珍スポット 4つ目

次は僕ですね。

 

あ~、これはありそう。

勝手なイメージですけど、珍スポットを経営されてるのって結構……その……おおらかな人が多そうじゃないですか。

だいぶ言葉を選びましたね。

だから金銭感覚も緩いイメージがあるので、店主の気分次第で会計がめっちゃ変わる店もあるのかなと……。

 

なるほど~。うーん、お会計が高くなるお店っていうのはちょっと聞いたことがないですね。

あっ、無いんだ。

むしろ信じられないぐらいサービスしてくれる、どうやっても採算が合わない店ならあります!

 

愛知県の犬山市にある『パブレスト百万ドル』っていう喫茶店なんですけど、ここは自分が今まで行った中でもサービスがずば抜けてました。

安い店って多そうなイメージがありますけど、その中でも飛び抜けてるんですか?

 

まず外観なんですけど、店主のおじさんが描いた落書きで埋め尽くされてます。

見ただけでヤバい。

レインボービレッジとはまた違う趣がある。

 

落書きは夢の中で聞いた言葉とか、昔よく行ってたキャバレーの名前とからしいです。あといろいろ事情があって、あまり会えなくなった子どもの名前とかも書かれてます。

やめてよ。

で、入って500円ぐらいのコーヒーを注文したんですけど。全く頼んでないのに

 

・お団子1串
・ワイン1杯
・スイカ1/8切れ
・サラダ

 

が付いてきました。

食べ合わせヤバくないですか?

愛知ってモーニングの文化があるんで『この店のモーニングも凄いな~』程度に思ってたんですけどね、その時は。食べ終わったあとさらに、

 

・サンドイッチ16切れ
・菓子パン
・マカダミアナッツ
・大福餅
・スーパーで売ってるお惣菜のカツ丼

 

をサービスしてくれました。それで500円です

やば過ぎ。

それ、経営はどうしてるんですか?

自分にも分からないんですよ……ただ店主が物凄く良い人で……。すごく好きな店で何回も通ってるんですけど、毎回サービスしてくれるものが違うんですよね。前に行ったときは常連のおばちゃんに「いくらなんでもサービスしすぎ!」って怒られてました

夜とかで巻き返してるんですかね。

いや、夜でも全然巻き返せてないと思いますよ。

何なんだよ。

手の込んだ自殺?

けど最近はTVでも取り上げられて、若いお客さんも増えてるみたいです! 店主も楽しそうに働かれてますね。オススメの喫茶店なので、愛知に立ち寄られた際は是非!

>松澤さんが『パブレスト百万ドル』を紹介された記事はこちらから!

 

珍スポット 5つ目

続いては不思議な場所のご紹介です。

 

こんな感じで、特定の敷地内だけ異常にモグラがいる広場です。

多すぎない?

これ、場所はどこにあるんですか?

場所は、府中です。ぶっちゃけて言うと、府中刑務所の運動場ですわ。

刑務所かい。

刑務所ってモグラの温床なの?

これはね、『モグラの天敵は何か?』考えたら理由はすぐに分かるんですよ。

モグラの天敵って、アリとネズミなんです。

アリとネズミ。

モグラは目が退化して見えないので、アリやネズミの大群に攻められたら対処できないんです。一瞬で骨になります

そんなことある?

で、刑務所って外と通じて悪い人が脱走しようとするでしょ。だから刑務官もすごく指導されてるんですよ。

 

「アリ一匹見逃すな!」「ネズミ一匹通すな!」って。だからこの敷地内には、アリもネズミも一匹もいないんですよ。

比喩じゃなくて??

律儀に守ってるんだな。

 

でもモグラは通すなって言われてないでしょ?だから天敵がいない空間なので、ここにはモグラが滅茶苦茶いるんですよ。

モグラを殺さずにネズミだけ殺すって逆に難しくないですか?

そういう感じで、特定の動物が異常に見つかるスポットはあるかなと思って。

そうですねぇ……特定の動物が沢山いるスポットで言うと……、

無い……?

 

ありますね。

珍スポの守備範囲すごいな。

 

理屈は違いますけど青森県に『蕪島』という、歩いて15分ぐらいで一周できる小さい島がありまして。その島にはウミネコっていう鳥が3万羽飛び回っています

 

多っっ。

本当に多くて、1~2km離れた所でもウミネコの鳴く声が聞こえてくるんです。あと島には神社もあるんですけど、ずっと頭上に鳥が飛んでるので、フンを引っ掛けられることが結構あるらしいんです。

3万羽もいますもんね。

その神社ではフンを引っ掛けられると『運(ウン)が付いた』ってことで。フンが付いた服を神社に持って行くと、会運(かいうん)証明書がもらえます。

上手いことできてるな。

なんでそんなにウミネコが多いんですか?

元々ウミネコの繁殖地だったらしくて、国内では唯一間近で観察できる場所なんです。今は島自体が天然記念物に指定されて、保護されているからってのもあると思います。

天敵がいない、っていうのもあるんでしょうね。

ムリヤリ自分の説に繋げようとしてません?

>松澤さんが『蕪島』を紹介された記事はこちらから!

