我々にはどうしても朝から酒を飲まなければならないときがある。
だけど考えてみて欲しい。
朝までやっている店はあっても、そこから先はどうだろう・・・?
≪ああ、朝から酒が飲みたい、昼まで飲みたい・・・!≫
そんな迷える朝飲み難民を総ウケしてくれるのが、東京都杉並区は高円寺。
今日はこの街だから出来る奇跡の「早朝ハシゴコース」をたっぷりご紹介したいと思う。
AM 4:30
始発電車に乗り、到着したのはJR中央線が誇るカルチャースポット、高円寺駅。
オール明けと思しきハイテンションな若者が家路に向かう最中、始発で飲みにやってきたのは恐らく俺だけ。
学生の街、バンドマンの街、お笑い芸人の街・・・・色んな呼び名はあるけれども、この街が「朝飲みの街」でもあるという事を、今回是非とも覚えてもらいたい。
1軒目 ラーメン 大公(AM4:00オープン)
ラーメン大公のオープンは安心のAM4:00。
高円寺で最も早くオープンするのがこの店。
つまり早朝ハシゴ・コースのスタート地点というわけである。
ラーメン屋を標榜しているが、早朝のこの時間は完全な居酒屋タイム。
早起きして甘~い汁をナメたくなるのは人間もカブトムシも同じダネ!(捕まえちゃえ!)
人気メニューはオムライスとお好み焼きだという。ラーメン店である以上、店主は心中穏やかではあるまい。
辺りを飛び交うソーチョー・エロトークをBGMに、朝一発目の瓶ビールが美味い。
早朝とは思えない賑わいには、思わず入店を躊躇うだろうが、勇気を出して入ってもらいたい。
ここが怒涛の早朝ハシゴ・ツアーの始まりだ!
2軒目 やよひ(AM5:00オープン)
大公のオープンから間髪入れずAM5:00にスタートするのがやよひ。
物腰の柔らかい女性店主が切り盛りする、高円寺の名店の一つだ。
営業時間がAM5:00~AM10:00まで。
この逆コア・タイム。一体どの層を狙っているのか、甚だ不明である。
冷やし中華のノリで、なぜかテキーラを始めたやよひ。
なんといいますか、早く終わることを切に祈るばかりである。
やよひはかつて「お通し」と称し、普通の量のカレーまたはスパゲッティを出しており、その値段が500円であったことから「選べない定食屋」と呼ばれていたこともあった。
そんなやよひに最近お通し革命が発生し、なんと・・・・10種類以上のお通しの中から一つを自由に選べるという画期的な最新お通しシステムが確立されたのだという!
(だが人はそれを「メニュー」と呼ぶ。)
3軒目 キッチンアドリア(AM6:00オープン)
もう二軒もハシゴしちゃったよ~ギブギブ、なんてナマ言ってるKidsに悪いニュースです。
AM6:00、キッチンアドリアがさりげなくオープン!
6:30には満席で、入ろうとしても「満席なので後で来て」と言われる恐ろしさ。(店内では恒例のアメリカ批判が行われて居りました。)
言われた通り後で行っても同じ人が同じアメリカの批判をしていて入れなかった・・・!
店の看板は酔っ払いに破壊され、どこから貰ってきたのか分からない「サッポロビール」とだけ書かれた白看板で代用。
うっすら見えるだろうか「くろ」という消された店名。
(白なのに「くろ」・・・、プロなのに「安馬(あま)」だった現横綱・日馬富士もビックリ!)
内部はかくのごとき雑然とした具合で、ほとんど常連の為だけに営業しているお店であることがうかがい知れる。
また、ここアドリアではお昼は定食があるので是非トライしてもらいたい。注目すべきはオーダーをした、その後である。
本格的なコックの格好をしたマスター。「アイヨ!アジフライ定食ね!」という威勢良い返事をしたかと思うと、クルリと出口を目指し、何故か外出。
「ははあん、これはオーダーしてから材料を買いに行くというオチだな!」
無理もない、我々常人の想像が及ぶ範疇などその程度。
しかしアドリアでは、たとえばアジフライ定食をオーダーすると、すぐ近くにある東急ストアで何とアジフライ自体を買ってくるのである。ご飯だって安心の「サトウのご飯」ですし、ちゃんとほぐしてくれないから、サトウのご飯特有のコーナー部分のカーブがスゲエ残ってるシマツ・・・!(気まずいから急いでほぐそう!)
東急ストアの惣菜担当も、まさか自分の作ったモンが近所の飯屋でメニューとして大活躍しているとは思うまい。
4軒目 島ちゃん(AM8:00オープン)
残念ながら改装中だった焼き鳥屋・島ちゃん。
営業時間17:00~24:00と書かれているが、実際にはAM8:00から空いている。
もはや定番の「オープソ」も標準装備!
