ミニチュアサイズのマスコットってどうしてこんなにも心がくすぐられるのだろう。

最近はカプセルトイや100均雑貨の流行で身の回りのお菓子や文具、家具も何もかもが精巧なミニチュアマスコットキーホルダーになっている。やりすぎというくらいに。

普段見慣れたものが手のひらサイズになるだけでとしちゃうのは事実。ミニチュアになる前はそんな特別な感情を持っていなかったのに、サイズをいじるだけでかわいく思わされてしまうのもなんだか悔しい。私はミニチュアマスコットにナメられてるかもしれない。

 

ーサイズの小ささだけが「かわいい」の要因か?

え?

ー他に着目するべき点があるのではないか?

 

その声は……マスコットのチェーンから聞こえてる?

確かに、マスコットキーホルダーにはチェーンの存在が不可欠だ。チェーンなしで卓上に置くフィギュアタイプのマスコットもあるが、チェーンがつくことで「キーホルダー」としてパッケージングされるような気がする。

偉大な存在、それがチェーン。

チェーンにもさまざまな種類が存在している。以上はその一例だ。

一番ポピュラーなタイプといえば左端のボールチェーンだろう。何かと外れやすく、気づけばカバンから滑り落ちてマスコットごと紛失していることでも名高い。

これがつくだけでなんでもないものたちも「そういう商品」の顔をしてかわいく収まってくるような気がする。もはやミニチュアサイズでもないのに急にキャッチーな顔をしてこちらに寄ってくる。やめなさい、私は屈しませんよ。

 

ボールチェーンの持つ力は偉大だ。もはや君がいればミニチュアマスコットキーホルダーはミニチュアサイズにしなくても「かわいい」の器に収まってしまうのかもしれない。

……もはやミニチュアサイズにならなくても?

ボールチェーンのお母さん……

そう、ボールチェーンの側が大きくなってしまえば相対的に全てをマスコットに、かわいくパッケージできるのではないだろうか。

実物の約10倍サイズのボールチェーンで世界を手中に収めたろうじゃないの。

材料はこの通り。

ボールチェーンの仕組みは明快であれど精細だ。

今回は27mmのピンポン玉で作ったが、実物のボールチェーンはあの小さい粒一つ一つに留め具が入って繋がっているなんてすごい。世界のボールチェーン工場の方々に思いを馳せながらひたすらピンポン玉に穴を開けていた。

ついでにストラップタイプのチェーンも大きくした。

ガラケー時代のストラップにはほぼ必ず付いていたと記憶する。この細い紐の硬ったい結び目を爪でカリカリと引っ張って外したりしたよね。ウチら

家の中の日常的なものたちが一気に「マスコット」の枠に収められていく。

工作と並行して夕飯の準備をしていた

元々かわいいパワーを持つものはもちろん映えるのだが、「私そんな…かわいいとかのタイプじゃないから…」と言うような日用品こそマスコットにすると輝くように見える。

弱パワーの寄せ集めでも商品風にまとめるとそれらしく見える。「シリーズ・日用品」なんていじらしいんだ。

世界をもっとかわいくするためにもっと可能性を探しにいかなくてはならない。外に出てみよう。

道端にボールチェーンが落ちていると哀愁を感じる。ぬいぐるみなのかラバーストラップなのか、誰かと連れ添ってきたものが意図せず手放されてしまった痕跡かもしれないと考え一瞬切ない気持ちになる。

大きいチェーンをそっと地面に置いてみる。

ヒッ メタルテッポウムシ!

でかいと哀愁よりも恐怖が勝る。

私はマリオのハナちゃんを畏怖してるのでこの形状も本能的に危険を感じる。果たしてこれで世界はかわいくなるのでしょうか。

シリーズ・公園

ああ〜ちゃんとかわいい安心した。公園遊具はそれそのものが既にキャッチーなのでちょっとズルいけどこんなのやる以外の選択肢がない。

公園の水飲みは意外と形状に個性があるのでミニチュアにはうってつけかもしれない。

普段見過ごしてしまう岩のようなものもチェーンを置くと「何者かではある」という佇まいになる。岩、実はかわいいポテンシャル高いのでは?

すみません。岩ハズレでした。

いやこれはまとめ方が良くなかった。岩は悪くないんだ、ごめんね。

シリーズ・散歩道

駐車場の車止めはかなりいい。車止めって場所によって形状の個性豊かで、意味のわからない形をしてるものも多いけどどこか愛嬌がある。

 

しかし色合いが地味だ。

いや、本当はもっととびきりかわいくてステキなものはこれまでにたくさんあったのだ。ただあまりにも「誰かの所有物」であるためにチェーンを取りつけることができなかった。

よく民家の軒先から道路まで拡張している小さな植木鉢たちやスーパーの裏にあった段ボールたちもカラフルでつつましくてたくましい。チェーンをつけたらきっともっとかわいくなるに違いない。

その他にも街のオブジェやお店の看板、どれもこれも「チェーンをつけたらかわいいだろう」ものは見つかったが触れることはできなかった。

チェーンをつけるという行為は「自分のものする」という意味も含んでいると思う。他人の所有物になんておこがましいことをやってきたのだろう。存在しているだけで既に素敵なものに私が手を加えようだなんて傲慢だったのかもしれない。

 

そうだ、編集部に相談してみよう。

この記事が掲載されているオモコロでは小道具を使った撮影が数多く行われている。編集部の倉庫には何かマスコットにできそうなアイテムが見つかるのではないか。

シリーズ・オモコロ編集部

いつも記事や動画の画面を華やかに飾る舞台裏、一体何が残されているのだろうか。

編集部:う〜ん、あんまり残っていないかもしれないけど……

編集部:脳と、腕なら

この2つだけが残っていることがあるかね。

私が訪れたのは本当に編集部だったのだろうか。WEBメディアの会社に体の部位が2つ揃っていることがあるのか。

 

1日中チェーンと共に世界をかわいく手中に収めるべく奔走したが、私の考えが傲慢で偏狭であることを思い知ることとなった。あとミニチュアっぽく見せるには上から吊り下げたり、遠くから撮ったりと技量が必要だ。

 

かわいいって……難しい!

 

しかし相変わらず街中を眺めながら「これにボールチェーン合わせたらかわいくなるだろうな」と考えながら歩くのは楽しい。

無粋な行為であることは承知の上でも欲が抑えきれない。もっと手軽に全部をマスコットにしたい、見るものをミニチュアっぽくしたい……

その気持ちは止まらずボールチェーンのARを作った。これでもうメタルテッポウムシを持ち歩いて撮影しているところを怪訝な顔で見られることもない。

ARであれば壁についたものや大きいものへのボールチェーン付けも容易に!

これでいつでもどこでも全ての景色をマスコットにし、見るもの全てを心の中でかわいく手中に収めることができるのだ。

 

そう、到底手の届かないような存在でさえ、

いつか「全て」をかわいくするための活動はまだ始まったばかり。

 

★おまけ★

ボールチェーンARを配布します。

https://palanar.app/v2/ar_contents/1ff1d3f35328cbc8

動かすのがやや難しいですがこれでぜひ世界ミニチュアマスコット化にご参加ください。

 

3Dモデル使用素材

チェーンコネクタ:https://www.thingiverse.com/thing:793889

カニカン:https://free3d.com/3d-model/lobster-clasp-v1–595184.html

ARプラットフォーム

palanAR(https://palanar.com/mypage)