ある1枚の写真から見ていただきたい。
画像中央やや下辺り、冴えない入り口を持つ不振な飲食店が確認出来るだろうか。
これは今回の特集でご紹介する1軒のそば屋の、その外観である。
これをもっと近くで見てみよう。
シャッターは下りかけており、のれんは出ていない。
全く客を迎え入れようとしていない「そっとしといて下さい・・」オーラを前に、このお店が営業中だと聞いて信じられる人はいるだろうか。
驚くなよ・・・このお店の中では今まさに、狂おしいほどにごく一般的な、やんごとなきほどに極普通の飲酒行為が行われているんだぞ・・・・!
本日は非常に奥ゆかしいこのお店がなぜのれんを出さないのか、それでいてなぜ潰れずに続けられているのかを突撃調査してきたので発表したい。
●のれんを出さずに営業するそば屋との出会い
場所は東京の主要地方道路として名高い環状7号線(通称環七)沿いにあり、特集でも度々紹介している高円寺の北に位置する野方(のがた)駅前。
元々このお店を知ったのは一番最初に掲載した画像と共に送られてきた地元の方からの情報提供がきっかけだ。
のれんを出さずに早朝営業しているそば屋があり、しかもそばを頼むと「そばはない」と言う謎の飲食店なのだそうだ。不思議!
で、送られてきたメールは以下の通り。
このメールを受けた時点で「シャッターが閉まっていない限りお店は開いている」というかなり有難い前情報を得ており、これは取材する場合にはかなり助かる話。
なのだが、行ってみるとそのハードルの高さを痛感する事態に・・・
まずは画像をどうぞ。
Oh….シャッターこそないけど、薄く張られたアツアツの結界が見えますか。
入り口の前までは行けるが、この圧倒的なキサマここに何の用だ感はなんだろう・・・・!
《本当に閉まっているときは格子状シャッターが下りています》
そうなのかもしれないけど・・・、中がどうなっているのか、なぜのれんを出さないのかが気になり過ぎて、さすがに色々なお店に突入した俺でも入る勇気が出ない。
明らかに外部には意図的に営業していない風を装っているのに、初めて入る客がどういう態度、理由で入れば良いのか全く検討が付かないのである。
もう一つの入り口に至っては思いっきりゴミがおいてあることだし、今日は絶対に営業していない!という弱気なセルフジャッジで初訪問は何も収穫無く退散。
しかしここから、このお店の入り口が開く瞬間をジッと待つだけの長い戦いが始まるのであった・・・・
一応シャッターだって微妙に下りかけてたし、この前の状態でも閉まってる状態なのでは・・・?などという都合の良い解釈をした俺だが、次の日の朝行ってみてその御姿に愕然・・・・。
《本当に閉まっているときは格子状シャッターが下りています》
ライティ・ライト..
そば屋を守るにはいささか堅牢すぎる格子状シャッター。野方には練馬辺りから暴徒が略奪にでもやってくるんでしょうか。
しかしまあ、この清々しいほどの閉まりっぷりを見たとき、やはり情報通り前日のアノ状態こそ営業中だったのだと、中には人が居て酒を飲んでいたのだと・・・・!そう思うとボクは心底鳥肌が立ったので御座います。
(そして同時にこのお店が少なくとも7時半前には開店していることと、店の前には何故か常にチャリがあることを突き止めたのであった。)