてもそれぞれの夏がある。そんな夏を生きたいと思える。

作曲者を調べてみたら、AKB48の『言い訳Maybe』やμ’s(ラブライブ!)の『Mermaid festa vol.1』などを作曲している方だった。どちらも私の好きな曲で、パ・リ・ラにも惹かれるべくして惹かれた感がある。夏の名手だ。

夢見鳥:樋口円香

この曲を聴くとき、私は樋口円香さんの同級生になる。

 

級友の樋口は芸能活動をしているらしいが、自分はテレビをあまり見ないので詳しく知らない。

今日は文化祭の打ち上げとしてクラス全員でカラオケに来た。いつもこういう場面では欠席する樋口が珍しく居る。浮かれた女子が樋口になにか歌わせようとするが、樋口は「ギャラもらうよ」などと言って素直に受け入れない。そんなやりとりをしているうちに別の女子が勝手に曲を入れ、イントロが流れ始めた。

憮然としつつも雰囲気は悪くさせない表情で、渋々マイクを受け取る樋口。

どんな曲を歌うんだろう。

 

と、思う。

誰ソ彼アイデンティティー:田中摩美々

田中摩美々さんのビジュアルだけは知っている状態で聴き、歌声のギャップに腰を抜かした曲。気だるそうな性格の印象がもともとあって、たしかにその気配もあるんだけど、それ以上に真面目でまっすぐな声だなと思った。これはもしかしたら、省エネ精神ゆえに表れている実直さなのかもしれない。正解が分かってしまうからこそ、寄り道せずにそのルートを進んでいるような。

「この人がもし何かを本気で頑張ったら、計り知れなくて怖い」と感じた曲。メロディーは当初のイメージに応えるような天邪鬼さがあって癖になる。

O-Ku-Ri-Mo-No Sunday!:miroir

かわいい。曲も声も歌声も全部かわいい。かわいいし、たのしくてかっこよくておもしろい。

 

ARuFaのおすすめ

まず前提として僕はアイマスのゲームを全然やったことがなく、アイドルの方を知らずに曲だけを聴きまくってる状態なので、何か的外れなことを言っちゃったらすみません!
でもアイマスには好きな曲がマジでたくさんあるので、その一部を紹介させていただきます!

ソウソウ:ナターリア

リオデジャネイロ出身のアイドル、ナターリアさんの楽曲です!

陽気なサンバのリズムと、男女混合のコーラスが入ったサビが最高で8万回聴いてます。
底抜けに明るい曲と思いきや、切なさや不安を感じさせるような音色も隠れているのですが、そういう感情とでさえ友達になって元気に歌いあげるナターリアさんの声を聴くと「クゥ~~~~~~~~~~~~」となります。
もし僕がお星様になったら、ナターリアさんという名の『太陽』の周りを公転しながら応援し続ける衛星になりたいなと思っています。

たくさん!:アナスタシア

僕が毎年春になると聴きまくっている曲です!春の陽気みたいなピアノと春風みたいなストリングスが最高!!

曲調や歌詞から向上心というか「上を向いている感じ」が伝わってくるのですが、メロディにつられて自分も上へ上へと引っ張られる感じがして強制的にポジティブになれる楽曲だと僕は思います。
特にBメロの階段を上るようなメロディとか、サビの感じが最高!!!あとベースがかっこいい!!歌のニュアンスも最高!!早く春来てくれ!!!!

Milky Mode:及川雫

この曲も大好きです!オケにほげほげした音を使っていて、僕はその牧歌的な音から逆に切なさを感じてヤベーー……となりました。

友達に聴かせたら「別に切なくなくない?」とのことでしたが、僕はイントロ・アウトロのピアニカ(?)と笛みたいな音でいつも泣いてます。
明るさと優しさと切なさのバランスが素晴らしい曲だと僕は思います!牧場にある干し草ロールの上で寝ながら聴きたいです。

夢をのぞいたら:THE IDOLM@STER CINDERELLA GIRLS!!

