魅力のあるものを作るには
無造作に置かれたドエッチなラフ
「恐ろしくざっくりした質問で恐縮なんですが、僕含めこれからえっちな絵を描こう、描きたいという人に、こうすればいいよというアドバイスがあれば頂けますか?」
「うーん、なんでしょうねー。難しいですね~」
「練習あるのみ、ですかね」
「あ、それはそんなに考えなくていいかも知れませんよ!」
「えっ」
「思うんですが、自分に厳しくすると技術は上がると思います。でも自分に甘くすると魅力が上がるんですよ」
「あっこれはすごい。詳しくお願いしてもいいですか」
「名言だ」
「自分の描いたものに対して、自分はこれ好きだなーとか、何か分かんないけどすごいかわいい!!って甘やかしてあげて描けば描くほど魅力はつくんじゃないかなと思うんです~」
「うわー…普段割と『デッサン狂ってる!こんなんじゃダメだ』って自分にダメ出ししがちな僕みたいな人間には、すごく沁みるというか、救われます。もっと『なんか良いな~』を大事にします!」
「特に今はSNS等の発展で、ツッコミが入りまくる時代だから厳しくしがちですよね!今から描きだす人達は大変だと思います。そういう意味では、その手のツッコミを無視するというか、空気を読まないで好きなようにやるのが大事なのかも。自分でコミュ症だと思ってる人、絵に没頭するチャンスですよ~!」
「インターネットで不特定多数からのツッコミ、僕は意識してしまう側なんで身につまされます…!」
「信頼できる人からのアドバイスなら良いんですけどね!」
「『まだ満足してない触手がいるよね?』って言ってくる人ですね」
「パンティ」と呼ばせんかい
「ツッコミでいうと最近気になってることがあるんですよ」
「まためちゃくちゃ良い話が聞けそうですね」
「『パンティ』って言いたくないですか?」
「先生?」
「言いたいですね」
「どういうことだよ」
「女性のセリフで『パンティ』って書くと『今時そんな呼び方する女性いません!』と言われたりするんですが、私は『パンティ』が良いんですよ!『パンツ』や『ショーツ』じゃグッとこないんです!」
「あー! そういうことですか! 僕も最近巨乳の人を『おっぱいちゃん』て呼びたくて仕方ないんですよ」
「それは普通にやめろよ」
「自分が『グッとくる』って創作ではきっとすごく大切なんですよ!例えば最近では髪の長い女性キャラの入浴シーンで、髪をタオルでまとめずに湯船に入るとツッコミが入っちゃいますよね」
「『そんな入り方しません!』みたいなことですよね」
「そうですそうです~。でも、湯船に長い髪がぱーっと広がるのを描きたい、それにグッとくるというならそれで良いと思うんです!もちろんタオルでまとめるリアリティにグッとくるならそう描けば良いんですけど」
「現実として正しいのと、フィクションとして正しいのはまた違うってことですね」
「深い話だなぁ」
「だから私はこれからも『パンティ』と書きます!!!」
「堂々と宣言されても困りますが、頑張ってください!」
えっちな絵を見てもらおう
緊張でおかしくなった凸ノと他人ごとの永田
「あの…じつはみさくら先生に見てもらいたいものが…」
「はい! 凸ノさんもえっちな絵を描いてきたということで~」
「はい…それでみさくら先生にアドバイス頂けないかと…! 女の子をかわいく描けるようになって、売れたいんです! そして稼いだお金でかわいい女の子を眺める屋さんに行きたいんです! それでまたかわいい女の子を描いて…」
「そんな『屋さん』は知りませんが、私で良ければ見させてもらいます!」
「えっっっっっろ。知り合いが描いたエロ絵って見るの初めてかも知れない」
「どうでしょうか…?」
「いいじゃないですか!1億点ですッッッ!!」
「点数のインフレすごすぎませんか?」
「お腹がいいですね~。擬音の『ギ』の濁点がハートになってるのもポイント高いです。あっ、涙目ですね!よだれと奥歯の感じもえっちじゃないですか!!!」
