こんにちは。

みなさん、「美少女モノ」って好きですか?好きですね?違いますか?

 

いきなり距離感を掴めてないオタクみたいな質問を投げかけてしまって申し訳ないですが、これからちゃんと説明しますね。

 

アニメ、漫画、ゲーム、さまざまな媒体において重要なファクターである「美少女」…。

さらにその美少女に「何か」の要素を組み合わせることによって大きなシナジーを生み出します。

 

…しかし、そんな「美少女×〇〇」ですが、こうも思いませんか?

 

 

美少女群雄割拠のこの時代。既にめちゃくちゃやってる。スポーツ、趣味、仕事、神話…本当に森羅万象全部やってる。日本国民の飽くなき探求心、怖すぎる。

 

ということは、もはや「美少女×〇〇」は枯渇した資源なのでしょうか…。

 

いや、そんなことはない。まだ見ぬ「美少女×〇〇」がまだあるはず。

むしろ、なんだったら俺が作る。

 

 

そんな熱い想いを抱えた男たちが集まりました。

 

彼らのアイデアは、このお二人にジャッジしていただきます。実際に美少女が活躍する作品を作り出してきたプロ中のプロです。

伊藤翔平さん:バンダイナムコエンターテインメントのプロデューサー。手がけた作品はアプリゲーム「荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!」など。

有澤亮哉さん:バンダイナムコアーツのプロデューサー。手がけた作品はアニメ「荒野のコトブキ飛行隊」など。

 

 

ちなみに、この記事は美少女×戦闘機がコンセプトのアプリゲーム「荒野のコトブキ飛行隊 大空のテイクオフガールズ!」をPRする記事です。こんな偶然ってあるんですね。

 

ARuFa

1人目は美少女アニメが大好きなARuFa。昨日も深夜までアニメを見ながら味噌汁を1リットル飲んでいたらしいですが、果たしてどのようなプレゼンをしてくれるのでしょうか。

聞くところによると、今回は「美少女×〇〇」のアニメを考えてきたそうです。

 

いきなりですが、ウケるアニメのテーマの要素ってなんだと思いますか?

「ウケる」…ですか

いろいろあると思うんですけど衣食住に関することですかね?

おっ! 衣食住!? マジか! いやぁ~すごい! 流石ですね!

もしかして正解……?

全然違います。

悲しっ

 

僕が思うに、誰もが体験したことのある「あるある」かつ、感情が揺さぶられるものがウケるんですよ。

なるほど、たしかに広く共感性のあるテーマはウケやすいかもしれませんね。

そうでしょう?

 

 

というわけで、まずは本題に行く前に、お二方に僕からプレゼントを差し上げます!

チーズケーキ?

いいとこのチーズケーキです。お近づきのしるしということで…

 

僕が切り分けましょうかね

 

 

切っていくぞ~!

急な包丁ってこんなに怖いもんですね。

 

 

はい。じゃあ切り分けますね。 3人なんで三等分でいいですか?

おねがいします。楽しみだな~。

 

スッ

 

スッ

えっ?

 

はい、三等分っと! こんな感じですかね。

え、ちょっと…。

 

 

じゃあ、僕はこれいただきます!

でか!

ちょっと!不公平じゃないですか!?

 

そう!まさにそれです! 今、自分が圧倒的に小さく切り分けられて、感情が動きませんでしたか…?

まあ…それはたしかに、そうですね。

そうなんです。この「切り分け」って、日常的に行われていて、さらに感情がとても動かされる行為だと思うんです。

なるほど。

なので僕は、そんな「切り分け」をテーマにしたアニメを考えてきました…

 

その名も……

 

パッ

 

「はん×はん♪ カットガールズ」です!!

 

おお!めちゃくちゃクオリティが高い!

完全にアニメのキービジュアルとして成立してますね。

でも「切り分け」ってアニメできるような内容ですか?

ご安心ください。これは「青春部活もの」なんです。

 

このような設定になっています

フィクショナルな世界観でも、ここまで突き抜けると全然良いですね!

