どうも、野球好きです。

 

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よく「政治と宗教と野球の話はするな」と言われていますが、
今からめちゃくちゃ野球の話をします。
野球わからない人本当にすいません。

 

しかし、野球を知らなくても、
野村克也という人物は皆さんご存知かと思います。

 

自分は野村克也を信奉している野村信者の一人なのですが、
そのノムさんに関して最近このようなことがよく言われています。

 

 

「野村克也の本、話を使いまわしすぎ」

 

 

いやいや、そんなことないだろ。
もし本当にそうだったとしても
捕手でありながら通算3017試合も出場して
657本もホームラン打ってるんだからどうでもいいだろ。

 

 

というわけで、ノムさんの本は本当に使いまわしが多いのか、
実際に野村克也の著作を読んで検証してみました。

 

以下が読んだ本のリストです。
読み飛ばして大丈夫です。

 

1『野村ノート』(小学館、2005年10月)
2『巨人軍論:組織とは、人間とは、伝統とは』(角川oneテーマ21、2006年2月)
3『無形の力:私の履歴書』(日本経済新聞出版社、2006年03月)
4『あぁ、阪神タイガース:負ける理由、勝つ理由』(角川oneテーマ21、2008年2月)
5『野村の流儀:人生の教えとなる257の言葉』(ぴあ、2008年2月)
6『野村の「眼」:弱者の戦い』(ベストセラーズ、2008年2月)
7『敵は我に在り』(新装版、上巻、ワニ文庫、2008年2月)
8『敵は我に在り』(新装版、下巻、ワニ文庫、2008年2月)
9『エースの品格:一流と二流の違いとは』(小学館(Clickシリーズ) 、2008年5月)
10『野村再生工場:叱り方、褒め方、教え方』(角川oneテーマ21、2008年8月)
11『あぁ、監督:名将、奇将、珍将』(角川oneテーマ21、2009年2月)
12『野村の極意:人生を豊かにする259の言葉』(ぴあ、2009年3月)
13『負けに不思議の負けなし』(朝日文庫、完全版、上巻、2009年3月)
14『負けに不思議の負けなし』(朝日文庫、完全版、下巻、2009年3月)
15『野村主義:勝利への執着力』(小学館、2009年5月)
16『弱者の兵法:野村流 必勝の人材育成論・組織論』(アスペクト、2009年7月)
17『野村の革命』(ベストセラーズ、2009年11月)
18『あ~ぁ、楽天イーグルス』 (角川oneテーマ21、2009年12月)
19『野球は頭でするもんだ!』(朝日文庫、完全版、上巻、2010年4月)
20『野球は頭でするもんだ!』(朝日文庫、完全版、下巻、2010年4月)
21『野村の実践「論語」』(小学館、2010年11月)
22『野村ボヤキ語録:人を変える言葉、人を動かす言葉 』 (角川oneテーマ21、2011年1月)
23『私とプロ野球』(ベストセラーズ、2011年2月)
24『考える野球』(角川SSC新書、2011年4月)
25『野村の見立て:わたしが見抜いた意外な長所・短所』(東邦出版、2011年6月)
26『私が野球から学んだ人生で最も大切な101のこと』(海竜社、2011年7月)
27『プロ野球重大事件:誰も知らない”あの真相”』(角川oneテーマ21、2012年2月)
28『理想の野球』(PHP新書、2012年3月)
29『人生を勝利に導く金言』(致知出版社、2012年4月)
30『野球のメキキ:観戦力が高まる本』(東邦出版、2012年5月)
31『そなえ:35歳までに学んでおくべきこと』(大和書房、2012年9月)
32『オレとO・N』(小学館、2012年10月)
33『この一球:野村克也の人生論』(海竜社、2012年11月)
34『阪神タイガース暗黒時代再び』(宝島社新書、2012年12月)
35『執着心:勝負を決めた一球』(PHP新書、2013年1月)
36『負けかたの極意』(講談社、2013年5月)
37『ノムラの教え:弱者の戦略99の名言』(講談社、2013年5月)
38『監督の器』(イースト新書、2013年6月)
39『読売巨人軍黄金時代再び』(宝島社新書、2013年6月)
40『リーダー論 ~覚悟を持って道を示せ~』(大和書房 、2013年7月)
41『私の教え子ベストナイン』(光文社新書、2013年9月)
42『野村克也の「菜根譚」』(宝島社、2013年11月)
43『人生に打ち勝つ野村のボヤキ:一流か二流か――手を見ればわかる』(三笠書房、2013年11月)
44『私が見た最高の選手、最低の選手』(東邦出版、2013年12月)
45『野生の教育論:闘争心と教養をどう磨くか』(ダイヤモンド社、2013年12月)
46『楽天はなぜ強くなれたのか:巨人の「天才野球」をしのいだ力』(PHP新書、2014年1月)
47『野球のコツ:「下手な選手は上手く」なり、「弱いチームは強く」なる!』(竹書房新書、2014年4月)
48『理は変革の中にあり』(ベストセラーズ、2014年5月)

 

このリストの最初にある2005年に出版された『野村ノート』がベストセラーになり、
これ以降、年に数冊以上というハイペースで野村本が出版されていくことになりました。

 

 

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その『野村ノート』以降の著作をすべて出版された順に目を通し、
そのデータをノートにまとめました。

 

 

 

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それがこの野村ノートノートです。

 

これは野村克也のデータ野球をさらにデータとしてまとめたものです。
チョコバットの当たりを集めるともらえる景品のノートを使用しています。

 

