【親子丼のアップデート履歴】

Ver.1.0 誕生

Ver.1.1 火の強さを調整

Ver.1.2 蓋をするタイミングを変更

Ver.1.3 具材を入れるタイミングを変更

(中略)

Ver.1.527 卵はあえて少し残しておいて、完成の直前に入れる

Ver.1.528 白だしを使用

 

 

 

いつになったらVer.2.0になるんだよ!!!

 

少しずつ変更を加えて、より美味い親子丼を作りたい気持ちは分かります。しかしユーザーは修正や調整のアップデートよりも、ある程度大幅なアップデートの方がテンションが上がります。

 

ですので、そろそろ親子丼もVer.2.0にアップデートして良いのではないでしょうか。

 

 

誰かアップデート出来る人いますか~?

 

 

お~い!

 

 

……。

 

 

仕方が無いので自分でアップデートさせます。

 

 

 

アップデートの方法を考えてみる

 

大幅なアップデートをするには、まずは親子丼の古い常識をぶっ壊すのが良いでしょう。

例えば親子丼の「親子」の部分。皆さんは動物の親子と言われて真っ先に鶏と卵を思い浮かべますか?正直俺は全然違う親子を想像します。

 

実際、日本最大級のランキングサイト『gooランキング』で集計された「親子」でイメージする動物は?というランキングに鶏は入っていませんでした。

「親子」でイメージする動物は? – gooランキング

 

 

親子のイメージが薄い鶏が、何故か親子丼の主役の座にふんぞり返っている現状。これこそが親子丼の古い常識であり、同時に壊すべき常識なのかもしれません。

 

という事で今回は最も親子丼の主役に相応しい親子を決めようと思います!

 

 

決め方は簡単。様々な親子で作った親子丼を食べ比べて、一番美味かった親子丼が親子丼Ver2.0です。

 

 

 

暫定王者 鶏

 

まず登場するのは暫定王者の鶏です。

今回はバージョンアップが目的ですが、もしも現状の親子丼よりも不味くなった場合は「改悪すんなカス!」と叩かれてしまうので一応基準点として普通の親子丼も作ります。

 

ちなみに今回はどの親子も鶏と同じ方法で調理します。ですので「イクラ丼に鮭を乗せて親子丼Ver.2.0の完成!」という事は無く、ガチの親子丼Ver.2.0を作ります。

 

また、本来であれば玉ねぎなどの野菜を使用するのが普通ですが、今回は純粋に親子としてのパワーを測るので親子と調味料のみを使用します。

 

 

  

まずはじめに、フライパンに料理酒・みりん・醤油を大さじ1杯ずつと、ほんだしを2つまみ入れます。

 

俺の経験上、ほんだしを入れすぎると終わります。

 

 

それらを入れたら、砂糖を大さじ1杯入れます。

 

 

次に水を大さじ3杯入れます。

 

 

料理酒・みりん・醤油・ほんだし・砂糖・水を入れたら、とうとう主役の登場です。

 

まさか今日で主役の座を引きずり降ろされるとも知らずに王様気分で呑気に調理される姿はまさに滑稽、メシウマです。親子丼だけに。

 

 

え?

 

 

鶏肉を食べやすいサイズに切ってフライパンに入れたら、中火で煮立つまで待ちます。そして、煮立ったら弱火にして蓋をして5分待ちます。

 

 

その5分の待ち時間で、ようやくもう1人の主役が登場。卵を2つ割って、とにかく混ぜまくります。グルグルグル……

 

 

5分経ったら鶏肉をひっくり返します。

 

この時、シンプルに良い匂いすぎて鶏肉を食べてしまわないように注意してください。

もしかしたら冗談で言っていると思った人もいるかもしれませんが、少なくとも俺はちゃんと我慢しないと1/3くらい食べてしまいます。小2が料理してんのか。

 

 

つまみ食いを我慢したら、まんべんなく卵をかけて再び蓋をして弱火に戻します。

インターネットで調理方法を調べると大体「蓋をして弱火で1分待つ」と書いてあるのですが、個人的に卵は固めの方が好きなので1分半待ちます。

 

 

1分半待って白米に盛り付けるとこんな感じに。ちょっと鶏肉が多くてこぼれそうになっているので、そんな事なら途中でつまみ食いしておけば良かったですね……

 

てな訳で完成!

