前回はこちら。後で読んでね。先に読んでもいいぞ。

 アチャー。コミュ力がないから単独行動をしていたら完全に孤独になってしまったぞ。困ったな。

 この辺にマクドナルドがあったはずだからWi-Fiだけでも生き残ってないかと思ったけど、まあ無いよな。枯葉と泥の食べ方をクックパッドで検索したかったけど。

 ややっ、なんだこの田舎の森に似つかわしくない妖艶さは。

 これは……なんと妖艶な…………。

 宝鐘マリン船長のセクシーなフィギュアじゃん。懐かしいな……まだ熊本にもゲーセンがあった頃…………

 思いを込めた詩は時空を超えた。

 そして現代で切腹のASMRを録音していた俺の元へ届いた。切腹のASMRには未来からのメッセージが録音されることがあるのだ。試してほしい。

 未来で孤独になっても人とコミュニケーションが取りたいとかではなく「知らん人と知らん人の知らんコミュニケーションの話が聞きたい」とは実に俺らしい。

 よし、また集めようじゃないか。またしても俺はGoogleフォームで「全然知らない人とその場の流れでなんか会話した思い出募集」を開始した。その後とくに仲よくなったりしていないような、本当にその場限りの会話だ。
 それを集めると面白いことは前回の記事でわかってもらえたと思う。それを、またやる。

 ありがたいことにドサドサ集まった。送ってくれた皆様ありがとうございました。全部は紹介できないのでご了承くださいね。

 早速モリモリ紹介していこう。

 

 怖いもの知らずな子供特有の異常なコミュ力で振り回したり振り回されたり。

 

こうやるんやよ

 小学校3年生のとき、ゲームセンターで親を待ちながらしていた射的のメダルゲームが全然上手くできなくてふてくされていたら、隣でゲームしてた同い年くらいであろう知らん男子が「こうやるんやよ」とやり方を教えてくれた。
 たぶん初恋。

無記名

 全部可愛い。初恋とまで言ってるし、また会えないかと思ってゲーセンに行ったりしたんだろうか。会えなかったんだろうけど。

 

シーグラス

 小学校低学年ぐらいの頃です。
 お盆に父の実家(めちゃくちゃ田舎)に帰省したのですが、普段都市部で過ごしていた私には色々なものが物珍しく感じ、朝から一人で家の近くを散策していました。
 そして公園のような滑り台があるだけの場所を横切ったとき、そこで遊んでいた地元の子と目が合い、知らんうちに一緒にめちゃくちゃ遊んでました。
 何を話したのかはほとんど覚えてないのですが、私が家の鍵につけていたまめっちのストラップを見て「可愛い~!!! これと交換しよ!!」とシーグラスがパンパンにつまった瓶を渡してくれたのだけ覚えています。

 結局その夏以降、諸々の事情で実家には帰らなくなってしまったので、その子とはそれっきりです。
 ただシーグラスはずっと捨てられなくて、今も部屋のピアノの上に飾っています。
 あの子もまめっちのストラップ持ってるかな~

まめっち

 出来事全部がロマンチックだ。

 

帰った。

 中学生の頃、友達と公園のベンチに座ってポケモン交換していたら小学生が寄ってきて、ほぼ毎日この時間にいるから今度俺ともポケモン交換しようと言われた。
 次の日その公園にいってみたらその子が金髪の大人とサッカーしてたので怖くなって帰った。

無記名

 最高だ。そりゃ帰るわ。

 

ちんこ

 ショッピングモールで買い物をしていたときに、小さい男の子がこっち来たと思ったら指をさされてちんこ!と言われた。
 私はまずブツがないので処理落ちしていたが、ガキは気にもとめずにちんこ!と連呼しながらどっか行った。と思ったら最後エスカレーターでドラマのワンシーンのようにすれ違い、お母さんらしき人に「どこ行ってたの」と叱られていてガキが「だってちんこが…」と私を理由していた解せぬ。

マーフ

 子供が「だってちんこが…」って言い訳してきたら詳しく聞いてみたくはなる。

 

 退勤後、スーパーに寄って帰ろうと仕事場近くのパチンコ屋さんの前を歩いていた時のことです。

 帰宅途中であろう2人の小学生女児から「道が取れちゃったの」と急に話しかけられました。左の子の手には、点字ブロックの黄色いタイルのカケラがありました。
 ヒビが入った所で遊んでいて取れてしまったのでしょう。

 そのまま置いていくことも出来ず、誰か大人に言わなくてはと泣きそうな顔をしていました。
「分かった。預かるね大丈夫だよ」と言うと2人は「ありがとうございます!」と声を揃えてお礼を言い、楽しそうに帰っていきました。