ちなみに、手元にない資料を集めるために国会図書館まで行ったりしたのですが、
国会図書館のコンピュータで「野村克也」と検索したら、
野々村克也という名前の先生が出している『小児泌尿器科』という本がヒットしました。
野村克也と一文字違いかつ、野々村病院の人々でもあるってすごいですね。

 

 

そして、その中身がこちらです。

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これだけだと意味がわからないと思うので詳しく解説していきます。

 

横並びの数字は先ほど紹介した読んだ本のリストの番号に対応していて、
縦並びのアルファベットはノムさんの本によく出てくる実際にあったエピソードです。

 

エピソード内容を具体的に説明すると、

 

 

A.直訴

阪神タイガースの監督時代、オーナーに「辞めます」と言いに来たついでに
「どうせ辞めるんだからどうにでもなれ」とヤケクソになって
「阪神が弱いのはオーナー、あなたの責任だ」と切りだし
「4番とエースは育てられないので獲ってください」とお願いした
『久万オーナーへの直訴』

 

 

B.革命

南海ホークスの監督時代、
江夏豊をリリーフに転向させようとするが受け入れてもらえず
「リリーフの分野で革命を起こしてみないか?」と言って口説き落とした
『江夏レボリューション』

 

 

C.16mm

現役時代、どうしても打てなかった稲尾和久の投球フォームから
クセを探すために16ミリのカメラを借りて稲尾を撮影、
その映像を研究して見事にクセを見つけだすことに成功した
『知り合いから借りた16ミリカメラ』

 

 

D.長嶋

南海ホークスの監督時代、
巨人の川上哲治監督からトレードの話を持ちかけられ、
指定された料亭に赴くとなぜかそこに長嶋茂雄がおり、
川上監督から「長嶋はいずれ巨人の監督になるので
トレード交渉というのはどういうものなのか見せてやるために同席させてほしいと言われた
『料亭に長嶋がいてビックリ事件』

 

 

E.門田

南海ホークスの監督時代、
全打席ホームランを狙っているという門田博光に
「ホームランはヒットの延長で狙って打つものではない」と説くため、
オープン戦の試合前に王貞治のところへ行き
「ワンちゃん、ホームランって狙ってるの?」と聞くと
「ホームランは狙って打つものではない」と言ったので
「それ見たことか」と門田を見ると
「監督はずるい!口裏を合わせたでしょう!」と言われてしまった
『門田説得失敗』

 

 

F.ギャンブルスタート

ヤクルト監督時代の1992年、
西武との日本シリーズ第4戦、同点で迎えた7回一死満塁の場面で
打者が一、二塁間のゴロを打ったにも関わらず
三塁ランナー・広沢のスタートが悪かったことからホームイン出来ず、
そのまま日本シリーズも敗れてしまったため、
バットとボールが当たった瞬間に三塁ランナーにスタートを切らせる
“ギャンブルスタートという作戦を編み出した
『ギャンブルスタート』

 

 

G.清原

阪神・藤川球児がフォークボールを投げて三振を奪ったことに対して
「真っ直ぐで勝負してこんかい!チンポコついとんのか!」と言ったことを非難した
『清原チンポコ事件』

 

 

H.脅迫

現役時代、南海ホークスに入団してわずか1年で即クビを宣告され、
球団に「クビになったら生きていけません。南海電鉄に飛び込んで自殺します」
と言って何とかクビを撤回してもらった
『南海電鉄脅迫事件』

 

 

I.稲葉

ヤクルトの監督時代、
息子カツノリの試合を見にいったら
たまたま相手チームの4番がホームランを打っていて
「あの選手いいじゃないか」とスカウトに聞くと
「どの球団もマークしていませんよ」と言うので
「それならドラフトで指名しよう」ということになり、
それが現・日ハムの稲葉篤紀だったという
『稲葉がプロ野球選手になれたのカツノリのおかげ事件』

 

 

J.カーブ

現役当初、まったく変化球を打つことが出来ず、
観客席から「野村、カーブのおばけが来るぞ」と野次を飛ばされたという
『カーブのおばけ』

 

 

K.城島

とにかくひたすら城島健司の捕手としてのリードに苦言を呈する
『城島批判』

 

 

L.飯田

ヤクルト監督時代、
当時キャッチャーだった飯田哲也の足を活かすために
外野手へ転向させようとして
「キャッチャーミットは買い取ってあげるからそのお金でグラブを買いなさい」
と言って説得した
『キャッチャーミット買い取り業』

 

 

となっています。

これ以外にも、
“福本豊の盗塁を阻止するために世界で初めてクイックモーションを開発した”、
”皆川睦雄に「小さいスライダーを覚えろ」と言ってそれが今のカットボール呼ばれている”、
など頻出するエピソードはいくらでもあるので適当に印象に残っているものを選びました。

 

 

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○がついているところがその本に載っているエピソードということになるので、
1『野村ノート』には、 久万オーナーへの直訴、江夏のリリーフ転向、
料亭に長嶋がいた、門田説得失敗、ギャンブルスタート、清原チンポコ発言、城島批判
が書かれているということになります。

 

 

この表を見るとたしかにエピソードの使いまわしが多いことがわかりました。

 

久万オーナーへの直訴は48冊中24冊で使われており、打率.500です。
2回に1回は直訴に行っているという計算になります。
これがマジの直訴だったら田中正造が何人いても足りません。

 

しかし、ちょっと待ってください。

 

ノムさんの本は本当におもしろいんです。
内容が被っているとはいえ、

細部に違いがあったりして何冊も読んでいくと新たな発見があったりするのです。

 

そこで、野村本の魅力を伝えるべく野村ノートノートを活用して
さらに深く1つ1つの本やエピソードを掘り下げて行きたいと思います。