「唐船峡」というめんつゆが好きだ。
これ。
「唐船峡」とは鹿児島県指宿市にある渓谷の名前で、毎年夏になると湧き水でカチンカチンに冷やされた美味しいそうめんが饗され、涼を求めて20万人もの人が訪れるらしい。
関東に住む自分は唐船峡に行ったことはないが、ある日近所のスーパーで「うまいよ!」みたいなPOPと共にこちらのめんつゆが大きく展開されており、手にとってみたら甘めでコクがありながらもサッパリとしたつゆがそうめんにベストマッチで、毎年欠かさず購入するようになってしまった。
もはや唐船峡のめんつゆなしでは、そうめんがすすれない体になってしまいました……。今年もマジでうめー。あと揖保乃糸は黒帯でも十分ヤバイ。https://t.co/k5xfaIKREq
↓昨年のオモコロチャンネルそうめん回https://t.co/AOCUEWRDSn pic.twitter.com/dTRuTQZfRj
— 原宿 (@haraajukku) June 28, 2022
こんなツイートもしてしまうぐらいにそうめんと言えば唐船峡のつゆですすっているのだが、このツイートの直後、あるオモコロライターからメッセージが届いた。
オモコロライター・鬼谷
「唐船峡のめんつゆがマジなら、俺も今日届いたマジのそうめんがあるんですけど、これぶつけてみませんか」
「鬼谷」が「マジのそうめん」を持ってやってくる。
こうして、オモコロ編集部の暑い夏は始まった。
鬼谷が持ってきた「半田めん」は、果たして「マジのそうめん」なのか?
結論をくだすべく、オモコロ内でもそうめん好きでならした3名がやってきた。
評議会と名乗ってはいるが特に何の権威もなく、ただそうめんが好きなだけである。
いやでも、僕は「三神(さんしん)」を体験してますからね。
私もです。揖保乃糸の最上級品である、あの「三神」を……
「揖保乃糸」の最上ランク品。香りの良い上質の小麦が使われていることはもちろん、組合が選抜指定した数軒の熟練した製造者にしか作れないほど麺が細く、そのすすり心地は天にも昇るほどだと言う。希少な上に、普通の揖保乃糸の8倍ぐらい値段が高い。
これ知ってます。最近Twitterでバズってたし、オモコロチャンネルのそうめん回で食べてましたよね。
そうそう。めちゃくちゃ細いのにしっかり立体感も感じて、めちゃくちゃ美味かった……
このそうめんを簡単に超えられるとは思わないで欲しい。
僕は未経験なんですが、そんなにすごいんですね。
しかしそうめんの頂点は「三神」ではないんです。オモコロチャンネルは真実を発信していない。
そこまで言う!?
鬼谷さん、それほどの自信が……
ただまぁ、いきなり頂点に登っても違いがあまりピンとこないかもしれないので、まずはTwitterでも話題になったトップバリュのそうめんから食べましょう。
こいつ、悪人だぞ。
トップバリュのそうめん
「食べ始めから敗戦処理」「脳が異物と判定する」などとボロクソに書かれたツイートがバズってしまった可哀想なそうめん。その後、料理研究家のリュウジさんが「トップバリュのそうめんを救う方法」というツイートをしたが、恐ろしく手間がかかっていた。
もちろん、めんつゆもトップバリュで揃えます。1リットルで188円です。
恐ろしいぐらい安い。
こいつ、悪人だぞ。
食べるのが怖くなってきた。
かゆっ!!!!
なぜだ、トップバリュのそうめんと聞いただけで手が赤く……
吉兆か、それとも……
虫刺されだろ。
茹で上がりました! トップバリュのそうめんです。
ほお……
まぁ見た感じは普通ですね。
これでそんなに美味しくないってことがあるんですかね?
それではトップバリュのそうめん、いただきます。ズゾゾゾゾ……
うん…………
ふむ。
まぁなんだろ、確かにそんなに「美味い!」って感覚はないけど……
ぜんぜん食べれはしますね。
身構えたほどではなかった。若干、変わった風味がある感じはするけど。
「そうめん」って味じゃないかもしれませんね。僕は全然いけますけど。
ただ、舌が肥えた人には認められない「何か」があるのも分かる。
続いては、通常の「揖保乃糸」をご試食願います。これで、そうめんごとの違いがだんだんとはっきりしてくるはず…
そんなに違うもんだったかなあ……
ズゾッ……
ちょっと! トップバリュと全然違うじゃないですか!