 

 

それでは実際に食べてみましょう。鶏親子よ、力を見せてみるが良い。

 

 

さて、お味は?

 

 

美味すぎワロタ。

 

すみません、美味すぎて笑ってしまいました。(本当に30秒くらい笑ってました)

玉ねぎなどを使用していない分、親子の味がストレートに伝わってきます。もしかして玉ねぎって無くて良い?

 

 

その後もガンガン箸が進み、一瞬で完食しました。

 

これが王者の貫禄。果たして親子丼はVer.2.0にバージョンアップ出来るのか!?

 

 

 

鳥類代表 鶉(うずら)

 

暫定王者の鶏に対抗すべく立ち上がったのは、鶏と同じく鳥類の鶉です。果たして鶉は暫定王者の座を奪えるのでしょうか!?

 

という事で、まずは料理酒やみりんなどをフライパンに入れます。

 

 

次に鶉の肉をフライパン入れようと思ったのですが、この鶉には骨があるので骨と肉を分離させます。

 

皆さんも肉を買う時は骨付きかどうか確認してから買うようにしましょう。

 

 

そうしないと意外と面倒な事になります。

 

 

肉が全然剝がれません。

 

もっとブリィィン!みたいな感じで剥がれると思っていたのに、どれだけ頑張っても肉が剥がれません。

 

 

仕方が無いので包丁を使いました。

 

この状態になればもうこっちのものです。あとは中火で煮立つのを待って、煮立ったら蓋をして弱火で5分。楽勝です。

 

 

ではこの5分で卵を割ります。

 

と思ったのですが、そう言えば鶉の卵ってどうやって割るんですか?

 

 

とりあえず叩きつけてみました。

 

すると殻が意外と硬くて、その殻を突破しても今度は内側の膜の強度が強くて中身が全然出てきません。

 

 

この膜さえ無ければ……

 

膜に小さな穴を開ければ白身は出てきますが、途中で黄身がつっかえてしまいます。しかし、だからと言って穴を広げようとすると殻がバキバキに割れて、細かい殻が混入してしまいます。

 

 

結局この量の卵を割るのに7分かかりました。完全にタイムオーバーです。

 

 

急いで蓋を取るとただの焼肉になっていました。

 

一応、まんべんなく卵をかけて1分半待ちます。頼む!1分半待って蓋を開けたら肉が真っ黒焦げとかやめてくれよ!

 

さあ!どうなる!

 

 

セーーーフ!!!

 

危ねーーー!!!良かったーーー!!!

 

 

盛り付けるとこんな感じです。パッと見は小さめに切った鶏肉を使った親子丼ですね。

 

てな訳で完成!

 

 

それでは実食!

 

 

まずは子供から。

 

見た目は鶏の親子丼と変わりませんが、味や食感はどうでしょうか?

 

 

許容出来ないくらいジャリジャリする。

 

案の定殻がジャリジャリします。ただ、味は鶏と大差無いですね。正直鶏の方が好きですけど。

 

 

では、次に肉も食べてみます。

 

こちらも鶏と似ていますが、味はどうでしょうか?

 

 

うん!美味い!

正直鶏の方が好きですけど。

 

 

味は悪くなかったのですぐに完食しました。

正直鶏の方が好きですけど。鶉の親子丼は本当にこの一言に尽きます。手間も味も鶏の方が上でした。

 

まあ、鶉が輝けるステージは親子丼では無かったという事ですね。卵フライなら鶉の圧勝ですし。

 

 

 

魚類代表 カレイ

 

鶉の敵討ちに参上、カレイです。

 

正直「子持ちの魚」と言われて真っ先に思い浮かんだのはカレイではなく子持ちししゃもだったのですが、体内の卵を取り出すのが難しすぎて代表争いに敗れました。

 

 

だってほら、食べ物で遊んだ後みたいになってしまったので。モザイク必須の状態に……

 

それに比べてカレイの卵は引っ張れば簡単に取れるので、手間を考えると鶏より優秀かもしれません。

 

 

それでは早速今まで通りの工程で火を通します。

 

いや~、今回は手間がかからなくて楽ですね。

 

 

 

それでは、5分待っている間に卵を潰します。

 

このままの形でも良いかと思ったのですが、よく考えたら潰さないとフライパンにまんべんなく広げられないんですよね。

 

 

ただ、潰すのもほとんど手間がかからず、シンプルに手で握り潰すだけです。

 

 

わずか15秒で完了。4分45秒余りました。

 

もしかしたら親子丼Ver.2.0の主役はカレイかもしれません。

 

 

5分待ったら卵をかけて1分半待機。

 

 

もう完成してしまいました。本当に手のかからない子ね~。

 

てな訳で完成!

