ライターの加味條です。
今日は、
の話をします。お付き合いください。
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先日、野球好きの同僚と話していたときのことだ。
「野球のルールって難しくないですか?盗塁していいタイミングがいつなのかとか、いまだにわからないんですよねー」
そう言う僕に、同僚は苦笑いした。
「確かに、そうかもなぁ。野球はルール以外に、暗黙のルールも多いしね」
「暗黙のルール?」
野球に疎い僕には、初耳である。
「たとえば、『点差が付いてるときは、送りバントしてはいけない』とか『相手チームのサインを盗んではいけない』とかね」
言われてみれば聞いたことがある気がするし、「サインを盗むな」は暗黙にしないでルールブックに書いた方がいいと思う。
「他のスポーツにも”暗黙のルール”って結構あるよ。バスケだったら『勝敗が決したらダンクシュートしちゃいけない』とか、卓球だったら『完封勝利してはいけない』とか」
「そうなんですね……全然知らなかったです。ちなみに、それを破ったらどうなるんですか?」
「そうだなあ……」
「ヒンシュクを買うかなあ」
うわあ。
嫌だ。嫌すぎる。
「得点を決められる」「試合に負ける」などであれば「悔しい」という感情で処理できそうだが、「ヒンシュクを買う」となると「恥ずかしい」が圧倒的に優位になる。運動音痴の人間にとっては、スポーツをやるだけでまあまあ恥ずかしいのに、恥の上塗りは避けたい。
まあ別にスポーツをする予定は向こう100年ほど無いが、せっかくなのでこのタイミングで世界中のスポーツの”暗黙のルール”を学んでみようと思う。
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というわけでここからは、様々なスポーツの”暗黙のルール”について見ていこう。
ただ、普通に紹介したのでは芸がないので、今回はライター3人に集まってもらい、彼らにクイズに答えてもらう形式で発表していこうと思う。読者の皆さまも、彼らと一緒に考えていただければ幸いだ。
集まった3人はこちら!
■回答者
藤原仁:スポーツ苦手。中学は陸上部、高校は弓道部。スポーツは見るのもやるのも好きではないし、体育は嫌いだった。
のぎへっぺん:スポーツ苦手。中学は卓球部。高校では少林寺拳法部で、上位校が棄権して繰り上げで全国大会に出た結果、瞬殺された。
ざわ:スポーツ好き。幼稚園でサッカー、小学校で野球・水泳・剣道、中高で軟式テニス部と様々なスポーツを経験。スポーツ観戦も好きでプロ野球などをしばしば観戦している。
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■出題者
加味條:スポーツ苦手。この記事を書いている人。中高陸上部。Jリーグ(サッカー)を観る以外、スポーツは観るのもやるのもからっきし。
意図せず4人中3人もスポーツに疎いメンバーを揃えてしまった。まあなんとかなるだろう。
では、
クイズのルール
:クイズの形式は、穴埋めクイズで行います。例えば野球の場合、こんな感じになります。
:この例題の [2] のように、答えは必ずしも空欄にピッタリ当てはまる言葉にはなりません。ピッタリにすると逆に難しいと思うので、動詞が入るか名詞が入るかなどは一目見てわかるようにしています。
: [1] [2] のどっちか片方だけ正解した場合はどうなりますか?
:合ってたところだけ開けますので、次に答える人が有利になります。
:みんなどんどん開けてくれ。
:あの、ちょっと良いですか?
:僕わりとスポーツ好きですし、結構普通に答えられちゃう気がするんですが大丈夫ですか?
:知識で答えられれば、知識で答えちゃって良いですよ。
:よっしゃ!
:じゃあ一問目いきましょう!
第一問 セパタクロー
:全然知らなかった。詰んだ。
:セパタクロー、見たことある人いますか?
:YouTubeとかで少しは見たかもな……。アクロバティックなやつですよね。
:スポーツで一番カッコいいやつだ。
:簡単に言うと、足でやるバレーボールですね。ルールはこんな感じです。
※実際はもっと多くのルールがありますが、簡易的なものを載せています。
競技の映像はこんな感じです↓
:「手はダメ」というルールなので頭や胸は使えますが、基本足でボールをさばきます。アタックに至ってはボールが時速140kmのスピードになるそうです。
:すげっ。
:ちょっと気になってきました。
:問題は、こちらです!
:「試合が途切れて」ってことはサーブのときとかってことですよね。
:セパタクローってどこの国の競技なんですか?
:タイとマレーシアです。
:じゃあタイっぽいルールを思い浮かべればいいんですね。
:タイっぽいルールって何?
:あ、僕思いつきました。答えてみていいですか?
:おお!どうぞ!
:おー!それっぽい!
