こんにちは、ペンギンです。

 

突然ですが、

 

昔のアニメの主題歌って、

何て言ってるかわからない歌詞

がありませんか?

 

哲学的すぎて詞の意味が分からないという意味ではなく、シンプルに何て言ってるかわからない歌詞

 

たとえば、こちら。

 

(「日本アニメーション株式会社」公式YouTubeより)

1975年のアニメ「フランダースの犬」の主題歌、『よあけのみち』

 

もちろん僕は「世代」ではないのでリアタイ視聴はしていませんが、懐メロ特集などで何十回も聴いているので、主題歌は耳にこびりついています。

いつもなんとなく聞き流しているので、考えたこともなかったですが、

 

「ラララ~ ラララ~♪」
 
(上記動画より引用)

 

最初の歌詞、何て言ってるんだ?

 

ラララ~ ラララ~♪

まではわかります。歌詞にありがちな「ラララ」ですからね。

しかし、その直後。

 

「プリングルス プリングルス レタス プリングルス」
 
(上記動画より引用)

 

めっちゃ早口で「プリングルス」って言ってませんか?

(途中で一旦、野菜も挟んでいる)

主題歌の頭から、いきなり意味が分からなすぎる早口。これが「世界観に引き込む」ということでしょうか。

 

まあ、そうは言ってもプリングルス プリングルス明らかに外国語なので、聞き取れなくて当たり前ともいえるでしょう。

(「フランダースの犬」そのものが外国舞台の話ですし)

 

 

でも、昔のアニメ主題歌って、

明らかに日本語なのに何て言ってるかわからない

ことも結構ありませんか?

 

たとえば、こちら。

 

(「株式会社トムス・エンタテインメント」公式YouTubeより)

1964年のアニメ「ビッグX」の主題歌、『ビッグX』

手塚治虫原作で、谷川俊太郎が主題歌の作詞をしているそうです。

僕は初めて曲を聴いたのですが、聴ける人は歌い出しだけでも聴いてみてください。

 

「ンナァ*ンが~ ***ンヘェ~~♪(ヤァッ!)」 
(上記動画より引用)

 

何て言ってるんだ!??

 

僕は、全く聴き取れませんでした。皆さんはどうでしたか?

 

日本語なのは間違いないでしょう。

それなのに、歌い出し1文字目からもうわからない。

母音が何なのかもよくわからない。

確実に聞き取れる音がないのに、「日本語」だとは認識できるのもすごい。

 

5-6回くらい聴き直してようやく、

 

弾な~んか 跳ね返せ~♪(ヤァッ!!)

ジェット機だ~って ケツ掻けや~♪ 

(上記動画より引用)

 

と、僕は聴き取りました。

(※「ケツを掻け」:「屁の河童」や「へっちゃら」と同じ意味の言葉だと思います)

 

もちろんこれは、歌い手や歌詞に問題があるという話ではありません。

昔のアニメの歌って、収録環境のせいかが全体的につぶれていたり、子どもが声を張り上げて歌っているせいか声が割れていたりと、環境的に厳しい故に現代と音質が違うのではないかと思います。

つまり、ヌルい環境に慣れた現代耳の僕には聞き取れない、ということなのでしょう。

 

=====

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『ウルトラマンの歌』

ある日、Spotifyで音楽をランダム再生していたら、

 

『ウルトラマンの歌』のイントロが流れてきました。

言わずと知れた、初代ウルトラマンの主題歌です。

 

「ウルトラマン」は1966年のテレビ番組で、当然リアタイもしていませんし、僕はちゃんと観たこともありません。

でも主題歌は知っているし、好きです。

観たことすらないのに、主題歌はよく知っている。

 

Spotifyでも「お気に入り」のマーク(✅)をつけていて、もう何度となく聴いた曲です。

聴くときにいちいち身構えない。自然に入ってきて、自然に流れていく曲。

今日もまた、いつもの聴き方のまま過ぎていく、無数の一瞬のうちの1つのはずでした。

 

しかし、なぜかその日は、たまたま歌詞が耳に入ってきたんです。

特別何かを聞こうとしていたわけでもないし、別にいつも「聞こえて」はいた。

でもたまたまその日は、「入ってきた」

 