 

 

このまま味も鶏を上回れば文句無しの親子丼Ver.2.0です。

 

さて、どうなる!?

 

 

まずは一口食べてみます。

 

 

ちょうど平均点。

 

すごく美味い訳でも無く、だからと言って不味い訳でも無く、ちょうど平均点です。

しかし、この一口で俺はある事を確信しました。

 

それは何かと言うと……

 

 

「絶対味噌汁に合う」

 

たまに「これ味噌汁と合いそうだな~」と思う時ってありませんか?カレイの親子丼を食べた瞬間、その味噌汁アンテナがビンビコビンに反応したので急遽味噌汁を用意しました。

 

 

本当に急遽だったので使い捨ての紙椀で失礼します。ちなみに味噌汁の具はわかめのみです。

 

何故なら俺の好物ランキング1位が乾燥わかめだからです。

 

 

それでは、まずはカレイの親子丼から。

 

 

次に味噌汁を。

 

結果は……

 

 

大大大成功!!!

 

ちょっと面白いくらいの大成功でした。やっぱり味噌汁アンテナって嘘をつきませんよね。我々が信じるべきは味噌汁アンテナなのです。

 

 

そのままの勢いで完食しました。

 

まさか味噌汁でブーストをかけてくるとは、カレイ恐るべし。しかし今回はあくまでも親子丼Ver.2.0を作る企画なので、親子丼ブーストはノーカウントです。

 

そうなると味の差で暫定王者の鶏に軍配が上がります。おい、カレイ!惜しかったぞ!また来いよ!

 

 

さて、鳥類代表の鶉と魚類代表のカレイが敗北してしまった訳ですが、今回の企画は次の親子で最後です!

 

勝つのは暫定王者か!?チャレンジャーか!?

 

 

 

菓子代表 チョコ

 

ふざけてません。

 

俺は本気です。ブラックチョコ(チョコの大人)とチョコエッグ(チョコの子供)を使います。

 

皆さんはチップチョップというお菓子をご存じでしょうか?

おそ松くんのキャラクターやEXILEのメンバーがダンスしている後ろで「甘くてしょっぱい、チップチョップ!甘くてしょっぱい、チップチョップ!」というやけに耳に残る曲が流れているCMでお馴染みのチップチョップです。

 

これは俺の予想なのですが、親子丼の材料としてチョコを使うと甘くてしょっぱいチョコが完成します。それもチップチョップのようなお菓子的な味ではなく、料理酒やみりんや醤油などから来る料理的な味です。

 

つまり、料理向けのチップチョップが完成するのです。

 

 

基本しょっぱい食べ物は白米と合うと考えているので、今回はチョコを主役に親子丼を作ってみます。

 

もう一度言います。ふざけてません。

 

 

まずはフライパンにチョコを入れます。

 

なんだか隠し味を入れているような気分になるのですが、これが主役です。

 

 

そして5分待っている間に卵を割ります。

 

 

チョコエッグってどうやって割るんだろう……

とりあえず皿のフチに叩きつけてみたのですが、全然割れません。あれ?フチで割れなかったらもう終わりじゃないですか?

 

 

包丁で粉砕しました。

 

皆さんもチョコエッグが割れない時は包丁の柄でブン殴ってみてください。気持ち良いくらい簡単に割れます。

 

 

中のキャラクターには少し申し訳無いですけどね。

 

さて、5分経ったのでフライパンの蓋を開けます。

 

 

メ~~~ッチャ良い匂い。

 

つまみ食いを我慢するのが大変なくらい良い匂いです。これは早くチョコを入れて蓋を閉めないとうっかりつまみ食いしてしまいそうです。

 

 

チョコエッグ投入!

