こんにちは。鬼谷です。
皆さん、ウイダー飲んでますか?
ウイダーっていいですよね。
銀色のパッケージに入ったゼリーをじゅるじゅる吸うという、一般的な食事のイメージとは全く異なる近未来的行為によって、実際含まれる栄養以上に身体が元気を得られるような気がします。
でも……
「うめー」
「あー、もう終わっちゃう……。まだ少し残ってそうだけどな」
「絶対もうちょっと残ってるのに吸いきれない……」
「絶対もうちょっと残ってるのにーーー!!!!!」
こんなこと、ありますよね。
そこで今回は、0.01g単位で計測できるはかりを使って「普段我々はどれほどのウイダーを吸い残しているのか」を調べてみます。
「どうすれば全て綺麗に飲めるか」ではなく「どれだけ吸い残しているか」なので、役に立つ知識が得られるわけではありません。
ただ損失を知る記事です。
ちなみに対象とする商品は森永製菓の『inゼリー』です。もともと『ウイダーinゼリー』として販売されていた同商品は2018年から現在の名称になりましたが、個人的には「ウイダー」と呼ぶのが一番しっくりくるので、この記事では一貫して「ウイダー」と表記させていただきます。
検証に使うのはこのはかり。
0.01g単位で200gまで計測できるという性能でありながら、1000円以下で購入できました。「0.01g単位で200gまで1000円以下で計測したい!」と思っている方にオススメです。
さっそく測ってみましょう。
飲む前のウイダーの総重量は189.40gと表示されました。
ウイダーの内容量は180gとされているので、9.40g分はパッケージの重さということになるでしょうか。
ではウイダーを飲もうと思いますが、まずは「10秒チャージ」というキャッチコピーに基づいて10秒で飲んでみます。
10秒で飲みました。(11秒かけているように見えますが、実際に吸っているのは10秒間だけです。吸い終えた瞬間に口を離すのは難しいです)
10秒だけではパッケージのシワの隙間に中身が残ったままでした。手に持つ重さから「まだ確実に飲める」ということが伝わります。
そんな10秒ウイダーの残重量がこちら。
24.07g。
パッケージの推定重量を引くと14.67gとなり、180gの約8.2%、すなわち1割弱を飲み残していることになりますね。
ではこの中途半端なウイダーを丁寧に飲み切り、再度計測してみましょう。
しっかり飲んだ後のウイダーは12.46gと表示されました。
では、この数値からパッケージの推定重量9.40gを引くと……
3.06g!
ということで、3.06gのウイダーが飲み残されていることが分かりました。
うーん、もったいないですね!
(終)
としてもいいのですが、もう少し詳細に調べてみます。
まず「パッケージの重さは本当に9.40gなのか」ということ。
これを正確に計測するためにパッケージを分解します。
パッケージの縁が厚くなっているので、その内側の境目に沿ってナイフを入れます。
膨らませると切りやすいでしょう。
ぐるっと一周切り込みを入れたら……
ペラリ
透明でわかりづらいですが、結構しっかり中身が残っています。
すすりました。
同じ要領で反対側も切除。
背骨についた煮凝り(ゼリー)を丁寧に洗い流せば……
ウイダーの3枚おろしが完成しました。
最後にエアコンの風で水分を飛ばします。
ウイダーの干物を作りたいと思った方は、以上の手順を参考にしてください。
一晩経ち、乾燥を終えて計測した純粋なパッケージの重量は……!?
8.00g! なんと推定重量よりも1.40g軽かったことが分かりました。
つまりこのウイダーの個体には元々181.40gの中身が入っていたということになりそうです。規定量に対してブレがあるようですが、多い分にはいいでしょう。
そして飲み残したウイダーの量も正しくは4.46gと判明しました。
ここまでたくさん数字が出てきたので一旦まとめましょう。
※ちなみにこの記事で参考としている計測値は、計測の専門家でもなんでもない男が1000円のはかりを使って出した値なので、データとしての有用性もその程度だと考えてください。
今回飲み残した量は4.46gであり、これは今回の内容量が規定量より多かろうと少なかろうと構造的に残らざるをえない量だったと考えられます。
したがって、飲み残した量を規定量の180gで割ることで、恒常的に何パーセントのウイダーを残しているかを算出できます。
その結果は……!
2.48%!!!
約40分の1を残しているということは、ウイダーを40本飲んだら1本分損することになるという計算です。
くぅ~、悔しい!!
え……、
悔しい……ですよね?
もったいない、ということでいいですよね?
「案外残さず飲めてるじゃん」という考え方もできますか?
正直、人によって感覚が分かれそうな結果で困っております!!
いずれにせよ、青ウイダー1本だけの結果では心許ないので他の味も用意して計測してみました。
これら5種を……
飲んで……
捌いて……
干物にしました。
これを干す時間、人類にとって本当に無意味なんだろうなと感じました。
そんな過程とともに得られたデータがこちら!
(青のエネルギーは先程の計測結果を記載しています)
まず注目していただきたいのは「ブドウ糖」の異常性です。
ブドウ糖のパッケージ重量は9.00gと、他4種の平均より1割以上も重くなっているのです。
それもそのはず。
ブドウ糖のパッケージだけ微妙に形状が違うのです。
捌いた姿を比べれば一目瞭然。
背骨の形状が全く異なります。
他4種では管の途中に穴が空いているような形ですが、ブドウ糖は側面が大胆に開かれており、管というよりハシゴに近いような形をしています。
さらにブドウ糖はキャップも細いです。太い方が開けやすい印象なので、細くされている理由が分かりません。
また、パッケージ背面を見ると、製品の製造所が書かれていました。
これによると、ブドウ糖味は唯一「トッパンパッケージングサービス 嵐山工場」で作られているのです。
なんだかここに秘密があるような気がしませんか。
とはいえ、この工場に突撃して「なんでブドウ糖だけパッケージが違うんですか!」などと問い詰めたりはしません。
なぜなら……
ブドウ糖は他の味よりも飲み残しが少ないというデータが出ているのです。このデータを実現しているのはパッケージの形状に他ならないでしょう。
つまり、できるだけ多くのウイダーを飲みたいという消費者魂を持っている私からすれば、問い詰めるべきはむしろ残りの種類を作っている方の工場だということになります。「どうしてブドウ糖と同じパッケージにしないのですか」と。
しかしまあ、ここまでしなきゃ気づけないぐらいの差だし目を瞑ってもいいかな……とも思います。それに味ごとのパッケージの形状を決めるのは工場ではなく森永製菓だと思うので、突撃すべきは多分森永製菓の方です。(迷惑なので突撃しない方がいいです)
また、イレギュラーなブドウ糖以外の飲み残し率を平均すると約2.78%となりました。およそ36本飲むたびに1本分損する計算です。月3本ペースで飲めば年間1本の損ですね。
なお飲み残し量にばらつきがある理由は、私自身の飲み方の未熟さや、タンパク質(ヨーグルト味)の乳成分ならではの残りやすさなどが考えられます。タンパク質のパッケージを切開した図はなんかグロかったので掲載しませんが、他のゼリーよりも粘着性が高いようで、内部の壁面に多く付着していました。皆さんもぜひ捌いて確かめてみてください。
ということで、ウイダーの飲み残しがどれくらいあるのかを調べてみました。
「どれだけ損をしているかを知る」という妙な動機で始めた調査でしたが、皆さんの日頃のモヤモヤの解消などに繋がれば幸いです。
では次回、「我々は雪印6Pチーズの銀紙に残ったチーズで生涯何Pぶん損をしているのか」でお会いしましょう。
さようなら。