 

というわけで、それぞれのキャラクターをご紹介していきましょう。

 

この子は主人公の千矢人(ちやんと)わけるです。

『ちやんと』????

 

この子は17人兄妹の長女なので、日常的にかなり難しい切り分けを行っているんです。

たしかに17等分は難しい。

なので、天才的な『分け』の才能があるんですが、本人には自覚がないんですね。

無自覚な才能というのも主人公っぽいですね。

 

こちらは等分寺(とうぶんじ)いこる。真面目な委員長キャラですね。

ヘアピンが「=」になってるディテールも良いですね。

 

常に冷静で、寸分たがわぬ精度の『分け』を得意とします。しかし、融通の効かなさで苦戦することもあるそうです。

真面目キャラによくある設定だ!

あと「いこるに不良みたいなことを挑戦させる回」が、1期の5話目にあります。

真面目キャラによくある設定じゃん!!

 

それと素数が嫌い(割り切れないから)なので、うっかり素数を言った人間の顔をMYノギスで挟む鉄板ギャグがあります。

それはダルいですね。

日常生活だいぶややこしくなりそう。

 

更にクソバカ元気キャラ、霧裂(きりさき)もぐ

 

自分の感覚に任せて豪快に切り分けるプレイスタイルを得意とします。

スパイとして近付いてきた対戦相手の学校の子に作戦内容を話してしまい、何とか勝利するも、相手がスパイだと分かって号泣するという悲しい事件の回があって、

そして、その時の名ゼリフが「こんなの……割り切れねーよ……」です

あれ? なんかもう放送されてる前提で話してません?

 

そして気弱でおっとり系の穴谷譲(あなたにゆずる)

公平に等分するよりも、他人を喜ばすために、大きい方を相手に渡しちゃったりします。

あらあら……

あと、多くは語りませんが同人誌が大変たくさん出ます。

なんかわかりますね。

 

 

そして欠かせないのがライバルの存在ですね。

横瀬 強奪(よこせロブリ)。

名前エグいな。

 

人の歴史は奪い合いで成長してきたという理念を持つ『私立奪合女子学園』のリーダーです。

がさつな性格なので、相手のマックポテトも食うし、スーパーの割り箸も必要ないのに20膳もらいます。

がさつさの生活感がすごい。

 

それと実は、いこるとは幼馴染で同じ小学校だったという噂も……

それはなぜそんな設定にしたんですか?

みんなそういうのが好きだからです。

くそっ……言い返せない……

 

そしてこの「はん×はん♪ カットガールズ」は部活ものですから、当然競技もあるわけですね。

まずはこれ

 

直径1㎞のクソデカいケーキを正確に切り分けていく課題です。

思ったより過酷だ!

 

果てしなく広がる一面のクリームの中だと、段々と方向感覚が狂ってしまい、グルグルとその場を回ってしまうんですよ……

「八甲田山」かな……?

遭難しても地面がケーキだから一応安全なのも気が利いてますね。

 

こういう課題もあります。

 

10キロの肉を、10人の老若男女に切り分ける課題です。

なるほど、ただ十等分すればいいというわけではないんですね。こういうのは真面目ないこるちゃんが苦手そうですね。

その通り。いこるは子供に無理やり1kgの肉を食わせようとします。

 

……とこんなふうに様々な課題と仲間と乗り越えていくアニメ作品「はん×はん♪ カットガールズ」。どうかアニメ化してください。本当に。

我々がアニメ化するとかそういう趣旨ではないんですけどね。

してくれよ。

いや、全体としてはとても良かったです!机上で切り分けるだけだと地味そうですが、ちゃんと絵的に派手な要素を取り入れるのがいいですね。

偏執的に詳細を詰めまくってるのも、若干怖さはありますが感心しました。

 

 

トップバッターから異常に練り上げた設定をプレゼンしたARuFa。ないはずのアニメが徐々に現実感をもって浮かび上がってくる妙な迫力がありました。

 

 

永田

次の挑戦者は永田。「マジで業界が放っておかないアイデアを持ってきた」と豪語していましたが、一体……?