:剣道でガッツポーズしちゃいけないみたいに、選手交代のときに浮かれた感じを出しちゃいけないのかなと思いました。
:どっちかは開くんじゃないですか!?
:ざわさんの答えは…
:不正解です!
:えーっ!! 良い線いったと思ったんですけどね。
:何だろう。全く浮かばない。
:スポーツ苦手組にはハードル高いんで、ヒントもらえますか?
:そうですね…。このルールが生まれた背景をお教えしましょう。
ヒント:
セパタクロー発祥の地、タイが仏教の国であるということがおそらく関係している。
:仏教っぽいルールを考えればいいのかな……。
:あ、わかったかもしれません。
:鳥居は仏教じゃなくて神道ですね。
:そうだった。
:不正解です!もう一個ヒント行きましょうか。
ヒント:
対戦相手に対して敬意を払うという意味で、守らなければならないルール。
:あ、わかったかも。もう一回いいですか?
:どうぞ!
:あー……”トーキック”か。ちょっと説明してもらっていいですか?
:トーキック、つまり爪先でボールを蹴るのって「足蹴にする」みたいなイメージでリスペクトが無いかな、と思いまして。ちゃんと相手に渡すときは、足の横で優しく蹴るんじゃないでしょうか?
:なるほど……。
:いったでしょ、これ!
:正解っぽい顔をしている。
:来るか?
:1つ目だけ正解です!
:うわーっ!!
:もう言っちゃいますけど、めちゃくちゃ惜しいです。
:あ、もう完全に分かったかも……。でも三回連続で答えるのは悪いので、まだ答えていない藤原さんいきます?
:え、いいの?
:ここで対戦相手への敬意を見せてきた。
:正解です!
:完全なる漁夫の利を得てしまった……。
答えの解説:
すべての動作を足で扱うスポーツであるセパタクローであるが、試合が止まって相手にボールを渡す際は、手でボールを優しく転がして渡さなければならない。
対戦相手(敵)であったとしてもスポーツは相手無くして成立するものではなく、対戦相手に対しても敬意を払うという意味で、セパタクロー競技を行う上で守らなければならない国際的なマナーとなっている。
※守らなくても反則ではないが、審判に怒られる。
:審判に怒られるの普通に嫌だな。
:では次の問題です!
第二問 スポーツチャンバラ
:スポチャンだ!
:「なるたる」の主人公がやってましたね。
:ざわさん剣道やってたんですよね? 剣道とスポーツチャンバラって、ルールが近いんじゃないですか?
:お、もしかしたら、ざわさん有利かもしれないですね。
:小学生だったから何も覚えてないです。
※実際はもっと多くのルールがありますが、簡易的なものを載せています。
:「どこかでも打てれば」というのは、子供VS大人でも試合になるように、という計らいがあるそうです。子供が大人の足を狙って勝つ、といった戦い方もできるとか。
:なるほど、面白いですね。
:そして問題の「暗黙のルール」がこちらです!
:埋めるところが多い……!! 開けるためにとりあえず答えてみるのもありですね。
:よし、じゃあ行きます!
:世の中の話だ。
:ある意味正解でしょ、これ。
:言ってることは正しいけど、違います。
:違った。
:じゃあ僕行きます!
:優しい世界。
:働き方改革が、スポーツのルールにまで影響を及ぼしている?
:そんなわけないです。
:え、[1] の「相手が」も開かないんですか? そこは合ってると思ったのに……。
:じゃあもう、どこか1つでも開けるためだけに行ってもいいですか?
:絶対1個は開くでしょ!
:ルールをハックしようとするな。
:1個も開かないです。
:えーっ!
…。
そりゃそうか。
:じゃあ、ヒント行きます!
ヒント:
スポーツチャンバラは「サムライスポーツ」とされており、純粋に剣技を競うスポーツであるために生まれたマナー。
:つまり、サムライの精神を考えればいいのか……?
:あ、そういうことか!行きます!
:そんなわけなくない?
:サムライって殺し合いですから。殺し合いに審判はいないし、どんな手を使っても勝つのが正義。
:だから、そんなわけくない?
:えっと……一部正解です。
:マジかよ。
※ [1] が正解。[2] もほぼ正解。
:これはもう完全に分かりました。
:どうぞ!
:正解です!
:やったー!!!
答えの解説:
スポーツチャンバラは非常に速い攻防のため、 まれに審判の判定が間に合わない場合がある。
そのような場合でも、自分が負けたと思った場合には、自分で申告して負けを認めることがマナーとされている。「万一審判の見落としがあったとしても、自分が負けたと思った以上はそこで勝負は終わっている」という考え方によるもの。
:これ俺だったら従わないなぁ……。
:侍の精神を見習いましょうよ、そこは。
:剣道には、こういうルールないんですか?
:何も覚えてないです。