聞こえるだけの歌詞「音」ですが、入ってくる歌詞「言葉」です。

歌詞が入ってきて、そして、

 

今、

何て言ってるかわからない歌詞があった気がする。

 

いや、しかし流石に。

 

そんなわけがない。

 

その歌詞は「ウルトラマンの歌」の中でも、最初も最初。

2番とか、2個目の変化球サビとか、そういう「あまり聞いたことない」箇所ではありません。

歌の中でも、何なら「一番聞いたことある」フレーズといっても良いくらい、最初も最初。

 

今まで疑問に思わず、何十回も聞き流せているはずがない。

さっきは、ちょっとぼーっとしていただけ。

今度は流石に聞き取れるはずです。

 

巻き戻して、もう1回聴いてみましょう。

 

最初の歌詞。当然、わかります。

今度は集中して聴いているので、「聞いてなかった」では通りません。

 

そして、次。

 

え?

 

 

???

 

何て言ってるか、わからなかった。

 

自慢の、何?

「ェエッッオ」としか聞こえない。

どうやって敵をうつの?

 

巻き戻す。

 

ェエッッオ。

 

巻き戻す。

 

ェエッッオ。

 

やっぱり、聞き取れない。

ェエッッオにも聞こえるし、ヘッドにも、ヴェッチョにも聞こえる。

もしかしたらニェエッノかもしれない。

いや、リェッショかもしれない。

 

本当はなんて言ってるんだろう?

 

今の時代、こんなちっぽけな疑問はググって2秒で解決します。

というか、Spotifyの歌詞表示を見れば0.5秒・親指1回で解決。

 

 

いやでも、どうですか?

ウルトラマンの歌詞の最初に出てくる単語で、

自慢で、

敵をうつ「ェエッッオ」ですよ。

 

作品も有名だし、代表的なワザ関連の単語っぽいし、何より母音がわかっている

ヒントがそこそこ出揃っています。

 

直接調べなくても、ギリわかりそうじゃないですか?

 

せっかくなので考えてみたい。

 

ウルトラマンの「自慢のェエッッオ」とは、何なのか?

 

※注①※
『ウルトラマンの歌』を聞いたことがある人、知っている人、そして「ェエッッオが何なのか」全然わかる人。
申し訳ありません。以下、哀れな人間の「もがき」をご覧ください。

 

※注②※
『ウルトラマンの歌』を聞いたことがない人、知らない人、そして「ェエッッオが何なのか」確かにわからないという人。
一緒に歩きましょう。
Spotifyなど音楽サブスクの他、以下のサイトで試聴・購入もできるようです。
ウルトラマン 主題歌・挿入歌 大全集(HMV)

歌そのものを聞いてからでも、聞かないままでも、次に進んでもらって大丈夫です。

 

ちなみに、周りの人たちに該当箇所を実際に聞いてもらった結果がこちらです。

 

【普通に聞こえたよ派】

「もともと歌は知ってるし、知ってるからか普通に聞こえました

「歌詞知らないかもと思って聞きましたが、聞いてみたら知ってたし聞こえました

 

【確かに聞こえないかも派】

「今まで雰囲気で流していましたが、確かになんて言ってるかわからなかったです」

聞こえなかったです。なんて言ってるかすげー気になるけど、自分で気づきたい気持ちもある」

「気にしたことなかったけど、確かにわからない

 

ということで、

 

という意見が多かったです。

 

「世代ではないからか、歌そのものを聞いたことがなかったです(ウルトラマン本編も未視聴)

という人もいました。

 

「ェエッッオ」の可能性を考える

ここからは、手持ちの情報「ェエッッオ」の正体を考えていきます。

僕がウルトラマンに関して知っている手持ち情報は、恥ずかしながら

 

など、超基礎的なものしかありません。

これ以上のウルトラマン情報は調べないこととします。

 

ウルトラマンに関係しそうな単語は、SNSでミュートにしておきます。

万が一、歌詞に関係するキーワードが流れてきたらその時点でおしまいだからです。

僕がウルトラマンに詳しくないため、正しいかどうかよくわからないまま適当に単語を並べ立てています。

 

ではじわじわと、「ェエッッオ」が何の単語かを当てるための考察を始めていきましょう。

 