 

永田と申します。先ほどはすみません。オタクの戯言をお聞かせしてしまって……。

そういう企画なのだが?

 

今日は僕が、現代日本で最も必要とされているアイディアを持ってきました。

おお…なんだか壮大ですが、そういったマーケティングも作品には重要な要素ですからね。

おっしゃる通りです。まずはこれを見てください。

 

はい。これですね。

 

 

 

分かりませんか?

すみません、分からないです。

強いていえば「試し書き」に見えます。

察し悪~~~

 

ある数字を加えました。70、50が膨らんでますね…?

 

 

 

やれやれ……これは…

 

日本の人口分布図ですよ!若年層が少なく、高齢層が多い!

こんなでしたっけ?

 

 

少子高齢化が著しい日本に住んでいながら、これが分からないなんて…。嘆かわしい…。

社会問題への意識をちゃんと怒られるとは思わなかったです。

一応、私たちクライアントなんですけどね。

今の日本の出生率1.42ですよ!?

 

さて本題に移りましょう。このような少子高齢化の現代日本で、大きな問題といえば「介護」です。

我々の世代に直接か関わってくる問題ですよね。

ただ、若年層だけではもう支えきれないんですよ。仕事をしながら身内だけで介護するのはかなりの困難でしょう。

そうなるともう頼るしかないんです。介護サービスに。もちろんそれが正しいことなんです。

 

 

でも、なぜか「老人ホーム」という言葉は、世間で少しだけネガティブなイメージがありませんか?

言われてみればたしかに…。

そうなんですよ!でも本来使用して当たり前のこと。いや、使用できることを喜ぶべきなんです! ただ残念なことに、みなさんの意識と実態にギャップが生まれているんです。

そして…このギャップこそ我々が解決すべき課題なんです!

 

なるほど…。

たしかに。いまのところ美少女が全然出てこないという問題点は置いておいても、言ってることは正しいですね。

そこでです!我々の手には「美少女」というカルチャーがあります! 国民の意識は文化で変えるんです!

つまり…僕が提案したいのは

 

「美少女×老人ホーム」です!!

 

 

こういうこと!!

 

 

おお…!

いいですね。キャラクターがハッキリ立った造形ですし。

これは「老人ホームで働く女の子」というわけでなく、いわゆる擬人化ですね。

 

 

 

こっちが「民営老人ホームちゃん」。

 

 

こっちが「公営老人ホーム(特別養護老人ホーム)ちゃん」ですね。

すみません、もうちょっと名前なんとかなりませんか?

正しい知識を身に付けて欲しいので一切変えることができません。

厳しっ。

 

 

名前だけでなくそれぞれの施設内容に沿った性格的な特性も持ち合わせています。つまり自然と若年層の介護知識の啓蒙になっていくというわけです。

 

 

もう…これ、ほっとかないですよ。介護業界が。待ち望んでいた存在ですから。

ドル箱スターになります。

 

みなさん…

 

 

今のうちにでっっけえ財布買っといてください。40リットルぐらい入るやつ。

そんな財布あります?

 

 

ちなみに彼女たちは具体的にどういったキャラクターなんでしょうか?

え?

世界観とか、どういうバックボーンを持ったキャラなのかと…

 

 

いや、全然わかんないです。

なんで?

 

 

もしかして二人が「手をつなぐ」ということは、それぞれの協力関係を表してるのでは?

 

え?なに?怖。

急激に察しが悪いな。

すみません。僕、老人ホームの擬人化じゃないんで、どんな人間かは分からないです。他人の気持ちは誰にも分からないと思います。

そういう話ではないのですが…。

とにかく僕の言いたいことは、これからのコンテンツは社会貢献を意識するべきということ。

そして……

 

社会貢献の功労者にはキッチリと報酬が支払われる、ということ!!

