こんにちは。
ブロス編集部の恐山と加藤と申します。
このサイト「ブロス」は、ふだんコンビニのお菓子を食べて「うめー!」などと言う記事ばかり出す意識の低いウェブメディアなのですが、今回は少し様子が違います。
というのも「地球環境を守る汚水処理技術についての記事広告を書いてほしい」という依頼が株式会社クボタさんから来たからです。
なぜブロスに……? 依頼先まちがってません? すごく意識高いじゃないですか。
逆に面白いので取材することになりました。
株式会社クボタ 膜システム部技術グループ長 大井さんにお話を伺いました。いちばん好きなお寿司のネタは中トロだそうです。
クボタは農業機械やトラクタなどの販売ではよく知られているのですが、上水道や下水道など水事業の領域においても世界的に活躍していることはあまり知られていません。
まあ、フツーに生活していて、排水口に流した水のゆくえに思いを馳せることってないですもんね。
水処理は、環境保全やみんなの健康を守る上でとても大切なことです。もしやらなければ世界は大変なことになってしまいます。ぜひこの機会にクボタの取り組みを知って頂けたらと思います!
なんて真面目で素晴らしい取り組みなんだ。でも、正しいと思いつつ興味は湧かない……。なんか教科書みたいで身近に感じないから……。
やはり、一般の方はあまり興味ないのでしょうか……。
申し訳ありません。僕ら、魔王が言う「愚かな人間ども」のほうなんです。
今回はみんなが水処理を身近に感じられるようがんばります。クボタから特にイチオシしたい商品ってあるんですか?
「膜」です。
ま、膜…?
こちらが紹介していただきたいクボタの製品「液中膜」です。
金魚すくいに持参すると魚を一網打尽にできる禁止アイテム?
金魚すくいは関係ありません。簡単に言うと……。
特殊な膜の微細孔を利用して、活性汚泥と処理水を分離する膜ろ過装置が「液中膜」です。液中膜を使った水質浄化は、ばっ気槽と沈殿槽を使う従来法と比較して「膜分離法」と言うのですが、
膜分離法では、ばっ気槽と沈殿槽のかわりに膜分離槽だけで処理水にすることが可能なのです。膜分離層には膜ユニットが沈められていて、膜ユニットは、ろ板の両側に膜シートを貼った膜カートリッジ、その内側から処理水を抜き出すチューブと集合管、多枚数の膜カートリッジを収納する膜ケース、さらには下部の散気管と散気ケースで構成されています。
「膜」って14回言った!
つまり、一言でいうと……?
「下水がきれいになるすごい膜」です。
最初からそう言ってよ~。
説明だけだとわかりにくいと思うので、実際に液中膜が活躍しているところを見てみましょう。
わかりました。今のところ、すごい興味ないです。
興味ないけど見に行こう!
まずはクボタの社員食堂へ
大井さんが連れてきてくれたのは、クボタの社員食堂。
てっきり下水道に引きずり込まれるのかと思っていたので拍子抜けしました。メシには興味ある!
1日1000人が利用するというこの社食、とにかく安くておいしい!
ヘルシーなメニューが豊富なうえに、大盛りカレーでも250円と超格安。これ食べるためだけにクボタの社員になりたい……。
クボタの社食、めっちゃいいじゃないですか! 膜よりこっち宣伝したい!
ありがとうございます。実は、ここから液中膜が活躍するんです。
厨房の排水を処理する設備へ!
食堂の近くに建っている謎の建造物の前に連れてこられました。
社長室ですか?
違います。社長室だけ外に建ってたらかわいそうすぎませんか?
確かに……。
さて、ここで質問です。もし厨房の洗い物から出た排水をそのまま川に流したらどうなると思います?
うわっ、公共機関のパンフレット漫画みたいなわかりやすい質問してきた! えっと、地球環境がヤバヤバになると思います。
そうです。実はここの食堂では、液中膜を使って厨房排水の処理と再利用を実践しています。ふだん皆さんが出している下水も、全国各地の下水処理場でちゃんと処理されているんですよ。では、実際に上から内部を見てみましょう。
大丈夫? 突き落としたりしない? 穴の奥にピエロとかいない?
ボゴボゴボゴボゴボゴ
ボゴボゴボゴボゴボゴ!!!
うわ~~~~~~~~!!!!!