この状態で1分半火を通すと一体どうなるのでしょうか!?

 

 

 

超美味そうになります。

 

見た目は溶けたチョコ、匂いもチョコ、不味い訳がありません。

 

 

盛り付けるとこんな感じです。チョコで親子丼を作ると聞いて最初は不安だった方も多いかもしれませんが、これなら食べられそうじゃないですか?

 

てな訳で完成!

 

 

それでは、暫定王者かチャレンジャーか、これで決着をつけようと思います。

 

聞いた話によるとフィリピンにはチョコレートのお粥を食べる家庭もあるらしいので、チョコの親子丼もそんなに変な料理ではないはずです。いざ実食!

 

 

まずは白米は無しでチョコだけ食べてみます。

 

 

あれ~~~不味いぞ?

 

すみません、チップチョップを腐らせたような味です。という事は白米と一緒に食べると……

 

 

(頼む!美味くあってくれ!)

 

 

 

……あれ?

意外と普通に食べられるし、なんなら美味い。そんな訳無いのに。

 

不思議な事が起きました。単品だとあれだけ不味かったチョコが、白米と合わさる事で普通に食べられるレベルまで美味くなりました。これならどんどん箸が進みます!

 

 

やはり醤油やほんだしなどの日本人の舌に合った調味料を使えば基本何でも白米と合うようになるんですね。皆さんもこの記事を読み終えたらすぐにスーパーに行ってチョコと調味料を買ってください。急がないと売り切れてしまうかもしれません。

 

かなり大げさな事を書きましたが、本当にそれくらい言っても良いレベルの味です。

 

調理の簡単さ、食欲をそそる匂い、奇跡の味。もう一度言います。この記事を読み終えたらすぐにスーパーに行ってチョコと調味料を買ってください。急がないと売り切れてしまうかもしれません。

 

 

という事で、

親子丼Ver.2.0の主役はチョコで決まり!!!

 

 

バンザーーーイ!!!

バンザーーーイ!!!

バンザーーーイ!!!

 

チョコ親子丼サイコーッ!

 

 

 

 

 

 

そんな訳無えだろ。

 

どうせ菓子代表としてチョコを出した時点でほぼ全員が「不味いだろ」と思ったに違いないので悔しくて強がってしまいましたが、意味が分からないくらい不味いです。皆さんの予想通りです。喜べよ。

 

ちなみに何故モザイクがかかっているのかと言うと、マーライオンみたいになっちゃったからです。

 

 

 

作ってしまった以上は残す訳にはいかないので、味噌汁とチキンフィレの力を借ります。

 

 

チキンフィレを早々に完食してしまい、味噌汁も2杯飲み干しながらひたすらチョコ親子丼を食べ続けました。

 

この検証を始めるまで俺が経験した苦痛ランキングの1位は「内視鏡検査が上手くいかなくて一番痛い部分を内視鏡でゴリゴリ擦り続けられた」なのですが、今は「チョコ親子丼を食べた」が1位です。

 

なにしろ内視鏡検査の場合、自分は横になっているだけで良いのですが、チョコ親子丼の場合は自分の意思で食べ進めなければならないのです。

 

 

理由は分かりませんが、途中から視界が暗くなってきて頭の中で山火事の映像が流れていました。

 

 

 

 

 

約20分後、ついに完食。意識はほとんど残っていません。

 

 

ずっと小声で「あ~~~~~」と言っています。

 

もしもチョコ親子丼を食べたリアクションを見て「いやいや、どうせ盛ってるんじゃないの?」と思った方がいたら、この言葉を送ります。

 

 

「この記事を読み終えたらすぐにスーパーに行ってチョコと調味料を買ってください。急がないと売り切れてしまうかもしれません。

 

 

 

結果

 

悪い事は言いません。親子丼をVer.2.0にアップデートしようなどとは考えないでください。大変な事になります。

 

 

やはり先人達の知恵と工夫に少しずつ改良を加えていくのが、遠回りに見えて実は一番の近道なのかもしれません。

 

 

それでは、今回は以上です。

ここまで読んでいただきありがとうございました!

 

 

またいつか!