どうでも良いが、ハートがなんか・・・ヘタクソである。
5軒目 福龍門(AM11:00オープン)
ちょっと間隔が空くが、11:00になると高円寺の中華料理店が一斉オープソ!
いくつかある中から、本日は「高円寺北口徒歩0分」を自称することで知られる福龍門をご紹介。(実際には2分ほど要しますのであしからず)
目下、謎の大サービスで生ビールがたったの190円。(いつまで?の問いに店員は「永遠に」と答えてくれた。ジュンッ・・!)
この店、料理の出てくるスピードが異常に早いことで有名だ。
高円寺北口徒歩0分に負けるなとばかりに、チャーハンは徒歩2分、酢豚なんてダッシュ1分で出てきたりして、これは逆に不安になるレベルである。
しかもこのタイムはどんどん短縮されており、オーダーより先に料理が出てくる日も遠くはないともっぱらの噂である。
酒のメニューは超充実。
午前中からプロのドリンカーが紹興酒をススる背中を見てネクスト・クズが育つ!
酒をつまみに酒を飲もう!
6軒目 団らん(AM11:30ごろ ※不定期)
入りにくさ高円寺トップレベルだが、俺がかれこれ10年以上通っている超優良店が団らん。
カウンターのみの店は、明るいうちから早々に満席、常連スクラムの固さで新規参入を阻止!
現在カラオケのお店へジョブチェンジしようと画策中。定食屋からの華麗な転身を図っている。
ちなみにこのカラオケ、12時~15時の間は「練習」という名目で運が良ければタダで歌えることもある。
カラオケ店化が進み、元々の定食メニューがナリを潜めているのが現状だが、頼み込めばまだまだ定食を作ってくれることも・・・。
そんな団らんで定食を食べるチャンスがあれば、押さえておきたいのが「パプル定食」だ。
肉を醤油で食べるだけのFラン定食である。
常連だけではなく、マスターすら認める「全然美味くない」食い物であり、頼もうとすると「マズいけどいいのか?」と止められることで有名な食べ物。
ここ高円寺では、「パプル」の由来を知ろうとすると不幸になると言われており、従ってトーシローが深く追求するのはよしましょう。
(パプルの秘密知りたさに買出しに行くマスターを尾行したら「ビッグA」というスーパーで豚ばら肉を買っていることを突き止めたのだが、その3日後、自転車を盗まれた。)
団らんはサービスの良さも魅力。
気に入られると、凄くキツい謎の酒や、そのおつまみとして大量のオレオをくれる。
※この日はビールのつまみで「コーヒー」を貰いました。
なお、「野村克也がサッチーと離婚しないのはフェラチオが上手いからだ!」としきりに力説する常連がいますが、どうか気にしないで貰いたい。
7軒目 ふるさと(フリースタイル)
最後に、元祖家系居酒屋と言われ、斬新な営業スタイルで現在「高円寺最強」と言われている居酒屋ふるさとを紹介したい。
ここが玄関。
「自然との共生」と言えば聞こえが良いがこれが現実・・・
営業時間はAM6:00~23:00ぐらい。
ぐらい、という曖昧さも店主のおばちゃんの言葉通りであるからしょうがない。
いるかいないかドキドキしながら店に入り、いなけりゃおばちゃんをインターフォンで呼び出すワガママ・スタイルがヤングから絶大な支持を得る。
料金システムはこちら。
「つまみ」はたまたまおばちゃんの目に付いたものが出てくるのでそのときのお楽しみ!食パンが出た時は運が無かったと諦めよう↓
(なお、おばちゃんにあげたお菓子が次に行ったときに「つまみ」として戻ってくることがよくあるのでご注意。)
料金システムについて補足すると、セット料金さえ払えば、持ち込みは何でもOK。
インターフォンが無反応のときは、自分で持ち込んだものを勝手に食べたり飲んだりしている俺である。
この日入ったのはAM7:00。
やはり中には誰もおらず、インターフォンへの応答もなし。
しょうがなく自分で買ってきた缶ビールとツマミで一杯。
カウンターでの一人酒。いやあ、いい雰囲気だナア・・・
ひとしきり自分で持ってきた缶ビールを飲んだところで、おあいそ。
といっても、相変わらずインターフォンへの応答は無い。だけどここでセット料金1,000円払えば万事OK!(金を払わないと当然食い逃げになるぜ)
この自宅(アシッド)感、これが家系居酒屋たるゆえんである。
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朝飲み激戦区・高円寺が誇るこの奇跡の「早朝ハシゴコース」、いかがだっただだろうか。
死ぬまで何度酒が飲めるか分からないのだから、どうせ酔うならこういうところで酔っ払いたいもの。
高円寺に来た際は是非お立ち寄りを・・・(場所は自分で探してネ!)
See You Next Morning…….
(zukkiniさん)