 

珍スポット 6つ目

「名所なのに、人為的なミスで珍スポになっちゃった」っていう場合もあると思うんです。

なるほど。

 

というわけで今回のタイトルは「カスインバウンドマーケティング ヨーグルト沼」です。

何じゃそら。

ここ数年でインバウンド事業が大変注目されています。特に地方では、いかにして外国人観光客を呼び込めないかと熱心になっていますよね。

また長くなりそうだな。

若手社員のプレゼン?

 

その一環で、エリアを調査して観光スポットを探すらしいです。たとえばこちらの『豪徳寺』。招き猫だらけでいかにも観光地向けでインスタ映えもしそうですけど、2年前まで全く知られてないスポットでした。

えっ! 僕、昔この辺に住んでたんですよ。こんな所だったんですか!?

そうなんです。整備して現在の状態にした結果、今や年間20万人が訪れる観光の名所に成長したんです。

今度行こ。

元々ポテンシャルを持つスポットに日の目が当たった良い例ですね。

 

 

で、ここからが嘘なんですけど。これがその、水面が一面真っ白の沼です。これを「凄い観光資源にするぞ!」と躍起になったんですけど、カスマーケティングで大失敗。

ウユニ塩湖みたいになれそうなのに。

 

まず、第一印象を決める大事な名前が「ヨーグルト沼」。キモ過ぎる。しかも沼が白くなった原因が「そういうカエルの卵」。キモ過ぎ。

最悪。

それでも、上手くごまかせば良かったんですけどね。

 

 

「これ、カエルの卵なんですよ~^^」って高らかに言って、のめるヨーグルト沼っていうキモすぎ商品を発売します。

哀れ。

このように客の神経を逆なでするカスマ(カスマーケティング)のせいで観光名所としてのポテンシャルが破壊されて、白い沼はキモい珍スポットとして扱われてしまいました。

悲しいねぇ……。

悲しいけど嘘だなぁ……。

チャウゾさん、泉とか沼とか好きですね。

 

そうですねぇ、ミスから生まれた珍スポットか……意図せず珍スポット好きに愛されるようになってしまったという意味なら、「ある」になりますね!

おっ。

 

これは珍スポットあるあるなんですけど、1980年代に各自治体に『ふるさと創生資金』っていうお金が1億円配られたんです。地方を盛り上げるためのお金だったんですが、結果的に珍スポ好きに愛されるオブジェが各地にいろいろ作られちゃいました。たとえば青森県に『木造駅』っていう駅があるんですけど、そこには

 

ふるさと創生資金で作った、超デカい土偶のオブジェが設置されてます。

でかっ!

結構シャレにならない大きさだ。

そもそもこの駅の近くに光器土偶っていう、このオブジェと同じ形の土偶が出土した『亀ヶ岡遺跡』がありまして。それをアピールするためのオブジェなんです。こうして語り継がれて話題になってるのでミスではないですけど、やっぱり珍スポットってデカいと面白いんですよね。

たしかに、あまりにもデカいと無条件で笑っちゃう。

この木造駅のオブジャは作りも凝ってて、当初は電車が通ると目が光るようになってたんですけど「怖い」っていう苦情が出たらしくて。今は光ってないですけど、自分みたいな観光客があらかじめ言ったら光らせてくれる時もあるみたいです。

>松澤さんが『木造駅』を紹介された記事はこちらから!

 

プレゼン終了!

本日はありがとうございました! 珍スポのエピソードも沢山聞けて、大変興味深かったです。

僕らが考えたスポットも、殆ど実在してましたね。

そうですか??

いや~こちらこそ! 楽しい時間をありがとうございます!

これだけ沢山の珍スポをご存じな松澤さんですが、珍スポの魅力といえばどんな点なんでしょうか?

そうですねぇ。珍スポの店主って、最初は『面白いことをやってやろう!』ってスタートした人が多いと思うんですけど。自分は特に、50代を超えたぐらいの人たちが旬だと思うので好きですね。

旬?

 

このぐらいの年齢になると『面白いものを見せたい』って気持ちと『もう引くに引けない』って気持ちが丁度よく交わってるんです。狙ってやってる姿と生き様が合致してるのが「そうそう、面白いってこういう事だよな!」ってすごく共感出来て最高なんです!

忘れてたけど松澤さんも大概変な人だった。

そんな風に『なんでこんな事やってるんだろう』って何割か思ってて、悩みつつもやり続けてる人が自分は凄く好きで。店主の皆さんは自分の生き方の先輩だと思うんです。だから行けば行くほど元気が出るし『あの人たちが50代まで頑張ってるし、俺もやってみるか!』って気持ちになれますね。

たしかに松澤さんも独自のビジネスを開拓していますし、やり続けるのは大変なエネルギーが要りそうですね。

そうですね。最初は珍スポの変わったところを見て楽しんでたんですけど、最近になって『俯瞰で見たら自分も同じだな』と思えるようになりました。50歳や60歳になって、自分も若い人たちに発見されて面白がってもらえたら良いな~って思います。

松澤さんも『引くに引けないところまでやってやろう』って感じなんですか?

いやぁ、だって……

 

 

 

そこまでやるからこそ面白いじゃないですか?

目が座ってる。

覚悟を決めた人間の目だ。

今後のご活動も楽しみにしています……!

 

いかがだったでしょうか? 皆さんにも是非、珍スポに興味を持って頂けると幸いです。

今回載せきれられなかったエピソードも沢山ありますので、またどこかでご紹介したいと思います! 最後まで読んで頂き、ありがとうございました。

(画像ご協力:東京別視点ガイド