(す…すごい…こだわりを一瞬で見抜かれてしまった…)
「恐縮です!!!描く前は恥ずかしくて死にそうだったのですが、ええいもうエロいって思われてもええわ!て。自意識の壁を少しだけ乗り越えられた気がします。乳首描くのって楽しいですね」
「これは凸ノさんの実際に使ってる椅子ですか~?」
「はい! 自分のデスクも背景にして、仕事部屋でポーズの参考だと言いながらエルちゃんにけしからんことをしているという設定です」
(今回のお題は「アシスタントエルちゃんのえっちなお手伝い」でした)
「このスケベ野郎!!」
「なるほど~。これは何時くらいの設定ですか?」
「えっ……? あ…いや、そこまでは考えてませんでした! 昼かなあ…真っ昼間からえっちなことしてるってのが、良いんじゃないでしょうか」
「昼間なんですね! これが例えば夕方ならちょっと夕暮れっぽい光の感じにしてみるとか、薄暗くして秘めごと感を出したり、そこを覗いてる感じにしてみたり、舞台設定まで漂わせられると、もっとえっちになるかも知れませんね!!」
「は~~~! 確かに!! 考えてもなかったです! みさくら先生は場面を作る時に細かいところまで決めてるんですね」
「場合によりますが、たとえば複数人から全身にぶっかけられてる場面だったとしたら、『そこにかける意味はあるのか?』とかですね。『肩にかける奴がいるか?』とか。キャラたちはどこにぶっかけたいと思っているんだろう~…とか」
「触手の時といい、状況をイメージする力がすごい」
「これも友達に言われて初めて考えたんですけどね!『何でこいつはここにかけてるの?』って」
「だからその人は何なんですか? 達人?」
「めちゃくちゃ緊張しましたが見て頂けて良かったです! えっちな絵は楽しいですね!! は~かわいい。甘やかしていきます。今日はありがとうございました!!」
「ありがとうございました! 大変えっちでございました」
「頑張ってください~」
「最後に1ついいですか」
「はい」
「自分の絵でムラムラしたりしますか」
「終わりがけに駆け込みでセクハラすんな」
「お疲れ様でした!!!」
みさくら先生と話して
「これが私の中のエロです」と堂々と掲げる凸ノ(照れが残る)
はい。というワケでみさくら先生に色々と伺ってきました。
セリフ回しやあのポーズ、精液の量に至るまで、しっかりしたロジックのもとに描かれていたのが、当然の話なのに印象深かったです。
何より「自分に厳しく、自分に甘く」の話は、絵を描く全ての人に何かしら響く話だったのではないでしょうか。
みさくら先生は、作家が表に出ることで作品の見え方が変わってしまうことを気にかけつつも、
「これからは表に出る作家も沢山増えるでしょうね」とおっしゃっていたので、時代を把握しつつもご自身のスタイルを貫かれている方なのだなあと思いました。
技術的な話より心構え中心の企画となりましたが、自分で描いてみて分かったのは
「えっちな絵は心構えから始めるべし」だったので、そこを中心に紹介しました。
えっちな絵を描くことは「私はこういうのをえっちだと思っていますよ」という宣言であり、
かわいい女の子を描くことは「私はこういうのをかわいいと思っていますよ」という宣言です。
そこに照れて立ち止まっていてはいけないのです……
これからも照れの壁と戦いながら描いていこうと思います!
そこの君もトライだッ!!!
「エロ漫画やエロイラストの技術って、あまりスポットライトが当たらないものですが、実は膨大なノウハウと哲学の塊でしたね…」
「これは後世に伝えていくべきですね!」
「僕ももっともっと学びたくなりました」
「またやりましょう!!!(えっちな絵が見たいから)」
ということで次なるえっちマイスター
カリを洗って待ってろよ!!!!!
みさくらなんこつ先生本当にありがとうございました。
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