違いすぎて笑っちゃうな。すすった後、喉に吸い込まれていく時のスピード感がまるで違う。
そう言えば、そうめんってこれでした。
揖保乃糸ってすげ~
揖保乃糸のなめらかさに一同驚愕、カメラマンをしていたオモコロ編集長・原宿もご相伴に預かってニッコリ。
これでも、トップバリュのつゆだよね? 俺の好きな唐船峡のつゆでも食べようよ。
そうか、つゆをグレードアップすればまだ伸びしろがあるのか!
そうめんは、課金でどんどんうまくできる。
唐船峡のつゆ、甘めの味でめちゃくちゃ美味いんよなあ……って、しまった!!!!
唐船峡のつゆって、開けるのに栓抜きがいるんだわ!
いやあるでしょ、栓抜きぐらい。
「あるでしょ」と思うものが無い、それがオモコロ編集部の法則……
見当たらないですね。
嘘だろ! こんな日に限って……
あっ!
工具箱がありました! この中に栓抜きの代わりにあるものが……
これだけあれば、何かしらではいけるか!?
うーーーーーーーーーーーーーーーん
これか……?
違う………
こっちか……?
あ! これいけるわ! なんか挟んでちょっとずつ剥がせそう! 栓抜きなくてもいけるわ!
この時間、なんなんですか?
わざわざこんなくだりを記事に入れるな。
いけるいけるいけるいけるいけるいけるいけるいける
いざ………
唐船峡、いつか行ってみたいですね(そう言っているうちに人は死ぬ)。
さて、準備体操はここまでにして、いよいよ「鬼谷のそうめん」を食べよう。
「半田めん」ですか……半田ってどこでしたっけ?
徳島県つるぎ町というところで、この地名が元は「半田」だったんです。揖保乃糸と同じく、手延べ製法で作られたそうめんになります。
なんか……太い!?
そうなんです! 揖保乃糸が0.6mmほどなのに比べて、半田めんの太さは何と1.4mmから1.6mm。この太さが独特の食感を生んでいるんです。
パスタみてぇな太さだ!
こんなそうめんがあったの!?
持ち上げてみても明らかに揖保乃糸より太い!
一体どんな食感が……
本当に“越え”てしまうのか…今までのそうめんを……
食らえ……これが俺の知る究極のそうめんだ!!
ボボボッ
チュルッ
ああ……これは………
うどんだわ!!!
え?
いや、ツルツルしててコシがあってめちゃくちゃ美味しいです。揖保乃糸とは、目指している領域が全く違うタイプだということが分かる。
揖保乃糸はすすったあとに喉に「消えていく」けど、半田めんは口の中で残って「噛みしめる」タイプの美味さだよね。
稲庭うどんとか好きな人は好きそう。
…………
え?鬼谷が泣いてる?
いや、泣いてはないんですけど、確かに僕もさっき揖保乃糸を食べて「タイプの違う良さ」だなと感じてました。
細き揖保乃糸、太き半田めん、どっちもそれぞれの峰を極めしもの……
どちらも美味しいというか、好みの問題なので、判定はつけられないですね。
わざわざ集まってもらったのに、こんなフワッとした着地になってしまってすいません。これ、記事にならないですよね?
ならないかも。
これが記事になっているようなら、オモコロには相当記事が足りてないってことですね。
ダーッハッハッハッハッ
さぁさぁ皆さん、それでは最後に、揖保乃糸のグレードアップバージョン「黒帯」をお楽しみください。
おお、黒帯!
たまりませんねこりゃ、ふわっとする感じが普通の揖保乃糸とは明らかに違って……
「そうめんはノドでいく」という人は、絶対に黒帯を味わって欲しいですな。
黒帯のノド越しの「速さ」に、たじろぐ永田。
夏は友達で集まって、色んな素麺や素麺つゆを試すのがバカ楽しいです!
参考になりそうなオモコロ記事や動画を張っておきますので、皆さんも夏の間に素麺をめちゃめちゃ楽しんでみてね!