ちびまる子ちゃんを見よう

アニメちびまる子ちゃんは1990年〜1992年に放送された一期と、1995年〜現在まで放送されている二期に分けられる。中野さんが登場したのは二期からなので今回は二期を中心に見ていこうと思う。

二期だと現在(2022年1月)配信されているのはNetflixFODがあるが、原作者のさくらももこが脚本を手掛けた1995年〜1999年4月までのお話はどの配信サービスでも取り扱っていない。なので見る為には今の所DVDを買うかレンタルする方法しかないのだが…

 

(私物のちびまる子ちゃんDVD。中古品が多いのは新品での取り扱いが無いものもある為)

私は既にさくらももこ脚本回のDVDはあらかた持っているのでそこら辺の心配はない。

 

DVD化されてないお話については、VHSで残ってるものは用意したし…

 

書籍で残ってる場合はそちらで確認する。

(『おはなしちびまる子ちゃん』の5巻)

 

しかし中野さん回及びオチを調べるには沢山ちびまる子ちゃんを見た方が良いので、中野さん回が収録されているDVDを調べ追加購入。

(タイトルに「中野さん」が入っているお話が収録されているDVD。)

そして最近のお話及び中野さん回を確認するべくNetflixに加入した。なぜNetflixを選んだかというと、そのとき見れるお話に中野さん回が多かったのだ。

 

準備は整ったし、気合も抜群だ!!!!

 

データで見るちびまる子ちゃん

 

あの意気込みからしばらくの月日が経ち、結果から言うとDVD335話・Netflix124話(途中エピソードが更新されたので実際の配信数より少し多め)の合計459話分のお話を見終わった。

そのうち中野さんが出てきたのは全部で14回  で、さくらももこ脚本回に絞ったら5回の出演だ。

数字だけ見ると少ないように見えるが、さくらももこがレギュラー放送のアニメ脚本から手を引く直前の1999年3月に放送された『おじいちゃんの照れ屋の友人』が中野さんの初登場回なので出演率はかなり高い方と言えるだろう。もしかすると作者本人もお気に入りのキャラクターだったのかもしれない。

今回の調査ではタイトルに「中野さん」が入っていない中野さん回や、DVD化・配信されてない中野さん回は視聴する事が出来なかったのが悔やまれるが、まとめをしていこうと思う。

 

まず初めに、ちびまる子ちゃんのオチの内訳をご覧いただきたい。

 

これを見ると、ちびまる子ちゃんは3回に2回はとほほとして終わっている事が分かる。「喜び」は文字通り誰かが喜ぶのがオチとなり、将来への夢や素晴らしい出来事に繋がる予感を匂わせて終わった際は「希望」とカウントした。

 

ついでに興味本位から、さくらももこ脚本回だけでオチの内訳グラフを作ったらこのようになった。

目を疑うようなとほほ率である。まる子達は4回に3回はとほほとさせられ、喜びの数も希望の数も大幅に減少している。さすが生みの親だけあってキャラクターに容赦がない。

加えてさくらももこ脚本の特徴としては複数の話が同時進行して物語が進められ、それぞれがオチていくのでかなりオチの判定が難しい。今回は本筋の話のオチをカウントした。

 

ちなみに「続く」というオチがあるのは2つのお話が続き物になることがあるためだ。現在だと30分枠で2本のお話を放送するのが主流だが、さくらももこ脚本は30分で1本だったので続き物の際はスペシャル回でもないのに1時間近くを1つのお話に使っていた。

また、全体の内訳グラフには無かった項目「畏怖」は主に野口さんの底知れなさに周囲が怖がるという内容が多かった。野口さんの具体的な畏怖話としては、停電の夜に真っ暗闇の中まる子やたまちゃんに加藤茶のモノマネを伝授したり、まる子のお姉ちゃんの友達から預かったハムスターがさくら家から脱走した際は、わざとハムスターを隠してさくら家を絶望に追い込んだりと様々だ。

また発見として、山田や小杉のようなクヨクヨしないキャラが「とほほ」という状況に追い込まれた場合は本人が全く気にしないため、とほほENDを回避する形になっていた。(ただのおバカENDに変わるだけだが)

 

それでは、次は具体的にどのような感情を抱いた時に「とほほ」に分類されるのか見てみよう。

絶望と情けなさが二大勢力となっている。

キッズアニメなので絶望と言っても、誰かに怒られたり忘れ物をしてしまったりと小さな絶望が主だが、中には孫との一回の食事代に7万5千円使ってしまった等深刻な絶望も混ざっている。大人が絶望系とほほに陥った場合は割りと洒落にならないケースが多いように感じた。

ちなみに私の好きなとほほは恥系とほほなのだが『かきぞめの宿題』というお話が特にオススメである。

 

さて、ここでは中野さん回がどのようにオチを迎えているか紹介したい。

パッと見る限りだとかなり慎ましい印象を受ける。注目したいのはありがた迷惑系とほほの割合が多い事だ。

中野さんは気弱な性格なので人からの善意を断りきれず余計な物を貰ったり、変な役割を担ってしまったりする為にありがた迷惑系とほほに陥ってしまうのだ。

 

 

他にもキャクター別にオチ方に傾向があるのか調べていたら、藤木オチ回がかなり悲惨である事に気が付いた。

グラフだけ見るとホラー漫画の主人公みたいなオチしか迎えていないが、藤木に一体何が起こっていると言うのだ。

 

藤木の不憫さはとどまる事を知らない。このグラフを見て欲しい。

これはオチになった人・オチでとほほとなった人・とほほとさせた人の回数を比較したものなのだが、意外な事にまる子に次いでオチを担当しているのは藤木だった。

藤木は(まる子の次に)人一倍とほほとする割に誰かをとほほとさせる事は全く無く、謙虚に生きている。それなのに人気ランキングでTOP30を逃しているなんて…

(※1.グラフのとほほとした人ととほほとさせた人の数に差がある理由は、とほほ系オチの大体の原因が「自業自得」で、必ずしも誰かにとほほとさせられる訳ではないからである)

(※2.原作版「前田さんの紙袋」では藤木が大野・杉山をとほほとさせるオチになっているが、アニメ版とは結構内容が違う。今回はアニメの話なのでグラフ結果はそちらに合わせています)

色々とデータを作ってみたが、藤木のデータを見る限りオチと人気はあまり関係ない事が分かった。人気者の大野くん・城ヶ崎さん・笹山さんはそもそもオチに関わる事がかなり少ないし…

 

やはり人の気持ちはデータに紐付くものではないのかもしれない。ということで、最後は私が感じた中野さんの具体的な魅力をいくつか解説したい。

 

>>中野さんの光と影<<