初めて聴いたときに良い曲すぎて「たはは……」となってしまった曲です。

楽曲の背景を全く知らずに聴いていたのですが、これって総選挙の曲だったんですね!
だとすると総選挙に参加した全ての人たちに向けた歌詞を考えるのってメチャ難しいはずなのに、こんなに完璧なバランスでテーマを拾ってくのマジで凄すぎる……と思いました!!!
テーマに沿って字数の合うワード考えて、苦しさも表現しつつポジティブに着地して、キャッチーさも欠かさず、さらに韻も踏んで……という要素全てが驚異のバランスで成立しているので、僕はこの曲を聴いたときに下記のような光景を思い浮かべてしまいました。

もちろんかつての僕のように背景をも知らずに聴いてもメチャ良い曲です!

Slapp Happy!!!(やよいソロ・リミックス):高槻やよい

サンバのリズムが陽気で最高!とはいえ暑苦しいわけではなく、爽やかで涼しささえ感じるような気持ちのいい曲だと思ってます!
個人的にはBメロに入るときの展開が、まるで涼しい風が吹いたような気持ちよさがあって好きです!
サビのメロディがサンバのホイッスルでよく使われるフレーズと同じなのも粋ですね……
このまえ夕立にあってずぶ濡れになったのですが、大量の雨に打たれながらこの曲を聴いて踊ったらメチャクチャ楽しかったのでオススメです。

 

めごちものおすすめ

イリュージョニスタ!:本田未央、佐久間まゆ、鷺沢文香、輿水幸子、新田美波

イリュージョニスタ!(デレステver)が最高なのでぜひ聴いてください。
デレマス曲で聴いてて泣きそうになる曲は幾つもありますが、この曲は聴いてて普通に泣いちゃう。
今回これを書くために聴き直したんですけど、ショートアレンジで2分6秒なのにこの満足感と充実感。まじすごい。
当然フルverもめちゃ良いです。最後のサビで泣いちゃう。

デレステ8周年おめでとうございます!

 

はらつかうのおすすめ

Dreamy Dream:Xs

「アイドルマスターミリオンライブ!シアターデイズ」内の Xs(キス)というとにかくすごいユニットの曲です。メンバーは萩原雪歩、菊地真、水瀬伊織、星井美希の4人で、リード曲「ラビットファー」は夜の方向に攻めた歌詞で、すごいです。

 私が好きなのはそのカップリング曲の「Dreamy Dream」です!パジャマパーティがテーマで終始かわいい雰囲気なんですが、「女の子」の曲というより、「“女の子”をやる女の子」という感じの曲だと思っています。ふわふわのパジャマで女子会♪というパブリックイメージ的な「女の子」に、時に全力で乗っかってみたくなるのが女の子。まさに夢のような夢。そして、そういう女の子の純粋な欲求を描いたこの曲を、菊地真さんが歌っているということに、とんでもない大きさの意味を感じませんか。

「ホイップしたクリームにメイクを溶かしてオリジナルの私の変身」って歌詞がめちゃくちゃ好きです。ただメイク落としただけのことを、こんなにもポジティブにかわいく歌えるなんて!化粧することを「変身」と形容したりしますが、彼女たちにとっては化粧を落とすことも「変身」。メイクも自分も大好きなのが伝わるかわいい言葉だなと思います。雪歩さんの「変身っ♪」みたいな歌い方もかわいさに拍車をかけてます。とにかくかわいい!

BRAVE STAR:天海春香、如月千早、四条貴音、秋月律子

「THE IDOLM@STER MASTER PRIMAL」というCDシリーズの「ROCKIN’ RED」に収録されている曲です。
 爽やかなバンドサウンドで、疾走感が楽しいです。前向きなんだけど手放しにポジティブを押し付けてくる訳じゃなくて、雨上がりのような、彼女たちの等身大の強さを感じます。元気いっぱいの曲の中に四条貴音さんみたいな声質が入るとアクセントになっていいですよね。そういうのが好きです。

 大好きな曲ですが、聴いた回数で言えばかなり少ないです。聴いてください、この4人が楽しそうに楽器を演奏しながら歌っているイメージが浮かんできませんか?放課後の空き教室で、互いにアイコンタクトを取り笑う4人が。そして今、自分も高校生ガールズバンドで「BRAVE STAR」を演奏したいなと思いませんでしたか?
 すみません、それ無理なんです。残念なことに皆さんは天海春香でもなければガールズバンドのメンバーでも、女子高生でもない。私は「BRAVE STAR」を聴きながら歩いているときにこの事実に気付いて、その場にしゃがみ込んでいつまでも、いつまでも泣きました。