文法的に考える

さて、「~で敵をうつ」という文構成からして、「ェエッッオ」ワザや武器である可能性が高いです。

そんなの直感的に当たり前ですが、ここでは余計な思い込みは捨てて、少し調べながら考えてみます。

(ウルトラマンとは関係のない日本語に関する知識なのでセーフとする)

 

この「で」は、調べたところによると「格助詞」と呼ばれるもので、ざっくり7種類もの用法があるそうです。

たとえば、「空き地遊ぶ」のように「場所・場面」を表す場合もあれば、「手紙伝える」のように「手段・方法」を表す場合もある。

他にもいろいろ。

 

「手段・方法」「で」だと仮定すると、「ェエッッオ」「パンチ」とか「棍棒」のような、敵をうつ「手段・方法」に関する単語、すなわちワザや武器ということになります。

 

 

しかし、この「で」「場所・場面」「で」だと仮定すると、「ェエッッオ」「怪獣ボコボコ専用ハウス」のように、敵をうつ「場所」を表している可能性も、文法上は考えられます。

 

 

また、「期限・限度」「で」という用法もあります(例:40秒支度しな)。

この場合、「自慢のェエッッオ」が実は、「3分間しか活動できない」というウルトラマンの制約に関する表現である可能性も生まれます。

 

普通に考えればワザや武器なのでしょうが、余計な思い込みがあると後で痛い目を見るかもしれません。

こういった「文法トリック」の可能性も一応頭に入れながら、検討を進めることにしましょう。

 

文脈的に考える①

「ェエッッオ」が仮にウルトラマンのワザや武器だとして、候補としては何が当てはまりそうでしょうか?

 

やっぱり、スペシウム光線?ビーム?

それとも、パンチ?キック?

もうちょっとざっくりした、パワー?

 

非常に重要な情報として、何回聴いても「ェエッッオ」と聞こえる、つまり母音が「E+ッ+O」であると考えられます。

 

そう考えると、光線も、パンチも、パワーも、どれも母音が明らかに違うため当てはめることができません。

 

「ェエッッオ」と聞こえるので、EとOの間に「ッ」が入る可能性もかなり高い。

何しろ、「エオ」じゃなくて「ェエッッオ」ですからね。

 

正直、母音の数や「ッ」の有無に関しても、まだ確証は得られていません。

「自慢の英語で敵をうつ(手段の「で」)」とか、「自慢のデートで敵をうつ(場面の「で」)」の可能性も捨てきれないんですが、ここは一旦固定しないとこれ以上歩けなくなってしまうので、「E+ッ+O」だと考えて歩くことにしましょう。

 

「E+ッ+O」だとして、ウルトラマンのワザや武器としてパッと思いつく単語は当てはまりません。

 

しかし、この歌はウルトラマンの主題歌の最初も最初

僕が知っている他のヒーロー主題歌の同じような箇所を想像しても、やはり「ヒーローが繰り出すワザや武器」と考えるのが妥当そうです。

 

憶えていた「マジンガーZ」の歌詞の一部(多分)

 

憶えていた「仮面ライダー」の歌詞の一部(多分)

 

もしかして、ウルトラマンを知らない僕には想像できない、何か独特の単語、あるいは固有名詞なのでしょうか?

(たとえば、マジンガーZの歌詞に出てくる必殺技「ブレストファイヤー」みたいなやつ)

だとしたらお手上げです。

 

しかし、主題歌の最初の最初に、たった2音で、知らない単語を自然に出せるだろうか?

もし不自然な歌詞だとしたら、さすがにもっと前から「おかしい」と気づいていた気がする。

 

ここは、知っている単語、少なくとも聞いたことはある単語だと信じてワザや武器っぽい単語を自力で見つけ出すことにしましょう。

 

文脈的に考える②

歌詞の最後にある「うつ」についても、注意が必要かもしれません。

この「うつ」って、漢字だとしたらどういう字になるでしょうか?