 タイルはどうしていいか分からず道の脇にそっと置いて帰りました。

白玉団子

 こういう時に「とりあえず大人に相談しなければ」と思える子供、すごすぎる。

 

カイオーガ

 私が保育園〜低学年ぐらいの頃、兄が小児科に特化した病院に通院していた。
 まだ留守番出来ない歳だったので、一緒に行って、病院のキッズスペース的な所で大山のぶ代のドラえもんをよく見ていた。
 ある日いつものキッズスペースで1人でポケットモンスターサファイアをやっていたら「何のゲームやってるの??」と私よりも歳上(多分小学校高学年)の女の子が話しかけてきた。
 その女の子はルビーをやっているらしく、お互いの手持ちを確認すると、私は四天王相手にしてる位だったが、その子はジュカインLv.36が1番強い手持ちだった。
 その女の子は「カイオーガ良いね!」「カイオーガ強くてかっこいい!」等何度も絡んできて、子供ながらに嫌な予感がして何度も大山のぶ代のドラえもんに会話を逸らそうとしたが、無駄だった。
 そしてそのうちに嫌な予感は的中し、 「カイオーガ頂戴!」と言ってきた。 流石に嫌だった。1匹だけの伝説のポケモン。何度も断ったが「私も1番高いレベルのポケモン(ジュカインLv.36)あげる!」等何度と粘られた。
 しかも場所が小児病院であった為(この子病気なのかな、学校行けないから交換出来ないのかな…)なんて事が頭によぎったり、女の子の押しも強く、とうとうカイオーガとジュカインを交換してしまった。
 メッチャ喜んでた。そんで先に帰られた。
 その事を診療が終わった兄と母に言ったら断れないお前が悪い。って言われ、優しさとは何だろうと手持ち最弱のジュカインを見る度考えていた。
(結局やり直してカイオーガを確保した。)

 今も元気なら元気で嬉しいけど少しムカつくし、もし小学校行けてない子だったら私のカイオーガが良い思い出になったかも?ってある種の達成感がある気がする。
 マジで場所が病院だから高度な心理戦になった。

大山のぶ代の刃

 世界一お人好しかもしれん。なんて良いやつなんだ。

 

図書カード

 ゲームセンターでクレーンゲームをやっていたら地元の子らしき小学生3人組(男子2女子1)から、
「あの、僕らもクレーンゲームやりたくて、この図書カード、1000円分なので、1000円札と交換してもらえませんか!?」と図書カードの換金を持ちかけられました。
 小学生に話しかけられた(=怪しくない大人認定された)ことに浮かれて、「しょうがないな〜!大切に使うんだぞ〜?」と快く換金。彼らが大喜びで店の奥に行くのを見届けて帰りました。

 帰宅後、図書カードってことは彼らの親御さんが読書して欲しいから渡したものなのに、それをゲームのために換金したのってかなりダメな大人では?と気づきました。

タコライス米抜き

 不審者ではないと認定されるだけでだいぶ嬉しいのはわかる。

 

SMAP

 小学生の頃、友達と公園で遊んでいたら低学年かそれよりも小さい男の子が駆けてきて「俺の名前、SMAP!!」と大声で話しかけられました。
 その後も内容は忘れてしまいましたが、あからさまに嘘とわかる自己紹介を続けるので、ヤバいと笑いながら友達と聞いてました。

 その子がハイテンションのまま車道に飛び出したため、ヤバいに危なっかしい意味合いも含まれ、家まで送っていきました。
 家には人の気配がなく当時は心配だったのですが、今思えば親御さんは探しに出かけてたんだと思います。
 家に届けた後も同じ公園で遊んでいたら、母親と手を繋いでいるものの逃げ出しそうなぐらい元気なその子が歩いているのを見ました。
 家まで案内してくれましたが本当の名前は教えてくれなかったし、家は同じ学区内でしたが小学校で見かけることはありませんでした。

ゆんち

 あらゆる自己紹介の中で一番面白いかもしれん。

 

ダンデルバン

 幼少期、近所の広場で遊んでいた私の近くを外国人の家族が通りました。
 話しかけたいと思ったのですが、当時未就学児の私に外国語など話せるわけもありません。

 何を思ったか私は「ダンデルバン!」と造語を大声で叫びました。
 それに対し外国人家族は、少し驚いたあと「ダンデルバン!」と答えてくれました。 その後、「ダンデルバン!」の一言だけでひとしきり盛り上がり、ニッコニコで解散しました。

 人間、語彙が一つだけでもなんとかなるもんですね。

いえいち

 めちゃめちゃ笑ったしめちゃめちゃ感心してしまった。お互いに全然知らん言葉を挟めば全ての人と対等にコミュニケーションがとれる。会話にはならないけど。

 

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