 

鎧坂のおすすめ

お願い!シンデレラ:浅利七海

(ナ月注:お願い!シンデレラの公式試聴はゴロゴロあるけど七海ソロVer.の公式試聴はないので各自デレステをやるかデレステやってる友達に見せてもらうなどしてください。絶対してください)

「お願い!シンデレラ」の浅利七海ソロverです。

彼女、デビュー当初はボイスがついてなかったんですよ。この「お願い!シンデレラ」もシンデレラガールズのテーマ曲ということで様々なアイドルが歌っていたんですが、如何せん彼女は歌うことが出来ない。こんな悲しいこと他にあるか? 

そんな中、浅利七海はプロデューサー達の超絶熱い応援によって「第2回ボイスアイドルオーディション」にて見事1位を獲得。7年というあまりにも長過ぎる年月をかけ念願のボイスが実装されました。見事……

同時に「お願い!シンデレラ」のソロverもリリースされたのですが……

 

「しんれれら」て。

 

う、嬉ッッッッッッッッ!!!!!!!!!!

7年間己の心の中にしかいなかった浅利七海の舌っ足らずな声がそのまんま実装されてた。「ピンチもサバイバルも」という歌詞の「サバ」の部分だけちょっとテンション上がって声に力が入っちゃってるのもグー🐟

この「しんれれら」は苦境の中を一歩も引かずにただひたすら前へと争い続けた浅利七海とプロデューサー達が掴み取った未来そのものです。感動をありがとう。

OTAHEN アンセム:夢見りあむ

りあむはマジで凄いよ。

この曲、アイマス全体を通してもかなりアヴァンギャルドな楽曲でして、例を並べると、

・サビが先に紹介した「お願い! シンデレラ」のまんまパロディ

・「人権」とか「浮気」とか腐ってもアイドルが言うべきじゃない単語が含まれている

・会場の奴らに歌わせるパートがある

・それに対してりあむの方がコールを入れている

・ダンスもダンスで絶対にアイドルがするべきではない動きを平然とする

 

中でも好きな歌詞を紹介しますね。

 

「手首をかけて ゆびきり(げんまん!)」

 

アヴァンギャルド。

りあむは絶対に清楚なアイドルにはなれないけど清楚なアイドル達が持っていない実績を大体解除しているからそれらを欲しいがままにしているし、他のアイドルが絶対に近づこうともしない毒沼をブルーオーシャンに見立てて独占しているからもう何も怖くない。

「OTAHENアンセム」はそんな彼女が会場の奴らに完璧に背中を預けることでギリギリ生まれたウルトラCみたいな曲です。

りあむ、お前の勝ちだ。

わたしの主人公はわたしだから!:福丸小糸

わぁぁァァァァあああああああああ!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?!?

 

この曲に、この歌詞に、俺は、俺達は、どれだけ救われたか。

とにかく歌詞の一つ一つが脳にダイレクトに突き刺さって頭の中のよくわからん快楽物質が鷲巣みたいに駆け巡るのが肌でビリビリ理解る。こんなん、ずっと聴いてたらマジで頭おかしくなっちゃうって!!!!

ちょっとみんなも歌詞を検索して読んで欲しい。今。もしわざわざ検索するのが面倒でも大丈夫。

 

わたしの主人公はわたしだから!

 

↑これコピーしてsafariにペーストするだけでいいからさ。な? それくらいならできるよな?  ただ欲を言えばその手で入力して欲しいよ。その震える指先で『わたしの主人公はわたしだから!』って入力してみ?

出た? 開いた? 歌ネット開いた?

 

めっちゃ良いよね。

「頑張ろう!」じゃなくて「頑張ろー!」なの最高。「余裕」も「よゆー」で彼女が眉間にシワ寄せて気合い入れようとしてる時のニュアンスなのも嬉しすぎる。ここまで感嘆符使ってる歌詞そうそうないぜ。

 

アーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!

