こんにちは。ライターの寺悠迅です。
暑い、暑すぎる。出不精が加速して第一宇宙速度に達する。このまま衛星軌道に引きこもろうかな。
しかし、困ったことにこのシーズンの外食は悪魔的に魅力的。
特に、這う這うの体で店に辿り着き、飲食店特有のコップで提供されるお冷やを口にするあの瞬間。あれは何物にも代えがたい快楽じゃありませんか?
そういうワケで買いました。飲食店のコップ。
コイツがあれば家で外食気分が味わえるので、外食のために太陽の顔色を窺わずに済むって寸法です。
材質はトライタン。合成樹脂の一種でありながらガラスのような透明感を持ち、耐久性や耐熱性に優れた偉いヤツ。
その特性から飲食店で引っ張りだこで、現在(2023年8月)、あのサイゼリヤでもトライタン製の食器が使われているんだとか。
せっかくなので積み映えする量を買いました。もう写真越しに飲食店のテレビのワイドショーの音がする。チャンネル変えさせてくれ。
感触的に、これをダルマ落としの要領で横からブッ叩いても割れることなく吹っ飛ぶと思うんですが、メーカーの人たちの顔を思い浮かべるとやるせなくなるのでやりません。
劇団夏季
このままスッと水を飲んで記事を仕舞いにしたっていい……が! 最高のお冷や体験のためにアツい役者(ラーメン)を用意しましょう。
用意したのは、友人からお土産で頂いた青森県弘前市「中みそ」のインスタント袋麺です。
実店舗の中みそ(友人提供写真)
「中みそ」は青森県弘前市にある中三百貨店のフードコートで提供されているご当地ラーメンで、その歴史は半世紀以上。弘前市民にとってはソウルフードなんですって。
・弘前のソウルフード「中みそ」即席袋麺(みそ味・10袋入り1箱) | THREE MALL
これまた飲食店でよくみるウォーターピッチャーも用意しました。
入れ物で中身の印象が変わるとはよく言ったもので、ただの水道水なのに夏の価値が付加されている気がする。
役者は揃った。
『夏の飲食店』の幕が上がる……
食べて、飲む
うまままままま~い!!!
侮るなかれ、インスタントの細麵なのに生麺のようなコシ! スープは味噌の甘味と強めの生姜が香って……これは……心のまま筆舌すると記事の主役がブレる!!!
いや、ラーメンが思いのほか旨いのは僥倖。なぜなら目的は「お家で外食気分、そのまま夏と絶縁」なのだから。
飯が旨ければ旨いほど、このコップで飲む水も輝くはず……
うおっ……
ちょっと美味し過ぎて不思議なんですけど?
美味しい水のグルメ漫画的表現で「アルプスの高原が見える」みたいなのあるじゃないですか。
僕は今、完全に「開けっ放しの引き戸に揺れる暖色の暖簾」が見えた。ただの水なのに。
樹脂製ゆえに飲み口がキンキンに冷えない感じと、フチの曲線のやわらかな口当たりが家庭のコップと全然違う。口唇の触覚による脳のハック。
想定の5倍くらい鮮明に飲食店がフラッシュバックして、思わず顔がほころんでしまう。
意識したことはなかったけど、盃を傾けるという行為は視界の大半が支配されるんですね。水で満ちた飲食店のコップが視界を占めるので、さながら飲食店VRです。
あと、理屈抜きにラーメンのあとの水はべらぼうにうめえや。
夏は続く。続くったら続く
個人的に満足度は最高です。僕の空想力のブレーキがぶっ壊れてるだけかもしれませんが、本当にお店にいる感覚になる。
こんな限界幻惑トラベラー的な使い方はさておき、割れにくくて扱いやすい素材なので、コップを頻繁に割りがちなご家庭にもオススメです。食洗機にも対応※してるんですってよ!
※メーカーによって違うと思うのでよく確認してね!
しかし、その……アレですね。どんなに美味しくても、というか、美味しかったからこそ……本物の飲食店が恋しくなるね?
………………
………
…
クソ暑いけど行こっか!!!
飯食いに!!!!!
そんなワケで僕は、少年野球の監督が帰りに一杯やってるタイプの町中華に行きますので、これにて失礼いたします。
どうやら、僕がコップに注いだのは”ただの水”ではなく”呼び水”だったみたいですね。お後がよろしいようで……