めちゃくちゃ嫌な詐欺師みたいになってきましたけど大丈夫ですか?

ただ社会の問題と絡めた作品自体は今後十分にあり得る話ですね。

 

 

 

最終的にインチキセミナーの様相を呈したのが気になりますが、時流を読んだコンセプト自体は悪くない印象を与えたようです。

 

山口

 

美少女コンテンツをこよなく愛する山口。普段から意味不明かつ妙に生々しいウソばかりつくことに定評がありますが、その資質が生かされるのでしょうか。

 

僕が提案するのは先ほどの二人と比べ、非常にシンプルです。

まず「美少女」というテーマですが、ストレートにやっても面白くありませんね。そこでです。

 

美少女だけど

 

美少女じゃない…。そんなものがひとつだけあったんですよ。

禅問答のようですが、なんでしょうか…?

 

「元・美少女」です。

元!?

つまり…

 

30年前に美少女だった…

 

 

元・美少女がカフェに集まって、思い出話に花を咲かせる日常系コンテンツです!!

 

 

 

…。

…。

 

…いや、「アリ」ですね。

切り口はかなり斬新ですし、もしこのコンセプトの作品が実際にあったら、絶対興味を持ちますね。

シンプルなアイデアかどうかと問われるとかなり疑問ではありますが。

飲み込みのいい方たちで助かります。

 

ただ、これだけだとちょっと弱い気がしませんか?

いや、もうこれだけで過積載な気はしますけどね。

僕は更にもうひとつ要素をプラスしようと思うんです。

 

そして、なるべく聞いたことがないような要素じゃないと他作品と差別化できませんよね。

たしかに共感性も大事ですけど、差別化も大切な視点ですね。

そこで僕はある要素を思いつきました。

 

それは…

 

 

バイオチャクラです。

 

 

……。

 

 

……。

 

 

 

何?

 

なんて…?「バイオチャクラ」……?

すみません、違ったら申し訳ないんですけど「バイオチャクラ」なんて言葉ないですよね?

はい。ないです。

ないんだ。

マジで完全にないですね。

まあ、ないものなんで説明が必要ですね。おばさんにバイオチャクラが加わった状態を見てもらったほうが理解しやすいかと思います。ご覧ください。

 

 

 

彼女のおでこにあるのがバイオチャクラです。

 

 

 

 

 

 

 

以上から、導き出されるこの作品のタイトルは…

 

これです!!!!!!!

 

 

 

 

 

 

つまり「元・美少女×バイオチャクラ」コンセプトです!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

あの、ちゃんと聞いてます?

すみません、夢かなと思ってボーっとしてしまいました。

一旦、説明してもらっていいですか?

おばさんたちがお喋りをするカフェは「新百合ヶ丘」にあります。

おばさんたちのカフェが小田急線沿いにあることはどうでもいいので「バイオチャクラ」について説明してもらえますか?

ああ、そっちですか。

 

チャクラってあるじゃないですか?「気」というか「オーラ」みたいな…

はい。

それを化学で人工的に作ったもの。それが「バイオチャクラ」です。

なるほど。今、全然分からなくてびっくりしてます。

 

で、そうなると当然疑問なのが「バイオチャクラってどうやって培養されてるのか?」という部分ですが…

もはやそこはあんまり疑問ではないんですけどね。

 

画面でみせても分からないと思うので現物を持ってきました。

 

 

ダンゴムシを苗床として培養してます。これが栄養になるんです。

 

 

そして培養したチャクラをおでこに押し付けると

 

ズルルルッと入って脳に固定されるっていう仕組みです。

ずっと何言ってんだ。

「差別化すればいいってもんじゃない」というのは学びになりました。

ただ…強烈に印象には残りますね。それ自体は素晴らしいことです。

4年間ぐらいは忘れなさそうです。

 

とにかく差別化を重視した山口。「元・美少女」と存在しない言葉「バイオチャクラ」と組み合わせることによって独自性を強化しました。

 

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