 

嬉しすぎてフランキーのアスキーアートと同じ表情になってしまいました。

 

ゆば座のおすすめ

デコレーション・ドリ〜ミンッ♪:周防桃子

ミリオンライブの楽曲。ミリシタ(スマホ音ゲー)にも収録されています。

透き通った音のギターに支えられて華やかなシンセが輝く、とても可愛い曲です!

歌っているのは11歳のアイドル、周防桃子さん。
パジャマに着替えてベッドに入るひとときの、「もしここが舞踏会だったら?」「私がコンサートの主役だったら?」という年相応の夢、あるいはちょっと子供っぽすぎるかもしれない想像を詰め込んだ一曲……だと思うのですが、僕がアニメやゲームを未プレイでキャラに詳しくないので、ここからは曲のことだけ書きますね。

この曲で僕が一番好きなのは2番のサビの終盤。「一緒に歌ってほしいから 一番前の席用意するね」という歌詞の部分なのですが、ここだけ強拍の位置が半拍前倒しになっているのがマジでスゴすぎる!!!
単純に意表をつかれる気持ちよさはもちろんのこと、「(アイドルのコンサートの)一番前の席」という歌詞の“ついつい前のめりになっちゃう感”にもマッチしている気がします。このアクセントは1番のサビにはないので、2番のこの部分に備えてエネルギーを溜め込んでいたようにも思えます。高音で開放されるシンセの和音や、それを流れ星の尾のように追従して下降するキラキラは、聴くたびにときめいてしまうくらい最高です! これって曲のネタバレになりますかね?? なってたらすみません。

 

ナクヤムパンリエッタのおすすめ

アイマスの曲を好き勝手に話して良い…

そう言われて、どの曲を取り上げるかかなり悩んだ。

ただ一つ、完全に自分の思い出補正で大好きな曲がある。今回はその話をさせてほしい。

以前、友だち二人と北海道に行くことになった。自我を持ってする初めての長距離旅行だったように思う。

せっかくならとレンタカーを借りて、いくつかの都市を回ろうという話になった。俺は完全にナメていたので距離感なんかまったくわかっておらず、でっけえ大地に翻弄されるとは知らずに佐久間まゆさんのガチャ更新に大喜びしていた。

そして到着した北海道。

レンタカーのカーナビは「この先87km直進です」とか平気でのたまい、実際マジでまっすぐに“視力検査で覗くやつ”みたいな景色が続く。景色の変化といったら牛がいるか馬がいるかくらいか。窓を開ければ新鮮な空気と共にほんのりウンコの匂いが漂ってきて、「あれ?なんかヤバいことはじめちゃった?」という思いが脳裏によぎった。

そんなとき、友人Tがスマホからカーステレオで曲を流し始めた。

軽やかなピアノから始まるイントロに、浮遊感のあるメロディ。カーステレオ特有の大きな音が全身を包み、なんだか車内がフワッと軽くなったような気さえした。飛行機で離陸するとき、機体が浮かび上がる一瞬のあの感覚みてえだ。

その時流れた曲こそ、一ノ瀬志希さん、三村かな子さん、宮本フレデリカさんの「とんでいっちゃいたいの」だった。

車内いっぱいに、三村かな子さんのマシュマロみたいできちんと芯を感じる声が響く。

宮本フレデリカさんの無邪気なようで落ち着きも感じる不思議な歌声に、一ノ瀬志希さんの可愛らしい声質と裏腹に大人っぽく綺麗に伸びる歌唱…。

メロディと歌詞と声から、夏から秋の嘘みたいな青空が目に浮かぶ。そして車外には、その嘘みてえな青空と、そして嘘みたいにだだっぴろい草原が広がっているのだ。

そこであのサビ!!