今まさに厨房排水を処理しています。
洗いもので出た水ってこんな色じゃなくないですか? これ、まさか……。
いえ、これは「活性汚泥」といいます。活性汚泥の中には無数の微生物が生息しており、汚水の有機物を分解してくれます。酸素を与えて微生物の活動を促進してやると微生物が泥のようになるんです。
なるほど。ヨーグルトみたいなものか……。
これが膜ユニットだ!
そして、この泥の中に沈んでいるのが……。
こちらの膜ユニットです。
やっぱ地味ですね……。トゲを生やしたり金色にカラーリングしたりしないんですか?
汚泥に沈めるものがカラフルでも意味が無いので……。この中に膜シートを貼った膜カートリッジが50枚入っており、ろ過した水をチューブで送り出します。
あ! 「カートリッジ」は良いですね。なんか少年心をくすぐる。
そもそも液中膜じゃない処理方法を知らないんですけど、従来法と比べてどんなメリットがあるんですか?
従来法では沈殿槽で汚泥が沈むのを待ってきれいな上澄みと分ける手法が一般的で、広いスペースが必要です。しかし液中膜なら下から送り込まれる空気が常時、膜をきれいに保ってくれているので省スペース。さらにメンテナンスもカンタンです。
液中膜で処理した水がこちらです。トイレの洗浄水に再利用しています。
かなりキレイになった!
大規模な工場やショッピングモールなどは排水の規模が大きく、排水規制の遵守が法的に定められているので、省スペースな液中膜は喜ばれるんですよ。
まとめるとこういうことですね。液中膜が地球環境の保全に貢献してることがお分かりいただけるでしょうか。
なるほど……! 社会科見学で浄水場を見に行ったことありますが、こういうのって大人になってからのほうが面白いですね。仕組みが分かるのが単純に楽しい……。
確かに。自分で水道代払ってるからかな?
子どもがワクワクするCMを作ってみた
でも、くっそ地味ですね。
くっそ地味……。
液中膜はたしかにすごいですが、クボタのユーティリティビークルのようなごっついものと比べると、見た目にわかりやすいカッコよさがないですよね。小学生が「ママ~! ボクも液中膜欲しい!」と言うでしょうか?
まあ、ならないでしょうね。というか液中膜は小学生が買うようなものではないので……。
それが甘いと思います。認知を広げるためには子どもにも知ってもらうべきです。
そこで提案なのですが、「子どもが興味を持つ」「わかりやすい」「派手な」液中膜のCM動画を作ってみませんか?
CM動画?
クボタの取り組みはすごいけど、「下水の処理→環境問題→真面目→退屈」というイメージを持つ人も多いハズです。なので、逆にメチャクチャ楽しい液中膜のCMを全国のテレビで流して、つまらないイメージを覆してやりましょう!
クボタのキャンペーンコピーは「壁がある。だから、行く。」ですよね。一緒に壁をぶち壊しましょう!
そこまで言うのであれば……わかりました。お任せします!
こうして「メチャクチャ楽しい液中膜のCM」の撮影が始まりました。
「メチャクチャ楽しいCM」作ってみた
~数日後~
完成いたしました。こちらが「メチャクチャ楽しいクボタ液中膜のCM」です。
まず商品名のロゴはスピード感のあるカラフルなものに。ナレーターのテンションは高くノリノリでいきます。
カートリッジを装填するところがかっこよかったので使いました。
「SHOOT!!」など、英語を使うとアメリカンでカッコいい感じになります。
子どもが喜んでる様子も必須ですね。ちなみに子どもは有料動画素材で、4,320円しました。
「好評発売中」の文字がちょっと斜体になっているのがポイントです。
最後の数秒に、関連商品の紹介がはさまります。クボタの小型浄化槽「KZ-5」を紹介してみました。
いかがでしょう?
これを朝の7時半のテレ東あたりで流せば、子どもを中心に「液中膜ブーム」が巻き起こるはずです!
ええと、前も言ったのですが、液中膜技術はおもに「企業向け」でして……。あと、前回言い忘れていたんですが、CM動画にはすでにこういうものが……。
女優の長澤まさみさんが、ミュージカルにのせてクボタの水処理技術を紹介するという楽しいものなんですが……。
液中膜はすごい
というわけで、制作した動画は徒労に終わりましたが、クボタの液中膜技術がスゴいのは事実。
集合住宅や病院や工場など、幅広い分野で活躍しているクボタの液中膜。あなたは知らなくても、あなたの出した排水は通り抜けたことがあるはず。
世界中で活躍しているクボタの水処理について知りたい方や、ただ長澤まさみさんが大好きな方はこちらをご覧ください!
こちらからは以上です。液中膜最高!