僕は3つの可能性を考えました。

 

「敵を撃つ」だとしたら、「銃でマトを撃つ」のように、飛び道具的な武器で対象を「うつ」動作ですね。

 

「敵を打つ」だとしたら、「バットでボールを打つ」のように、直接打撃を加える武器で対象を「うつ」、インパクト的な動作になります。

 

「敵を討つ」だとしたら、「刀で敵(かたき)を討つ」ように、武器の性質ではなく「かたき討ち」など目的重視の行動を表しているとも考えられます。

 

今のところは、いずれの可能性も排除できませんね。

 

こんなに短い文章なのに、可能性を考え始めると無限に広がってしまいます。

 

慎重かつ大胆に「ェエッッオ」の正体に近づくために、僕は何をすれば良いでしょうか?

 

「ェエッッオ」の候補を洗い出す

この単語は、【母音が「E(え)」の文字】+【ッ】+【母音が「O(お)の文字」】で成り立っていると思われます。

 

【母音が「E(え)」の文字】は、数えてみたところおそらく42種類

 

【母音が「O(お)」の文字】は、おそらく50種類

 

つまり、【母音が「E(え)」の文字】+【ッ】+【母音が「O(お)の文字」】の組み合わせは、

42通り×50通り=2100通り

です。

 

全然、有限。

全然、全通り当たれますね。

仮に1単語あたり5秒かけて吟味したとしても、3時間くらい。

 

全通り考えてみましょう。

 

正直、「ヂョ」とか「ヴェヅォ」のように、考えるまでもない組み合わせも大量にありそうですが、「まあここら辺はないだろ」と気を抜いて調べてしまうと、思わぬ落とし穴があるかもしれません。

グェス」だとか、フョードル」だとか、ツェリードニヒ」だとか、何があるかわかりませんからね。

 

全通りやる。

それが流儀。

 

簡易的な「EッO全通り調べ機」を作りました。

これを使って、候補になりそうな単語を見つけ出していきます。

 

こんな感じで、

 

くるっと1文字分回せば、

 

 

全通りの「ッオ」を調べられます。

この皿を「ッO」の数だけ作って、調べていきます。

 


ケッオ

 


セッオ

 


テッオ

 

そんなわけなさすぎる単語が続きます。

正直「ッオ」なんて丸ごとスキップしても良い気がしますが、そういう思い込みで真実ごとスキップしたらおしまいです。

 

全部やる。

それが流儀。

 

 

1枚の皿で大量の「ッO」を作ります。

ウイルスも、こういう風に生まれていくのかもしれない。

 


ネッコ

 

やっと、候補になり得る単語が出てきました。

 

自慢の根っこで 敵を討つ。

「根源的な自信、絶対に折れない心があるから敵に立ち向かえるんだ」ということを表しているのかもしれません。

(この「で」は、おそらく「状態」の「で」です)

 

「根っこ」は、全通りやらないと出てこなかったと思います。

良い調子です。

 


スェッコ

 


ツェッコ

 


ギェッコ

 

そんなわけない単語のターンが異様に長い。

心が折れそうになりますが、歩き始めたらもうやるしかない。

 

ちなみに接写で撮っている理由は、引きにすると

 


ペッオギェッコジェッソヂェットビェ

 

こんな景色だからです。

 

「ット」に入って、急にフィーバータイム突入。

ありそうな単語がたくさん押し寄せてきました。

こういうのにも、相性ってあるんですね。

 

パンチとかキックなどのワザを、全部まとめて「セット」と言っている。

 

「インターネット」で叩くことを「うつ」と言っている(場所の「で」)。

 

「仮面(=ヘルメット)」で頭突きをしている。

 

ウルトラマンは、実は「ビショビショ(=ウェット)」である。

 

ウルトラマンが、宇宙犬をけしかけている。

 

===

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ということで全通りやりましたが、

 

正直、候補にしても良い単語はかなり少なかったです。

 

僕がもっとイタリア語とかに詳しければ、「ッツォ」とか「ッジョ」とかでもっと単語を出せたかもしれません。

 

また、全通りを調べてみても、「これが自慢の●●だ!」と確信できる単語は見つかりませんでした。

 

「自慢のヘッド(頭突き)」とか、「自慢のジェット(すごい速さのパンチ)」とか、成立はしているんですが「これだ!」とまではいかない。

これ以上、どうやって調べれば良いだろうか。

 

残る手段は・・・

 

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