ライターの彩雲と申します。
突然ですが、風船をたくさんふくらませてみたくないですか?

子供の頃は誰しも、風船に夢中になった経験が一度はあるのではないでしょうか。手のひらサイズのゴムが息を吹き込むと何倍にも大きくなる驚き、それがぷかぷか浮かぶ楽しさ、カラフルな色合い……風船は、人生における原初のエンタメ体験といえるものです。
そこで、子供の頃だけといわず、大人になった今だからこそ風船をふくらませてみるのはどうでしょうか。TVゲームやインターネットなどの高度で複雑な娯楽もいいですが、たまには童心に返るのも大切だと思います。

というわけで、風船を100個用意しました。これだけたくさんあれば、風船の魅力を余すところなく味わえるに違いありません。それでは早速、風船をふくらませていきましょう!
1個目


記念すべき最初の風船をふくらませました。およそ十数年ぶりに風船をふくらませて気付いたのは、「風船の口を結ぶの難しすぎ」ということです。単に僕が不器用なだけかもしれませんが、3分くらい手こずってしまいました。こんな調子で風船を100個もふくらませられるのか、早くも先行きが怪しくなってきました。
〜10個目


だんだんと「風船をふくらませる」という感覚がどんなものか思い出してきました。改めて実感しましたが、一発目はかなり力強く息を吹き込まないと風船がふくらんでいきません。大人の肺活量でこれなら、子供の頃はどうやって風船をふくらませていたんだ? と不思議になってきます。

なお、ふくらませた風船は順次隣の和室の方に放り込んでいます。今はまだ広々としたこの部屋ですが、最終的にどのような状態になるのでしょうか。
〜20個目


20個連続で風船をふくらませたおかげで、さすがに口を結ぶのにも慣れてきました。コツとしては、とにかく力任せにやることです。調べればもっとうまいやり方があるのかもしれませんが、そういう「大人の知恵」を持ち込むのは無粋な気がするので、今後もこのスタイルを貫こうと思います。
〜30個目


ここにきて気付いてしまいましたが、風船を「ふくらませる」こと自体は別に楽しくないかもしれません。風船の魅力とは、ふくらんだ状態のもので遊ぶことだったのだと今さらのように気付かされました。
しかし、これに気付いたところであと70個の風船をふくらませなければならないことに変わりはありません。早くも消化試合の様相を呈してきましたが、意志を強く持って頑張りましょう。
〜40個目

やる気が削がれた矢先、風船の口を結んでいる際に左手薬指から出血しました。悪いことは続くものです。

こうなると全てが憎たらしくなってきて、かわいいはずの風船も自分の吐息と唾をパッケージングしているだけに思えてきます。「息唾球(いきつばだま)」とでも呼ぶべき代物です。
〜50個目


さて、ようやく折り返し地点までたどり着きました。残り半分も頑張りましょうと言いたいところですが、今のモチベーションで復路を走りきれるか大いに不安です。

そして現時点での和室の様子はご覧の通り。よくもまあ目的もなくこれだけの風船をふくらませられたものです。肺活量アップのトレーニングだとしたら大したものですが、いかんせんWebライターが肺活量を鍛えたところでどうにもならないのがむなしいところです。
〜60個目


「俺は一体何をしてるんだ」という空虚さは相変わらず拭い去れませんが、なぜか身体的にはほぼ疲れがないのがせめてもの救いです(指から出血はしましたが)。
ただ、風船の周りに付着している白い粉(デンプン)がだんだん口の中に蓄積してきて、「さっき信玄餅食べたっけ?」というくらい口内がコナコナしてきたので、一旦水を飲みたいと思います。
〜70個目


70個目です。

そういえばさっきふくらませた風船に「できたてのホクロ」みたいな黒い斑点がありました。
……お察しの通り、言うべきことがありません。というか、ただ風船をふくらませているだけなのにいちいち何かしらのコメントを残せていた今までの方がどうかしていたのです。そうそう事件など起こるものではないですからね。
〜80個目

などと思っていたら、序盤で克服したはずの「結び問題」がここにきて再浮上。まるでイップスに陥ったかのように風船を結べなくなってしまいました。

しかし、「一度ふくらませた風船の空気を抜くと、ゴムが伸びて結びやすくなる」ということを発見し、なんとか結び目を作ることができました。やはり知恵は使った方がいいです。皆さんも参考にしてみてください。
〜90個目


さて、この長かったバルーンマラソンもいよいよ終わりが近づいてきました。今までさんざん文句を垂れてきましたが、この時間が終わってしまうとなると少し寂しくもあります。
風船を全てふくらませ終わると同時に、童心を忘れて再び大人の世界へと戻らなければならない……そう考えるとしんみりしてしまいますが、色とりどりの風船たちに負けないよう明るくラストスパートを駆け抜けましょう!
96個目

そしてとうとう……
97個目

ついに……
98個目

くるか……?
99個目

くるぞ……!
100個目

きた!!!

風船を100個ふくらませたぞ!!!やったーーーーーーーー!!!
スタートからおよそ2時間半、ついに風船を100個ふくらませることに成功しました。実際の表情に対して文章のテンションが高すぎだろと思われるかもしれませんが、それは記事上の演出ということでご理解ください。
そんなことより、この記事の要である100個の風船を今こそご覧にいれましょう。準備はいいですか?





これが風船100個だ!
壮観です。この場に子供を連れてきたら狂喜乱舞するに違いありません。いい歳をした僕ですら、不覚にも少しわくわくしてしまったほどです。やはり風船は、子供だけでなく大人にも通用する一級のエンターテイメントだったということでしょう。

というわけで、風船を100個ふくらませた結果「やってる最中はダルいけど、最終的にはなんだかんだ楽しい」ということがわかりました。皆さんもぜひ風船を100個ふくらませてみてくださいね。



ねえ。



本当に。



で……





風船を100個ふくらませてみた!







困ったな……このままでは終われないぞ……






風船が弾んで飛んでいっちゃった。ばるーん。なんちゃって。






シェー!






















ゴリラの真似!

ウホウホ! ウホウホ! ウホウホ!






ベロベロバー!















▼彩雲がオモコロ杯2021で金賞を受賞した記事はこちら!

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