基本的に、好き嫌いはあまりないほうなんですが、僕が唯一食べれないもの。

 

それがこれ

 

 

 
 
ホヤです。

 

 

 

※Wikipediaより転載

 

 

 

Wikipediaに記載があるくらいの好き嫌いの分かれる食材。とにかく臭い。
 
 

好きな方には申し訳ないんですが、食い物なの、これ? グロすぎる臭すぎるマズすぎるの三拍子揃った生ゴミ界のイチローでしょ。朝カレーでも食ってろ、バーカ!

 

 

と、まあ、今までは毒づいてたんですけど、いつまでも好き嫌いしてる場合じゃないなって。僕も立派な社会人なわけですし、好き嫌いがあるのは恥ずかしい。というわけで、今回はホヤを克服しようと思います。 

 

 

 

 

 

まあ、まずはね。食べてみなくちゃ始まらない!

 

 

 

 

早速ざっくり切って、刺身にでもするかなー。
と思って、包丁を入れたら…

 

 

 

 

 

出てきたのが、これ。

 

 

あ、ごめん。無理だわ。
ごめん。今日、塾の日だし。お腹も痛いし。電車も遅れてるし。無理だわ。俺、帰るわ。

 

 

うう…、ひどい。ひどいよ。これはあんまりだ。いくらなんでもグロすぎるだろ!
あ、事後報告になりますが、この特集、グロ注意です。

 

 

あと、それから写真じゃ伝わらないけど、めちゃくちゃ臭い。鼻という器官を作った神を恨むレベルで臭い。原罪レベルで臭い。

 

 
とてもじゃないけど、食えません!

 

 

 

 

 

 
 
 
臭いに慣れなきゃどうしようもない。
ようし、この磯臭さを克服してやる!

 

 

ときに、みなさん。好き嫌いを克服するのに有効な「好きなものと混ぜる」という方法をご存知ですか?

 

ピーマンが嫌いな子供がいたら、ピーマンの肉詰めを作って食べさす、というアレです。
この手法を取り入れて、さっくり克服しちゃいましょうよ。

 

 

え? 僕の好きな食べ物ですか?

 

 

 

 

 

FRISKです。

 

 

ホヤの中身を食べるのはキツいので、外のブツブツをカットしたものを

 

 

 

 

 

こうやって、FRISKの箱に入れて、と。

 

 

「あー、なんかスッキリしないなー」っていう時に、2,3粒食えばホヤの風味が口中に広がる。それがこのHOYASK

 

 

 

さっそく食ってみる。

 

 

 

「あー、なんかスッキリしないなー。HOYASKでも食うかー」

 

 

 

パクッ

 

 

 

 

 

 

 

生臭っっ!!!!

 

びっくりしたわ。世界中の魚屋が俺の口に集まったかと思った。築地が俺に移転したかと思った。SHARPENSなものが胃からこみあげてくるわ。

 

 

ダメだ。口に入れるとかまだ早い。

 

 

 

 

 

 

こっちから攻めていこう。グロさを克服をする。食べ物において、視覚要素って結構強いからね。見た目を克服すれば簡単に食えるはず。

 

 

まあ、とは言ってもなぁ…

 

 

 

 

これだよ?

 

どうしようかなぁ。

 

まあ、超好意的に捉えれば、アートっぽく見えなくもない、よね?
超好意的に捉えつつ不良から警棒で数発殴られ校舎中を引きずり回され「アートだべ? これ、アートだべ?」って聞かれれば、「ア、アートです…」って答えなくもない、よね?

 

 

よし、決めた。ネックレスにしてみよう。

 

ヒモでホヤとホヤを繋いで、と

 

 

 

 

よし、できたー! 
後はこれをゴミ箱に投げ捨てれば、完成かな?

 

 

ん、いや、でも待てよ。
これって、もしかして…

 

 

 

 

これを着て

 

 

 

 

これを巻いて

 

 

 

さっきのゴミを着ければ

 

 

 

 

 

あ!

 

 

 

 

 

破戒僧だ!!

 

 

 

 

 

やったー! こいつ格ゲーだったら結構、強キャラじゃん!

 

多分、隙の少ないガード不能技を2,3種類持ってるじゃん!
レバー1回転×2+パンチボタン同時押しで「南無妙法蓮華経」って超必殺技が出るじゃん! 多分、めっちゃ吸い込む投げが出るじゃん!

 

やったーー!! 破戒僧だーーー!!

 

 

やったーーーーーー!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

だから何?

 

 

 

 

 

だから何なの?

 

繋いだら破戒僧の首飾りっぽいって理屈で好き嫌いが克服できるなら、犬のクソだろうがボルトナットだろうが、何でも食えるって話になるからね?