三人の声の重なりは後ろから吹く風のようで、もう、本当にどこまでも飛んでいけような気持ちになったのを覚えてる。車に羽生えちゃうんじゃないか?牛だって飛んじゃうかもしれない。

友人たちは全員デレステをプレイしていたのもあって、気がついたらみんなで歌いながらドライブしていた。そんなのってバカみたいに楽しくて、そのとき初めて、「旅がはじまったんだ」と実感したのだった。

俺は今でも、飛行機に乗る時や電車で長距離を移動する時とかによく聞いている。

みなさんもぜひ、そんなタイミングがあったら聴いてみてほしい。もちろんドライブの時でも。きっと、どこまでもとんでいけるような気持ちになれるはずだ。

 

ダ・ヴィンチ・恐山のおすすめ

LEMONADE:萩原雪歩、三浦あずさ

『THE IDOLM@STER MASTER PRIMAL POPPIN’ YELLOW』に収録されている曲です。音楽ユニット「キリンジ」の堀込高樹さんが手掛けてまして、曲も歌詞もキリンジの癖が全開です。元々、アイマスを知るよりも前からキリンジのファンだったので、二重に思い入れの深い作品なんですよね。

曲がリリースされた2017年当時はアイマスのことを全然知らなかったため「なんかアイマス? とコラボするんだ。ふーん……」みたいな感じでスルーしてたんですけど、あとになってから「とんでもないことしてくれてんじゃん!!??」と事の重大さに思い至りました。アイマス曲としても、キリンジ(堀込高樹)のキャリアとしても、かなり異色だ!

うさんくさいイントロが流れ、歌い出しの歌詞から「♪手榴弾のピンを抜くような顔で」ですからね。いい意味で全然アイマスっぽくない曲調とひねくれた詞世界は、まさに堀込高樹の本領。巧みな比喩表現を操る一方で「♪明日はどっちだ タッチはあだち」みたいにテキトーなフレーズを放り込んでくる脱力性が同居している。弟である堀込泰行の脱退後に再編された新生KIRINJIからよく見られる傾向です。ここ数年のキリンジはテクニカルな言葉に意味を託すことを放棄し、あえて即物的なノリで曲に身を任せる楽しさへと回帰している感じがするのですが、それがアイドルソングの波長と時期的にピッタリ重なっています。

シンガーが萩原雪歩さんと三浦あずささんなのも絶妙です。ふたりともコケティッシュな、いかにも二次元アイドル「らしい」声質なんですね。わかりやすくアニメっぽいと言ってもいいかもしれません。そういう過剰さがキリンジの瀟洒な雰囲気と新鮮な化学反応を起こしていて、甘さとほろ苦さの混ざった生搾りレモネード感を醸し出している。サビで「レモネード」がリフレインするところなんて、アイマス曲のとろける甘味とキリンジ曲の突き刺さる痺れが同時に入ってきて「一曲でこんなに気持ちよくなっちゃっていいの~~?」とうろたえてしまいます。

この曲、めったにライブで披露されないんですが、2017年のニューイヤーライブではたかはし智秋さん、中村繪里子さん、平田宏美さんの3人で歌った特別バージョンを披露してまして、これはこれで別の味があって癖になる。特に菊地真さんを演じる平田宏美さんがこれを歌う日が来るとは思ってなかったので「こんなに何もかも一度に望みが叶ってしまうことってあるんだ」と夢を疑うほどのセットリストでした。2022年のライブではついにオリジナルメンバーが揃い感激。堀込高樹さんもこの曲はお気に入りなのか、キリンジのほうのライブでも時たま披露する機会があります。元メンバーの弓木英梨乃さんが歌うバージョンの『LEMONADE』も素晴らしい……。

可能なら今後も楽曲提供とかカバーとかあるととても嬉しいですね。『プールの青は嘘の青』の浅倉透カバーVer.とかどうでしょうか。いや、市川雛菜とのデュオという手もあるか……。もう頭の中では全てが聴こえているのですが……。

 

聞こう

 お気に入りのアイマス楽曲をそれぞれ熱量だけは高く紹介してきた。だがアイドルマスターの歴史を大河(ナイル河やガンジス河など好きな大河を思い浮かべてください)に例えるならば、紹介できたのは手のひらひとすくい程度だ。
 SideMが少ないとか876プロはとかKRやゼノグラシアはとか、わかるよ。ぜひ皆のお気に入りの楽曲を教えてくれ。記事のエゴサついでに見にいって「わかるわかる」と頷きに行くから。皆でわかるわかる言い合おう。

 そしてそんな奴がいるのかはわからないが、アイマスよくわからないままここまで読んだあなた。アイマスよくわからないのにここまで読んだということは、もうかなり興味があるはずだ。
 とりあえずもう音楽から入ってしまおう。サブスクで色々聞けるから!!