 

 

 

違うでしょ。
見た目を克服するってそういうことじゃないでしょ。

 

見た目を克服するっていうのは…

 

 

 

これを

 

 

 

 

こうでしょ。

 

マスコットキャラ「ホヤ夫くん」の誕生でしょ。ちょっと可愛いし。

 

 

 

 

 「ねえねえ、お兄さんお兄さん」

 

 「ん? どうしたんだい、ホヤ夫くん」

 

 「僕ってさあ、マボヤ? アカホヤ?」

 

 「うーん、マボヤじゃない? 多分」

 

 「そっかぁ、マボヤかぁ。そっかぁ」

 

 「どうしたの?」

 

 「僕、いつお兄さんみたいな人間になれるの?」

 

 「え」

 

 「僕、お兄さんみたいになりたい」

 

 「そ、そうだなぁ。いい子にしてればなれるんじゃないかな?」

 

 「やったー! じゃあ僕、いい子にしてるね! お兄さん!」

 

 「う、うん」

 

 「あ、お兄さん、僕アイス食べたいな」

 

 「こらこら、言ってるそばから、いい子じゃないぞ」

 

 「うん、しばらくホヤでもいいや。だからアイス食べたいな」

 

 「まったく現金だなぁ、キミってやつは」

 

 

 

あ、この路線だわ。
可愛い。ホヤ夫くん超可愛い。

 

 

 

 

 

 

好き嫌いを克服する最高の方法。それは食材と友達になること。
そう、ホヤは友達。怖くない。

 

 

 

 

というわけでアイスを買いに来ました。

 

 

 

「ほら、ホヤ夫くんいっぱいあるよ。どれがいい?」

 

 

 「断然、ポッピングシャワーだね」

 

 

 

 

 

「おいしいね、ホヤ夫くん」

 

 

 

 「はい、お兄さんの好きなオレオクッキーアンドクリームだよ」

 

 

 

 

「ん、ありがとう。ホヤ夫くんは優しいなあ」

 

 

 

 

 

 

 

 

「いくよー」

 

 

 

 

「それー!」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ほら、ホヤ夫くん。猫だよ、猫」

 

 

 「見たことないレベルで威嚇されたよ。お兄さん、僕怖い!」

 

 「猫ってあんな牙むくんだね~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「たくさん遊んだ後のお風呂は最高だね、ホヤ夫くん」

 

 

 「気持ちいい~」

 

 

 

 

 

「ブラッシングしてあげるよ、ホヤ夫くん」

 

 

 「極楽~」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 「いやー、今日は楽しかったね、ホヤ夫くん」

 

 「…」

 

 「あれ?さっきからホヤ夫くん殺人的な異臭がするけど、オナラした?」

 

 「…」

 

 「こいつぅ~、しらばっくれる気か~!」

 

 

 

 「え? ホヤ夫くん…?」

 

 「ホヤ…夫く…ん?」

 

 

 

ま、まさか…

 

 

 

 

 

 

鮮度が!?

 

う、うわああああああーーー!!!
ホヤ夫くん! ホヤ夫くん! 大丈夫か、ホヤ夫くん!?

 

 

 「お兄さん…」

 

 「ホヤ夫くん!」

 

 「ごめんなさい、お兄さん…」

 

 「何を謝ることがある! いいから今は安静にしてるんだ!」

 

 「僕、本当は…、人間になれないこと知ってたんだ…」

 

 「え?」

 

 「お兄さんを…困らせて…ごめん、なさい…」

 

 「バカヤロウ! 今はそんなことどうだっていい! いいからもう喋るな!」

 

 「でもね、お兄さん…、僕…、短い間だったけど…、」

 

 「もういい! もう喋るな! そんな言葉聞きたくない!」

 

 「お兄さんと…、本当の兄弟になれたみたいな…、気がした…よ……」

 

 

ドサッ

 

 

 「ホヤ…、ホヤ夫くーーーーん!!!!!」

 

 

 

…ちくしょう、俺はなんてバカなんだ。

 

俺は初めから知っていたのに。

 

ホヤは首に巻いて破戒僧ぶったり、服を着せてお風呂に入ったりするものじゃないって。
初めから知っていたのに!!

 

自分に言い訳して、結局ホヤを食うことから逃げていただけだ…。
ごめんよ、ホヤ夫くん。謝らなきゃいけないのは俺のほうだ。

 

ホヤは食べ物。
そんな簡単なことに友人を一人失うまで気が付かないなんて。

 

 

 

 

 

…ホヤ夫くん、俺、食うよ。

 

俺、ホヤを食うよ!
ホヤ夫くんを食うよ!

 

 

俺はもう逃げない。

 

 

 

 

 
 
ホヤ夫くん、キミの死は決して無駄にはし…